「お前はプレイヤーだな、NPCだったとしてもやる事は変わらない。
我が名はキュアイーリム=ロスマルヴァー、元■◆の竜王、
竜帝の汚物は私が倒す」
そう言えばそういう名前だったか。
にしても問答無用か。
いきなり、
最悪、天使のすべてが通過する前でも閉じる用意をしてそれを見ていた。
ザイトルクワエでも測定不能だったのだから予想できたことと言えばそれまでだが。
『世界歪曲障壁』
キュアーがスキルを使うと同時に
恐らく閉鎖されなかったのだろうが、わざわざワールドアイテムを装備している事を教える必要もない。
強い順にやってきたのでこちらに来ていないのは殆ど戦力にはならないだろうし。
「次元封鎖を行え」
私は天使にスキルによる次元封鎖の命令を下した。
アンネならば言わなくても行ったはずだ。
従って、転移系または時間系のスキルや魔法で効果範囲外から逃げると言う回避方法がある為、対モンスターなら兎も角、PVPで使用する場合は必須の処置だ。
前世の記憶の資料では、
超位魔法を含めてですら、最大ダメージの魔法と言えばそのすごさが分かると思う。
ステータスの低い人間種の場合、HPの高いLV100のタンクがHP満タンでもまともに食らうと死ぬ。と言うダメージだ。
持続ダメージなので、アイテムによる即時復活しようものなら、復活後までダメージを受けると言うおまけ付きなので、ある意味
無属性と言うより全属性なので、耐性防御の意味が無い。
ワールド職の魔法だけあり、防ぐ方法は私が知っている限り、ワールド・チャンピオンやワールド・ガーディアンと言ったワールド職のスキルや魔法しかない。(防御用のワールドアイテムがあるかもしれないが…いずれにしてもワールドだ)
普通は使ってしまうと、ほぼ魔力切れなのでそうそう使えないので使いどころが難しい魔法ではある。
容赦なく使うのは、複数のワールド・ディザスターを抱える魔法職傭兵ギルドか私のように魔力消費を抑えるまたは100%以上の魔力を保有できるアイテムを所持していないと無理だろう。
多分、魔力消費量を減少させるまたは魔力を100%以上にするのはワールドアイテムのみだろうけれども。
私は
本来のワールド・ディザスターなら
ワールド・ディザスターはスキル(もしくは呪い)によって常時強制的に
私の場合、アイテムによる発動で威力低下を起こしている為に追加する必要がある。
スタッフ・オブ・ミレニアムを装備している時は、自身が使える魔法なら同じく強制的に
まあ、強化してもMP消費は1だけど。
発動したとたん、効果範囲がとんでもないことになった。
大地は蒸発して、大気は白熱してプラズマ化、冗談のような光景である。
余りにも凄すぎてキュアイーリムの確認が取れないほどである。
こんな中で動けるのか…条件反射レベルで回避行動をとりながらキュアーの強さに驚いてしまった。
キュアイーリムもまともにこちら確認せずに移動したらしく、私が元居た場所に向かって効果範囲を脱出してきた。
ゾンビは流石になくなり、滑らかな白い鱗で覆われており、縦に瞳孔が割れた赤い目を持つ、頭の恰好や翼が有無を無視すれば東洋の龍のようなドラゴンがだった。
「攻撃せよ」
私は天使たちに命令を下した。
天使たちはいっせいに神聖攻撃を開始した。
私も
「八欲王と名乗る汚物が使った穢れた魔法を、今度は逃げん。
消えろ、『滅魂の吐息』」
口から黒いブレス…と言うよりビームが飛んできた。
私も天使たちも、条件反射レベルで各種の魔法の盾を形成したが、問答無用で消滅した。
効かないと分かっていても、万が一を考えてしまうものである。
流石に肝が冷えた。
実際、全天使が問答無用で消された。
にしても、中位天使以下の攻撃は効いていないとしても、数十発の上位魔法を食らってあのブレスを放つって、流石にかなりのHPが削れただろう。
天使が消えた以上スキルも切れただろう。
なので、キュアイーリムを逃がさない為にスクロールを出し、
確実に倒す。私はその思いを胸に戦いに挑んだ。
「劣等な生命体が何故効かない…
どれだけHPがあるのだ?
キュアイーリムの攻撃を回避しつつ数発の
キュアイーリムが攻撃をしてくる部位が輝いているのを見るところ何かしらの強化を行っている可能性が高かった。
ファウンダーが無ければ回避しながら攻撃を打ち込むのにも苦労したはずだ。
私から見てキュアイーリムの後ろの世界歪曲障壁の外に
助かったこれで少しは楽になる。
キュアイーリムは気が付いたのだろう、
あのブレスの脅威が理解できているらしい。よくやったと後で褒めなくては。
私はスクロールを取り出し
天使たちは世界歪曲障壁を超えると
「汚らわしい下賤の者がうっとおしい、『滅魂の吐息』」
黒いブレスで追加の天使たちが一瞬にして消滅した。
多分、今回の
天使たちを囮に後退しながら
流石にHP残量を確認できるくらいまで減っていたそれでもかなりのHPだ。
一撃で削れないなら複数使えばよい。一気に削り切る為に
余りにもえげつない。
キュアイーリムも同じなのだろう、「なぜまた使える、他にも汚物がいたのか?」と悲鳴のような声が聞こえた。
目ではキュアイーリムを確認できなくなるので
一瞬、ユグドラシル時代のようにドロップアイテムが残る訳ではない事を思い出し、死体が残らないのじゃあ?とか考えていたら、効果範囲からキュアーが飛び出してきた。
まだ生きているのか?と思ったのだが、自分が居た位置よりかなり低い位置で出てきており、見た目も酷い状態だった。
最後まで諦めずに私に向かってきた途中で力尽き、そのままの勢いで飛び出してきたようだ。
実際、
「承りました、直ちに送ります。」
「色々思う所はあるが最後まで勇敢だった。丁重に扱って欲しい。」
「承知いたしました」
とんでもない強さだった。
ギルドメンバー達と一緒に戦ったから単純比較はできないけれども前に戦ったワールドエネミーよりも強くないか?と感じたほどだ。
問答無用で消滅させるロンギヌスの効果を持つブレスなんて反則と言って良いから余計にそう感じたのだけれども。
モモンガさんは拠点のバックアップ無しでキュアイーリムを倒したのだよな、信じられない。
後、八欲王が使った魔法とか言っていたな。
キュアイーリムが言っていた八欲王が使った魔法ってあの時は位階魔法の事かと思ったが、最後のセリフから言って
とすると八欲王はやはり魔法職傭兵ギルドか。
ギルド武器は剣だったか?
あれだけが不思議だったが、タンク役に持たせる為なのか?魔法職でも持てる剣なのか?
クリエイトツールで外観を変えれるから、剣の見た目の杖も作れない事は無いのだよね?
そんなことはどうでも良いか。
水が蒸発して上空で冷やされて雨や雪となって降ってくるように、蒸発した大地が冷やされて砂になったと言う事でよいのだろうか?
一気に砂になる理屈が分からないが魔法だからな、単純な物理理論道理ではないのだろう。
こうしてみると、原作の空中都市の周りの砂漠は
竜王が連携していたら八欲王に勝てたそうだが、竜王から波状攻撃をされたら連射ができない以上、八欲王が勝てなかったのは理解できるよ。
MPが回復する時間を空けていたら戦力の逐次投入になるからそりゃ竜王が負けたよね。
あそこまで耐えたキュアイーリムが例外か…そう言えば吸血の竜王とやらがまだ居たのだっけ。
勝てるとは思うけれども戦いたくはないな。
砂が落ち切り戦場後を見たらキュアイーリムがいた山が砂山と言うか砂の丘になっていた。
キュアイーリムのブレスが放たれた方向はきれいに消えていて、山が台地に変わってしまっていた。
あのブレス、エルグリラに当たっていないよな?当たっていたら第一階層が消滅しているよな。
当たっていたら金貨で復旧できそうもないしどうなるのだろう?
余りの地形変化に驚愕していると
「シルト様よくぞ御無事で。」
私の元にアンネが飛んでやってきた。
「転移してこなかったのか?」
思わず口に出すと
「まだ、
「そうか、ありがとう。
やっぱりアンネが居てくれると安心できるよ。
天使召喚も本当に助かった。
ありがとう。」
自分は防御力やHPに難があるからね、盾役がいないとかなり不安になる。
他の竜王やワールドアイテム所有者と戦う事態を考えるとアンネに持たせるワールドアイテムが欲しいと切実に思う。
「私はシルト様をお守りする盾であります。
事情があるとはいえ、今回はそのお役目が果たせず、シルト様に感謝して頂けるような事は有りません。
なにとぞ、次の機会がありましたら、例えこの身が消滅するとしても共に戦わさせて下さるようにお願いいたします。」
あの戦いを見ても言うとは…
「そのためにはアンネ用のワールドアイテムを探さなくてはいけないね。」
「私のような者の為にそのような事をなされずとも」
「私がしたいからだ何か問題でも?それに最優先はアンネだけれども、他にも持たせたいものはいるし。例えばハサンとか」
「そうですかわかりました。」
若干、アンネが気落ちしたように見えるのだが気のせいか?
女心は難しい。
ラスターが回収するのか?あの大きさでもアイテムボックスに入るのだろうか、と疑問に思うとキュアイーリムの死体が無くなっていた。
落ちてきた砂に埋もれたようだ。
だからラスターなのか。
ラスターは第二階層の鉱山領域守護者で、採掘跡を元に戻すために地形操作用の魔法やスキルを重点的に覚えているからだ。
キュアイーリムの上に乗った砂を除去するために来たのだろう。
私は下に降りラスターに近づいた
「シルト様、お疲れ様でございます。
こうして目にして、改めてシルト様の強さを実感したところでございます。
シルト様の勝利の証をエルグリラに運ばせていただきます。」
「ラスターこそお疲れ様。ところでファウンダーはいるか?」
鉱山を持続的に回復して、採掘品を持続的にエクスチェンジボックスに入れることによってユグドラシル金貨を入手する、と言う目的のためにラスターはファウンダーを装備できる職業、魔法にしている。
結果、LV100なのに戦闘用の魔法やスキルが殆どないので戦うのには全く向いていない。
因みに彼にはエルフの嫁が用意されていているのだが、そちらも植物育成用特化のLV59なのでこちらも戦うのには向いていないが、せっかく夫婦設定にしたのだから子供に期待したい…子供もドルイド系職に成長するのか?
「お気遣いありがとうございます。
ですが魔力は足りるはずです。
ここで誰かに襲われて奪い取られる可能性も有りますので、使うにしてもエルグリラの内部のみにさせて頂ければと。」
そうだよな。
「私はエルグリラに帰還する。後はよろしくお願いする。」
こうして、転移後の世界での初めての戦闘は終了した。
第一章はここまでです。
閑話を二話挟みます。