~~~スレイン法国SIDE~~~
最高執行機関会議はアインズ・ウール・ゴウン魔導国がスレイン法国に戦争を仕掛けてくる可能性の情報が入り混乱を極めていた。
「では、シャンドラド千年王国の援軍は望めないと言うのだな。」
「そう返答が来ました。
アインズ・ウール・ゴウン魔導国とシャンドラド千年王国がまともに戦ったら、その余波だけでスレイン法国が亡びるので意味がないとの事です。」
「余波だけで我が国が亡びるとは大言壮語を言いおって…と言いたいところだが、本当なのだろうな。」
「恐らく両者ともにプレイヤーでしょうから。」
「それで、シャンドラド千年王国からはアインズ・ウール・ゴウン魔導国に頭を下げてケイ・セケ・コゥクと三人目の神人を引き渡したうえ、彼女を丁重に育ててきたと恩を売っての属国になればいい、と言ってきたのか?」
「そうです。
カイレが洗脳した未知のヴァンパイアがアインズ・ウール・ゴウン魔導王の配下だったらしく、それで激怒しているとか。
三人目の神人は、母親がアインズ・ウール・ゴウン魔導王の昔の仲間の娘らしく、彼女を大切に育ててきたのなら和解の余地がある、との事でした。」
「向こうから襲ってきて、こちらも巨盾万壁と神領縛鎖が殺されて、カイレも重傷でその後死んだのだぞ。
なんて一方的な。」
「アンデッドに頭を下げろだと。」
「そんな事をできる訳がないだろう。」
「では勝てる見込みは有るのか?
陽光聖典を壊滅させたのはアインズ・ウール・ゴウン魔導王一人だと、しかも赤子の手をひねるように倒したと情報があったぞ。」
「国自体も伝説のアンデッドが兵隊やロバの扱いで、迷宮の主が行政官をしている信じられない相手だがな。」
「シャンドラド千年王国の者達も、デスナイトやソウルイーター、エルダーリッチを雑魚だと思っているようでしたが。」
「北にも南にもとんでもない連中が現れたものだ。」
「シャンドラド千年王国でも伝説のアンデッドを当たり前のように運用しているどころか、天使やゴーレムもどれだけの数が使役しているのか分からないとの報告だったな。」
「天使とアンデッドとゴーレムが一緒に警備している街だぞ、意味が分からん。
その天使も
「我が国に気を使っているようで、竜王国民が移民してきた我が国近郊の町や村ではアンデッドの運用を控えているだけ理性は有ると言うべきか。」
「エルフの国の範囲はエイヴァーシャー大森林と言ったら文字通り一瞬にして制圧したぞ。
どれ位の戦力があるのだ?」
「シャンドラド千年王国駐在大使も把握しようとしているようですが、想像ができない程らしいです。
自警団が英雄領域の者ぞろいらしく。」
「英雄領域に達する者だけで数千人もいるのだったな。
エルグリラの一般市民が他の国の精鋭兵並みの強さがある上、誰一人として引き抜きできそうにないとか大使館の連中が欺瞞情報に引っかかっているのか疑うレベルだぞ。」
「そのシャンドラド千年王国ですが、アインズ・ウール・ゴウン魔導国が宣戦布告してきたらこちらもスレイン法国に宣戦布告していいのか聞いてきましたが?」
「戦争を仕掛ける国に許可を求めるとはいったい?」
「難民受け入れを打診した回答でして、受け入れてくれれば自分達が占領した範囲は助かる筈だし、占領地域に逃げてくればいいとの回答でした。」
「インチキ戦争をしろと言う事か。
しかし国民が言う事を聞くのか?」
「人類優性思想で問題をおこしそうだな。」
「そのような者は竜王国で頭を冷やして貰うと言う荒っぽい方法で教育すると言ってきましたが。
実際に一年くらいビーストマンと戦えばそんな思想は無くなるのではないかとの事です。」
「荒療治もいい所だな。
とは言え、その間に生じる犠牲を無視すれば効果はありそうではあるな。
「後、アインズ・ウール・ゴウン魔導王が闇の神、スルシャーナ様の生まれ変わりを主張してくる可能性も言及してきました。」
「それをされた場合の対策は有るのか?」
「国民に本当のことを言うのか?
実は闇の神のスルシャーナ様はアンデッドで、その従者は存命で反応を示さない以上、アインズ・ウール・ゴウンは間違いなくスルシャーナ様ではない、とな。」
「アンデッドを敵視してきた国民が受け入れるのか?」
「だが、国民の一部が本気にしたら、アインズ・ウール・ゴウン魔導国を呼び込むのではないか?その場合、少なくとも闇の神の信者は生き残るのではないか?と言ってきましたが。
他にも、そもそも、国民がアインズ・ウール・ゴウン魔導国に対して暴発しないかの心配もしていましたが。
特にこちらの場合はシャンドラド千年王国にも暴発する可能性を指摘しています。」
「内憂外患だな。
それで、シャンドラド千年王国はインチキ戦争をする為に、自分達にはまともな戦力を送り込むな、とは言ってきてはいないのだったな?」
「むしろ逆ですね。
六色聖典の全てを自分達に送り込んで欲しい…最も再建中の部隊も多いでしょうが、とか。
彼らを全員を捕縛すれば、南方軍自体が降伏する理由になるだろうとか言ってきましたが。」
「倒すのではなく捕縛、彼らは確かデケムも捕縛していたな。
漆黒聖典も番外席次の存在も理解した上で言ってきているのか?」
「アンティリーネは自分よりも強い男の子種を望んでいるようですが、一体誰の子供を望むことになるのでしょうか?
と聞いてきましたからね。
かなりの確率で分かっていると考えますが。」
「シルト陛下の子種を望むのは図々しいと言う意味か、それとも番外席次よりも強い存在が複数いると言う意味か。」
「どちらとしても、アインズ・ウール・ゴウン魔導王やその側近の10名ほどはシルト陛下や近衛と同格の強さがある。と情報提供があったな。
一回、模擬戦をお願いできないか聞けるのか?
それで、強さを確認できる。
キュアイーリムとの戦場跡を作ったような魔法や先ほどの戦争でアインズ・ウール・ゴウン魔導王が使用した魔法のような大規模な魔法を除外してだか。」
「一回問い合わせてみる事にしよう。
絶死絶命が勝てないようなら要するに勝てないと言う事だな。
その場合時間稼ぎが良い所になるのか?」
「我々の祖先が隠れ住んでいた場所だけでは、ごく少数の国民しか逃げられないのだろう?
避難場所の選択肢は増やしておかなければいけないからな。」
「シャンドラド千年王国と戦争をすれば国民の半数は助かる可能性があると言う事か…国は消滅するが。」
「竜女王ドラウディロン・オーリウクルスは結局、その選択をした訳だが、それに倣うしかないのか?」
…
会議は続いていった。