あれからも色々と聞いて情報収集に努めたよ。
行った甲斐は有った、と言うべきなのだろう。
八欲王の守護者もギルド武器を渡すはずだよ。
評議国の全てでは無いけれども、亜人種の相当数の祖先が八欲王のNPC、つまりはエリュエンティウの住民だったそうだ。
人間種を襲わないのは当然だし、多種族が一緒に暮らせるのも道理だし、八欲王が間引きしていない訳だ。
冒険者組合もあるし、アダマンタイト級が生まれてくる筈だよ。
八欲王同士の争いで、何故、非人間種、つまりは亜人、異形種側が勝ったのかも理解できた。
4対4だったらしいのだけれども、非人間種側にツアーが付いたらしい。
パワーバランスが崩れた訳だ。
結局、エリュエンティウの守護者が十三英雄を支援したのだって、現評議国エリア、つまりはエリュエンティウの住民の子孫の居住地で魔神が猛威を振るっていたから、と言う実に分かり易い理由だった。
六大神の傭兵モンスターは、元々人間種守護を命じられていたのだけれども、ギルド武器の破壊によって統制が取れなくなって大暴れしたのだが、元々の基本命令には極力忠実に動いたらしい。
つまりは亜人領域の方が被害が大きかった、と言う訳だ。
ドワーフの国のように余波を食らった者達もいたけれども。
あけみちゃんさんはかなり強いからザイトルクワエを倒せたのではないか?と思ったのだが、当時は妊娠中だった事と、実際はかなり強さを隠していたらしい。
などなど。
なんでこんな話をしているのかと言うと…モモンガさんが倒したザイトルクワエは種から生まれた別個体らしい…封印は解けていないのだと。
そうだよな…あの強さで真なる竜王が倒せていない筈がないよな…
そもそも、LV100の守護者なら誰でも一人で倒せるレイドボスって何?だよ。
一応、ナザリックに許可を貰って現地に赴くと…世界断絶障壁のような結界の向こうにでかい木が有った…何本も。
「ワールドエネミーでは無いな。
ユグドラシルで倒したことが有るよ。
ザイトルクワエって名前は同じなのはどうにかならないのかな。」
ややこしいのでザイトルクワエ(真)としておこう。
これは私の予想だけれども、ワールドエネミーを世界断絶障壁もどきでは封印できまい。
「確かに戦いましたね、強かった記憶は無いのですが?」
と言っても、炎が弱点なのは変わらないので燃やしてしまえば良いのだけれども。
「前回と同じく、大量の
しかし、てっきりワールドエネミーだと思ったよ。」
転移するのはワールド持ちだけではないのかね?
取り合えず封印を解除しようと結界を殴ったら…攻撃力不足らしい…ファウンダーを装備しているじゃん( ノД`)シクシク…
「主殿、何をしているので?」
クスタフに聞かれてしまった。
「殴って封印を解除できないのかなと思って。」
何故か近衛の全員に白い目で見られた気がした。
良いのだよ、私は絶対的な支配者ではないのだから。
「世界の守りをもつ者が無条件で解呪できないかの確認だよ。」
そういう事にしておこう。
実際に触れてどんな封印なのかの確認をしようとしたのだけれども、始原の魔法と位階魔法は系統が違うのでわからなかった。
「エレア、お願い。」
「
「多分、ワールドアイテムを持っていれば解除できるのだろうね。」
そう言いながら私は槍を取り出した。
名前を付けた方が良いのだろうか?
キュアイーリムの巣にあったと思われる耐性を無効化する槍だ。
「ツアーの話ではこれで破壊できるはずだ。」
まあ
クスタフに槍を渡すと、槍で結界を突いた。
結界がそこから無くなっていったので、すかさず
「やはり強くは有りませんでしたね。」
私が魔法を使用している間、私達を守っていたアンネが言った。
「主殿、出番が無いのじゃが。」
「クスタフは槍で結界を壊しましたよね。
私はどうしたらいいのですか?」
「オックス、私の代わりに通常の魔法で封印解除が出来ない事の確認役を代わりますか?」
そりゃ10秒もかかっていないからね。
普通、一人で
集団化朱の新星だけでMP100を消費したはずだけれども、やっぱり魔力を消費した感覚が無いな。
魔法陣も出て来ないし…本当にチートだよ。
「分体も含めて全滅させたと思うけれども、確認して貰えるかな?
分体ならだれでも倒せると思うけれども。」
「「わかりました。」」
「種はどうしましょう?」
「また出てきても困るから、完全回収してもらえるか?」
一応、封印の外まで確認したけれども特に問題は無かった…種はいっぱいあったので何かの材料になるかもしれないけれども…この世界のエルフやドワーフなら何か知っているかも知らないな。
「もう、めぼしいものは無いよね。」
「ありませんでした。」
「五行相克はおそらく八欲王が回収しているようだな。」
五行相克は持ち主が居ない場合は、高レベルのレイドボスを魔法のみで倒した場合に出る筈なのだ。
種が残っていた場合、元が元なので、低レベルの魔法では燃えない可能性が有ったので、
「ところで周回するのでしょうか?」
「アンネ、ここはユグドラシルではないからリポップしないのだよ。」
イベント期間なら手順を踏んだら再度出てきて、何回でも戦えるたからね。
「そう言えばそうでした。」
望みのアイテムが出るまで周回していたよな…そんなに経っていないのに遠い過去のような気がしてしまった。
ザイトルクワエ(真)から出た筈の薬草やらデータークリスタル、ユグドラシル金貨など手に入る筈も無いので、ザイトルクワエの種を最大の収穫物として私達は戻った。
さて、
メッセージを送る相手も、一応は位階魔法のシステムの影響下に無いと使えない事を初めて知った。
なので、オムナーこと、オムナードセンス=イクルブルスにメッセージを送った。
「オムナーさん、封印されていた魔樹本体の駆除を終えましたよ。
まああっさりと倒しましたが。」
『本当なのか?
ツアー様と同じ真なる竜王でも倒せなかったと聞いているぞ。』
まあ、正直チートだからね。
分体が群生していたせいで、倒しきるのにかなりの魔法を使ったからな…うわさに聞くツアーの大爆発ならまとめて倒せたのではないのか?と言う疑問は残るけれども。
「ツアーなら余裕だったのではないですか?
個人的な感想ですが、あの封印を作る方が余程難しいと思いましたが?」
『次から次へと分体を作って周辺の生命力を吸い取るから苦戦したと聞いていましたが。』
「真なる竜王の生命力でもですか?」
『そうです。』
植物以外でも生命力を吸ったのか…知らなかった。
アンデッドに生命力は無いからな、アンデッドが天敵だったことになるのか?
「そうなのですね、とは言え倒しましたから。」
そう答えて伝言を切って資料室で確認した…確認してから行けよ、と自分でも思う。
封印結界越しに見たら周回で倒した相手だったので気にもしていなかった、と言うのが正しいのだけれども。
確かに盾役のHPが山ほどある分体を召喚してくるのでうっとおしい事、触手で絡まれるとHPを吸われて回復する事が書かれていたよ…集団でブレスを放てば良かったのに、と思わないでもないが生命力を使うブレスで連携もとれていなかった事を思い出して細かい事をこの時は考える事を止めた。
因みに、モモンガさんが知らなかった理由ははっきりしていて、ザイトルクワエのドロップは通常ドロップは(ユグドラシルでは珍しくもない)薬草、レアドロップは拠点の内装に使える変種トレントの木材、超レアドロップが基本エルフ(他の人間種でも可だけれども亜人種、異形種には使えない)の特殊職業権限用アイテムだからね…エルフのメンバーが居ない、ギルド、アインズ・ウール・ゴウンでは意味がないレイドボスだったからだよ。
さて、調べ終わってから玉座の間に戻るとアランが
「シルト様が倒されたザイトルクワエの場所にまだ隠蔽があります。」
と報告された。
「ザイトルクワエを封印した物では無かったのか?」
「そこまでは分かりませんし、隠蔽強度は感触的に軽度ですが解除できません。」
一瞬、言っている意味が解らなかった。
「軽度の隠蔽なのに解けないとかって事が有るのか?」
「どうも隠蔽自体はメジャー・イメージのようですので。
ですが、突破できません。」
「位階上昇させているのか?」
「その気配もないのに
私としては、隠蔽強度自体を隠蔽してごまかしているのではないのかと推測いたします。」
嫌な予感しかしない…アランが解けないと言う事は。
「何かしらの世界の守りが効いている訳か?
確認してみるとしよう。」
私は適当なワールドアイテムを渡すと再度確認をさせた。
何となく身に覚えがある迷宮の入り口があり、その奥まで精霊を送り込んで遠視させた。
多分、今は封印されているのだろう、見覚えのある巨大な黒い翼をもつ狐が居た…マモンじゃん。
なんでこいつが居るんだ?
ユグドラシルで倒したはずだ。
思わず聞いてしまった。
「錬成賢者の釜は無くなっていないよな?」
「無くなってはおりません。」
「じゃあ、これはマモンではないのか?」
寧ろいた事で、単なるレイドボスに過ぎないザイトルクワエが転移してきた理由が想像できてしまった。
ギルドメンバーかパーティーメンバー扱いで転移してきたのだろうと。
「シルト様、大きさが完全には分からないので絶対ではないですが私にもマモンに見えます。」
こういう場合は普段は黒子に徹して声を出してこないアンネもそう答えてきた。
最終日のあの時間に存在していた者だけでは無いのか?
単なるレイドボスとは違って、ワールドエネミーはリポップしなかった筈だ。
可笑しいだろう。
私は緊急でメッセージを送った。
何せ場所はナザリック勢力圏だ。
「モモンガさん、緊急事態です。」
『シルトさんどうしましたか。』
「マモンらしき者を発見しました。」
『マモンですか…マモン??…は~~~!
って本当なのですか?
「遠視で見ているので確実ではありませんが、場所がトブの大森林なので確認に行って良いですか。」
『なんでそんな所を見ているのですか?』
「昨日行った場所の近くですよ。
ザイトルクワエを倒した場所の近くです。
分体が残っていないか再確認していたのですよ。」
本当は違うがそういう事にしておこう。
『理由は理解しました。
じゃあ、竜王が封印したのって?』
「こちらが本命の可能性がありますね。
一応確認しますが、