もう一つのギルド   作:mshr

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第10章6話 お茶会

『シルトさん、本当に何もドロップしなかったのですか?』

 

「ワールドエネミー初見撃破報酬なら出ましたよ。」

 

モモンガさんの質問に私はあっさりと答えた。

 

『昨日は出なかったと言っていませんでしたか?』

 

「マモンのワールドアイテムは出なかった、と言いましたよね。」

 

『なんでそんなことが分かるのですか?』

 

「前回マモンを倒した時にワールドアイテムを二つ入手したからですよ。」

 

モモンガさんもまさかこのように答えてくるとは思っていなかったのだろう、少し間が開いてしまった。

 

『今回の物が初見撃破報酬だと判断した理由は何ですか?』

 

「もう一つがいかにも強欲、と思うようなワールドアイテムだったからですよ。」

 

消費アイテムを素材無しで手に入るって如何にも強欲だと思う。

 

強欲と無欲は無欲が有るからね。

 

『それだけが理由ですか?』

 

「もう一つが二十だったからですよ。

32体のワールドエネミーの撃破で二十が出るとは思えないので。

九曜の世界喰いなら可能性がありますが。」

 

『確かにそうですね…って二十だったのですか?』

 

「そうですよ、消費型なので再入手可能な条件と言うのもありますね。」

 

『再入手が可能でも、条件が恐ろしいほど厳しいですね。』

 

「先ずはワールドエネミーを見つけるところから始めなくてはいけませんからね。」

 

当たり前なのだが、そこいらに居るようなものでは無い。

 

「話は変わりますが…」

 

 

 

暫くして、魔導国から評議国、正確には議長であるツアーに詰問状が飛んだ。

 

同じ内容の物が私達の元にもやってきた。

 

自分たちの正当性を示すことで私達の横やりを防ごうと言う意図は誰でもわかる。

 

その質問状を見ながら私はもう殆どあきらめてしまった。

 

「何ともならないな。」

 

実際にはツアーの拠点は評議国だけではないし、ツアーの仲間の真なる竜王だけでも後4体はいる。

 

どうも、我々を転移させた存在、つまりはツアー達とは別の真なる竜王のグループや、中立と言うか我関せずなグループもいること自体は把握している。

 

前者が竜帝や慈母(マザー)で後者は七彩の竜王や聖天の竜王である。

 

我々のような存在を転移させた理由は不明だけれども、もうすでに止めようがないらしく、また竜王同士の争いはしないようでキュアイーリムのように相手から挑まれて返り討ちにしたケースは兎に角、こちらから仕掛けた場合はその全てを敵に回す可能性がある、と言う事実も知った。

 

付け加えるなら評議国の住民たちを虐殺しようものならエリュエンティウの守護者もツアーの許可を取ってナザリックの敵に回りそうだ。

 

確かこの世界の者達が本気になったら、ナザリックの頭を押さえられて外に出られなくなる、だったか。

 

間違いなく確実だろう。

 

ワールドエネミーの存在も加味した場合、今のナザリックではどう考えても戦力不足だからだ。

 

下手をすると六大神の時のように我々にも攻撃の余波が来そうなのでやめて欲しいのだけれども。

 

これらの新しく入った情報を基にしたアレクの今後の予想を見て、ある意味ほっとして一方でため息をつきたくなった。

 

「アレク、我々が手を下すまでも無い、と言う事か。」

 

「そうなります。

ナザリックでは我々のようにツアーに有益性を示せないでしょうから、かなり厳しい要求をしてくるものと考えます。」

 

現状、私達以外の勢力がワールドエネミーを片付けるのは不可能に近いからな。

 

「そのツアーが他の竜王を押さえてエルグリラに対する攻撃が行われない事を確証させない限りワールドエネミーを倒して回る事は不可能だぞ。」

 

「その点は、ツアーも理解しているでしょう。

問題は、竜帝や慈母(マザー)がなぜワールドの存在をこの世界に呼び込んだかです。」

 

「以降の転移を止める算段は有るのだけれどもね。」

 

「でも絶対ではないですよね。」

 

「始原の魔法または真なる竜王のスキルなのだろう?

であれば、永劫の蛇の指輪(ウロボロス)、五行相克、陰陽太極あたりでスキルか魔法をいじれば可能なはずだ。

魔法の場合は尋常ではない魔法消費量を要求されてもどうにかなるし。」

 

「我々がその魔法やスキルを覚えることはできないのでは?」

 

「二回使えば行える筈だ。

これは予想だけれども、五行相克はエリュエンティウに永劫の蛇の指輪(ウロボロス)はナザリックにある。

スキルの場合、とんでもない量の経験値要求になる可能性が高いから、エリュエンティウと交渉で陰陽太極と五行相克を交換してもらう必要があるな。」

 

魔法を作っても、超位魔法扱いで、星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)の上位互換でこれまた尋常じゃない量の経験値消費の可能性自体は否定できないのだよな。

 

その場合はどうするのかを棚上げする事にした。

 

ワールドアイテムの所在自体は、無銘なる物品書(ネームレス・アイテムブック)があるので、その気になればすぐに解るのだけれども、どちらも状況証拠から見るまでも無く、ほぼ確実なのだ。

 

モモンガさんの右手薬指の空から指輪系のワールドアイテムを持っている可能性の高さと、ワールドアイテムによるものであるシャルティアの洗脳を解ける、の二つに合致するものが永劫の蛇の指輪(ウロボロス)以外に考えられない為だ。

 

こちらはほぼ確実でももう一つが分からない。

 

二十のもう一つが世界意志(ワールドセイヴァー)の場合だ。

 

この場合、我々以外にも、ナザリック陣営だけで竜王やワールドエネミーを倒すことが可能になる為で前提条件が変わる為だ。

 

…防御力の問題が有るので、可能なだけで多分できないが。

 

たっち・みーさんが装備していたら…考えたく無い装備だよな。

 

世界意志(ワールドセイヴァー)はワールドチャンピオンかアンネのように防御力を尋常じゃないくらい高くした代償で攻撃力が壊滅している盾役(タンク)に持たせるのが最適解な武器だと私は思う。

 

理論上はワールドエネミーでも一撃で撃破できるようになるらしいから、防御力は無くても良いのかもしれん…紙装甲高機動高火力でも良いのか?

 

実物を所有したことが無いので断定的な事は言えないのが何とも。

 

まあ、世界意志(ワールドセイヴァー)は可能性的には低いとは思う。

 

表に出してこない事を考えるともう一つの二十も消費型だろうし。

 

「既に使用されていて効果がある物や、過去の物までに関与しないのは五行相克の例から言って確実だろう。

二回は、ユグドラシルからの転移を防ぐ魔法やスキルか現在行使されているユグドラシルから呼び込む竜の魔法かスキルを無効化する魔法かスキルを用意するで一回、既にレベルが固定化されている我々でも覚えられるようにする、で二回だな。」

 

「確かにその通りとは思いますが、転移の周期から考えて、この世界のものでは無い脅威は先にとり除くのが先決ですよね。

また、転移を阻止出来ない可能性もかなり高いですよね。」

 

「そうだよな。」

 

竜王から見た場合はその脅威に自分自身も入っているよな、と思ってしまった。

 

ツアーがワールドの存在をこの世界から消すべきである。と言う結論になる理由も分からないでもない。

 

このように複雑な心境の中、ツアーからの返事が返ってきた…まあ、ナザリックからそのコピーを貰った、と言うのが正しい。

 

内容的には、要約するなら、アケミちゃんさんが世界の脅威となった事、アケミちゃんさんをリクが殺すように仕向けた事、アケミちゃんさんが蘇生出来ないようにしたこと、その事を知ったリクが後を追った事が書かれていた。

 

何処まで本当かは分からないけれども、アケミちゃんさんの殺害に関与した事だけは認めてきた。

 

その上で、法国での暴挙を責めて、ワールドアイテムとギルド武器を渡すように要求してきていた。

 

ツアーからの返事を見た後、私はナザリックに書面で連絡をした。

 

内容は、私はどちらにもつかないし、配下にもつかせないけれども、エリュエンティウの守護者がツアーとの盟約を結んでいるから、そちらからの攻撃があるかもしれないが我々と誤認しないようにとのお願いである。

 

正直、ツアーに付く事も出来ないな、と思ってしまったよ。

 

この要求を見て、アインズ・ウール・ゴウン魔導国はアーグランド評議国に宣戦布告をした。

 

魔導国と評議国の戦争には関与しないことを決めているので、余波で攻撃してくる勢力が無い事のみを望んでいたのだけれども。

 

違う意味でシャンドラド千年王国に問題が発生した…ラナーが妊娠したのだ。

 

毎晩お楽しみだからね…

 

「と言う訳で、シルト様には妻を娶って頂きたいのですが。」

 

ラナーの妊娠は、恐らくラナー本人よりも早くに知ったアランが私に言ってきたのだ。

 

「ラナーは名目上は妾で、その子供には何の権利もないのだけれども。」

 

「それは建前上です。

シルト様の御子でない事は生粋のエルグリラの者であればわかりますが、他の者達は分からないのです。

しかも、一応はリ・エスティーゼ王国第三王女で身分が低い者でもありませんからそこまで無碍にも出来ないのです。

何かあった際にも正式なシルト様の御子をお願いしたいのです。」

 

「正室はどうするのだ?」

 

「シルト様にご希望はおありでしょうか?」

 

「本当は政略結婚希望だけれども…適当な相手もいないよね。」

 

そうなのだ、政治的には側室ならいざ知らず、正室にするとなるとマジでいない。

 

政治的にはナザリック守護者統括アルベドさんが一番良いのだけれども…当たり前だが嫁にできる筈がない。

 

モモンガさんとアルベドさんの娘を貰うか、と現実逃避する物でもない。

 

「この際、正妻についてシルト様の個人的な希望は有るのですか?」

 

「嫁を複数貰うのが大前提ならばだけれども、アンネかな。」

 

こう言ったら、後ろが騒々しくなったが半分無視して続けた。

 

「一応確認いたしますが、どうしてでしょうか?」

 

アランが聞いてきた。

 

ここで気の利くセリフの一つも言えれば良いのだけれどもね。

 

「私と結婚したい、または結婚させたい者を全てを嫁にする前提で考えた時に、彼女達を押さえておくのが一番できそうなのがアンネだからだよ。

と言うよりも、他の者では角が立つ。」

 

露骨な政略結婚で、愛情もへちまもないならとにかく、そうでないならアンネ以外では嫁の間でいざこざが起きそうなのだ。

 

圧倒的に古くから、圧倒的に長い時間一緒に居て、圧倒的に強いので、彼女を差し置いて私こそが、としゃしゃり出ようものならアンネ本人は何もしなくても周りが何かしらの行動をしそうなのだ。

 

彼女は私に完全なイエスウーマンだから、政治的には全く当てにならないのが引っかかるのだけれども、信仰する神が私でカルマ値500なのだからこればかりは仕方がない。

 

非常に残念な事に、アンネを正妻と言ったのはエルグリラ内での完全な政治力学上の話である。

 

「シルト様は微妙に気が乗らないように見えますが?」

 

「実際、子供をつくる、となったら、アンネとは当分お預けだからね。

後から生まれた正妻の子供って、のちに揉めるのでは無いのかな。」

 

他にも天使だからさぞかし融通が利かない後継ぎになるのだろう…国王などにしたら堕天するのではないか?

 

実際に子作りは現地勢優先になるだろう。

 

アンティリーネですら戦力的には誤差の範囲なのに、アンネも皐月もステラも妊活が出来ない状況に頭を抱えたくなってくる。

 

ステラは内政に絞らせて、皐月もハサンに代行させれば何とかなるのか?

 

でも実際に相当効率が低下するのだよな。

 

この件は設定文に書かれた通りの才能を持っている事の凄さを思い知っている。

 

そんなこんなで何故かお茶会になった。

 

何故お茶会をすることになったのか私にも分からない。

 

ラナー、ケラルト連合によってこのお茶会は開催されたのだ。

 

無駄に才能が有る女性陣による包囲網が敷かれている気がした。

 

何故、蒼の薔薇やレイナースまで居るのか全然分からない。

 

アルシェやセリーシアが居るのですら分からないのだから。

 

頼むから、単なる陳情会で有ってくれ。

 

私以外にはたった一人だけ男性であるクライム君が謝ってきた事で陳情内容がアランとほぼ同じである事が確定してしまった。

 

「シルト陛下、ラナー様との間に子供が出来たようです、申し訳ありません。」

 

「何故謝っているのかな?」

 

予想は出来ているけれども聞かない訳にはいけない。

 

「名目上はラナー様はシルト陛下の妾なので私の子供ではなくシルト陛下の子供になる、そう伺いましたので。」

 

「下げ渡した事にしよう。

過去に渡って記録を改ざんする。

これで正式にクライム君の子供になるのだろう、後で隠し子を預かったとかならないように念入りにだ。」

 

まあ、ほぼ事実なのだけれども、きっちりやっておかないと何世代か経ってとんでもない事になりかねない。

 

「良かったじゃないか童貞、ってもう童貞ではないのか。

パパさんになるんだ、しっかりしろよ。」

 

ガガーランの中ではラナーの懐妊発表会なのだろうな。

 

「ありがとうございます。」

 

「と言っても、孕んだラナーをクライムに押し付けた、と言う噂が出るのは覚悟しておくのだな。」

 

なんだかんだで仲がいいよな。

 

ふと思った、絶対に子供が出来ないし、エナ多種同盟国に強く出れるしちょうど良い政略結婚相手が居たじゃないかと。

 

正式な後継ぎはどう考えても守護者の子供から出すべきなので、その辺りの調整は要るけれども。

 

「そう言えばイビルアイさん、前に言っていたお話は考えてくれましたか?」

 

「イビルアイに何を話したのじゃ?」

 

ドラウディロン、気になるのか?

 

まあ、1/8ドラゴンと言う訳で竜人のフェンデルに半ば押し付けたからな。

 

イビルアイに求婚していたとするなら気になるのか?

 

「お前、本気なのか?」

 

「今、結婚するように言われていて、イビルアイさんが一番いいのですよ。」

 

「私では子供は出来ないぞ。」

 

「知っていますよ。」

 

「どうしてイビルアイさんなのでしょうか?

私ではだめなのでしょうか?

やっぱり若い方が…」

 

カルカ、彼女は250歳以上なので超年上だけれども…

 

「シルト陛下はイビルアイに結婚を申し込んだのか?

わしからも頼むのじゃ。

フェンデルがシルト陛下が結婚するまでは結婚はしないと言ってかたくななのじゃ。」

 

そっちかい。

 

別に気にしなくてもいいと言ったのにな。

 

「だ~~、思いっきり私の名前が欲しいだけだろうが。」

 

「政略結婚とはそう言う物では?」

 

「最近、私は強い、と言う自信が無くなってきたのだが、それにしても恋愛感情まるで無しで求婚されるのもどうにも気に入らん。」

 

「あら、強い男の子種が貰えるなら良いじゃない。

私ならシルト陛下の妾でも大歓迎よ。」

 

アンティリーネ、本気なのか?

 

ヤルダバオトとの子を望んだナスレネといい勝負だぞ。

 

「しかし、何故イビルアイさんが政略結婚の相手なのでしょうか?

カルカ様に何か御不満でも?」

 

ケラルトの口調も目つきも無茶苦茶怖いのだが。

 

しょうがないから暴露するか。

 

「ここのメンバーなら良いか。

イビルアイさんは吸血鬼で国崩し。

まあ実際には国を滅ぼしてはいないのですけれども。

本名をキーノ・ファスリス・インベルン、かつてこの辺りにあったインベルン王国の王女ですよ。」

 

ほぼ全員が一斉にイビルアイを見た。

 

「要するにこの男はインベルンの名前が欲しいだけだ。

何なら部下でも良いと言ってきたぞ。」

 

「意外と血筋は馬鹿にならないので。」

 

「リ・エスティーゼ王国は魔導国と評議国の戦争でぐちゃぐちゃになりかねん。

このままこの国に居ても良いけれどもな。

ただ、その態度のお前とは結婚したくはない。」

 

「イビルアイ、相手はシルト陛下なのよ、少しは口の利き方に気を付けないと。」

 

ラキュース、あの創作物はイビルアイ以上に不敬だと思うのだけれども。

 

しかも私だけではないし…

 

「リ・エスティーゼ王国は先ず大丈夫ですよ。

まあ、多少の被害は出るかもしれませんが。

極力戦場にならないように双方にお願いしていますので。

敢えて千年王国を敵に回したくもないでしょう。」

 

こう言っておけば安心するかな。

 

「そんな事より、ラナーが妾ではなくなったらリ・エスティーゼ王国との縁が切れないか?」

 

「ちょうど良いのがここに居る。

うちの鬼リーダーなんてどうだ?」

 

「ティア、ティナ、何を言っているの?」

 

「ラナーの従姉だから政略結婚の相手にはばっちり。」

 

「少し行き遅れだけど、問題ない。」

 

「リーダーはシルト陛下に気が有るようじゃないか?」

 

(※執筆活動用です)

 

「魔剣キリネイラムの力もシルト陛下なら制御できるのじゃないのか?」

 

イビルアイ、別に制御できないような闇の力なんてないから。

 

「ちょ、ちょっとみんな!何を言っているの!?」

 

ラキュースが顔を真っ赤にしてあたふたしているけれども…彼女の場合身から出た錆だよな。

 

皐月が調べているから知っているけれども、私を題材にしたBL本なんて書くなよ。

 

ジルクニフとザナックで三角関係とかマジでやめて欲しい。

 

「イビルアイさんが配下になってくれるなら良いですよ。」

 

思わず軽口を言ってしまった私が馬鹿だった。

 

「本名をばらされたのだ。

外堀を埋められたようなものだから私は別に良いぞ。」

 

「鬼リーダーもラナーと会えるようになるからうれしい筈。」

 

実際はあほな行動(中二病行為)のせいなのに顔を真っ赤にして私の方をチラチラ見る者だから知らない人から見たら恋する乙女にしか見えないのが…終わった。

 

「それでしたらカルカ様もお願いします。

既にここに居るだけで、シルト陛下に囲われている、そう思われているのですから責任を取って頂かないと。

まさか、リ・エスティーゼ王国との政略結婚は必要でローブル聖王国とは必要が無いなどとは言わないですよね。」

 

ケラルトまで参戦してきた。

 

やっぱりこえー。

 

「バハルス帝国とはどうされるのでしょうか?

ジルクニフ陛下にお願いして養女にして頂けないか頼んでみます。

一度、婚約破棄された身なのでシルト陛下にはふさわしくないかもしれませんが。」

 

レイナース、なぜお前まで参戦してくる。

 

私は頭を抱えたくなってきた。

 

「シルト様お望みの政略結婚だった筈です。

書類はこちらに整えております。」

 

ステラが書類を出してきた…何故かしれっと、ステラ・ケルト・エルティアが正妻で、ラキュース、カルカ、レイナースは正妻の言う事を聞いて正妻の後に子供をつくる事、と書いてあった。

 

私は思わず皐月とアンネに書類をまわして、読んだのを確認した後

 

「これは却下しても大丈夫だよな。」

 

と聞いたところ、異口同音に

 

「「問題ございません」」

 

と返事が返ってきた。

 

二人に睨まれたステラが明後日の方に視線を逸らしていた。

 

不許可のサインをした後、ここに居る他の者へも書類をまわし見させた。

 

戻ってきた書類は、正妻の部分が横線で消されていたのは良いのだけれども、しれっと、アンティリーネの名前が加筆されていた。

 

うん、違う意味でびっくりである。

 

結局私は諦めた。

 

特にケラルトの追及が恐ろしかったと言うのは内緒である。

 

嫁が七人か、頭が痛い。

 

何故か、カストディオ姉妹の結婚の世話まですることになっていた。

 

何かが可笑しい。

 

セリーシアから、「ずっと王侯貴族を恨んでいたのですけれども、王侯貴族にも色々いるのですね。」

 

となぜか慰められた。

 

正妻は結局アンネにしたよ。

 

嫁たちの取りまとめが出来るのか少し疑問だったけれども、一番妥当なのも事実だからだ。

 

第二以降の順位はアンネに丸投げした。

 

悪いとは思うのだけれどもね。

 

 

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