かなり渋っていたツアーだけども、封印場所を聞いて、二体目のワールドエネミー、八竜の徳叉迦を撃破したら流石に黙った。
竜帝だろうが挑んでくるなら倒す、と言うのが強がりでも何でもないことが分かったからであろう。
文字通り、何とかと言った形で仲裁を成功させた。
と言っても両者が大変険悪な状態は解消できていない、どちらかと言うと一時休戦に近いと思っている。
私個人としてもワールドエネミーと真なる竜王の両方と戦いたいとは思えないのだよ。
こんな状態で、ツアー本体と会う事になった。
「ツアー、初めまして、そう言うべきでしょうか。
直接会うのは初めてですから。」
「シルト、私を相当警戒しているようだね。
今のお前と戦う気はないよ。」
世話話をするような間柄でもないし、単刀直入に聞くべきだろう。
「私達を召喚した者は、なぜ、召喚したのですか?
しかもどのような方法で?」
逆の方が理解できる。
世界の守りで守られているワールドの存在とその関係者のみが召喚されるとは何故なのだろう。
「お前たちを召喚したのは父たる竜帝と母たる
それどころか、この世界は
「とすると、
「八欲王もそう言っていたよ。
実際のところ、慈母がこの世界を生み出したのが本当なのかどうかは私にも分からない。
八欲王が言うには、この世界は、お前たちがリアルと言う世界と、ユグドラシルと言う世界の中間みたいな世界だと言っていたよ。
私にはよく分からないがね。」
この世界しか知らないツアーには分からないと思うよ。
この世界はリアルの地球とゲームの世界の中間のような世界だ。
正直、仮想世界に取り込まれて戻れなくなった、と言われた方がまだしっくりくる…これだけの者たちの毛一本一本まで再現しようとてもデータ量的に不可能である、と断言できるのだけれども。
少なくとも地球が有った世界とは物理法則からして完全に別物である。
相手を
海が淡水と言うのも明らかに可笑しい。
他にもおかしな所がいくらでもあるが、そこは突っ込みを入れるところでは無いな。
「個人的に疑問点があるとすれば、どのように世界を構築したのですかね?
そもそも、
私が創造神を信じない理由はこれだ。
最も、ユグドラシルは運営が創造神で、エルグリラのNPC達から見たら私や
「
最も、お前達、ユグドラシル由来の者達が現れるまで別の次元、と言う物を理解できなかったのだがな。」
この世界がゲームの中、と言う事は無いよな?
しかし、質問内容からずれていて本題の回答が分からないのだが。
「それと我々にどのような関係が?」
「
これでこの世界も構築したそうだ。」
「我々も具現化されたのですか?」
ユグドラシルでデーター上の存在に過ぎなかった我々を具現化したのか?
とするなら、私はデーターからできた存在で、亀井隆ではなくあくまでもシルト・クレーテなのか?
一瞬私は疑問に思った?
「そうではないらしい。
プレイヤーとエヌピーシーの違いは魂が元々有ったか無かったかの違いだと言っていたよ。
この世界に新たな魂を呼び込んで新たな文明を作る、と言っていた。
竜帝は、弱者救済と言っていたが。
表向きはな。」
今更リアルの私がどうなったのかを気にしてもしょうがないか。
「表向きはですか?」
少なくとも、当時は弱者だった人類種は強力な援軍が来たと思うのだが。
ユグドラシルプレイヤーが転移して来なければ滅んでいても可笑しくは無い。
まあ、強者だった種族から言えば悪夢だろうけれども。
「本当の目的は、世界の完全なる救済…つまり消滅だよ。
竜帝はその力を手に入れるつもりでいる。」
「そんなことができるのですか?」
「理論上は不可能に近かった。
必要とされる魂の量が尋常な量では無いからだ。
最悪、そう称される魔法が5つ、そのうちの二つがキュアイーリムの使ったブレスと魂の吸い上げだよ。
あれは一回で、真なる竜王が魂の全てを使い切る必要がある。
世界を消滅させるには程遠いだろう。
例外、そう称される魔法が
だが魂を消費せずに世界に干渉する力を持った存在が出来た。
しかも
それがワールドアイテムだ。」
逆説的に言うと、魂を消費すれば世界に干渉できるのか…始原の魔法?
じゃあ位階魔法とは何だ?
魔力と言う別の力を源に、この世の法則を置き換えているのであってこの世の法則に干渉できる訳ではない。
干渉するような魔法やスキルは経験値を消費しているな…経験値=魂と置き換えるとそこまで可笑しくはないのか?
「ワールドアイテムは、世界そのものをアイテム化した存在ですから、それ自体、別の次元とか別の世界、そう称して良いです。
それに匹敵する力を持った者もいた。」
ワールド職とワールドエネミーがそうだな。
「そうだ、ワールドアイテムの危険性が分かったであろう?」
ちょっと待てよ、ワールドアイテムはユグドラシルから落ちた葉がアイテム化した物。
何故落ちた?
その葉を食い荒らしたものが居るからだ。
ツアーはワールドアイテムやユグドラシルプレイヤーが世界を亡ぼす元凶と思っているようだけれども、本質的には違わないか?
「この話を誰かにしましたか?」
「八欲王の半数とスルシャーナ、アケミとある少女などだな。」
殆どが蘇生可能な状態で眠りについているじゃないか。
「ははは…」
正直笑うしかなかった。
ツアーは間違えているのだ。
この世界を亡ぼす力はどう考えてもワールドエネミー、九曜の世界喰いだろうが。
あれを倒せるのか?
ユグドラシルはオンラインゲームだ。
売り切りのゲームでは無いので終わりがないにもかかわらず、ユグドラシルのラスボスだ。
つまり、ユグドラシルでは絶対に倒せない相手だったともいう。
イベントで現れて、ある一定ダメージで世界の狭間に撤退する存在、それこそが九曜の世界喰いである。
タイムアタックで、どれだけのダメージを与えたのかを競い合う対象と言っても良い。
因みに私も
まあ、運営にマモンの件で釘を刺された後だったので、全力で魔法を使用していなかったから正確では無いと思うが、私より上は全てワールドチャンピオンでトップは
倒せるのか?
まともな思考のプレイヤーなら九曜の転移阻止か、その時まで自身を含めての戦力温存だよな。
今後の転移者の戦力にも期待するしかないし…エリュエンティウで寿命が存在しない系の守護者しか見ていない理由はこれか。
長寿系のNPCも蘇生可能状態で温存している可能性が高いな。
竜帝が欲する力と言うのは、この世界から生まれるワールドアイテムだろうな。
ワールドアイテムを内包したワールドアイテムか…さぞや強力に違いない…自身も滅ぼされなければだけれども。
「止める方法は無いのですか?」
思わず聞いてしまった。
「事実上は不可能だな。
ワールドエネミーを倒せないのに、どうやって竜帝を倒すのだ…と言ったら今までの者達は黙ったのだがな。」
「お話を聞く限り、我々を呼び出しているのは
もう一つ、世界の守りで他者からの干渉をほぼ受け付けない筈のものが逆に召喚されている原理を知りたいですね。」
「
止めた場合、
そもそもダメージが通るとも思えないが。
約100年周期で呼び出されるのはこの世界の揺らぎに合わせていると聞いている。
呼び出されるのは
真なる竜王である、我々に近い存在を呼びこんでいる。」
それが、世界の守りがあるもの、と言う訳か。
考えようによっては
「どうするのかは考えさせて頂きます。
今日は、レイドボスの神竜を倒しにきたので。」
「これが神竜を召喚したワールドアイテムだ。」
私はツアーから一つのアイテムを受け取った…私では使えないじゃん。
と言っても内容は理解できる。
ワールドアイテム、獣帝のアミュレット。
ワールドエネミーを除くすべてのモンスターを一体テイムできる。
装備条件は上位のテイマー職を持っている事か。
アウラなら使えるけれども…うちのNPCでするよりもモモンガさんが納得できるのではないかな
「これを魔導国の者に使わせて、共同で倒しても良いでしょうか?」
「お前が保証するなら構わない。
但し、神竜は制御不能になっているから呼び出す場所は気を付けるように。」
どういう事?
~~~~
ツアーと別れた後、私は疑問に思いながらもモモンガさんと連絡を取り、何かあった時に周辺への影響が最小限になるように砂漠で前回と同じメンバーを集めた。
「あけみちゃん様の持っていたワールドアイテム…」そう感動しながら、アウラが獣帝のアミュレットを身に着けた。
「ツアーが神竜は制御できないと言っていましたが。」
実際に召喚しても悪魔などは制御できない事もあるので、全くの間違い、とも言い切れない。
「制御できるのなら倒して欲しくは無いのですが、無理でしょうか?」
先の約束で倒すことになっているのに、モモンガさんが再度確認してきた。
まあ、わたしも倒さないで戦力になるならその方が良い、九曜の件を知ってそう思うようになったのでモモンガさんに答えた。
「本当に制御できるならその方が九曜の世界喰いとの戦いで戦力になるのでその方が良いのですが、だめなら使役していても意味が無いと思いますので撃破しますよ。」
ワールドエネミー戦では
一応言っておくと、召喚阻害をしていないワールドエネミーは、自身が手下を召喚してくる事で分かるから、この判別自体は難しくない。
因みに、この神竜によって十三英雄の何人もが死に、それを止めるためにリクがあけみちゃんさんを殺害、その後リクが後を追うと言う流れだったらしい。
まあ、神竜の暴走の原因を作ったのが、ツアーらしいので、実質的にあけみちゃんさんとリク他、数人(他の転移者を含む)を殺したのがツアーなのは間違ってはいない。
つまりはかなりの強さだ。
なので、ひょっとしたらで答えておいた。
しかし、ワールドアイテムなのにどうやって暴走させた?
アウラがアミュレットを発動して、封じ込められていた神竜、そう呼ばれる者が召喚されようとしていた…何を使役していたのだ?
「O, wonder, how many goodly creatures e there here! How beauteous mankind is! O brave new world, that has such people in'it!!」
アウラが話したそれ、それは九曜の世界喰いのセリフだった。
乗っ取られた?それとも汚染された?
「アウラ、召喚を止めろ。」
モモンガさんが思わず言った。
だが、アウラは身動き一つしなくなった。
そしてそれは実体化され、召喚された…ワールドエネミーはテイムできない、そうだったのでは?
てっきり、九曜の世界喰いが出てくると思ったら現実化した神竜は身に覚えのある九曜の世界喰いとは違っていた。
どういう事だ?
何時ものように
と言うのも、この具現化した神竜は私の知っているレイドボスで、ドラゴンなのに炎が弱点属性だったからだ。
軽く50Mを超える巨体が一瞬にして赤い輝きに覆われた。
使用された数が数なので少なくともHPは半減したはずだ。
そう思って
見た目が同じだけで別物なのか?
モモンガさんが
しかし、この世界に来て範囲魔法は使えない魔法になったよな。
味方が密集状態なので魔法を使いずらいと言ったらありゃしない。
マモンの時のように、根本的に無効化してくる訳ではなさそうだけれども、それにしても固い。
各種攻撃が一応効いているからか、神竜=ヴリトラは上空に逃げて暴風雨のブレスを放とうとした。
まあそうなるよね。
モモンガさんが追加で
どうも重力系は効くようだね。
特化にするとそこは強くなるけれども、効く属性の少ない高レベルレイドボスにはかなり対応が難しいのだな。
ヴリトラは少なくとも、雷、水、風は効かなかった筈だ。
まあ、効く魔法が分かればそんなに困らない。
ヴリトラの体が歪み、一気に体がバラバラになる。
私がこれでもかと言う位に強化した
私は混戦でない方が楽ともいう。
アウラは気を失って倒れていて、モモンガさんはアウラに駆けて行った
しかし、確かに九曜の世界喰いのセリフを話していた。
しかしツアーはいったい何をしたのだ?
「モモンガさん、アウラは大丈夫なのですか?」
実際に、リクがあけみちゃんさんを狙った理由は分からないでもない。
十三英雄はこんな、LV100のメンバーだらけでは無かったのだ。
今回召喚したアウラは動かなかった。
動かないのだからヴリトラを倒すよりもあけみちゃんさんを倒す方が手っ取り早い。
実際のヴリトラの攻撃で何人か死んだようだから選択としては間違っていないと思う。
ただ、何故、獣帝のアミュレットを付けて召喚したアウラが九曜の世界喰いのセリフを言ったのかが気になる。
「多分気を失っているだけのようですが、今は何とも。」
魔法で気温を調節したけれども、こんな砂漠の太陽の下では体調も良くはならないだろう。
モモンガさんが
暫くしてアウラが目を覚ました。
「申し訳なかった。」
私は素直にアウラに謝った。
不可抗力とは言えアウラを危険な目に合わせたのは私だ。
「いいえ大丈夫です。
シルト様が悪いって訳でもないですし。
私が未熟なだけです。」
案外簡単に許してくれたのだな。
「アウラ、何か覚えていることが有れば教えて欲しい。」
「アインズ様、ヴリトラは確かに獣帝のアミュレットでテイムされていました。
ですが同時に別の者に支配されていて、その意識が私に流れ込んできたのは覚えています。」
「つまりはだ、ヴリトラは二重に支配されていて、もう一つの支配して居る者にアウラ自身が乗っ取られようとしていた…そう言う事か?」
「多分、アインズ様がおっしゃる通りと思います。」
他にも山河社稷図を持っているのに支配、もしくはテイム状態になったのか?
正直、驚きしかない。
まあ、相手がラスボスの九曜の世界喰いなので何が起こっても不思議ではないのかもしれないが。
それにヴリトラもユグドラシルで戦った時よりも明らかに強かった。
「ワールドアイテムを持っているにもかかわらず、行動を支配されただと?」
「アインズ様、アウラとヴリトラは獣帝のアミュレットを通じて繋がっていた筈です。
そこを逆流してきたのではないかと。」
多分、デミウルゴスの考え方が正解だろう。
魅了とか、呪いとか、相手に反射される時があるからそれに近いのだろうな。
ツアーが神竜は制御不能になっていると言っていたけれども、召喚者自身が支配されていたとは知らなかったのだろうか?
とは言え、九曜の世界喰いはこの世界に既に来ているのか、それとも来ようとしているのかどちらなのだ?
「相手が相手だからありえるな。」
モモンガさんも納得していた。
私はザイトルクワエ(真)の事を思い出した。
ザイトルクワエ(真)は強欲の大罪の魔王マモンのパーティーメンバーのようなものであると考えていた。
もし、NPCに相当する
ヴリトラが九曜の世界喰いの
いや、それでも、傾城傾国でシャルティアはモモンガさんを倒そうとした。
それでも、アインズ様と敬意は忘れてはいなかったが…いや、シャルティアを本当の意味で縛っているのはぺロロンチーノさんだ。
ナザリックのNPCは千年王国のNPCのように誰が創造主なのかよく分からない状態では無いのだ。
無いとは言えないよな。
「私から質問なのですが、獣帝のアミュレットはまだヴリトラを召喚できるのでしょうか?」
これは、装備しているアウラにしか分からない。
「今は死んでいる状態ですので、蘇生魔法を使用したら再度召喚できそうですけれども…」
「アウラ、解除しろ。」
それを聞いたモモンガさんがアウラに命令した、まあ当然だろう。
「アインズ様、分かりました。」
アウラが「開放する。」そう言ったのでヴリトラのテイムは解除されたのだろう。
私は、先ほど考えたこの世界にレイドボスがやってきている理由の考察を述べた。
その上で、
「その獣帝のアミュレットの最大のメリットはレイドボスをそのままの強さでテイムできる事だと思うのですが、私の考えが正しいなら相当なリスクを負いますね。」
「レイドボス自体がワールドエネミーの紐付きの可能性か。」
「否定はできませんよね。
私がツアーから聞いた話や他で調べた事をまとめた範囲では、ワールド、つまり世界の守りをもつ者とそれの者に関係するものがこの世界に転移しています。
レイドボスがその例外とは思えませんので。」
「シルトさんの考え方が合理的ではあるな。
とは言えツアーが何かしらの細工をした可能性も無いとも言えない。
その辺りは調べて貰えますか。
私が評議国に行くと何をするか分からないので。」
全く否定できない…
「モモンガさんとツアーの戦争を止めたのは私ですからね。
責任を持って聞いてきます。」
~~~
私は再度ツアーの元を訪ねた。
「ツアー、神竜、ヴリトラは倒しましたよ。」
「あれを倒したのか。
かなりの強さだったのだが。」
自分で言うのもなんだけれども、ヴリトラは平均的なLV100プレイヤーなら5組30名編成で戦うような相手だったからね。
「まあ、ワールドエネミーよりは弱いですから。」
「まあ、そうなのだけれどもね。
あれを見てもシルトはワールドアイテムを怖いとは思わないのかな。」
「もしかして、私を乗っ取らせるつもりですか?」
ワールドアイテムの力が九曜の世界喰い由来の力の可能性も有る、そう思った私はツアーに山をはってみた。
「いや、あれは偶然、そう言うべきだな。
アケミにワールドアイテムの危険性の話をして引き渡すようにお願いしたら、拒否して神竜を呼び出した。
神竜は正直、遠隔操作の鎧では荷が重かった。
アケミと神竜のつながりを立とうとしたら、何故かアケミが硬直して意味不明な事を言って神竜は暴れだした。
どうにもならなくなり、リクがアケミを殺した。
と言うのが真相だな。
リクがマイの事を託していたから法国にはマイに手荒なことをしない事、させない事を託したよ。」
「結果がマイの行動制限ですか。」
「法国の神人の全てに制約を課していたのだがな。」
「ツアー、あけみちゃんさんの件は結果としてツアーが正しかっただけで私はあけみちゃんさんの気持ちは分かるよ。
ツアーは私のようなユグドラシルプレイヤーやワールドアイテムやユグドラシルプレイヤーが世界を亡ぼす。そう思ってるのではないのですか?」
「違うのか?
ワールドアイテムは言葉の理も魔法の理も変えてしまったのだぞ。
八欲王は竜王の殆どを倒し世界に殺戮を振りまいたのだぞ」
「まあ、ある意味では亡ぼせるほどの力ではあるけれども、根本的にこの世界を消せる存在がいる。
ユグドラシル最強の存在、九曜の世界喰いと言うモンスターです。
多分、
ユグドラシルからの者ならそう判断しますよ。」
「それとどう関係が?」
「私もそうだ、何時か戦わなくてはいけないのなら、少しでも戦力を温存しておく。
八欲王もそうしたのではないのかな。
配下の寿命が有る種族の者全てを蘇生可能な状態で保存している、そうではないのですか?
あけみちゃんさんだって圧倒的に強い神竜を手放したくはなかったのですよ。
まあ、神竜はどうも九曜の世界喰いと繋がっていたようですので、九曜の世界喰い戦では使えなかったのでしょうけれども。」
「そんなことが分かるのか?」
「ところで、アケミちゃんさんの時は他にどのように行動したのですか?」
「リクを除くプレイヤーは固まって震えだす者もいた。
その隙に神竜から攻撃を食らってやられたよ。
妙な話、イビルアイやらリグリットの方が動けたほどだ。」
普通はそうだよな。
マモンと戦った事で、僅かなりとも可能性を考慮していたから動けたと言うのもある。
実際に九曜の世界喰いは倒し方がさっぱり分からないのだよ。
リクは多分、九曜の世界喰いを知らなかったのだろうな。
九曜の世界喰いといきなり戦え、と言われたら、間違いなく死を覚悟するよ。
いや、普通は他のワールドエネミーでもだけれどもさ。
ワールドエネミーは合計32体だけれども、実際には31体+1体と考えるべき相手で、その強さをツアーに可能な限り説明した。
その上でツアーに聞いた。
「何をどうしたら、神竜の制御が失われてあけみちゃんさんは硬直して意味不明な事を言って神竜は暴れだしたのですか?」
「アケミはワールドアイテムを持っているから始原の魔法は効かないが神竜には可能だった。
そこで、
使い方は逆で、召喚を止めるように使用したのだが、何故かそうなったのだ。」
それで、何故、九曜の世界喰いとパスがつながったのだ?
そもそも、何故、私達は同じ時間から転移しているのに別の時間にこの世界に現れるのだ?
ツアーと話していても良くは分からなかった。
と言っても、この世界への転移を止めるべきだろう。
最悪、lv1になるほどの経験値を消費してもだ。
スキルでもあり魔法でもある超位魔法なら五行相克も陰陽太極でもどちらでも可能だから。
そう思ってスキルを作ろうと陰陽太極を使用しようとしたのだが…結果は拒否された。
この世界には運営が居ないので、理由がさっぱり分からないのだけれども。