時期はツアーに会うよりも前なので9章と10章の間
評議国の偵察を兼ねています。
~~~スカマSIDE~~~
黒から白に変更したのにこれは失敗だったのかもしれない。
最近そう思うようになってきた。
何でもアダマンタイト級の漆黒と一緒に行動しているパーティーが白銀と呼ばれているらしいのだ。
この白銀、二人しかいないのにあっという間にミスリル級になったとかで、魔導国建国の際にエ・ランテルからこのエ・ナイウルに移動してきたのだ。
かと言って黄色や緑も最近昇格したミスリル級に居るからな。
と言っても、同じ町に同じ白でミスリル級…色を変えるか他の町にホームを変えた方が良いのかもしれない。
私が悩んでいると、リリネットがやってきた。
「リーダー、合同依頼を受けませんか~?」
「合同依頼、どことだ?」
「白銀とですよ~。
依頼的にはオリハルコン級なので、ミスリル級2チームなら受けられるみたいです。」
絶対に何かある、何か引っかかる、思い出せ…白銀の片割れ狙いか(# ゚Д゚)
「お前、白銀のゲンブを狙っているのだろう!」
「ばれちゃいました。」
頭をかきながらだらしない表情で言ってきたが、ばれない方が可笑しい。
「なんでも|ホビット《小人)らしくて、当分あの見た目らしいですよ。
最高じゃないですか。」
よだれを垂らしながらそう言ってくるリリネットを見ていたら、髪やチームの色で悩んでいたのが馬鹿馬鹿しくなった。
漆黒も美姫ナーベが御目付け役兼愛人のうわさが有ったが、白銀の女神ミネルバもゲンブの護衛兼お目付け役とのうわさが有るのだ。
しかもこのミネルバは相当強い。
模擬戦で朱の雫のルイセンベルグ・アルベリオンといい勝負をしたのだ。
ミネルバを引き込めればオリハルコン級になるのは夢でも何でもない。
まあ、足手まといのゲンブが居るから差し引きチャラになるかもだけれども…他のチームなら。
うちなら、このだらしない顔をした|ショタコン《リリネット)とくっつけば問題はない…リリネットがゲンブに気にいられて、ミネルバに認められる、と言う難関はあるけれども…
結局、他の二人とも相談の上、一緒に依頼を受けることにした。
「四武器の皆さんよろしくお願いいたします。
別に、ミネルバと二人だけでも大丈夫ですが。」
と、生意気な事を言っているのがゲンブだ。
いくら子供でもこの言い草には反感が出た。
仕事を嘗めたら死ぬのが冒険者だからだ。
一人…「あの生意気な子供を屈服させるのも良いですね。」と言っているのがいるが気にしない事にした。
「四武器の皆さん申し訳ありません。
ゲンブ様、一緒に仕事する相手にその言い方は無いですよ。」
私の中でミネルバの肩書に教育係も追加された。
こちらも紹介をしていった。
ゲンブは
なので、一応はミネルバも回復魔法を使えるようだ。
そして今、ミネルバがゲンブに回復魔法を使っていた…船酔いだ。
「大丈夫なのか?」
私は白銀の二名に聞いた。
今回の依頼はエ・ナイウルと評議国の海路の間で出たと言うシーサーペントの調査と可能であれば追い払うか倒す事までが仕事だった。
ついでに、交易船の護衛も兼任している。
「大丈夫ですよ、ちゃんと仕事はしています。
近くにシーサーペントはまだ居ませんよ。
あ、かかった。」
なぜかこのゲンブ、船酔いしているのに釣りをしているのだ。
そして、
「船酔いしているなら~私が治癒魔法をかけますよ~♪」
とショタコンが接近していた。
「リリネット様、モンスターが出た場合、私は盾役ですので魔力が減っていてもさほど問題は有りませんが、リリエット様の魔力が減っているのは問題ではありませんか?」
とミネルバが正論で撃退していた。
チームの残りの二人に聞いた
「大丈夫なのか?」
「白銀の二人は船は初めてと言っていましたからね。
船酔いしていても釣りをしているのですから大丈夫なのではないでしょうか?」
「最悪、飛ぶと言っていましたからね。
|飛行《フライ)が出来るようになる魔法具を持っているとか。」
「そう言う意味ではないのだが。」
何故か釣りをしているゲンブを間に挟んで座っている女性二人を見ながら天を見上げた。
二日後、ゲンブが釣りをしながら立ち上がった。
「大きいのが近づいています。
距離はざっと、5kmです。」
そう言ったのだ。
今も船酔いしているようだけれども、本当に仕事はしていたようだ。
「何かわかるか?」
盗賊のストモティに聞いたのだが
「リーダー、流石に5㎞では分かりませんよ。
どちらの方向だ?」
「双方接近していますので、前方やや右4㎞、深さ150mですね。」
「深さ150mだと、何故分かった。」
「釣りをしていましたから。」
意味が分からない。
「すいません、ゲンブ様が釣りをしている重りが水の中の索敵用のアイテムなのです。」
ミネルバの説明でやっと理解できた。
「そろそろ上げます。」
そう言うと糸を巻き上げて竿を上げた。
こちらに向かって来ても襲われるかどうかは分からない。
実際に見かけただけで襲われてはいないのだ。
「確かにいる。
もうすぐ来る」
ストモティがそう言うと、船のすぐ横から一気にシーサーペントが飛び跳ね、着水した時の波で船が揺れた。
「構えろ。」
そう言うと、船員はバリスタを利用した銛を用意して、流石のリリネットも雰囲気が変わった…のだが、白銀の二人は何故か能天気に
「中々すごかったね。」
「ゲンブ様、中々見れないものが見れてよかったですね。」
とかなり能天気にしていた。
「お前達、戦闘の用意をしないのか?」
「殺気がしませんので。
今回の仕事は調査では?」
「いや、まあそうなのだが。」
実際に、この船と並走して泳いで、数回飛び跳ねるとシーサーペントは離れて行った。
「あの大きさだと、交易船ならとにかく漁船から見たら結構な脅威ですね。」
「ゲンブちゃんは怖くなかったですか~?」
リリネットがそう言って近づいていったのだが、むしろ喜んでいたと思うのだが。
「全然怖くは無かったです。
寧ろ中々見れないものが見れてよかったです。」
殆ど観光気分だったよな。
「襲ってきたらどうしたのだ?」
「その時は、この船の護衛として倒しましたよ。
でも下手に刺激して襲われる方がダメですよね。」
シーサーペントを倒すのを当たり前のように言ってきた。
相手は海の生き物なので、戦うとなるとかなり分が悪いのだがよく分かっていないのではないか?
その後は何事もなく、評議国の港に着いた…何事も…あったな。
なので、白銀に謝っていた。
「すまない、うちのリリネットが。」
何故か、朝起きたらゲンブ君のハンモックにリリネットが入っていたのだ。
「いえ、何かが有った訳では無いので。」
「ゲンブ様も何故気が付かなかったのですか?」
「寝ぼけていて、入ってきたのはてっきりミネルバだと思っていたので。」
「リリネット、お前もちゃんと謝れ。」
「暗くて間違えました~、申し訳ありませ~ん。
でへへ。」
お前が気が付いていない筈がないだろう。
そう思い頭を上から殴った。
「痛、何するんだ暴力リーダー。」
「ちゃんと反省しろ。」
後日…シルトSIDE
|ショタコン《リリネット)が|ミネルバ《アンネ)に話しかけているのだが…白銀に鞍替えしたいとか、何なら四武器の全員を説得して白銀に入る事を説得するとか…
ショタコンが嫁に来る事は無いよな、この際、素性をばらしても…見た目は東洋系の童顔の16歳だった…って守備範囲内じゃん。
|ミネルバ《アンネ)と|ショタコン《リリネット)を見ながら私は若干の恐怖を感じた…
夜の船室は完全に漆黒の闇なので、交代してもばれないので夜は身代わりと交代でエルグリラに帰還しています。
アンネが不寝番をするので本物のシルトならハンモックに入り込むことはできません。
尚、シーサーペント見学の時は本人です。