赤カビ病を治す唯一の方法 フタエノユリハはルルの活躍によって現代に蘇った。しかし量産については課題が残っており、アルフ族の長老たちが引き受けている。
そこで暇を持て余したエイジャーは先の報酬で貰ったマドレーヌのレシピを使い、医者たちを労うことにした。
自分を軽んじるエイジャーに対し引っかかりを覚えたアリッサは胸の内を吐露、勢いのままにプロポーズまでしてしまう。突然の事にお互い混乱してしまうものの、希望ある未来のために頑張ろうと志を新たにするのだった…
エグリ=マティアスの代行を騙るその男は突然現れた。岩山の如き肉体と女性を思わせる立ち居振る舞い…相反する要素を持ち合わせた男に対し、教徒たちが向けた視線は言うまでもない。
ロレンツと名乗る男に対し教祖─ベナンは立ち退きを要求する。だが彼の起こす"奇跡"を目にしたことで状況が一変した。
「ここが飲まれるほどの土砂崩れが起きてな。それを止めてみせたんだ」
「奴は地面に干渉する従属呪文の使い手だ。まあ、自作自演だろうな」
アルジードの推察にベナンも頷く。外の知識に乏しいエグリ=マティアス教徒たちである、人智を越えた力に神性を見出すのも無理はない。
当時のロレンツは無理な要求をせず、せいぜい離れを新設させるくらいだった。周囲の土砂崩れも止まり、彼を信用する者は着実に増えていったという。
「状況が変わったのはいつからだ?」
「教徒たちが信用しきった頃だ。赦しと享楽を身近に置き、その中で贖罪を続けてこそ楽園に至るのだと」
エグリ=マティアスの教徒たちは自罰的な人生観を持つ者が多い。代行者が示す"より厳しい道"とあらば断らないと踏んだのだろう。
そうして徐々にアラクネの構成員が移り住み、赤カビ病の生産拠点として悪意をばら撒いていった…というのが大まかな悲劇の経緯だ。アルジードは漏れがないか確認した後、ぱたりとメモを閉じた。
「薬物反応が出てるから調べて対策を伝えるってさ。来るのは
「承知した。気を使わせてすまないな」
「そのまま地質調査も受け入れりゃいいのに。
ベナンは首を横に振る。譲れない一線と理解したアルジードはそれ以上食い下がらず、代わりに1枚の紙片を手渡した。
「トゥアンって街に土を食う種族のガキがいる。役に立つかは微妙だが王政側の人間でもねぇ。本気で困ったら連絡してみな」
「…あの男の組織を追っているそうだな。復讐の先に待つ未来は悲惨だぞ」
「あんたらの主が首輪かけに来るまで、なるべく多くのクズどもを巻き込んでやるつもりだよ。じゃあな」
そう言って肩をすくめてみせると、アルジードは待たせている馬車へと向かうのだった…
「…とまあこんな感じだな。そっちの収穫は?」
大隊長ド・フィスが率いる秩序の部隊、それがたったいま揺られている馬車の所属である。アルジードが聴取の結果を報告し終えると、目の前の人物はいくつかの紙を広げてみせる。
それらはすべて離れから押収したロレンツたちのやり取りの記録…かも分からない文字列は読む者の理解を妨げていた。
「容疑者の立場や単語の配置から推察するに、シャバへ送り込んだ構成員のリストかと。法則性を割り出すならここからでしょうね…大丈夫、そう時間はかかりませんよ」
不敵に笑う男の名はブックマン。語学に精通し、解読を得意とする副官の1人である。悪名高きアラクネからの宿題が楽しいのだろう、傍らの考察ノートは早くも文字で埋め尽くされている。
アルジードの視線に気付いたのか、ブックマンは分厚い鞄からさらにノートを取り出した。
「既存の言語に頼らない場合、暗号を解く鍵は人の"クセ"です。モチーフや後半に考えた文字が似通る、などなど…相手の内面を暴くようでワクワクします」
「その顔は外でしない方がいいな。悪い顔になってるぜ」
「おっと失敬…ところでなかなか頭が切れるご様子。私の元で学んでみませんか」
「クズに共感してやるほどでかい器じゃないんでね。あんたらに任せる」
ある程度の経歴は聞いてるのだろう、ブックマンは心底残念そうな表情こそ浮かべたものの、それ以上の追求はしなかった。なんとなく居心地が悪くなったアルジードは荷台の帳を上げると、エグリ=マティアス教の教会はもう見えない。
(敵の内面、ねぇ…)
反復とともに浮かんだ顔…行動を別にしてから久しいその人物に、少しだけ早く会いたくなった。
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数日後…アルジードが目にしたのはベッドに拘束されているエイジャーと、その上でしがみつくように眠るルル。もはや見慣れた光景に、
「お取り込み中か?」
「ちょうど空いたところだよ」
思わずこぼれ出た皮肉に苦笑するエイジャー。これまで重ねてきた無茶で身体がボロボロのため、治るまで謹慎令が出たという。
ルルが新しい力での解決を試みたが…こちらも無理がたたって体力が尽き、眠ってしまったそうだ。
「どれくらいかかるんだ?医者に任せた場合」
「うーん…だいぶ手を入れるとは言ってたかなぁ」
「暇ができて良かったじゃねえか。たまには使命を忘れるべきだぜ」
我ながら心にもない発言である。エイジャーに暇を与えたところで自分を責め始めるのがオチだろう。
とはいえ魔法も医術も使えぬ自分に出来ることはなく、せいぜい暇つぶしの相手になってやるくらいだ。
「退屈は嫌いだ…ところでアル、何か話したい事があるんじゃないか」
「…特にないな。こっちの末路は聞いてるだろ?」
「そう?俺の事情も調べず来たくらいだし何かあったのかと」
この男は人の弱みに対して妙に鋭くなる瞬間がある。何かが違えばとんでもない悪党になっていただろう…などと皮肉る気にはなれない。
アルジードは椅子に腰掛けると、何かが詰まったような調子で話し始めた。
「あいつの立ち回りがどうにも納得いかねぇ…金持ち相手に病気をバラ撒くなんざ尻尾を掴めと言ってるようなもんだろ。そこまでバカには見えなかった」
「リスクを払ってまで有力者を狙う理由か…風土病とか人身売買…そういった被害を受けた報復とか。昔の貴族は悪名に困らなかったらしいからね」
復讐は損得をかなぐり捨て、同じような苦しみを味わわせることに固執するものだが、実行にはきっかけがいる。強い憎しみと手段だ。
赤カビ病は未知の病であり、キャリアの少年もいつ進行するか分からない。偶然手に入れた"手段"を前に平静を失ったと考えれば筋は通る。
だがまだ引っかかるものがある─腑に落ちないアルジードに気付いたのか、さらにこう付け加えた。
「あるいはもっと単純かもしれないよ。盗賊であることに疲れ切って、誰かに止めてほしかった、とかね」
「なんで好き勝手やれる悪党に疲れんだよ。ありゃどう見てもそんなタマじゃ─」
そんなタマではない、果たして断言できるだろうか。
最後の状況は差し向けたスマリットで引っ掻き回し、その隙に拘束を解くこともできたはずである。認めたくはないが、ロレンツならば可能だろう。
だが実際に選んだのは自分を殺させること…聞き取れなかった辞世の句といい、何か思うところがあったように見えなくもない。
ロレンツは生きることに疲弊していたのだろうか?負けたことで諦めがつき、終わりを選んだでもいうのか。子供の手を汚すという方法で。
だとしたらこれほど不愉快なことはない。苦しめるはずが救いを与え、挙げ句勝ち逃げされてしまったのだから。行き場のない握り拳は虚空を打ち付ける。
「オレは…自殺志願者の世話焼きたかったわけじゃねえ…」
エイジャーは傍らのオメルタを介して水を生成、腕を象ると…打ちひしがれるアルジードをそっと抱き寄せた。
「男の真意は分からないけど…悪意の根源を絶ったのは事実だ。これまでの犠牲者に代わって言うよ。よくやってくれた、ありがとう」
「そんなの…オレの復讐にはどうでもいいことだ…」
アルジードに巣食う怒りは言葉に反して小さくなっていく。それがオメルタの力なのか、エイジャーの言葉かは分からない。
だが救いのない結末にほんの少しの光を得た気がする。優しい鼓動を感じながら、やはりこの人には敵わないと笑うアルジードなのであった…
「…ところで団長、このバカみたいにでかいサーベルはなんだ?」
─好きでバカみたいなサーベルやってるわけじゃないってーの。今の見てたからなガキンチョめ
「!?!?!?」
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いつもの体温、いつもの匂い、いつもの鼓動─久しぶりに触れる日常は、いつだって心地よい目覚めをもたらす。重い瞼が開かれたのを察してか、傷だらけの手がぽんと置かれる。
「うぅ〜…寝ちゃってた?」
「気持ちよさそうにね」
笑っているのだろう、腹のあたりが小刻みに揺れる。
対するルルの表情は暗い。エイジャーに下された診断はよく分からないままに力を使い、歪に傷を塞いできた自分が原因だと理解しているからだ。
新たに目覚めた力ならば、これまでの歪みを内側まで治せるかもしれない─そんな期待をよそに変化はなく、逆に力尽きてしまったようだ。
表面的に塞がっている傷痕に触れたルルの気持ちを読み取ったのか、エイジャーは優しい口調で諭した。
「これは後で治してもらえると高を括って、雑な立ち回りをしてきた俺の問題だ。君のせいじゃない」
「治したつもりのケガもダメダメ、これじゃ何もしてないのと同じじゃん」
「何もしてない、か…」
その言葉を噛み締めるようにエイジャーは反復すると起き上がり、ルルと向き合う。
"彼女は君の背中をよく見ている、救いに完璧を求めるところがそっくりだ"…立場以上に成し遂げたいと悩む姿に、アーサーから言われたことを思い出す。自分も外からはこう見えているのだろうか?
ここは具体例を出すべきだろう─そう判断したエイジャーはさらに続けた。
「俺やアリッサではフタエノユリハを蘇らせるどころか、種を得ることすら出来なかった。君が切り開いた道は今だけじゃない、多くの人を救ったんだよ」
「そうだけどぉ…エイジャーをちゃんと治せなかった事のほうがイヤっていうか…」
怪我と死の天秤を狂わせる程度には大切に想ってくれているのだろう。個人的には嬉しいが、彼女のモヤモヤは晴れていない。
次はどう声をかけるべきか─自身の頭に手を伸ばした際、不意に触れた耳飾りがひとつの答えを導き出した。
「これで俺とお揃いだね」
「お揃い?」
「俺には助けられなかった人がいる。いくら後悔しても取り戻せない消せない罪だ」
「それでも君と色んな所に行って、未来を少しだけ良くしてきた。大きなマイナスがあってもプラスを積み重ねることはできるし、それが救いになる人もいる」
「俺に負い目を感じるのは仕方ない。その分これからも傍にいて、たくさん助けてほしい…なんてどうかな」
割り切れぬ後悔があるのは自分とて同じだ。時間や代償行為で解決しない事も理解している。
それでも頼りにしてくれる人、幸せにしたいと言ってくれる人の存在は大きな支えとなる。だからここにいると改めて伝えたのだ。同じ痛みを知る者が。
ルルは珍しく考え込んでいる。人生との向き合い方の話だ、無理もない。今出来るのはひたすら待ち、結論を受け止めてやることだ。
そうしてしばらくの思案の末─ルルの唸りは短くなり、頭の振りは縦に変わっていった。
「…うん、ちゃんと勉強して治せるように頑張る。エイジャーはまだ生きてるもんね」
「ああ。だけど無理はしないでね。俺にとって一番の励みは、君が傍にいてくれることだから」
「…きゅん」
「え?」
「今
瞳にハートが浮かんでいるようなこの目には見覚えがある。今は亡き妻 サーヤによる"狩り"の時間を報せるそれだ。どっと冷や汗が噴き出るのを感じる。
「昨日はししょーのせいで置いてけぼりだったし…今日はその分もイチャイチャしていいんだよね?」
「お、落ち着くんだルル。ちょっと目つきが怖」
「エイジャ〜〜〜〜っ!!」
「うわーーーーっ!?」
(おいおい…オレがいること忘れてないか?)
武器へと身を変えたオメルタがその場から逃れる術はなく、目の前で繰り広げられるいつも通り…というには少し激しい応酬を眺める他ない。
少女に揉みくちゃにされる姿から
もうしばらくは手を貸してやろうと静かに決心するオメルタであった。…目の前でイチャイチャするなという苦情とともに。
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「ロレンツとの連絡が途絶えました」
どこかにあるアラクネ本部、その中でも特に秘匿された区画に座すはバンザム・エスカパーラ。大参謀の彼が放った報告は良くない変化を確信させる。
ロレンツの役目は人員管理、表と裏の橋渡しである。マメな性格を考慮しての人事であり、そんな男が報告を寄越さないとなると…
『回りくどいぜバンザム。誰にやられたんだ?』
いの一番に反応したのはユダハン・アニス。ボージャン、バンザムに並ぶ創設メンバーであり、別働隊を操る事で組織の全容を掴ませないのが彼の役目だ。
「周辺を嗅ぎ回る青年がいたそうです。所属は不明、たった1人にやられる男ではありませんが…」
『既存の商路は避けるべきですな。作品を捌くのにロレンツ氏が不在ではリスクが大きい』
懸念を表明したのはゾニング・エイアイン。巷を賑わせている贋作市場の元凶にして、資金調達を担っている縁の下の力持ちだ。
「表に最も近いのはあなたです。しばらくは身を隠すべきでしょうね」
『つっっっまんなーい!!!』
話し合いを遮る声に表情を渋らせるバンザム。その理由は参謀としても、個人的にでもあった。
メニィナ・ドウパン…それが略奪部門を取り仕切る女の名である。"勝手に"足抜けした前任者に代わって花形を演じているわけだが、何かと問題の多い人物でもある。
『1人やられたくらいでビビッちゃってさぁ、それでも大悪党?敵が分からないならそれっぽい奴らみーんな
『ヤ゛ア゛アァァァァ!!!』
獣のような雄叫びは通信機越しでも耳に障る。理性的な立ち居振る舞いを心がけているバンザムですら舌打ちを抑えられぬほどに。
彼の名はガンターク。部下が定着しないメニィナに付き従い続けてきた"引き裂き魔獣"だ。
「…イソーに対する相談なしの襲撃、その先頭に立っていたロウンがあなたの部下であることをお忘れですか」
『ロウン…あーインテリ攫ってきてた奴!まー使えるほうだったけどぉ…失敗したからもういらなーい☆』
『そういう話ではありませんぞメニィナ。あの一件でロレンツ氏の居場所が漏れたのではないかとバンザム氏は申しているのです』
『いらなくなった奴の事なんか知らねーってば。あと呼び捨てしてんじゃねーぞ引きこもり』
始まった。
このメニィナという女はとにかく沸点が低く、他者への思いやりがない。盗賊という立場を加味しても、である。
ユダハンの推薦で大幹部となった彼女だが、破壊の才能に反して指揮能力は皆無に等しい。弱点を補ってくれていたロレンツを"くらい"で切り捨てたのが顕著である。
『貴様が振り回すオモチャの費用は誰が稼いでるとお思いですかクソガキ。幼稚なのは外見だけにすることですな』
『わたしの目の前でも言えるか試してもいいんだよ?今どこにいるか言いなよ。はーやーくぅ!!!』
『今日のメニィナちゃんはご機嫌ナナメだな。どうせならその怒り、犯人探しに使わねェか?』
ユダハンの提案により口論がピタリと止まる。元々メニィナが始めた不毛なケンカ、興味が逸れればすぐ終わる程度のものであり、彼もそれを分かった上で介入したのだ。
『標的はオレ達を潰したがってる。アラクネを名乗って暴れりゃ向こうから顔を出すに違いねェ。先の失態で賊にナメられるのも癪だしな』
『ってことはー…?』
次の言葉を心待ちにするメニィナの声は、お菓子をねだる子供と瓜二つだ。最も、求めているものは比べものにならないほど血腥いが…
通信機が届けるのは声のみだが、なんとも下種な表情が目に浮かぶ。ユダハンが鳴らした鼻音も含め。
『全部壊して奪って回る。
『ほんと!?やっぱりユダハンは最高。
『ヤ゛ア゛アァァァ!!!』
『…ってなわけだがいいよな?バンザム』
大参謀たる自分を差し置いて仕切るのは本来好ましくないが、彼女が癇癪を起こすのも厄介だ。バンザムは濃いため息をひとつ吐くと、引き出しから紙を取り出した。
「……そちらに兵が届くまで待機すること。確実に犯人を見つけ、潰す必要がありますからね」
『え〜…あんまり待たせないでよ?』
『我はしばらく地下に潜る。商路が繋がり次第遣いを送っていただきたい』
『オレぁ
「大規模に動くのはメニィナのみ、残りは野盗を装うよう徹底。私もしばらくは事後処理に回ります。皆さんくれぐれも気をつけて」
挨拶を皮切りにメニィナ、そしてゾニングとの通信が途絶える。残った1人─同じ創設メンバーのユダハンは邪魔者がいなくなったのを確認すると、話を切り出してきた。
『あのロレンツが落ちるとはなぁ…そういや知ってるか?金持ちだけが罹る病の噂』
「私も驚きました…てっきり過去は捨てたものだと」
『恨みってのはそう簡単に消えねェよ、ここにゃ共感できる奴もいないしな。アイツは繊細すぎたのさ』
そう語るユダハンも、バンザムも独断行動による末路を責める様子はない。彼がどういう環境にいたかをよく知っているからだ。
もっとも記憶を共有するもう1人─ボージャンはこの場にいないのだが。その事はお互いに触れようとせず、気まずい空気が流れる。しばらく続いた沈黙を破ったのはバンザムだった。
「メニィナは君が推薦したんでしたね。やりすぎるきらいがあるので私は好きませんが…役目を果たすと思いますか?」
『ロレンツに辿り着いた奴だぜ?我慢比べは分が悪ィだろ。こっちもそれくらい賭けないとな』
「…組織を思っての発案ですね?」
『当然!オレぁアラクネを気に入ってるからな。アイツはどうだか知らねェが…な』
他の幹部には決して聞かせぬ声色は研ぎ済ませたナイフのように鋭く、冷たい。遠く離れた場所にいると知りつつも、首が涼しく感じるほどに。
『…ま、オレの動きはさっき話した通りってことで。アイツに会ったらよろしくな〜!』
不気味なほどの豹変とともにユダハンからの通信が途切れる。バンザムは椅子に深く腰掛けると、ハンカチを被り天を仰いだ。
「ボージャン…君が立ち上げた組織はあまり永くないかもしれませんよ」