王都騎士団副団長 ブラヒムの裏切りは大陸に大きな爪痕を残す結果となった。
エイジャーが魔族に寄生された人々の治療に奔走し、ルルが未知の感染症を根絶すべく古代の墓を目指すなどそれぞれの動きを見せる中、盗賊団の痕跡を探すアルジードは断罪の拳を持つ女性 ジャスミンと各地を巡る…
「どうじゃアル坊?新しい鎖の着心地は」
ここは片田舎のとある村…アラクネの痕跡を探すアルジードは鎖の新調のため、馴染みの鍛冶屋を訪れていた。鍛冶屋といっても普段は周辺の村に頼まれて器具を作る程度の、趣味で営んでいる小さな工房である。
それでも過去の恩…拐われた孫を取り戻してくれたアルジードのためにと融通を利かせてくれる有り難い存在であった。
「相変わらずいい仕事してるぜじいさん。さすがだな」
アルジードは鎖を装着しながら新品の調子を確かめている。金属光沢が抑えられた黒い鎖は隠密性が高められており、それでいて軽い。暗殺術を得意とする彼の戦法に適したチューニングだ。
曰く、最近流通するようになった素材を混ぜ込んでみたところ理想の仕上がりになったらしい。耐用テストもクリアしており、これまでよりも無理が利くようだ。
─おーい!アルジードく〜ん!
試着を終えて一休みしていると遠くから呼び声が聞こえてくる。それは騎士団との連絡のために近隣の町へ"徒歩で"向かっていたジャスミンのものだった。
「なんじゃ彼女かぁ?お前も丸くなったのォ」
「まさか。心配性なツレが寄越したお目付け役だよ」
やれやれと肩を竦めるアルジードに老人は「そうか」とだけ返し追及はしなかった。良い方向で心境の変化が起きたことは、横顔を見れば一目瞭然だったからだ。
「そうじゃ、お前にこいつを…鎖のレシピを渡しておこう。ワシもいつまで生きてるか分からんからの」
「ん。一応貰っておくけどあんたの鎖を気に入ってんだ、簡単にくたばるんじゃねえぞ?…あんま無視してるとうるさいから行くわ」
そう言って背中越しに手を振るアルジード。ぶっきらぼうながらも気遣いの言葉を投げかける彼の姿に心境の変化を確信しつつも、遠い日の光景を重ねていた。
大人たちへの失望を目に宿し、盗賊の殲滅だけを糧として生きる獣のような少年…とりつく島もない彼にできるせめてもの恩返しとして、使っていた鎖を鍛え直したのが関係の始まりだったことを。
(あの子供がよくぞあそこまで…お前が選んだ止まり木がどれほどのものか、一目見るまではくたばれんのォ)
─アルジード君!さっそく新しい鎖を慣らしたくはありませんか!?
─あんたが手合わせしたいだけだろ…ここじゃ迷惑だからそのうちな
老人は曲がった腰を精一杯伸ばしながら、小さくなっていくふたつの背中を見送り続けるのだった…
──────────────
それからしばらくして。見晴らしのよい平地にはいつものようにスパーリングに励む2人の姿があった。
鋭い蹴りによって裂かれる空気のくぐもった音。
瑞々しい肉体がぶつかり合う破裂音。
衝撃を受け止めた地面が深く穿たれる音…それらの音は絶え間なく、そして高速で繰り返されている。
スパーリングを重ねる中で手の内を把握していることもあり、互いに過剰な手加減は無くなってきている。それでも基本的な体術の応酬に食らいついてくるまで成長したアルジードに対し、ジャスミンの戦意は昂り続けていた。
「そこです!『罪爆打』!!!」
「甘ぇよ!『アイアンメイデン』!」
アルジードは正拳突きをスライディングで回避しつつ、すれ違いざまに展開した鎖で腕を拘束する。凄まじい拳圧を伴うこの技も、油断さえしなければ難なく躱せるだけの立ち回りを身につけていた。
「ッ!なるほど、技の出も以前より早くなりましたね…!ですが巻き付けただけでは拘束になりませんよ!」
鎖を強引に手繰り寄せて体勢を崩し、無防備な体へ裏拳を叩き込もうとするジャスミン。対するアルジードは左手で裏拳をいなしつつ背後を取ると、お返しとばかりに踵を振り下ろした!
「いいとこ入ったぜ…っ!?」
踵は確かに芯を捉えていた。振り下ろしの速度も申し分なく、空中で踏ん張りが効かないことを加味しても十分な威力が出ていたはずである。
にも関わらずジャスミンの体はわずかに揺らいだのみで、ダメージが通った様子はほとんどない。想定外の頑丈さに驚愕するあまり、次の一手が来ていることを認識するのがワンテンポ遅れてしまう。
「『馬怒脚』…背後を取ったからと油断してはいけませんよアルジードくん」
「がっ…はあっ…」
恵まれた可動域から放たれる後ろ蹴りを受けそのまま倒れ込むアルジード。他に伏したままの彼を見て"やりすぎた"ことに気付いたジャスミンは慌てて服と鎖を脱がせると、自らの蹴りで刻まれた跡に針を打ち始めた。
「大丈夫ですかアルジード君!すぐ呼吸を整えますから!」
「っはぁ…鎖越しの蹴りでこんなに衝撃が来るとはな…相変わらずのゴホッ…馬鹿力だぜ」
「氣の解放については師匠にきつく注意されているのに…もう少し、もう少しだけ我慢してください!」
錯乱したような口ぶりとは対照的にジャスミンの施術は正確だ。乱れた経脈に刺激を与えることで機能の回復を促しつつ、力を逃がすことで強張った体を宥める…
危険なほどに浅かった呼吸はすぐに落ち着きを取り戻し、いつしか脂汗も引いていた。
「あんたこれだけはいつも正確だよな…拳法より
アルジードの鋭い指摘に思わずうめき声をあげる。煉獄心拳はいつも失敗するが、点針術による治療は常に正確無比なことは彼女も自覚していたからだ。
「本当にすみませんでした…それでも私は煉獄心拳を極めたいのです。師匠のように」
拳を握り締め、いつになく真剣な表情のジャスミン。アルジードは言葉が過ぎたことを謝罪しつつ、未だ本調子でない体を木に委ねた。
「そういやあのじいさん大隊長だったな。その割には引き連れてる部下が少なかった気もするが…本当に強いのか?」
「当然です!師事して十数年、師匠が負ける姿を見たことがありません!どれだけ偉大なのか語る必要がありそうですね!!!」
(やっべ、面倒なツボ突いちまった)
話を終えるまで動かないとばかりにジャスミンは腰を下ろし、師匠であるド・フィスとの出会いについて語り始めた─
ジャスミンは山の中に点在する集落の一つで産まれた。そこは緑豊かな森でありながら岩塩が見つかる奇特な土地であり、彼らは塩を元手に麓の地域と交流していたという。
しかし内陸部の塩需要という大きな市場を横取りされた貴族が彼らを快く思うはずもなく。山の民は幾度となく攻め込んでくる刺客たちに疲弊する日々を送っていた…あの男が現れるまでは。
その男は山の中で行き倒れていた。差し金を疑う山の民から処刑する声もあがったものの、ひとまずはミネ族で身柄を預かることとなり、献身的な世話の甲斐あって無事に回復する。
求道者を自称するド・フィスはミネ族の採掘を手伝う中で硬い岩盤を素手で、それも触れずに砕いてみせた。族長は彼の力に驚きつつも自分たちが置かれている状況を説明し、刺客たちの排除を依頼したのである。
族長の見立ては正しかった。人外じみた彼の力に野盗は尻尾を巻いて逃げ出し、王国軍すら入山を躊躇うようになったのだ。
迫りくる脅威を拳ひとつで退ける"最強の男"の存在はやがて山の民の間で英雄譚となり、幼い頃から耳にしていたジャスミンはまだ見ぬ英雄に憧れを持つ。
「山は天然の鍛錬場ですからね。不安定な地面は足腰を鍛え、木を殴り続けた拳はみるみる破壊力を増していきました。頑丈に産んでくれた両親には感謝しかありません」
(…話を聞いてる限りだと十にも満たない頃から木を殴ってたことになるんだが…)
だがある日を境に彼女の憧れに陰りが見えることになる。それはド・フィスが敵対しているはずの王国の軍門に下る、という噂が広まったからだ。
守護を任されてからの彼は常に集落を転々としていた。それは広い山をくまなく警備するためとしていたが、拠点を狙い撃ちされないための配慮でもある。
故に彼の動向をすべて把握している人間は誰一人としておらず、噂の真偽は謎のままだったのだ。
ジャスミンは真偽を確かめるべく搜索を始めた。修行の過程で山を知り尽くしていた彼女が、人を見つけるのにはさほど時間はかからなかったという。
「…で、追いつかれたじいさんはなんて言ったんだ」
「そ、それがですね…気持ちが先走るあまり決闘を申し出た次の瞬間には拳が出ていまして…」
「えぇ…」
さすがに短絡が過ぎると理解しているのか、ジャスミンは引き気味のアルジードに苦笑いを返す。そしてすべての攻撃を無力化されひたすらに投げられて、彼の圧倒的な強さを知ったと語るのだった。
「師匠は動けない私にこう言いました。『未熟な力でワシに勝つことはできない、答えを引き出したければ正しい力と心を学べ』と…」
圧倒的な力の差である、このまま我流で鍛えたところで勝てる相手ではないと判断したジャスミンの答えは1つだった。この男に師事するしかない、と。
自分を倒し、答えを引き出すための力をつけてほしい…ド・フィスは荒唐無稽にも思える頼みを快く受け入れ、直弟子として修行をつけるようになる。
そしてジャスミンが弟子入りして数カ月後…山の民にとって大きな転機が訪れることになる。それは体制を新たにした王国からの使者の来訪であった。
「交渉に来たのは王様、それも麓に部下を置いてたった1人…丸腰で入山してきてこう言ったそうです。『私が信頼に値する人間かどうか、まずは貴方の力で推し測ってくれないか』と」
「本物の煉獄心拳は悪意だけを打ち砕く、だったか。手っ取り早い手段だろうが正気の沙汰じゃねえ…国王ってのはとんだイカれ野郎だったんだな」
そこから何が起きたかは未だに教えてもらっていない。歴史として語り継がれているのは王国と山の民が和平を結び、ド・フィスがその仲介役となったことである。
そして王都騎士団 大隊長という異例の引き抜きに合わせて入団したジャスミンは、犯罪の撲滅を使命に各地を巡ることとなる。
"煉獄心拳は正しき心と体が揃って初めて真価を発揮する"…師弟関係を結んだ時から言われ続けて数年が経った頃、ジャスミンは様々な事件に向き合う中で至った考えを告げたという。
それは"人からものを奪ったり、傷つけたりする人々は悪であり、彼らを打ち砕く我々が正義である"という素直すぎる結論。だがド・フィスから返ってきた反応は予想と違っていた。
「師匠は納得していない様子でした。何が違うのか未だに理解できませんが…煉獄心拳が未完成であることが、私が至っていない証拠なのでしょうね」
アルジードは彼女の考えがまったくの的外れだとは思わなかった。治安維持を担う組織として、ジャスミンが挙げたものは確実に悪である。
だが彼女が辿り着くべき場所はもっと先にあるのだろうとアルジードは推察していた。その答えがなんなのか、朧気ながらも見えているのが"正義"を行動指針としない自分なのはなんとも皮肉なものである。
(…ま、オレが口を挟むことじゃないか。自分で見つけさせたいんだろうしな)
「ところで話を戻すけどさ、あのじいさん大隊長なのに引き連れてる人数が少なくないか?もっとこう…大軍勢を想像するだろ。中隊長も名前の割にだったけどさ」
アルジードが代わりの話題に選んだのはエイジャーに同行し、騎士団と関わる中で浮上した疑問…階級と部下の規模の差についてだった。
これまで会った小隊長と、シエスタやノブリスなどの中隊長が引き連れている部下はどちらも10〜25人。辺境の村はこれより少ない場合があるものの、上限で見るとほぼ同じなのだ。
ジャスミンは投げかけられた疑問に首を傾げた後、彼の立場を思い出したのか納得したように手を打った。
「そういえばアルジード君は正式な団員ではないんでしたね。階級は有事の際に指揮できる規模を表していて、一個隊の人数自体はほとんど同じなのです!」
王国軍を解体・再編して誕生した王都騎士団は侵略や戦争を前提とした組織ではない。
そのため普段は小隊規模で行動し、強大な敵を相手取る時のみ連隊を編成する。その際に強い指揮権を持つのが中隊長、あるいは大隊長というわけである。
こうすることで各部隊の特色を活かした柔軟な配置が行える他、広範囲に展開していち早く異常を察知することができる…というのが表向きの理由とされているが。
騎士団にわずかに残る軍閥が結束し、暴走しないための"首輪"なのではないかと考える者もいたらしい。もっとも王亡き今、真実を知る術はないのだが。
ちなみに街を守る憲兵隊は勝手が違っており、有事の際にどれだけ街の政治に干渉できるかが変わってくるのだとジャスミンは付け加えた。
「国境を守る大隊など例外もありますけどね。でもエイジャー君から聞いていないとは意外でした」
「だいぶマシになったとはいえ団長もナイーブなとこあるからな。気付いたのもつい最近だし掘り返すまでもなかったのさ」
「…アルジード君、その、ありがとうございます。仲間の怪我ひとつで凹んでいた彼のことです、皆さんを失いどれだけ傷ついたか…」
足を抱え、目を伏せるジャスミンの柄にもない態度にむず痒さを感じたアルジードは肩を竦めると、ため息混じりに言い放った。
「団長を叩き直してるのは姫だ、オレはなんもしてねぇよ。それにあんたも団長の支えになってると思うぜ?古い知り合いが無事だと喜ぶからな」
「アルジード君…」
「女として見てるかは別として信用はしてるはずだぜ。オレのお守りを押し付けるくらいだしな。アラクネの大幹部をぶっ潰せば褒めてくれるんじゃねえか?」
「そうですね…私も頑張…がん…お、女としてってなんですか!?」
数秒遅れて反応したジャスミンは目をぐるぐる回し、声は上ずり、顔は真っ赤に茹で上がっている。殺されかけた事へのささやかな仕返しのつもりでからかったものの、予想以上のリアクションにアルジードは思わず吹き出した。
「ぷっ…アハハハ!あれで隠してたつもりなのかよ!?誰が見ても団長に惚れてるし、姫と色ボケ女に嫉妬してたぜ?クククっ…」
「えぇ!?そそそそそそうなんですか!?あいやっ!私は決してそのような下心は…!」
「教団を回ってる時もだけど隠し事が下手すぎるだろあんた…全身から本音が滲み出るのなんとかした方がいいぜ。ククッ…嘘のつき方、教えようか?」
真面目で実直なこのジャスミンという女性、とにかく嘘が下手であった。宗教団体への偵察時にもわざわざ名乗りを上げ、禁止しても何かの拍子に吐いてしまうほどに隠し事もできず、最近は偵察を出禁にされている。
それはエイジャーへの好意と嫉妬心についても同様であり、本気で隠し通せているつもりだったと聞けば可笑しくなるのも当然ではある。最も、からかって良いかは別問題であるが。
この時のアルジードは忘れていた。目の前の乙女が化け物じみた強さの戦士でもあることを…
「アルジード君!いくらなんでもからかいすぎです!これは!制裁が必要な事案と判断しました!」
「え。ちょっと待て!この状態で追撃なんて食らったら…!」
「乙女心を笑った罪!償っていただきます!煉獄心拳四の型『破邪顕掌』!!!」
莫大な氣、もとい魔力を乗せた掌底は"面"でアルジードを捉え大きく吹き飛ばす。
性格も信念も正反対の2人の旅は決して平坦とは呼べないものの、お互いにとって良いものとなっているだろう。…たぶん。
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「あーもう!なんで起こしてくれないのさ〜!」
叫び声と慌ただしい足音が響くここはとある宗教団体の宿舎。今日は不定期で行われるシュ・ラーク…つまるところ日の高いうちから酒を飲み、騒ぐ神事の日。
夜遊びの疲れを引きずったせいで寝坊し、目覚めた頃には正午が迫ろうとしていた信者の1人 デボラは乱れた身だしなみもそのままに廊下を走っていた。
「ピルマってこういう時気が利かないんだよねぇ。はっ!もしかしてママに気に入られるよう抜け駆けを…ん?」
デボラは視界の端に捉えたあるものに反応して足を止める。曲がり角へ消えていったのは少年の横顔…それは爛れた日々を送るこの場所には似つかわしくない存在だった。
(教団の人…にしては子供すぎない?あんな子いたかなぁ?)
「あっデボラだ。ウチ何回も起こして…どしたんすか?」
騒がしい足音を聞きつけてか、背後から声をかけてきたのは同室のピルマだった。首をかしげて曲がり角を見つけるデボラに合わせるように、グラスの入った木箱を抱えたまま同じ場所に視線を向ける。
「知らない男の子がそこを歩いてたような…誰かの子供が遊びに来てるのかな?」
「……寝ぼけてただけじゃないすか?垂れた前髪が人影に見えたとか。そんな事より聞いてくださいよ!今回のお酒はデボラの好きな赤ワイン!」
「嘘っほんとに!?ちょ、あたしも運ぶものないか聞いてくる!」
「走ると危ないっすよ〜!…ふぅ」
デボラが行ったのを確認したピルマは木箱を下ろすと、彼女が視線を向けていた曲がり角に向かっていく。
そして信者たちは気にも留めない部屋の前で足を止めると…先ほどまでの人懐っこい雰囲気はどこへやら、瞳に冷たいものを宿しながら舌を打ちドスの効いた声で部屋の主を威圧したのだった。
「見られたのがバカのデボラで命拾いしたっすね」
─偉そうな口を叩くな下っ端が。いざとなれば殺せば終わりだろうが
「はぁ?クソガキの分際で生意気っすよ。お前がママに求められてるのは─」
ここまで出たところでピルマの口が塞がれる。振り返った先にいたのは笑顔で人差し指を立てる"ママ"であった。
─デボラそんなに持って平気〜?てかつまみ飲みしちゃダメだかんね?
─しないし!それで割ったら取り分が減るでしょ?
─出た。お酒の時だけちょっと賢くなるやつ!
─キャハハハハハハ!!!
「…すんません助かりました。あの、どうやって落とし前をつければ…」
「そんなの必要ないわよぉ♡上手く誤魔化してくれたみたいだし。でも気を抜かないでね?そろそろ"出荷"の時期だから」
物騒な言葉に呼応して変わる声色の圧にピルマは息を呑む。部下が気を引き締めたことを確信した"ママ"は笑顔で肩を叩くと、皆が待つ聖堂へと向かっていく。
そうして巨大な背中が視界から消えたのを確認するとへたり込み、大きく息を吐いた。
(…っっっぶねぇ〜〜。ヘマしたらウチもあいつらと同じ道を辿る羽目になるんだから気をつけないと…)
─あ!ママだ〜おはよー!私たちめっちゃ手伝ってるの偉くない?
─本当にいい子たちで嬉しいわ〜!最高のシュ・ラークにしましょうね♡
─は〜い!
信者たちのすべてを優しく包み込む"ママ"─彼の裏の顔が明らかになるのは、もう少し先の話である…