適当に生きたいだけなのに俺の個性がそうさせてくれない 作:論 外之助
やっと本編の方で更新だァァァァァ!!
待たせたな!!(スネーク)
ちなみにロビンなどは体育祭か終われば本編に加入します。
「緑谷!続けるか!?」
「うん!」
間髪入れず緑谷チームからの攻撃が襲いかかってくる。
さっきと同じ黒い影だな。
がしかし、
「フミカゲ!アノブタミタイナヤツヤッカイ!」
「クソっ!あいつのせいで思うように仕掛けられない…!」
カブが回転でいなしてくれている。
マジでカブいてくれて良かったな。
いなかったら今頃どうなってたことか…
「あのままカブには緑谷チームをいなしてもらうか…」
「それは分かったけど…轟チームはどうするの?」
トパーズが俺にそう問いかけてくる。
もっともな質問だ。
轟チームの強みと言えば氷結による広範囲攻撃。
しかも移動ルートの制限という妨害だってできる。
あいつ自身の頭のキレと個性そのものの強さが見事にマッチしている。
これが厄介極まりない。
しかも騎馬のメンバー選出も上手いと来た。
メガネ男子の機動力、ポニーテール女子の選択力、金髪は…確か電気を放出するとかか?
よく見てないから分からんな。
兎にも角にもこの騎馬戦においてこれ以上ないくらいの障害だ。
そんな轟チームを前に俺はどうするべきだ?
それと同時に緑谷チームにも警戒しなきゃいけない。
カブで抑え込んでるけれどもそれがいつまでもつか……。
あの黒い影もそうだけどそれ以外に怖いのがあのサポート科の女子の…あれ?発目さんじゃね?
あの人俺がチームに入れるの断ったから二位の緑谷んとこ行ったのか…どんだけ目立ちたいんだよ…。
それはいいとして…あのサポートアイテムが厄介だな。
単純に手数が多くなるって言う点では脅威になりうる。
……というかなかなか高性能そうなやつ揃ってんなー…クラーラに頼めばワンチャン……。
「マイフレンド!来るよ!」
「おっ?」
なんてこと考えている場合じゃないか。
見れば目の前から轟チームの金髪男子が何かしようとしている。
よく見るとポニーテールの女子もなんか作ってるな。
シートか?あれ?
なんのためにかは分からんがとりあえず例のアレやっとくか。
「アベンチュリン、今すぐアレを」
「分かった。ここはオールインで行こう!」
アベンチュリンがそう声を上げたとほぼ同時に轟チームから電気が放たれた。
周りにいたチームが見事なまでにとばっちりを受けている。
数秒後、放電が終わった。
「なーるほど…自分たちが痺れないために絶縁体のシートを作ったってわけね。相当頭が切れるな〜あのポニテ女子」
がしかし、俺たちは全くの無傷である。
「っ!?轟くん!!どうする!!」
「……タネがなにか分からねぇが…電気での攻撃は無理っぽいな…」
電気だけじゃなく、全部無理なんだよ。
これがアベンチュリンを選出した理由、『バリア』である。
こいつはありとあらゆる攻撃から一定ダメージならば守ってくれる。
逆に言えば一定ダメージ以上の火力を出されたらまずいことこの上ないんだが…今のところそれを警戒しなくても良さそうだな。
ダメ押しやっとくか。
「もっかいバリア頼む」
「了解」
指示通りバリアを貼り直してくれた。
これで当分は安心できる。
緑谷の方は……あれ?なんかあの黒い影弱ってる?
なにかに怯えている……?
……まあ今はいいか……。
「どうかしたの?」
「ああいや、なんでもない。あと三分くらいか…このまま逃げ切るぞとりあえず轟と緑谷たちから離れよう」
そう言ったその瞬間
「待てやコラァァァァァァ!!」
「うっわ、また来た」
爆豪がまた単騎特攻してきた。
流石にサンポのナイフ投げても対応されるよなぁ…。
同じ手は2度も通用しなさそうだし。
かと言ってカブを回す訳にも行かない。
「させるかよ!」
「お?」
「チッ!邪魔すんなぁ!半分野郎!!」
思案している間にまさかの展開。
轟が俺たちを守ってくれた…いや、厳密には違うか。
相当
結果的に俺たちを守るって形になっただけか。
だがこれは好都合。
あくまで俺の意見ではあるが今この場で最もめんどくさいのが爆豪まである。
現に緑谷チームはカブで妨害できてるし、轟の方も案を絞ればどうにか出来る。
正直に言うと爆豪が結構きつい。
単騎特攻が故に手札が絞られるが、問題なのはその機動力。
轟チームだってふくらはぎにマフラーが生えている男子がいるから機動力はなかなか高い。
だが爆豪も同等の機動力かつ
これが非常に厄介だ。
「ほんっとめんどくせ〜…」
「どうします?誰かもう一人呼びます?」
「手の内晒すのは出来る限り避けたいんだが…最悪それも考えた方がいいな…」
なおこの間も爆豪が攻めてくるが轟の氷で妨害されてる。
なんか…あれだな、チーミングしてるみたいで申し訳ないな…俺らにはそういう意思はないんだが…。
後で謝ろっかな…?
いや
心の中で謝っとくか。
ごめんな爆豪。
「くそ…!爆豪止めるので精一杯だ…!」
「……轟くん!八百万くん!上鳴くん!僕に案がある!」
「ウェ!?」
「なんですの!?」
「悪いが説明している時間はない!だが!これだけは言う!轟くん!奪い取ってくれよ!」
瞬間、轟の方からドルルンドルルンとエンジンのけたたましい音が聞こえてくる。
何が起こるかなんてわかるわけが無い。
だが明らかにヤバい何かが起こると本能で察知できた。
「トルクオーバー!!」
真面目メガネがそう叫んだと思ったら。
「レシプロバースト!!」
次の瞬間には俺たちの15m程後方に移動していた。
『…は!?ハァァァ!?なんだ今の超加速ゥ!?オイ飯田ァ!!そんなんあるなら障害物競走の時使っとけよォ!!』
「…え?」
「これはこれは…全く見えませんでしたよ…」
「へぇ…なかなかやるじゃないか、彼」
これには騎馬の三人どころか観客も司会も全員驚いている。
俺だってそうだ。
なんだあの加速?
新幹線とか比じゃないんじゃないか?
「飯田さん…!?今のなんですの!?」
「トルクと回転数を極限にまで上げて爆発的な加速を生み出したんだ…反動でしばらくするとエンストするというデメリットがあるがな。緑谷くんに使おうと思っていて誰にも話していない隠し玉だったんだが…状況が状況だ。致し方ない。それより轟くん!どうだ!?取れたか!?」
「……」
轟は押し黙ったまま。
それもそうだよな。
あんな必殺技使っても取れなかったんだから。
「すまねぇ…取れなかった…」
「まじかよ!?」
「クソ!さすがに無理があったか!」
「いや…そういう訳じゃねぇ」
「何?」
「一瞬…本当に一瞬だけだったが…体が重くなるような感覚に襲われたんだ。精神的な話じゃねぇ。肉体的な話だ」
「体が…ですか?」
その轟チームの会話を聞き、堪らず俺は笑みをこぼしてしまった。
僥倖。まさに僥倖。
さっきの飯田の超加速に俺は反応出来なかった。
ただ本能で危険を察知しただけ。
だから個性を使う暇なんてなかった。
そう。
でもコイツは違ったみたいだ。
「サンキュー…ヨウお……ヴェルト」
「気にするな。問題は無いな?」
「何とかな」
「それは良かった。間に合ってよかったよ」
目の前にいる茶髪で眼鏡をかけた紳士的な男に礼を言う。
名はヨウおじ…間違えた、ヴェルト・ヨウ。
彼も俺の個性の1人だ。
『なんと星穹チーム!もう一人呼び出して危険をくぐりぬけたァ!パネェ!!』
「マジか…まだ呼び出せたのかよ…」
「呼び出せた…ってのはちょっと違うかな。正確にはヴェルトが
これは俺の個性の利点だろう。
俺自身が危機に対応出来なくても誰かが対処してくれる。
助け合いの精神って大事。
轟の発言から考えるにヴェルトのもつ減速能力で轟の動きを遅くしたんだな。
まあ多分ギリギリだったんだろうけれども。
『さあさあ!ここで残り一分の知らせだァ!!気張れ気張れェ!!』
「もうラスト一分か…このまま逃げ切るぞ」
「ッ!待て!」
「デクくん!」
「分かってる!」
あ、ヤバい。カブが影みたいなのに捕まってる。
カブの動きに慣れたのか?
流石はヒーロー科だな。
だが悪い。ここまで来たら全力で勝たせてもらうぞ。
「ヴェルト、カブを助けに行って」
「了解した」
「アベンチュリンはバリアに逐一気を配って」
「分かった」
「トパーズはカブが戻り次第指示を出し続けて」
「OK!」
「サンポ……まあ頑張れ」
「なんで僕だけ指示がないんですか!?」
だってお前なら行けるだろと思って…。
信頼してるんだよ?(大嘘)
「今度こそ逃がさねぇぞぉぉぉ!!」
「また来たよ…懲りないやっちゃ」
爆豪、三度目の突撃。
と言っても今回は仲間と一緒に来てる。
流石に戦法変えてきたか。
やっぱそういう所は頭がキレるな。
こいつ、只者じゃない。(強者感)
「黒目!召喚野郎の周りに溶解液!」
「だから!芦戸三奈だって!!」
爆豪の指示に従い、芦戸という女子が俺たちの周りに液体をぶちまけた。
…というかあいつチームメイトの名前覚えてないん?
同じクラスでしょ?え?だよな?
あと黒目て。
俺でも流石にそんなあだ名つけないぞ。
「ってか不味い。移動範囲が……」
「爆豪!今だ!行け!」
「俺に指図すんなぁ!!」
爆豪が爆破で空中を飛びまわりハチマキ目掛けて突っ込んでくる。
アカン。逃げ場がない。
周りは溶解液、後ろは場外。
しかもなんかブクブクいってるし。
溶解液は溶解液でもかなり強めのやつだな。
なかなかエグい個性持ってんね。
「させないよ!」
「させません!」
トパーズが銃で、サンポがナイフで応戦してくれるが……。
全てことごとく避けられてしまった。
やっぱ機動性たっかいな!うらやまし!
「死ねぇぇぇぇ!!」
「死ね?」
これ騎馬戦だよな?
「ッ!?んだコレ!?体重ッ…!?」
「…どうやらまたギリギリのようだな」
「ヴェルト!すまん!助かった!」
僥倖!!
ヴェルトがまたまた助けてくれた。
あ、ヤバい。頭の上にカブ乗っかってるの可愛すぎる。
ちょ、待って笑っちゃう。
すっごい真面目な表情してくれてるのに頭の上のカブが……。
『ヨウおじちゃんはしゃいでる〜』
『久々の出番だから張り切ってるのね』
あ、そうなんだ。
思えば最近出てきてないな。
…今度一緒にチェスでもやるか。
爆豪は…なんか騎馬の人のテープ?みたいな個性で回収されてる。
「俺もサポートに徹する。存分に動いてくれ」
「…ありがとな」
「…?どうした?妙に歯切れが悪いが…」
あなたの頭の上が非常に可愛くなっているからです。
てかカブもカブで早く戻ってきなさいよォ!
ちょっと!ホントにやめて!吹く!吹くから!
おい待てカブ!ちょっ!やめろ!
ホントやめろ!いきなりヴェルトの頭の上で逆立ちすんな!
やめろって!そんで体幹いいなぁお前!!柱みたいに真っ直ぐだぞ!!
「…カブ、戻ってきて」
あ……可愛かったのに…。(矛盾)
って待て待て。落ち着け。
思い出せ、今は騎馬戦だ。
「とにかくこの溶解液をどうにかしなくては!」
「…いや待て」
「どうしたんだい?」
「………このままだ」
「はい?今なんと?」
「このままだ。ここから一歩も動かない」
「正気ですか!?」
「正気だ。そして勝機でもある。周りは溶解液…そして後方は場外。この状況をプラスにする」
「確かに…後ろは範囲的に気にする必要は無いし、溶解液で囲まれてるから他のチームも近づきにくくなる…」
「ある意味籠城だな」
「そういうこと。防御だけに意識を向ける。これが最後の作戦だ…ってまあ作戦とは呼べないか」
そうして選択したのは『不動』。
これが最適解かどうかなんて分かりっこない。
でもやるしかない。
でもただ動かないだけで勝てるほど甘い試合じゃない。
「ヴェルト、お疲れさん。戻っていいよ」
「何?大丈夫なのか?」
「手は考えた。これならいける…と思う」
「………」
「……ほんとごめん。久々の出番だったのはわかってるからさ…えと…そうだ!最終種目!出番作ってやるから!!な!!」
「了解した」
ほんとごめんなヴェルト。
絶対に最終種目出させてやるからな。
「桂乃芬!」
「オッケー!」
ヴェルトが退場し、次に呼び出したのは赤い髪が目立つ元気ハツラツな女性。
名は桂乃芬。
左手にドラムをを携えてのご登場だ。
「それじゃ!早速!!」
右手の棒で左手の
そしてその獅子舞たちはフィールドのあちこちを駆け回る。
「せっかくだから、一発ド派手にいくよ!」
彼女の元気な掛け声とともに無数の爆竹がフィールド上のあちこちで爆発する。
ちなみに獅子舞たちは特別な訓練を受けているので安心を。
『星穹チームゥ!!最後の最後にとんでもないもんを出してきやがったァ!!爆煙で目くらましたァ爆豪みてぇなことすんのな!!っつーかこれじゃ俺たちも分かんねー!!』
観客たちには少しばかり申し訳ないが仕方がない。
これも勝つため。欲しいもんは一つや。(御堂筋)
「だァァァァ!?んだこれぇぇ!?」
「何が起こったァァァァ!?」
「煙でなんも見えねぇぇぇ!!」
「ァァァァァァ!?爆煙が目にィィ!?」
「やっべ、思った以上に被害出してるわ」
「あたしもここまで効果があるとは思わなかったよ…」
「しかしこれで他のチームは僕らを見つけることは困難になったでしょう」
「だな、カブもいるし…来ても最悪溶解液があるからそう簡単には…」
奪われない、そう思っていたんだ。
だから完璧に油断した。
爆豪以外の人間がたった一人で突っ込んでくるとは思ってなかったから。
「おりゃァァァァァァァァァァ!!」
「は?」
突っ込んできたのは緑谷だった。
サポートアイテム無しに空を飛んでる…いや、浮いている。
サンポの額に巻かれている1000万目掛けて。
「おっと危ない」
「ッ!?」
だがアベンチュリンが巨大なサイコロを落として妨害したため奇襲は失敗に終わった。
そのまま場外に出そうになるが腰に巻き付いていた黒い腕が緑谷を煙の中へと引き込んだ。
『タイムアーップ!!終〜〜〜!!了〜〜〜!!』
タイムアップの時点で1000万は俺たちが持っている。
つまり一位通過だ。
「やった〜!勝った〜!!」
「途中からしか出番なかったけど勝てて良かった〜!!」
「そうですねぇ。このサンポも誇らしいですよ。ねぇ、黎流さん」
「………」
「…黎流さん?」
「…彼が気になるのかい?」
「え?ああ…まぁな…」
一位で通過したのは大変喜ばしいことだが今の俺は緑谷にしか意識が向けられていない。
「さっきの奇襲…アベンチュリンが防いでくれなきゃ完璧にハチマキ取られてた…」
「だね。恐らくサポートアイテムを使って僕たちの位置を把握した上での奇襲だ」
「それがどうかしたの?」
「いや…なんでもねぇよ…」
「そう?ならいいけど…」
「…」
あいつは単身で爆豪のように1000万を狙いに来た。
最後の最後まで。諦めることなく。
まるでコミックの主人公のような精神。
その諦めの悪さが…思い切りの良さが…少しばかり羨ましい。
何故かそう思えた。
「もうすぐバージョン2.3が来るな」
「バージョン2.3が来るとどうなる?」
「知らんのか…………ホタルが来る」
このネタやりたかっただけです。