よーし。家に帰ってきたぞー!
まずはこのレシピを焼却処分!
そして、待ちに待った錬金術!!
床敷いた紙にレシピと同じ魔法陣をかいてその上に素材をのせて魔力を込めるとできるらしい。
でも正直錬金術って聞くと壺とか鍋とか思い浮かべるから意外だなー。
そんなことを考えてるうちに、ほとんどの工程は終わり、あとは魔力を込めるだけになった。
魔法は使えないけど魔力だけは一応操作っぽいことはできるので、魔法陣に魔力を流すイメージでやってみる。
おー!魔法陣が光だした!
このまま魔力を込め続ければいいのか。
うおっ!!眩しくなってきた!
俺はこの眩しさに耐えきれず、瞼を閉じてしまう。
すると、だんだん光がおさまってきたので目を開けると、魔法陣の上には先ほど置いた二つの素材はなくなっており、代わりに一枚の淡く緑に光る一枚の葉があった。
おー!これがせかいじゅの葉か!なんかすごそう…
と、自分が初めて錬金した葉に興奮して見ていると、
「ニト!!なんか少し大きな魔力をニトの家の方で感じたんだけど!」
とフリーレンの声が聞こえてきた。
「おー!見てくれよ…こ…れ……」
ドサッ
「ニト!?しっかりして!」
振り返ろうと体をうごしたらそのまま俺の視界は暗転した。
俺に何か話しかけてるフリーレンの声も、徐々に聞こえなくなっていった。
♢♦︎♢
「…ん、あれ?…眠ってたのか?」
いつのまにか俺は自分の部屋のベッドに横になっていた。
腹のあたりにフリーレンが顔を乗せて眠っている。
「おーい。起きろよフリーレン。」
ユサユサ
「…んー…起きたの…?ニト。」
「ああ。なんか急に倒れちまって…迷惑かけたな。」
「あー、魔力切れを起こしてたからねー。ニトの魔力は少ない方なんだから無茶しないでよ。」
「…どおりで今も少し気分が悪いわけだ。今度から気をつけるよ。」
そう言いながら、せかいじゅの葉を見つめ、胸にしまった。
こんなに俺の魔力少なかったのかよ…。今回のですげー実感した…。
「もう、本当に?そうやっていつも…」
ドカァァン!!
突如家の外から爆発音がなり、村の人たちの悲鳴が聞こえてきた。
俺とフリーレンは窓の外を見ると、今にも村が炎に侵食されていくような光景が広がっていた。
「魔族だー!!魔族が襲ってきたぞー!!」
「早く逃げてー!!はや…
ズガァァン!!
「マゾク……魔族!?や、やばいって!フリーレン、逃げよう!!」
「………」
「フリーレン?」
「…ニトは逃げて。私が食い止める。」
「はぁ!?あ、おい!マジで戦うのかよ!」
そのままフリーレンは俺の家から出ていった。
どうする?フリーレンを置いて逃げるわけはいかねえ。
ちくしょう…どうする…!!
「ほう…生き残りか?全員殺したと思ったのだがな…まあいい。死ね」
!?フリーレンのことだ!まずい…フリーレンが殺される…!
でも…怖い…!もう死にたくないっ!!
動けっ!!体…動けっ!!
ふと窓から外を見るとフリーレンが魔族に囲まれていた。
やばい!このままじゃ!!
俺は剣をとり、勢いよく駆けて扉を開いた。
「ニト!?」
「うおおおおお!!!!」
ズバッ!!
「ぐっ!!小癪な!!まだゴミがい…
ブワァァ!!
俺が攻撃した隙にフリーレンの魔法が命中して魔族が燃え尽きる。
「よし、このままいけ…
ドパァァァン!!
「え…?」
油断した。いや、最初から俺が勝てるわけなかった。
俺の右腕が魔族の魔法によって破裂させられた。
「ぐあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ニト!!今助けるから…
ドパァァァン!!
魔族は次に俺の胴体を破裂させた。
視界にはちぎれた自分の足が映っている。
不思議なことに痛みは感じなかった。
魔力切れの感覚に似たような、それでいて違うような感覚。
闇に引き摺り込まれるような…
そうして俺は2度目の死を迎えた。
♢♦︎♢
…………またこの感覚。生まれた時と同じだ。
俺…生きてんのか?
暗い…。それにこれ…土か…。
まずはここから抜け出さないと…
上に…もっと上に…
ガッ
何だ?何かに触れたような…
そこには村でよく見た近所の人の顔があった。
顔は青ざめ、欠損が酷いが一目で分かった。
ひっっっ!!な、何であの人が…!
俺は逃げるように上へ掘り進んだ。
そして、ようやくあかりが見えてきた。
よし…!日の光が見えた!!やっと…!
ようやく外に出れた。
しかし、そこに広がっていたのは、崩壊した地面、焼け焦げた家、そして一面に広がる花畑だった。
「何だよ…何なんだよこれ……」
日の光が廃墟と化した村に差し込み、花畑を照らして幻想的な光景を生み出していた。
まるで復活を祝うように。
胸にしまっていたせかいじゅの葉は失くなっていた。
ありがとうございました。