ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
「せんぱ~い」
そう言ってクロヱは手を振りある人物に駆け寄った。
「はぁ~
いくら周りから認識されないと言っても、大声出しすぎ」
【ふぉーす】第3の町にある噴水の前で、駆け寄ってくるクロヱを見てシオンはため息をついた。
「お待たせしました」
クロヱはそう言ってシオンの腕をとる。
「ちょ、ちょっと」
焦るシオン。
「いいじゃないですか。
今日は沙花叉の言う事を聞いてくれるんですよね?」
「え?
そんな約束だった?」
「はい!」
クロヱは元気よく約束に上乗せしていた。
あなたと別れた後、クロヱは早速シオンに連絡して約束の喫茶店デートを取り付けた。
そして、今に至る。
「それで、行くのはこの前オープンした喫茶店だよね?」
シオンはべったり腕を組んでいるクロヱに聞く。
「え?
あ、はい」
幸せ者絶頂の顔のクロヱは、惚けながら答えた。
「はぁ~」
シオンはそんなクロヱを見て、またため息。
でも、どこか嬉しそうでもあった。
2人はお店について中に入る。
ウェイトレスの女性は2人を見て微笑んだ。
NPCにはホロメンの2人は見えている。
なので、他のプレイヤーに察せられないように、軽い会釈や微笑むなどで対応している。
シオン達は、お店の奥のカウンター席に向かう。
こういうカウンター奥側の席は、実はプレイヤーからは認識できず、ホロメンやイベントキャラ用になっている。
2人はそこに座った。
「何にしよっか」
シオンはカウンターにあるメニューを見る。
クロヱもそれを覗き込んだ。
「チョコケーキにしよっかな?」
「沙花叉はこのイチゴショートで」
ちょうどそこにウェイトレスが注文をとりに来た。
もちろん、イベント専用のNPC。
「ご注文はお決まりになりましたか?」
「沙花叉はイチゴショートで、シオン先輩はチョコケーキで」
クロヱが笑顔で注文する。
「はい、かしこまりました」
ウェイトレスはカウンターの方へと戻っていった。
2人が他愛もない話をしていると、注文の品が届く。
2人は同時にケーキを口に入れた。
「あ、美味しい」
「ですねぇ」
2人は美味しそうにケーキを食べる。
「そういえば、あいつはどうなったの?」
シオンはチョコケーキを食べながら、クロヱに聞く。
「え?
あ、あぁ、きちんと飛び降りましたよ」
「【天使の護り羽】もらえたんだ」
シオンがチョコケーキを口に入れる。
「いえ、もらえてません」
パクっとイチゴを食べるクロヱ。
「え!」
シオンは思わずむせそうになった。
「じゃ、下に落ちてリスポーンじゃん」
「あ、それは大丈夫ですよ」
クロヱはシオンにあなたが湖で何が起きたかを説明した。
「へぇ、そんな事があったんだ」
シオンはチョコケーキももう一口食べながら少し考える。
「保険かけとこうかな」
そう言ってシオンは左手を耳に当てる。
「…あ、もしもし。
実は…」
何か話しているシオンを見てから、クロヱはウェイトレスを呼んで飲み物を注文した。
「終わりました?」
シオンがケーキを食べ始めたので声をかける。
「ん。
ま、これで安心じゃない?」
シオンはそう言って笑った。
ウェイトレスが飲み物を持ってくる。
「あ、シオンの分も注文してくれたんだ」
「もちろんです」
シオンの好みを把握しているクロヱのチョイスに間違いはない。
シオンとクロヱは束の間の2人の時間を楽しんだのであった。
お待たせしました。
GWの中ですが、更新します。
今回のお話はクロヱちゃんの約束デートのお話です。
ま、ゲーム内のお話なので、本当はどうか分かりませんが、楽しい時間をおくれた2人だと思います。
さて、あなたはその時、空の上。
果たしてシオンちゃんが言っていたようにリスポーンしてしまうのか?
次回をお楽しみに