ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
裏ルートに必要なアイテムは手に入れられなかったが、代わりに【新世代first】の1人、轟はじめの力を借りる事になった。
2人は勢いよく?飛び出したが、轟はじめは落ちる途中、救護ロボに捕獲される。
1人下へと落ちていくあなた。
待っている先は生かリスポーンか。
「はぁ、落ちてってるよなぁ」
俺はどんどん過ぎていく空を横目に呟いた。
前回もそうだったが、案外下までは距離がある。
「えっとさ、このまま行くとやっぱり…」
「はい、リスポーンですね」
肩にしがみついているセレスが冷静に答える。
「だよなぁ。
ちなみにセレスはどうにも出来ない?」
一応聞いてみる。
「場所が森とかでしたらどうにかなりますが、下はたぶん砂漠か【近未来都市】なので無理です」
「ですよね」
俺はふぅとため息。
ここでリスポーンするのは普通に痛い。
ま、実際に痛覚を感じはしないけど、地面にぶつかるところはその目で見る事になる。
(トラウマになりそう)
俺は想像して身震いする。
ふと、周りの景色が変わった。
「エリアチェンジしました。
下に【近未来都市】を確認」
セレスの言うとおり、まだ先だが小さく都市が見える。
(そろそろ、覚悟を決めないといけないのか)
俺は少しでも遅くならないか、両手両足を広げたが、あまり意味はなかった。
そして、眼下の都市はその姿を次第に大きくしていった。
「やばいやばい」
もう、【近未来都市】の中心にあるビルが大きく見えてきた。
「リスポーンしたら、また【ふぉーす】ですね」
セレスが呑気に言う。
「はぁ、裏技使ったのが間違いだったか」
俺は後悔しながら目をつぶった。
どす!!
そんな音と共に俺は地面に激突した…
(ん?
なんでリスポーンしない?)
ゆっくりと目を開ける。
すると俺は何やら太いクモの巣のような物に絡まって、地面すれすれで止まっていた。
「なんで…?」
「本当に無茶ばかりするねぇ。
ボクが来てなかったらリスポーンだよぉ?」
俺は顔を上げて声をかけてきた人物を見る。
「ロボ子さん?」
「久しぶりだね」
バズーカを肩に担いで笑顔でロボ子さんは手を上げた。
「どうしてあそこに?」
俺はロボ子さんと【近未来都市】を歩いていた。
「連絡があってさ。
それで監視室から探索したら、上からものすごいスピードで落ちてくる何かがいるって事で、これかぁと捕獲用バズーカ担いで現場に行ったってわけ」
「はは、すいません。
それより連絡って」
「シオンから。
会ったら「無茶ばかりするな」って言っといてって言ってたよ」
「う、面目ない」
(師匠ありがとうございます)
俺は心の中で感謝した。
「それで、何か用事があってここに来たんでしょ?」
「あ、はい。
実は…」
俺はロボ子さんに事情を話す。
「なるほどね。
また、厄介事が起きてるんだ」
「はい」
「で、まずはメインストーリーを進めないといけないんだよね」
ロボ子さんが真剣な顔で聞いてくる。
「はい、この【近未来都市】にそのグランドジョブの1人がいるはずなので」
「うん、それは知ってる」
ロボ子さんは少し考える。
「分かった。
急ぎのようだし、本当は色々と手順があって、その場所が分かるんだけど、今回はボクが直接案内するよ」
「本当ですか?
助かります」
「細かなストーリーぶっ飛ばしてしまうけど、たぶんクリアしたら思い出の記録で確認できるから」
そう言ってロボ子さんは少し早歩きをする。
「ことが無事に終わったらそうします」
俺はそう答えてロボ子さんの後についていった。
目的地に行く途中、ロボ子さんがこの【近未来都市】にいるグランドジョブの事について教えてくれた。
ここにいるのは、グランド・ガンナー
探偵みたいなものをやっていて、正規ルートでは困っていたNPCの代わりに依頼をしに行って、出会うらしい。
「でも、なぜか最近そのトリガーになるNPCがいないのよ」
原因は不明で運営も探しているらしい。
「ここが、その探偵事務所」
ビルの間を通り抜けて、空き地に出る。
その奥にポツンとその場所はあった。
「裏路地にこんな場所があったんですね」
「普通は入れないんだよ。
ここはイベントエリアにあたるから。
だからボクが案内したんだけど…」
奥にあるプレハブ小屋の扉がゆっくりと開いていく。
ロボ子さんの気配が変わった。
「やぁ、こんなところに大先輩がお越しとはビックリですよ」
中から出てきたのは銀髪で赤いフレームのメガネをかけた好青年。
緑色のコートを羽織っていた。
「アルくん?」
ロボ子さんは不審そうに聞く。
「はい、そうです。
アルランディスです」
好青年アルさんは笑顔で答えた。
「なんで若いの?」
(ん?)
ロボ子さんの問いに俺は不思議に思ってアルさんを見る。
(若い?)
「はは、面白い事を聞きますね。
俺はいつもこの姿ですよ」
笑うアルさん。
そこに。
「逃げて!」
プレハブ小屋から少女が飛び出してきて叫ぶ。
「!!
アイルちゃん?」
ロボ子さんはその少女を知っていたのか、その子の名前を呼んだ。
「ん?
アイルを危険にあわせようとするヤツか?」
アルさんの声色が変わる。
「だれなんですか?
あの子」
アルさんが庇うように手を伸ばす後ろに、心配そうな顔でこちらを見ている少女。
「あの子が言ってたNPCの子だよ」
ロボ子さんが臨戦態勢になる。
「アイルちゃんどうしてここに」
ロボ子さんはアイルちゃんに問いかけるが、少女はうつむいたまま。
「おまえはアイルに危害を与えるヤツか」
アルさんが低い声で吠える。
その途端、赤黒い気がアルさんから溢れ出す。
「!
ロボ子さん、アルさんはもう魔集石に取り込まれてる」
俺は見覚えある気を見て、ロボ子さんに伝えた。
「分かった。
どうにかボクがアルくんをアイルちゃんから引き離す。
キミはアイルちゃんを保護して」
ロボ子さんの言葉に頷く。
「警戒はしてください」
肩のセレスが小声で俺に言った。
「ああ」
(そう、もしかしたらアイルちゃんが黒幕かもしれない)
セレスはそう懸念している。
「行く!」
ロボ子さんはアルさんに向かう。
アルさんはそれに立ち向かうように前に出た。
俺は2人の戦闘に巻き込まれないように、回り込むようにプレハブ小屋に向かった。
ドゴン!
凄まじい音をたてながら、2人が激突する。
ガンナーと聞いていたけど、2人は完全に肉弾戦だ。
パンチやキック。
お互いに受けて反撃。
攻撃にカウンター
避けてまた反撃。
目にも止まらぬ早さで攻撃を繰り返す。
(ロボ子さんの強さは知っているけど、アルさんはそれに負けてない)
俺はプレハブ小屋の前に来た。
「こっちにきて」
俺はアイルちゃんに声をかける。
でも、アイルちゃんは首を振った。
「どうして…」
「私が行くとおじちゃんが暴走しちゃうよ。
だから、これを」
アイルちゃんから俺は手紙を受け取った。
「これは?」
「どうしてこうなったか書いてあるから」
「アイルに触れるな!!」
ドン!
「ぐ」
アルさんの一撃にロボ子さんが下がった瞬間、アルさんがこちらにものすごい勢いで突進してきた。
「避けてください!」
セレスの声に俺はプレハブ小屋から離れるように跳ぶ。
ダン!
アルさんは、アイルちゃんの前で方向転換して俺を追いかけてくる。
(くそう!
相手の方が早い!)
バックステップで逃げているけど、突進の方が早い。
「はぁ!」
アルさんの拳が俺に迫る。
(やられる!)
ドガァ!
何かが砕ける音がした。
「ロボ子さん…」
「おじちゃん、私大丈夫だから!」
俺の声とアイルちゃんの悲痛な叫びが重なった。
「いったん下がろう。
これは無理」
ロボ子さんは俺を庇う為に伸ばし、砕け散った右腕を押さえながら言う。
アルさんもアイルちゃんの方へと戻っている。
「分かりました」
俺は下がる前にアイルちゃんを見た。
少女は悲しそうな顔でこちらを見ていた。
「助かりました。
ありがとうございます」
裏路地に入った俺はロボ子さんを見る。
右腕半分が粉々だ。
「危なかったね」
ロボ子さんは笑顔でそう言って、右腕を肩の部分から外す。
「修理できるかな?」
そう言ってロボ子さんは出現させたワープホールに砕けた右腕を投げ入れ、代わりに新しい右腕を取り出して、肩につける。
(そういえばロボ子さんはロボなんだ。
でも…)
「気にしなくていいよ。
あのアルさんは、いつもと違う。
めちゃくちゃ強かった」
ロボ子さんは微笑みながら言った。
「そうだ。
これをアイルちゃんから預かりました」
俺はアイテムボックスから手紙を取り出して、ロボ子さんに渡す。
ロボ子さんはじっと手紙を見た後、手紙を開けた。
「…」
手紙を読むロボ子さん。
「読んでみて」
手紙を受け取り俺は読んだ。
手紙には、アルさんが何故若返り暴走したのかが、書かれていた。
ある日アイルちゃんが、アルさんのところに遊びに行った時に、外で遊んだいたアイルちゃんに空から何かがものすごい勢いで降ってきた。
アルさんはそれを庇うように飛び出して、その何かがアルさんの胸に突き刺さったらしい。
「魔集石だよね」
ロボ子さんが言う。
俺は頷いた。
それから、アルさんの姿が急に若返った。
アルさんはその物体はアイルちゃんを狙ったものだと思い込んだようで、アイルちゃんの安全を守る為に家に匿っているという事だった。
「だから、アイルちゃんの居場所分からなかったんだ。
イベントエリアにいるとは思わないから」
「アイルちゃんを守っているから、アイルちゃんがいなくなったら暴走してしまうんですね」
あの時、アイルちゃんを連れて行っていたら、アルさんは暴走して追いかけてきたに違いない。
そうすれば被害が広がる可能性もある。
「どうしたら…」
「正直、今のボクではアルくんを止められない」
ロボ子さんは、悔しそうに言った。
「そこまで強いんですか?」
「強いとはちょっと違うかな。
アルくんと戦っていると力を吸いとられている感じがしたの」
「え?」
それは初耳の現象だ。
「これまで会った魔集石を持ったグランドの人達はそんな現象ありませんでした」
「たぶん、魔集石を取り込んで変な副作用が出たのかも。
ふぅ、どうしよっか」
ロボ子さんは悩みながら何かを開く。
画面をスライドしていくロボ子さん。
「あ」
ある場所で止める。
「いいのがいる」
そう言ってロボ子さんは意地悪そうな笑顔を浮かべた。
「これから言う場所に向かって。
キミなら会えるはずだから、会ったらこう言ったらいいよ」
ロボ子さんはそう言って俺にある言葉を教えてくれた。
「まじですか?」
「うん。
ボクは一旦中央タワーに戻って、運営に連絡しておくね。
任せる事になるけど」
「はい、元々俺のイベントですから」
「うん、応援してる」
俺はロボ子さんから向かう場所の情報を受け取った後、路地裏から出て、ロボ子さんと別れた。
向かうは【近未来都市】の繁華街。
俺は目当ての人物と無事に会う事ができるのだろうか?
大変お待たせしました。
待ってくださったか方ごめんなさい。
GWの後に来るヤツにやられて、メンタルダウンでした。
さて、無事に【近未来都市】についたあなた。
ロボ子さんに力を借りても倒せないアルさんを、あなたはどうやって退けたのか?
次回まで時間はあります。
ゆっくりと思い出してみてください。
答え合わせは後程に。