ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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3人目のグランド・ガンナーのアルランディスに出会った、あなたとロボ子さん。
しかし、時既に遅くアルランディスは魔集石に取り込まれ、暴走していた。
ロボ子さんと、アルランディスの側にいたアイルを助けようとしたあなただったが、相手の反撃によりロボ子さんが負傷。
あえなく撤退となった。
これを打破する為、ロボ子さんの提案で、ある目的地に行くように言われたあなたは、【近未来都市】の繁華街に向かうのであった。


第13話 通りすがりと買い食い者

「ここが繁華街か」

【近未来都市】にある繁華街は、ファッションやアイテム、武器防具、食べ物等、様々な店が集まっている。

ここにくれば【近未来都市】で手に入る物はほとんど手に入ると言っても過言ではない。

「さすがに人も多いな」

最近では、この【近未来都市】にもプレイヤーが多く来れるようになった。

そのせいでここにもプレイヤーが多い。

「何か食べたいですね」

肩にいるセレスがぼそっと呟く。

「いや、今はロボ子さんから言われたところに行かないと」

ちょうどその時、通話のアラームが鳴る。

俺はステータス画面を開いた。

『どう?

もう着いたかな?

ロボ子だよ』

「ロボ子さん」

「やっほ~」と画面で手を振るロボ子さん。

テレビ電話の通話だが、周りの人からは確認出来ないので安心だ。

「はい、今着いたところです」

俺は画面のロボ子さんに伝え、ゆっくりと歩く。

『そっか、こっちも運営に現在の状況を伝えたよ。

ただ、運営もあれこれやってるみたいだけど、後手後手に回っているらしくて、なかなか成果はないみたい』

「そうですか」

運営が直接介入すると、ゲーム的に不都合も出てくるだろうし、大型メンテなんてすれば、理由も発表しないといけないだろうから、避けたいんだろう。

『それで、今向かってる途中?』

「あ、はい」

『そっか、実は目標はうろついてるみたいで、少し場所が変わったみたい。

こっちでナビするから』

「ありがとうございます」

俺はそう言ってから、ふと前からくる人物を見た。

(なんだ?)

たくさんいるプレイヤーの中、まっすぐとこちらに歩いてくる女性。

まるで、その女性の前には人がいないように歩いてくる。

すっとその女性とすれ違った。

「今は忙しいみたいだし、終わったらね」

「え?」

すれ違いざまにそう女性は俺に言った。

そのまま人混みの中に消えていく女性。

(堂々とした歩き方に目を奪われたけど、どこかで会った事があったっけ?)

『どうしたの?』

ロボ子さんから声がかかる。

「あ、いえ、たださっき女性とすれ違った時に声をかけられて」

『へぇ、キミもなかなかやるなぁ』

「いや、違います」

俺は慌てて手を振った。

『ま、他のみんなには秘密にしておいてあげる』

「え?

それって」

『案外、キミは人気者って事だよ』

ロボ子さんはそう言って笑った。

 

『そろそろ目的の場所だよ。

後はまかせるね』

「はい、ありがとうございます」

画面を閉じる。

ロボ子さんにナビされて俺は言われた場所に着いた。

そこは繁華街にある露店が多数並んでいる場所。

その1つクレープを売ってる屋台に目を向けた。

クレープ屋台の前にはプレイヤーは居なかった。

ただ1人、プレイヤーじゃない人がいた。

「買い食いしてる事、ルイちゃんに言いますよ」

「ひぃ!」

俺はクレープを受け取ったその人物の背後から声をかける。

「な、な、な、こ、これは違う。

これはみんなにだな、お土産を買っていたのだ。

って貴様は!」

その人物は振り返り俺を見ると指差して大きな声をあげる。

大通りにはたくさんのプレイヤーがいる。

しかし、誰もこちらを見ていなかった。

そう、彼女の声は他のプレイヤーには聞こえない。

「久しぶりだね。

魔王様。

いや、ラプ様」

「はぁ~

猛烈に嫌な予感がする」

俺の呼び声に、ラプラス・ダークネスこと、ラプ様は買ったクレープをひとかじりした。

それから俺とラプ様は近くのベンチへと移動した。

ベンチに座り、美味しそうにクレープを食べるラプ様は、もはや小動物のようだった。

「なににやにや、吾輩を見ている」

「いや、美味しそうに口いっぱいに食べてる姿が良いなと思って」

「う、うるさい。

見るな、バカ!」

そう言って残りをパクつくラプ様。

「それで、何のようだ」

腕組みと足組みをしてこちらを見上げるラプ様。

「ちょっと協力してほしくて」

俺は簡潔に事情をラプ様に説明する。

少し考えるラプ様。

そして。

「知ったことかそんな事」

とふんと顔を背けた。

(あ、言われた通りだ)

ここに来る時にロボ子さんに言われた通りの反応をするラプ様。

(じゃ、やっぱり言うしかないか)

俺は少し罪悪感を持ちながら、ラプ様に言う。

「買い食いの事、ルイちゃんに言いますね」

「え!」

悪さをした子どものような顔でこちらを見るラプ様。

(可愛いなぁ)

「え、いや、かんぶにはちょっと」

いきなりしどろもどろになるラプ様。

「今、魔王城、財政厳しいんですよね」

これはロボ子さんの入れ知恵。

「な、なぜそれを」

「それなのに魔王様自らこんなところで散財してるなんて知れたら、ルイちゃんどうなるかなぁ」

ブルッと震えるラプ様。

「そ、そうだ。

証拠、証拠がない。

だから、大丈夫」

白々しく言うラプ様。

最後の大丈夫はまるで自分に言い聞かせているようだった。

「あ、ロボ子さんが全部モニターして保存してるみたいです」

「ロボ子さ~ん!」

頭を抱えるラプ様。

俺は空を見上げる。

そこには見えないけどロボ子さんが「キッズ」と笑っている姿が見えたような気がした。

「分かった、分かったよ。

手伝えばいいんだろう」

半分やけなラプ様。

「ありがとう、助かります」

俺は素直にお礼を言った。

「しかし、条件がある」

ラプ様がニヤリと笑う。

(魔王の条件とは)

俺は生唾を飲んだ。

ゆっくりとラプ様が何かを指差す。

その先には。

「チョコバナナ?」

「あれ、食べてみたい」

そう言ったラプ様はまさしくキッズだった。

 

俺達は繁華街を出て、さっきの路地裏へと向かっていた。

隣を見るとチョコバナナを二刀流して嬉しそうに食べるラプ様がいる。

「ん?

見ててもやらないぞ」

(いや、いらないです)

そう言ってまたパクッと一口。

そんなこんなで俺達は路地裏の入り口に着いた。

俺はラプ様と一緒に路地裏へと入る。

「ふぅん」

入ってすぐにラプ様は、チョコバナナを口に咥えたまま声を出す。

「どうしたの?」

俺に聞かれてラプ様はチョコバナナを食べながら、周りを見た後、「イベントエリアに入った」と答えた。

俺にはよく分からないが、ラプ様にはそれが分かったみたいだ。

「それにしても、嫌な気配がするな。

これはバグに近い」

ラプ様は独り言のように呟く。

俺達はそのまま路地裏を進む。

そして、その場所へと帰ってきた。

「ここか」

2本目のチョコバナナを食べながら、ラプ様が聞いてきた。

「はい」

俺は答える。

ビルに囲まれた少し開けた場所の先にそれはある。

俺達が到着したと同時に事務所のドアが開いた。

「また、お前か」

アルさんが俺を睨み付けながら出てくる。

その後ろにアイルちゃん。

「ん?

なんだその子どもは」

アルさんはラプ様を見て言った。

「えっと、認識ないんですか?」

俺はラプ様に聞く。

「ん?

そんな事はないだろう。

吾輩達はリアルの記憶も引き継いでいる。

たぶん、その魔集石に囚われているんだろ」

ラプ様はアルさんを睨みながら言った。

「それと、後ろにいる女児か?

あれは白だな。

普通のNPCだ」

ラプ様が俺にそう教えてくれた。

「そうですか、よかった」

俺は事前にラプ様に1つの懸念として、アイルちゃんの事を伝えていた。

「さて、それじゃ、さっさと終わらせて、買い食いに戻るか」

チョコバナナを片手にラプ様が前に一歩でる。

「おまえもアイルを狙う者か!」

アルさんが叫ぶ。

「ん?

別に違うが、何ただの暇潰しだよ。

かかってこい」

ラプ様は笑う。

ロボ子さんでさえ勝てないと言っていた相手にラプ様は勝てるのか?

「アイルは俺が守ってやるんだ!」

そう言ってアルさんがラプ様に突撃した。

「ま、少しは楽しませてくれよ」

それを見てラプ様は不敵に笑った。




お待たせしました。
今回のキーキャラの登場です。
この【ホロライブワールド】の絶対王者の1人ラプラス・ダークネス。
魔王であるラプ様の実力はいかに。
そして、アルさんは無事に魔集石から解放されるのか?
それでは次回をお楽しみに。
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