ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
そして、あなたは懐かしい人物に再開する事となる。
「さて、次はどこに行こうか?」
俺は【近未来都市】の中央部に来たところで、地図を広げながら肩に乗るセレスに言った。
「ここから一番近いのは、【バーチャル】の第2の街にある印ですね」
ぴょんと地図の上に降り立ったセレスが、その場所を指差す。
「第2の都市か…
【学園】のある場所だよな?」
(何度も行ってる場所だから、【ゲート】を使えばすぐだな)
俺は地図を拡大して【近未来都市】の【ゲート】の場所を探す。
そんな時だった。
「あ、いたいた。
よかった、移動してなくて」
そう声をかけられた。
「ん?」
俺は聞き慣れた顔を上げてそちらを見ると、そこには手を振る女子がいた。
「久しぶり」
そう言って駆け寄ってくる女子を見て俺は笑顔になる。
「はい、お久しぶりです。
まつり先輩」
俺の言葉にまつりちゃんはとても嬉しそうに笑った。
「まつり先輩はどうしてここに?」
まつりちゃんと2人で近くのカフェに入って、飲み物を注文した後、俺はまつりちゃんに聞いた。
「え?
あ、もちろんキミに用事があってだよ」
机の上にいるセレスを指でつんつんして遊んでいるまつりちゃんが答える。
「用事ですか?」
「そ、聞いたよ。
また、厄介事に首を突っ込んでるって」
ニヤリと笑うまつりちゃん。
「はは、なんか巡り合わせがいいみたいで」
俺は苦笑いでかえす。
「そんなキミが次に向かうのは、【バーチャル】の第2の街かなって思って」
「あ、はい。
その通りです」
少し驚きながら答える。
「なので、迎えに来たってわけ」
それから、俺達は注文した飲み物を飲んだ後、まつりちゃんに案内されて、中央部に近い【近未来都市】の出入口に向かった。
「あ、懐かしい」
そこで見たのは、俺が初めて【近未来都市】に来た時に、まつりちゃんに乗せてもらったかなりメカチックな車。
「そうでしょ。
見た目はあまり変わらないけど、性能は段違い。
ま、前のが試験用でこれが正規版ってところ。
なかなか、乗る機会がなくてね」
そのまつりちゃんの言葉にピンとくる。
「迎えにかこつけて実は車を乗り回したかっただけじゃ?」
俺はまつりちゃんを見る。
「はは」
まつりちゃんは軽く笑った後、人差し指を口に当てウィンクした。
「しかし、相変わらずのスピードですね」
「そうでしょう」
広大な砂漠を土煙を上げて走る車。
オープンカーだが、今は天井を閉めている。
開けてたらかなり大惨事になるほど、車は凄まじいスピードで走っていた。
「でも、中はすごく快適です」
『アリガトウゴザイマス』
そう音声が流れた後、飲み物が出てくる。
完全自動運転、AI付きで、飲み物や食べ物まで用意してくれる。
すごい車だ。
「ま、さすがにロボットには変身出来ないんだけどね」
『イツカ、ジツゲンシテミセマス』
まつりちゃんの言葉にAIは元気よく答えた。
(いやいや、どれだけすごくなるんだよ)
「そういえば、前回よりかなり早くなってませんか?」
「ん?」
ボテチを食べながらこっちを向くまつりちゃん。
「ん、まぁね。
でも、これが限界じゃないよ?」
「え?」
「そろそろいいかな?
ジェットモード、ゴー」
『リョウカイシマシタ。
ジェットモードキドウシマス』
「はい?」
フワッと体が浮く感じがした。
その後、俺はすごいGを受けた気がした。
後に【近未来都市】へと向かういくつかのPTが語る。
「砂漠で、真昼にすごい勢いで過ぎ去る何かを見た」と。
それは未だに解決されてない不思議として語り継がれていく。
「着いたよ」
「え?
あ、はい」
俺は辺りを見る。
そこは第2の街から砂漠へと続く入り口の門だった。
「ここからはこの車は目立つから、2人で行ける?」
まつりちゃんに聞かれて、俺は肩を見る。
笑顔で頷くセレス。
「はい、俺には絆がありますから」
俺の言葉にまつりちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「いってらっしゃい」
「いってきます」
俺は車を降りて、まつりちゃんに手を振る。
まつりちゃんも車から降りてこちらに手を振ってくれた。
さぁ、次は第2の街のグランドマスターだ。
俺は第2の街の中に入ると、地図を開く。
そして、拡大をしてイベントの場所を確認した。
「場所は…
ここって路上?」
そうマーカーがあるのは、第2の街のメイン通りの路上。
(俺も何度か通った事があるけど。
特に何もなかったけどなぁ…)
「とにかく行ってみるか」
「はい、イベントを受けてから発生するのかもしれませんし」
(確かにセレスの言う通りだ)
俺は、早速マーカーの付いたメイン通りの路上へと向かった。
さすがメイン通りだけあって、人も多いし車も多い。
この【バーチャル】はリアルに近い世界だけあって、走っている車はリアルでも見たことある実在の車に似ている。
「さて、マーカーの場所はっと」
俺は地図を見ながら向かう。
そして、その場所に着いた。
「何もないですね」
「そ、そうだな」
そう、確かにマーカーはこの場所だ。
しかし、何もない。
俺が辺りを調べていると、背後から声をかけられた。
「キミ、探し物?」
「え、いや、そう言う訳では」
俺はそう答えながら声をかけられた方を向く。
そこには、女性の警官が立っていた。
「ん?」
不思議そうな顔で俺を見る女性警官。
(やっば、完全に怪しいやつだ)
「ははは、失礼しました」
「ちょ、ちょっとキミ」
女性警官の声を振り切り、俺はダッシュでその場所から立ち去った。
「はぁはぁ」
「余計に怪しい人になってます」
肩の上で正論を言うセレス。
「確かにな」
俺は路上のブロックに腰かける。
「しかし、どういう事だ?
魔集石の影響でまたストーリーがおかしくなってるのか?」
「多分、条件が満たされていないのだと思います」
「条件?」
「はい、これまではストーリーそっちのけで、ホロメンに助けてもらって、ほぼ強引にグランドショブに会っていましたが、普通はそう簡単には会えないのだと思います」
「た、確かに…」
(思い起こせば、確かに俺はホロメンのみんなに、グランドショブの場所まで案内してもらったり、ヒントをもらってた)
「なるほど、今回はきちんとストーリーをしろって事か」
「そうですね」
「よっしゃ、やるか」
俺は勢いよく立てる。
「あ、いた、いたぁ」
そこに、ちょっと間延びした声でその人はやって来た。
「え?」
俺はその人物を知っている。
「やぁ、今回の助っ人登場!」
その人物はそう言ってにこっと笑う。
「えっと、わためちゃん?」
俺の声に手を元気よく上げる。
「そう、わため。
手伝いに来たぞ」
(俺の気合いが…)
心でそう思いながら、俺はわためちゃんに笑顔を返した。
「ごめんね。
なんか、やる気になってたのに」
再度、ブロックに座り直し、隣のわためちゃんがすまなそうに謝ってくる。
「いえいえ、助かります」
(これは本当。
ま、ストーリーはまた後でも見返せるし)
「それより、わためちゃんは状況は知ってますか?」
「ん?
あ、うん。
だいたい聞いたよ」
なんか怪しい返答。
「なんか、ヤバいのが世界に散らばったから回収してるんだよね?」
(ま、だいたいその通りか)
「そうです」
「それで、それにグランドショブが関係してると」
「はい」
「よし、正解!」
わためちゃん、嬉しそうだ。
「それじゃ、質問なんですが、ここにいるグランドショブに会う為にはどんなイベントをこなせばいいですか?」
「ん?
別にイベントは起こさないでいいよ」
「え?」
わためちゃんの言葉に俺は一瞬頭の中が???になる。
「ただ、時間帯が悪いんだよ」
「時間帯?」
「そう、路上ライブはだいたい日が暮れてからだから」
わためちゃんはそう言って勢いよく立ち上がった。
それから俺は一旦わためちゃんと別れて、宿に向かった。
夜までリアル時間では少しだが、休憩をとる為にログアウトしたのだ。
そして、夜となり俺はわためちゃんとの待ち合わせの場所、メイン通りへと来ていた。
「うわぁ、まじかぁ」
メイン通りは昼間とは違った賑わいをしていた。
道路は完全に歩行者天国のようで、車はなかった。
路上には多くの人が場所を確保して歌っている。
それを見る為に道路には歌っている人以上に観客がいた。
「すごいでしょ」
背後から声をかけられて振り向くと、そこにはわためちゃんがいた。
いつもと違ったちょっとパンクな衣装。
「わためちゃん、これってどうなってるの?」
俺はそんなわためちゃんに聞く。
「んとね、ここは自分を発表できる場所なんだ」
わためちゃんはそう言って近くの歌い手の場所に向かう。
俺はそれに付いていった。
「これ、見て」
わためちゃんに言われて歌い手の前の道路に置かれている立て看板を見る。
そこには、Name、歌い手、作詞作曲の項目があった。
「これはね。
この人がどういう形で発表しているかを示すものだよ」
わためちゃんが丁寧に教えてくれる。
Nameはその人が決めた歌い手としての名前。
歌い手は、生声なのか、機械音声のアレンジか。
作詞作曲は、オリジナルかカバー曲なのか。
を示しているらしい。
「この【ホロライブワールド】では、歌でデビューしたいって人がどこからでも、みんなに発信出来る場所を提供しているの。
ちなみにこの観客の中には、有名な事務所の人や音楽会社の人がログインして見たり聞いたりしに来てるんだよ。
あと、実際にここでスカウトされてデビューした人もいるんだから」
「まじですか?
それってすごいですね」
俺はもう一度、辺りを見回した。
歌っている人はみんな真剣だ。
それでいて楽しんでいる。
(ゲームの中で自分を発信出来る場所があるなんて、すごいな【ホロライブワールド】)
「さて、お待ちかねだね。
今日のメインイベントに行こう」
わためちゃんは嬉しそうに俺の手を引っ張って人混みを進む。
そして、連れてこられた場所。
そこにはこの路上ライブで1番と思える程の人がいた。
「ここで歌っているのが、キミが探しているグランドショブ。
奏手イズル先輩だよ」
「彼が…」
歩道のステージでギターをかき鳴らし歌う男性。
観客はその声に魅了され盛り上がっていた。
「こんなに人がいたらどうやって話しかけたらいいんですか?」
俺は少し大きめの声でわためちゃんに聞く。
それほど周りは盛り上がっている。
「ん、ライブが一段落したらステージに上がったらいいよ。
イベント始まるから」
笑いながら言うわためちゃん。
「ええ、こんな観客が大勢いる中で?」
「うんうん。
ま、ちょっと嫌かなぁって思ったら終わるまで待つしかないかな」
「そっちにします」
俺は速攻で答える。
「ただね。
キミには多分、グランドショブに挑む前にやらないといけない事があると思う」
「え?」
わためちゃんはそう言って向かい側の歩道を見る。
俺もつられてそちらを見る。
そこにはこちらに負けず劣らずの観客がいた。
「あれは?」
「最近、突然人を集め始めた大型新人。
音乃瀬奏。
キミもよく知ってるはずだよ。
【新世代first】の1人だから」
俺は驚いた顔でわためちゃんを見た。
わためちゃんは意地悪そうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
大変お待たせしました。
新たなグランドショブと【新世代first】の登場です。
この2人にあなたは立ち向かう事ができるのか?
さて、【ホロライブワールド】に導入されているプレイヤーの発表の場。
フルダイブだからこそ出来る新たな形だなぁと思います。
こういったシステムがあるゲームもなかなか楽しいかもしれないですね。
では、また更新した時に
見捨てずに気長にお待ちください。
よろしくお願いします。
感想、意見もお待ちしております。