ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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メインストーリーを受ける場所を、友人から聞いた俺はさっそく、セレスと共に【ホロライブ城】に向かった。
そこで、発動条件に戸惑う俺は、ノエルさんに再会。
ノエルさんに案内されて、メインストーリーの始まる場所、ヤゴー王の間に案内された。


第2話 ヤゴー王の消失と復活した【世界の答え】

「ヤゴー王の間?」

「ま、入ってみれば分かるよ」

ノエルさんはそう言って、門を押す。

ギギギ…と大きな門が開いていった。

「すごい」

部屋の中は広く、明るい。

よくある西洋の王様のいる部屋だけど、何か感動する。

「さ、奥に王様が待ってる」

ノエルさんは真っ直ぐに奥に進む。

俺も後に続いた。

 

「あれがこの世界の王様だよ」

王座に座る男性。

確かに王冠を被ってはいるけど。

「なんか表情がないですね」

そう、まるで人形を見ているようだ。

「ま、あの王様は完全なNPCだからね」

苦笑いのノエルさん。

「じゃ、挨拶したらイベントが始まるから」

ノエルさんに言われて俺は一歩前に出る。

「初めまして王様」

俺は頭を下げて挨拶した。

「よく参った。

◯◯◯」

喋った。

思ってたよりいい声だ。

「ちなみに社長の声を使ってるんだよ」

ノエルさんがそっと耳打ちしてきた。

「そうなんですね」

「キミの活躍はよく耳にしている」

「ん?」

ノエルさんが少し不思議そうな顔をする。

「どうしたんですか?」

「いえ、いつもとセリフが違う気がして…

アップデートが入ったのかな?」

「そう、【世界の答え】としてこの世界を救ってくれた事。

感謝しているよ」

そう言ってヤゴー王が立った。

「やっぱりおかしい」

ノエルさんがメイスを取り出す。

「確かに」

俺もアイテムボックスから鬼切丸を取り出した。

そう、俺が【世界の答え】として世界を救ったのは確かだ。

しかし、それをメインストーリーで言ってくるのは、完全におかしい。

「ふふふ、ははははは、これでこの世界を我がものに出来るのだから」

「なに言ってるの、ヤゴー王!」

ノエルさんの声が聞こえないのか高笑いを続けるヤゴー王。

完全に暴走している?

ビービービー!

いきなり響く警戒音。

そして、errorの赤い文字がそこらじゅうに浮かび上がった。

「な、何なんですか?」

「分からない。

こんな事初めて」

俺とノエルさんは背中を合わせて警戒する。

「さぁ、宴を始めよう。

これからは私の時代だ!!」

ヤゴー王の被る冠が光輝きだす。

そして、王冠に付いている宝石が外れ、城の窓から外へ飛び出していった。

そして、消えるヤゴー王。

「な、何なんだ?」

「王様どこ行ったの?」

俺達が狼狽えて周りを見ていると、ブンっといきなり画面が目の前に現れた。

『何が起きたんですか!』

画面に現れたのは『Aちゃん!』俺とノエルさんの声がハモる。

『え?

あ、キミは?

それにノエルさんも?』

「いきなりヤゴー王が」

「いきなり王様が」

『あ、待ってください。

2人でいきなり話されたら分からなくなってしまいます。

一度落ち着いて』

俺達は深呼吸した後、さっき起きた事を説明した。

 

『なるほど、それであのerrorでしたか』

「そっちでも何かあったんですか?」

ノエルさんがAちゃんに聞くとAちゃんが頷く。

『はい。

実は先程、NPCであるヤゴー王が王の間からいなくなりました。

NPCである彼はこの場所から動く事は絶対にありえません。

そして、もっとおかしいのは消えたヤゴー王がどこにいるのか分からないんです』

「完全にロストしたんですか?」

俺の言葉に頷くAちゃん。

『NPCの居場所はこちらのシステムで全部把握できます。

それなのに補足できない。

まるでホロメン達と同じ、AIが動かしているかのように』

「…」

「どうすればいいんですか?」

俺は画面のAちゃんに聞いた。

『正直分かりません。

ただ、先程あなた達が言っていましたね。

王冠の宝石が飛び散ったと』

「はい」

『本来のメインストーリーは、その王冠に付いている魔集石に溜まった悪い気を、各地にいるグランドジョブの元に持っていき浄化するというお話です』

「依頼者はヤゴー王なの」

ノエルさんが補足してくれる。

『それが勝手に飛び散ったとなると、もしかしたらその石はグランドジョブの元に飛んでいったのかもしれません』

「なら、手がかりがそのグランドジョブのところにあるかも知れない?」

『はい、そういう事です』

「…なら、俺はこのままメインストーリーを進めていきます」

『いいんですか?

何があるか分かりませんよ?』

「はい、今回の原因はもしかしたら俺にあるかもしれませんから」

そう、俺がメインストーリーを受けに来て起きた事だ。

『分かりました。

それでは…

え?

ちょっと待ってください』

画面からAちゃんが消える。

そして、しばらくしてまた現れた。

その顔はすごく深刻そうだった。

「何があったんですか?」

『…このはの封印が解かれました』

「このは?」

「え!」

不思議がる俺を他所に、ノエルさんが焦った声を出した。

「まさか、彼女のキャラデータは厳重に封印されているはずじゃ!」

『はい、最大権限にて永久封印していました。

しかし、先程、その最大権限を使って封印が解かれました』

「最大権限ってまさか」

『はい、ヤゴー王です』

「なんでNPCにそんな権限が」

『彼はNPCではありますが、社長自身のデータを元に作られています。

ですので、権限は最高のものになっています』

「なんて事…」

「このはって誰ですか?」

俺はAちゃんに聞く。

『このはは…

彼女はキミの前の【世界の答え】だったキャラです』

「前の【世界の答え】…」

 

Aちゃんが教えてくれた。

俺が世界を救う前の話。

3人のプレイヤー達と共に世界を救ったプレイヤー

彼女は今、新しいキャラになってこの世界のGMをしているらしい。

そして、その新しいキャラにする際、前のキャラデータ、すなわちこのはを消すのにはしのびないという事で、残したいと本人から申し出があった。

しかし、このははあまりにも強すぎるキャラになっており、運営は厳重に封印し保存する事にしたという事だ。

 

『そして、ヤゴー王が見つかりました』

『え?』

「もう、見つかったんですか?」

「もしかして」

焦るノエルさん。

『はい、想像通りです。

見つかったヤゴー王は完全にNPCの状態。

異常ありません。

そして、新たに消えたこのはのキャラデータ…

間違いなく、ヤゴー王の中にあった未確認AIは、このはの中に入っています』

「そんなに強いんですか?

このはってキャラは?」

『はい。

彼女はオリジナル世代組から第五世代組のホロメンの力を一部使う事が出来ます。

そして、武器として【ホロライブソード】と同等の力を持つ【ホロライブソードZwei】を持っている』

「はぁ?

あの【ホロライブソード】と同等?」

『はい』

(それは反則だよ。

あれはヤバすぎる)

『でも、ある意味好機でもあります』

「え?」

『彼女に入ったという事は、ある事をすれば封印する事ができるという事です。

封印するにはやはり、王冠から飛び散った魔集石を集める必要があります。

あの魔集石には各々データが納められていて、そのデータを使えばこのはをもう一度封印する事ができます』

「なら、やっぱり方針は変わらないな」

俺は拳を作って頷く。

「でも、相手はこのは。

どうあっても戦力が足りないと思う」

ノエルさんがうつむく。

「確かに…」

(セレスがいてくれても、あの【ホロライブソード】とホロメンの力を使える相手となると…)

『私達の方でも何か策がないか検討してみます。

決まり次第連絡しますね』

「はい、ありがとうございます」

『それでは、私は会議に。

どうかこの世界をお願いします』

そして、画面が消える。

「私達ホロメンが付いていければ良いんだけど、私達にも役割がある。

ずっと一緒には行けないのごめんなさい」

ノエルさんが頭を下げる。

「いえ、それは俺も十分に分かってます」

俺の言葉に頷きノエルさんが何かを考えている。

「そうね。

1度相談するのがいいと思う」

「相談?」

「ええ、ミオ先輩に」

「ミオちゃんに?」

そして、俺の次の目的地が決まった。

 

 

俺は【ホロライブ城】でノエルさんと別れ、【ゲーマーズ】にいた。

そして、ミオちゃんのいる【大神神社】へと向かっていた。

「相変わらず長い階段だな」

俺は階段を上がりながらぼぞっと呟く。

「なら、転移装置を使えばよかったのでは?」

肩のセレスが突っ込む。

「なんか風情がないんだよなぁ」

「さすが良く分かってらっしゃる」

「そうでしょう?って…ええ!」

突然横に現れる白狐女性。

「フブキちゃん!」

「はい、こんこんきーつね!

相変わらず厄介事に首を突っ込んでますね。

キミは」

そう言って笑うフブキちゃん。

「はぁ、なんででしょうね」

俺はため息混じりで返事をする。

「ふふ、さ、急ぎましょう」

「はい」

俺はフブキちゃんと共に、ミオちゃんのいる神社への階段を駆け上がった。

 

神社に着くとミオちゃんが待ってくれていた。

すぐに俺達は社の中に。

そして今、俺達は机を囲んで座っている。

「制約はどうにもならないんだよね?」

フブキちゃんがミオちゃんに聞く。

「そうだね。

運営もいろいろとしてくれようとしてるけど、私達が役割を放棄して自由に動いちゃうと、世界が維持できないからねぇ」

「やっぱり、俺とセレスでどうにかしてみます」

「いや、さすがに今回は辛いよ。

グランドジョブの人達も、もしかしたら敵になってるかもしれないし」

「確かに、それも懸念の1つだよね」

フブキちゃんの言葉にミオちゃんが頷く。

「まだ、役割がなくてホロメン並みの強さを持つ者かぁ」

ミオちゃんが考える。

「ミオ、それに当てはまる人物知ってるかも」

フブキちゃんが言った。

『え?』

俺とミオちゃんはフブキちゃんを見る。

「誰ですか?」

俺の問いにフブキちゃんはニヤリと笑う。

「それはね。

新世代firstだよ」




お待たせしました。
第2話更新です。
【グランドジョブ】【新世代first】が出てきました。
この2つのグループは誰なのか?
感の良い方ならすぐに分かるかもしれません。
次回はその【新世代first】が誰かというお話です。

今回出てきた先代【世界の答え】このはは、ver.IF正式版ゼロの主人公となっております。
機会があれば目をとおしていただけると幸いです。
(作品の詳細はXに掲載しておりますので、よかったらご確認ください)

では、また次のお話で
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