ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
そこで湊あくあと出会い、彼女の案内で宝鐘マリンと合流した。
前回の旅で使った船【ふぁんたじぃ】に乗り込んだあなたは、宝鐘マリンから、最近起きている海の異変を聞き出す。
【機械島】に行くにはその異変に否が応でも立ち向かわないと行けない為、あなた達はその異変へと向かうのであった。
あれからしばらく何もない航海が続いた。
4人で談笑しながら食べる肉は格別だった。
そして、そんな楽しい時間を終わらすように、ソレは突然現れた。
「霧が出てきた」
「そろそろかな」
俺とあくあちゃんは船の外を見る。
「はぁ、演出も同じかぁ」
マリン船長がそう呟いた。
「で、でた!」
あくあちゃんが霧の中から現れたソレを指差す。
「で、でかい」
俺は霧から現れたソレを見て驚いた。
この【ふぁんたじぃ】も普通の船よりから大きいと思っていたが、現れた幽霊船はこの船よりはるかに大きい。
「いくよ」
マリン船長は普段なかなか見せない顔つきで、【ふぁんたじぃ】をその幽霊船に横付けする。
何故か縄梯子が幽霊船からはおりていた。
俺達はその縄梯子を上がって幽霊船に乗り込む。
しかし、幽霊船は誰もおらず静かだった。
「ここまで一緒なんだ」
マリン船長が辺りを見回して苦笑する。
「来たことがあるんですか?」
俺はマリン船長に言った。
「ん?
いや、来たことがあるって訳じゃないんだけど、いや、来たことがあるのかな」
「それって昔のやつ?」
言いよどむマリン船長にあくあちゃんも苦笑しながら言った。
「そ、リアルとは関係のない、ここ【ホロライブワールド】の話でさ。
船長達ってこの世界で生まれた訳じゃん。
だから、実装された時に好き勝手に世界を旅してた時期があるのよ」
「それは初耳です」
(プレイヤーに公開される前のベータ版の話かな?)
「ま、その時にさ。
船長は見つけてしまった訳。
めちゃくちゃでっかいお宝を」
マリン船長は手振り付きで説明してくれる。
「でもさ、それが罠だったのよ。
その宝箱を開けた瞬間。
船長の持つ魔力と記憶を半分吸い取られたの」
「へ?」
マリン船長の言葉に俺の頭の上に?が飛び交う感じがした。
「実はね、あるの本当にそういうトラップが」
あくあちゃんもうんうんと頷きながら答えた。
「いや、記憶って」
「はは、今はもう運営に抗議して、そのトラップは排除してもらったけどね」
そう言って笑うマリン船長。
(いや、マジで記憶とか吸われるってどんなトラップだ。
確かにギアを頭に着けて入るゲームだから記憶をどうこう出きるのかもしれないけど、普通に危ないだろ)
「それでさ、魔力と記憶を奪われたあたしは、訳も分からず海賊家業をやってた訳よ」
「は、はぁ」
「あの時の船長はほんとおかしかったよね。
話しかけても、あんただれ?みたいな顔されたし」
あくあちゃんはその時を思い出したのか悲しそうな顔をした。
「ま、完全に記憶がないって訳じゃないから、どっかで見たなくらいしかなくてさ。
それに魔力が半分になって体の中で暴走してたから、目の色も逆になってたし」
「え?
その目ってもともとそういう色じゃないんですか?」
俺はマリン船長を見る。
「あれ?
言った事なかったっけ?
この目はあたしの魔力で色が変わってるんだよ?
だから、本気を出すと」
マリン船長が眼帯をくいっと上げるとそこには綺麗な黄金の瞳が。
そして、マリン船長からとてつもない圧を感じる。
すると右目も同じように黄金の瞳に変わった。
「ふぅ」
眼帯を着け直し、気を抑える。
マリン船長の瞳は元の赤い瞳に戻った。
「ま、それでなんか記憶がおぼろげだけど、大事なものを海で失くした感があって、小舟で海をさ迷ってたんだ。
そして、見つけたのがこの幽霊船だったって訳」
「それじゃ、その時の船がこれですか?」
俺は幽霊船を見渡す。
「いやいや、それはないよ。
あの時あたしがぶち壊したから。
だから今は普通に戻ってるでしょ?」
マリン船長が苦笑する。
「それじゃ、この船はいったい…」
「ま、何となく分かるんだけどね。
キミの話を聞いた時にピンときた。
この船には黒幕がいる」
いつの間にか俺達は船の中に入るドアの前に来ていた。
「たぶん、この船があの時の幽霊船を模してるなら、あたしは今から自分と戦わないといけなくなる。
だから、キミ達は船の下に降りて、一番奥の部屋に向かって」
マリン船長が手にカトラス出現させる。
「そこに今回の黒幕がいる筈だから」
俺とあくあちゃんは頷いた。
「じゃ、また後で会いましょうか」
マリン船長はカトラスを使い、一瞬でドアを切断。
そのまま足でドアを中へと蹴り入れた。
ドアが破れた瞬間ゾワッと寒気がした。
マリン船長はカトラスを消し、威風堂々と中へと向かって歩く。
「入ってすぐ右奥に階段があるから」
マリン船長は前を向いたまま俺達に言った。
「了解です」
俺達は言われた方に走る。
走っている時にちらっとマリン船長の前を見ると、真っ白な女性がこちらに向かっているのが見えたような気がした。
「気をつけて、スケルトンが発生してる」
あくあちゃんに言われて、俺は前を見る。
(今はマリン船長の方に気を向けてる場合じゃない。
俺は俺のやるべき事をしないと)
「はい!」
俺は鬼切丸を取り出し装備する。
「ま、あてぃしが付いてるから大丈夫」
いつの間にかフード付きのマントを装備しているあくあちゃん。
(こりゃ、本気モードだ)
俺は戦闘態勢のあくあちゃんを見て思った。
そして、俺達は下へ向かう階段を降りていった。
「うっわ、こりゃ、多すぎだ」
下に降りた俺は部屋中にいるスケルトンを見て呟く。
「下に降りる階段は奥」
あくあちゃんはじっと奥を睨む。
「行くよ」
ダン!
あくあちゃんが前へと飛び出した。
ダンダンダン
片手に持つ銃でスケルトンの頭を吹き飛ばし、もう片方の手に持つ剣でスケルトンを一刀両断して突き進む。
その姿はまさに狂犬。
俺も負けじと前へ出る。
あくあちゃんのスピードに追い付くために、スバルちゃんの力を借りる。
あっという間に道を開き下への階段についた。
俺達がそのまま降りようとした時、突然轟音と共に背後で何かが床を突き破り下へと落ちていく。
「船長も派手にやってるなぁ」
あくあちゃんはそれを見てくすっと笑った後、俺達は下の階段へと降りていった。
もう、3回は下の階段を降りただろうか。
なかなか、目的の最下層につかない。
各階層に出るスケルトンは途中、霊気を纏いスケルトンゴーレムと変化したが、俺達の勢いは止まらなかった。
「これが最後みたい」
次への下り階段前であくあちゃんが下を見ながら言う。
俺はゆっくりと頷いた。
トン
トン
トン
俺達はゆっくりと階段を降りる。
そして、最下層へと到達した。
部屋は静かで暗かった。
スケルトンゴーレムはいない。
ただ、さっきまでとは別の空間にいる気がした。
「だれ!?」
あくあちゃんが部屋の奥へと銃を構える。
「まさか、先輩方まで来てくれてたなんて」
そう声がして奥からゆっくりと、誰かがこちらに歩いてくる。
部屋がゆっくりと明るくなっていく。
そして、部屋の奥から現れた人物の姿がはっきりと分かった。
「え!!」
その姿を見て驚くあくあちゃん。
その人物はパッと見、好青年のようだった。
青髪のショートで後ろ髪は首まで伸びている。
灰色のストライプのジャケットにロングパンツ。
「どうして、あなたが…」
あくあちゃんは知ってる人物のようだ。
「先輩は僕の事知ってますけど、横のキミは僕の事知らないみたいですね。
なので、自己紹介しときます。
僕の名前は火威青。
【新世代first】ボーイッシュ担当。
そして、元世界の答えであるキミを抹殺する者だ」
そう言って青くんは俺を指差した。
黒幕登場、【新世代first】最後の1人、青くんでした。
マリン船長は謎の白い人物との戦闘。
対青くん戦はあくあちゃんとセレスと共に戦う事になりそうです。
次回は今回の異変の種明かし?
あなたはもう知ってるかもしれませんが、お付き合いくださいませ。
※今回の幽霊船のお話はあくまで【ホロライブワールド】のお話です。
マリン船長の歌に感動して登場していますが、Ifですので暖かい目でご覧ください。