ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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幽霊船に乗り込んだあなた達。
宝鐘マリンはある人物を迎え撃つために、一階に残る。
あなたと湊あくあは、宝鐘マリンの助言を聞き、幽霊船の最下層へと向かった。
あなたはそこで最後の【新世代first】火威青と出会う。
幽霊船での最後の戦いが今始まろうとしていた。


第24話 幽霊船決着

「あおくん」

あくあちゃんはそう相手の事を呼んだが、銃は下げずそのまま構えていた。

(【新世代first】最後の1人。

そうか、それで最近起き始めた異変だったんだ。

【機械島】にはグランドジョブの1人がいる。

彼女達は本能的に俺がここに向かっているのを察しているんだ)

「この船はなんなんだ」

俺は鬼切丸を構えたまま、青くんに聞く。

「え?

知らないの?

これはマリン先輩が、昔絡んだ話を調べ上げて作った僕の最高傑作の1つだよ」

青くんはうっとりしながら答える。

「作り出した?」

「そう、僕の能力は【特殊領域・想像の翼】

この指で描いたものを実体化させる。

こんな風にね」

そう言って青くんは空中に指で何かを一瞬で描く。

それは巨大なバイソンだった。

ニヤリと笑う青くん。

そして、青くんは俺を指差した。

いきなり実体化した巨大なバイソンが俺に向かって突撃してくる。

「危ない!」

あくあちゃんが俺に向かって体当たりする。

俺はバイソンからの線上から外れたが、あくあちゃんが俺の変わりにぶつかってしまう。

「あくあちゃん!」

俺の叫びにこちらを一瞬見た後、あくあちゃんは持っていた剣を縦に構え、バイソンの突撃をまともに受けた。

そして、そのまま押されるあくあちゃん。

ズザザザザ!

すごい音を立てて砂煙が上がる。

そして、バイソンの動きが止まった。

斬!

バイソンは真っ二つになって消えていく。

あくあちゃんの剣が振り下ろされていた。

パチパチ

青くんは拍手をしている。

「さすが、あくあ先輩。

僕の力では押しきれないか」

すっと真顔になる青くん。

「なら、これはどうですか?」

青くんは今度は両手をあげる。

俺は立ち上がり刀を構える。

それと同時に青くんは両手でまた絵を描いた。

今度はバイソン2匹。

「いけ!」

2匹のバイソンが同時にこちらに向かってくる。

「キミはキミの出きることを」

あくあちゃんはそう言って前に出る。

ダンダンダン

あくあちゃんの銃弾が1匹のバイソンを足止めする。

その間にあくあちゃんはもう1匹のバイソンへと走った。

(俺は見ているだけか…)

自分に問いかける。

(そうならないように、俺は朱雀さんのところで修行したんじゃないのか?)

俺は周りを見る。

バイソンはあくあちゃんのお陰でこちらを見ていない。

青くんも華麗に動くあくあちゃんを見ている。

(なら!)

俺はアルティメットフットを起動。

(今の俺なら使いこなせる)

狙いは青くん。

俺は一気に動く。

少し負荷はあるが、俺は一瞬で青くんの背後に回った。

(いける!)

俺は鬼切丸を青くんへと振り下ろした。

ギャィン!

甲高い音が響く。

「来るのは分かってたよ。

思ってたより早い動きだったけど」

俺の一撃はいつの間にか描かれた盾に塞がれた。

青くんがこちらに振り向く。

「分かってる。

これくらいチートのあなた達なら気付くことは」

ボン

「え!」

俺は小さな爆発の後、煙に変わる。

フブキちゃんの技【空蝉】だ。

「どこだ!」

青くんが慌てて辺りを見る。

そして、盾が正面からずれる。

(それを待っていた!)

「【六華閃】!」

「なにぃ!」

煙を突き破り、俺の6つの斬撃が青くんに放たれた。

そう、俺は【空蝉】をした後、どこにも移動せず、煙の1歩後ろにいただけだ。

「くぅ!」

青くんに斬撃がヒットする。

しかし、これで倒せるほど、甘くない。

「あやめちゃん!」

俺はあやめちゃんの絆の力を使う。

そして、「【百鬼流 秘奥義 静心斬】」

俺は刀を青くんの目の前で振り下ろした。

「ま、まさか、あやめ先輩の秘奥義を…」

「前に手合わせに行った時に見せてもらったからね」

ガクッと膝をつく青くん。

そして、青くんはそのまま霧散した。

「え?」

あくあちゃんが相手した2匹のバイソンも霧散する。

「へ?」

俺とあくあちゃんは少しびっくりしたように辺りを見回した。

(あれで決着だったのか?)

パチパチ

「く」

背後からの拍手に俺は振り向く。

あくあちゃんも俺の隣に並び、武器を構えた。

そして、初めと同じように現れる青くん。

「そう、怖い顔しないでくださいよ。

敗けです、僕の敗け」

「え?」

「絵とはいえ、僕とほぼ同じ能力の自画像を消滅させるんだから、僕がやっても結果はほぼ変わりませんよ」

そう言って青くんは笑う。

「嘘ばっかり、全然本気だしてないくせに」

あくあちゃんが、ボソッ呟く。

「はは、あくあ先輩は手厳しい。

それに…」

青くんが天井を見上げる。

それと同時に凄まじい揺れが船を襲った。

「な、なんだ」

俺は思わす膝をつく。

「船長だよ。

やりすぎだって」

あくあちゃんも踏ん張りなから天井を見る。

「というわけで、そろそろこの船ももちそうにないので、ちゃっちゃと逃げましょう」

青くんはそう言って階段に走る。

「ちょ、ちょっと」

俺とあくあちゃんはそんな青くんを追いかけた。

上へ上へ。

途中の階は崩壊してあちらこちらに穴が空いている。

「あ、あれ!」

あくあちゃんが大穴の空いた階層から空を指差す。

(あれは黄金の竜?)

「こんなとこまで再現したの」

「ま、するなら徹底的に」

あくあちゃんに言われて、はははと笑いながら答える青くん。

「そろそろトドメですよ、走りましょう!」

青くんに言われて俺達は走り甲板に出る。

そして、そのまま【ふぁんたじぃ】へと走り飛び下りた。

それと同時に凄まじい光と共に幽霊船が霧散していく。

「な、なんとか間に合った」

【ふぁんたじぃ】の甲板の上。

俺とあくあちゃん、青くんが立って霧散していく幽霊船を見る。

「はぁ、最高傑作だったのに」

それを見て、そう青くんがぼやく。

「あ、あれ」

船底の板が残り、そこに両手にフラッグハルバートを持ち、海を眺めるマリン船長がいた。

「迎えに行こう」

俺の言葉に頷く2人。

【ふぁんたじぃ】をマリン船長の近くに寄せる。

「マリン船長~」

俺は甲板の端から手を振る。

こちらに気がついたのか、フラッグハルバートを片付けたマリン船長がこちらに向かって手を振った。

それから、俺は縄梯子を下ろし、マリン船長が俺達と合流する。

「やっぱり」

マリン船長が青くんの顔を見て、ため息をついた。

「あれ?

もしかしてばれてました?」

青くんはそう言ってニヤッと笑う。

「なんとなくね。

キミの話を聞いて、そうなんじゃないかなって思った」

マリン船長は答える。

「しかし、こんな大がかりの事して、何企んでたの?」

あくあちゃんが青くんに聞いた。

青くんが俺をチラッと見る。

「それはたぶん、俺を待ち構えていたんだと思います」

俺の答えに青くんはうんうんと頷く。

「それにしたって、大がかりすぎ。

それにあの幽霊船を使うなんて」

マリン船長が青くんに抗議する。

「え?

だって僕あの歌好きなんですよ」

真顔でマリン船長を見つめて言う青くん。

(この娘、やり手か?)

マリン船長は頬を少し赤くして、「もう、仕方ないなぁ」と呟いている。

こっちを見る青くん。

何か口をパクパクさせてる。

(なになに?

ちょろい?

怒られるぞ、マリン船長に!)

青くんがこちらに近づいてくる。

そして、すっと手を差し出してきた。

「え?」

「敗けを認めたからね。

最後の【新世代first】としてキミの力になるよ」

俺はその言葉を聞いてその手を取った。

『火威青の絆を手に入れた』

機械音声が流れる。

(そう言えば、こうやって絆をもらう【新世代first】ってこれで2人目のような?)

「どうかしたのかい?」

「あ、いえ、なんでもないです。

これからよろしくお願いします」

青くんと手を離して、俺は頭を下げた。

「そんなに頭なんか下げなくてもいいですよ。

助けるのは暇潰しみたいなものだから」

「それでもだよ」

青くんはそれを聞いて苦笑いした。

「ま、何はともあれこれで一件落着だね」

あくあちゃんが言う。

「じゃ、打ち上げしましょう」

マリン船長はそう言って船の中へと行く。

「あ、僕も手伝います」

青くんはマリン船長を追うように船の中へ。

俺はあくあちゃんと一緒に甲板に机や椅子を用意した。

そして、5人で楽しく宴を行う。

(なんか戦ってた青くんも一緒に騒いでいるのが、なんだかなぁって感じだけど…)

しばらく宴は続く。

ふと、甲板の端にマリン船長が立っていた。

「どうかしたんですか?」

俺はマリン船長に声をかける。

「え?

あ、別に…ね」

そう言ってマリン船長は飲み物を飲む。

「幽霊船ですか?」

俺は海を見ながら言った。

「…」

「たとえ絵で描かれた自分だったとしても、やっぱりあの時の船長を見るのは辛いわ」

マリン船長はそう言って苦笑した。

「マリン船長…」

「あ、ほら、見えてきた」

マリン船長は嫌な空気を振り払うようにある場所を指差す。

そこには島が見えてきた。

「あれがそうですか?」

「そう、あれが【機械島】」

俺の言葉にマリン船長は頷き答えた。




最後の【新世代first】青くんが登場しました。
これであなたは5人の次世代のホロメンから力を借りれるようになりました。
そして、次なる相手はグラウンドジョブ。
果たしてあなたは魔集石を手に入れ、グラウンドジョブとの絆を手に入れられるのでしょうか?
さて、次回はあなたが幽霊船で戦っていた間に、戦っていたマリン船長のお話。
あなたが知らない物語をお楽しみに
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