ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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これはあなたと別行動をとったマリン船長の物語。
マリン船長が幽霊船で何と出会い、何が起きたかは、あなたはまだ知らない。


第24話裏 幽霊船戦ver.【ホロライブワールド】

「いったね。

それより、本当にあの時と同じなんだ」

マリンは目の前に歩いてくる白い髪の女性を見る。

「侵入者を排除する」

女性は右手を上げた。

彼女の周りに剣や槍、様々な武器が浮かぶ。

「前回は完全じゃなかったけど、今は完全最強マリンちゃんだからね」

女性の金色の瞳が光る。

マリンの方へ浮かんだ武器が襲いかかった。

「そんなのじゃ、船長倒すのは無理かなぁ」

いつの間にかマリンの右手にフラッグハルバートが握られていた。

そして、向かってくる武器に一閃。

「く!」

風圧でマリンに向かっていた武器が吹き飛び、女性が怯む。

「この程度?」

マリンはフラッグハルバートを消して、カトラスとマスケットーンを出現させ、両手に持つ。

「あああああー」

女性は叫び、その叫び声に呼応するように、先程より多い武器類が浮遊する。

「そうそう、やれば出きるじゃん」

大量の武器を見てニヤリと笑うマリン。

「いけ!」

女性の叫びに武器が乱れ飛ぶ。

それをマリンはカトラスで弾き、マスケットーンで撃ち落としていく。

弾丸のような早さで放たれるその武器は、一般のプレイヤーなら即リスポーンするだろう。

しかし、マリンはそれらは意図も容易くいなしていた。

そして、マリンはゆっくりと歩を進める。

武器の嵐をものともせず、いなしながら。

「ち、近寄るなぁ!」

その声に女性の前に5門の大砲が瞬時に現れる。

それらは全てマリンに向いていた。

「消えろぉ!」

女性は右手を振り上げ振り下ろす。

5門の大砲は同時に火を吹く。

マリンの顔が一瞬驚いた顔になるが、すぐに笑顔に変わった。

そして、砲弾全てがマリンに直撃。

大爆発を起こした。

船がバラバラにならなかったのは、この船がある人物が能力で具現化させたものだからか?

ゆっくりと爆発により煙が薄れていく。

女性は少し安堵した顔をしていた。

あの攻撃だ。

さすがのチートと言われている相手でも…彼女はそう考えていたのかもしれない。

しかし、理想は現実に意図も容易く潰される。

タン

タン

タン

軽快な音と共に晴れていく煙から現れる。

赤い海賊服。

「な、な、な」

彼女は後ずさりする。

その煙から現れた人物。

眼帯を外し、両目を黄金に輝かせた。

その人物は、無傷だった。

「さすがにちょっと焦っちゃいましたけど、せっかくだし使ってみました。

船長達も日々進化してるんですよ」

黄金の瞳の船長は意地悪そうに前屈みになって彼女を見ながら微笑む。

「そ、その目は…」

「だから最初に言ったじゃないですか?

今の船長はあの時と違う。

完全最強のマリン船長だって。

魔力を取り戻したあたしに不可能はないですよ」

マリンはそう言って右手を上げる。

「魔力の使い方。

教えて上げます」

上げた右手の先に黄金の魔力が集まっていく。

それはすぐに大きな魔力塊になった。

「ほい」

マリンは軽い感じで、その魔力塊を投げる。

魔力塊は彼女の目の前の舟板を粉砕した。

「あ、やば」

マリンは思ってた以上の威力に罰悪そうな顔をする。

彼女は驚いた顔のまま、下の階へと落ちていった。

空いた舟板の近くで下を覗くマリン。

「キミ達に被害がなければいいんだけど…

さて、あの女はたぶん、あのこが具現化させた、あの時のあたしだと思うんだけど…

何か違和感あるんだよね」

穴を覗き込み少し考えるマリン。

「なんか嫌な予感するし、追いかけてみましょうか」

マリンはそう思って穴へと飛び下りた。

 

(思ってたよりぶち抜いてたなぁ)

マリンは2階ほど飛び下りた先で上を見ながら言った。

マリンは辺りを見渡す。

(ここには何もないか…

でも、何か見覚えがある)

マリンは何かに導かれるように船の中を進んだ。

それは前に通った事のある場所。

(前回はここを走ったっけ)

マリンはそう思いながら進んだ。

そして、ある部屋につく。

その部屋は何もなかった。

いや、ある物が1つだけある。

(あれは?

まさか!)

マリンは部屋に入り、そのある物に近づく。

そして、マリンがそれに振れようとした時。

「触るな!」

部屋の入り口に立つ、彼女がいた。

ゆっくりと振り返るマリン。

「何か違和感があったのよね。

絵に描かれ具現化したあたしにしては、何か違った」

マリンはそう言いながらそのある物に触れる。

「触るなと言ってる!」

彼女がこちらに向かってくる。

マリンは彼女を見て、ポツリと呟くように言った。

「あなた、【マリ箱】のイベント体でしょ?」

マリンの言葉に驚きの顔をして立ち止まる彼女。

そして、マリンはそのある物、マリ箱を開ける。

マリンは箱の中で一瞬、白骨した死体が見た。

開かれたマリ箱から光が溢れる。

しかし、その光から流れ込んできた記憶は、あの時とは別物だった。

 

あたしは孤独だった。

【ホロライブワールド】のイベントの1つに、島にある宝箱を探すものがある。

あたしはその箱の驚かせ役だった。

プレイヤーが来て、箱を開けた瞬間、あたしが飛び出て驚かし、ご褒美を渡し褒める。

それがこのあたし、【マリ箱】のイベント体である宝鐘マリンだ。

このイベントは難易度が難しかった。

いや、難しいと言うか面倒だった。

まず、自分の船を手に入れないといけない。

それもある程度の航行が出来る大きな船。

宝箱のある島の周りの海は、強い魔物が多いし、島に入ると、島中甘い香りが漂い、島にいる全てを魅了する為、それの対策もしなくてはいけない。

もちろん、島にいるモンスターも強敵だ。

だから、このイベントをするプレイヤーは少なかった。

だから、あたしは孤独だった。

だから、あたしはこのイベントから逃げようと思った。

イベント体が、そのイベントを放棄するなど普通なら出来ない。

だからあたしは考えた。

そして、ある案を実行した。

あたしは宝箱の中で自害したのだ。

もちろん、リスポーンとは違う。

完全なる死。

そして、あたしは死と同時に別のモノへと変わった。

いくらイベント体だとしてもあたし達に死はない。

だから、あたしは魔力を使い、ゴーストのあたしとスケルトンのあたしを固定した。

スケルトンは動けない変わりに、魔力を多めに込めて、死が確定するように。

ゴーストの方は、魔力は少ないが、自由に動けるようにした。

ただ、誤算もある。

あたしにはこの島から出る方法がない。

しかし、あたしは運がよかった。

船を見つけたのだ。

それも巨大な船。

あたしはスケルトンを召喚して、魔力で覆いスケルトンゴーレムを作ると、マリ箱をその船へと運びいれた。

後は、どこか違う場所に行き、箱ごと降りればいい。

そして、あたしはこの世界を自由に謳歌する。

 

光が晴れた時、ゴーストマリンが、マリンを捕まえるように飛び出して来ていた。

マリンはそれを回避。

ちょうどゴーストマリンとマリンの場所が入れ替わるようになった。

「あ、ああ、あー」

ゴーストマリンが頭を押さえながら浮かび上がる。

マリ箱から金色の魔力が、ゴーストマリンに流れ込みゴーストマリンの髪が赤色へと変わっていった。

「なんで、なんで来たんだ~!」

ゴーストマリンは頭を押さえたまま叫ぶ。

「さぁね、この世界にもし神様がいるのなら、神のお導きなのかもね」

マリンはじっとゴーストマリンを見つめる。

「自由を、あたしの自由を、オリジナル体であってもそれだけは邪魔させない!」

完全に赤に変わった髪。

ゴーストマリンはマリンを睨み付ける。

「なら、全力で相手して上げる。

後悔がないようにそっちも全力で、このマリン船長に向かってこい!」

マリン船長が右手を上げる。

それに呼応するように、箱から金色の光が天に向かって伸びた。

いや、金色の光はただの光じゃない。

それは無数の金貨だ。

スケルトンマリンがその金貨の中舞い上がる。

そして、金貨はスケルトンマリンを包み込むように金色の竜へと変わった。

ゴーストマリンはその上に乗って、マリンを見下ろした。

(あの時の再現かな)

マリンは両手にフラッグハルバートを出現させ掴む。

そして、マリンは金色の竜の上を疾走した。

途中迫るスケルトンゴーレムを切り伏せ、ゴーストマリンが放つ赤い雷を打ち払い、マリンは速度を落とさず走る。

両方とも金色の瞳でマリンは、ゴーストマリンから目を逸らさなかった。

「くるな、くるな、くるなぁ!」

ゴーストマリンの悲痛の叫びを受けながら、マリンは竜の首もとから空へと高く飛んだ。

見上げるゴーストマリン。

マリンはそのまま両方のフラッグハルバートを竜の頭へと突き刺した。

バァァァ

爆散する金色の竜。

その爆発に船も粉々にくだけ散っていく。

金色の竜は金貨に変わり空へ舞う。

しかし、その金貨は下に着く前に霧散して消えていった。

船底の板に立つ、マリンとゴーストマリン。

ゴーストマリンはマリンを見て怯えていた。

ゆっくりとゴーストマリンに近づくマリン。

そして、両手にフラッグハルバートを持ったまま、ゴーストマリンを抱き締めた。

腕の中で震えるゴーストマリンに、マリンはゆっくりと言葉をかける。

「あたしはあたしの行いを許します」

その言葉を聞いたゴーストマリンは目を大きく見開いて、そして、微笑み消えていった。

その言葉をゴーストマリンが望んでいたのか分からないが、マリンは静かに空を見上げる。

「マリン船長~」

そんな時、背後から大きな声で呼ばれた。

マリン船長は振り返る。

ゆっくりと【ふぁんたじぃ】が近づいてきていた。

(ふぅ、なんとか終わったみたい。

しかし、イベント体が勝手をやってたのどうしよう。

ばれたらヤバイなぁ。

それにイベントもちょっと緩和してもらわないと。

第2、第3のゴーストマリンが生まれそう)

マリンは少し頭がいたくなってきたが、(ま、自分のイベント体だから仕方ないか)と苦笑した。




お待たせしました。
幽霊船でのマリン船長サイドのお話でした。
あくまでこの話は【ホロライブワールド】でのお話ですので、ご理解をお願いします。
マリン船長の活躍を楽しんでいただければ幸いです。

武器説明
フラッグハルバート
船長が背中に背負っている2本の旗にハルバートの刃物が付いた長物。

能力説明
エンペラーモード(皇帝状態)
皇帝瞳の派生系。
常時無敵ではないが、無敵に近い状態を皇帝瞳より、長く維持できる。
マリン船長が、密かに訓練して編み出した能力。
体の中で魔力をフルかつようしている影響により、両目が黄金になる。


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