ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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あなたは律可とブルーと共に【魔集石】の回収。
【機械島】の謎を解明する事ができた。
そして、あなた達は1度地上に戻る事になった。


第27話 【ホロライブ城】への帰還 そして

「ついた」

俺達はダンジョンを出て、地上についた。

「じゃ、こっちに来てくれるかな?」

律可くんに言われて俺達は、集合した場所に行く。

律可くんは、洞窟に入る前の場所に立ち、こちらを振り向いた。

「もう、【機械島】が何なのかっていう秘密は答えてもらったんだけど、形式上ね」

そう言って律可くんは微笑んだ。

「じゃぁ、キミがたどり着いた答えを教えてくれるかい?」

律可くんは真顔になって俺に聞く。

「はい、【機械島】は…」

俺は【機械島】の秘密を律可くんに答えた。

「ありがとう、合格だよ」

そう言って律可くんは俺に向かって手を差し出した。

俺はその手をとる。

『律可の絆を手に入れました。

グランドジョブの試練をクリアしました』

「よし」

俺は笑顔でガッツポーズをとる。

そんな俺を律可くんは嬉しそうに見ていた。

「さて、【魔集石】を5つあつめたんだよね?」

律可くんに頷く俺。

「それじゃ、後はそれを持ってヤゴー王のところに行くといい。

ただ、簡単にはいかないと思う。

何か悪い事を考えてるヤツがいるみたいだからね」

「はい」

俺はこのはの事を思い浮かべた。

確かにヤツが仕掛けてくるとすれば、【魔集石】を渡す時。

「ヤゴー王のいる【ホロライブ城】には、ここのゲートを使えばいけるよ」

「はい、ありがとうございます」

律可くんは頷いた。

「また、いつか会おう」

「はい、必ず」

俺達は律可くんと別れて、ゲートのある町へと向かった。

 

隣を歩くブルー

俺は立ち止まった。

ブルーも少し歩いてから止まる。

「力を貸してくれてありがとう」

俺はブルーの背中に向かって言った。

「それが俺の役割だからね」

ブルーは振り向きながら答えた。

俺はそんなブルーを見て微笑む。

「もう、俺なんて慣れない言い方しなくてもいいよ」

俺の言葉にブルーが大きく目を見開く。

「どういうことかな?」

ブルーはこちらの方に体を向ける。

「青くんだろ?」

俺の言葉にブルーは黙る。

「いや、正確には青くん本体じゃないんだろうけど」

ふっとブルーは笑う。

そして、前髪をかきあげた後、腕組みをした。

「そこまで分かるものかな?」

声が変わった。

「そう、ここにいるのは火威青が描いたキャラクターさ」

そう、青くんの声で言うブルー

「本物はどこにいるんだ?」

「それは分かれる時に言っただろ?

カフェでお茶してる。

ま、今喋っているのは、お茶してる本物の僕だけどね」

(人型の電話だな)

俺はクスッも笑う。

「それで、どうして僕だと思ったんだい?」

「それはいろいろあるけど、確信したのはその強さだよ。

いくらNPCだといってもチートと張り合えるNPCなんてホロメン以外いないだろ?」

「ふぅん」

「それに名前もあからさまだし」

「う、それはそうかも」

苦笑いするブルー

「それよりどうして手伝ってくれたんだ?」

「約束はしたからね。

それにキミの行く先には必ず厄介事が起こるって、他のみんなから聞いてた。

だから、先回りして用意したのさ」

「はは、厄介事ねぇ…」

(マジで否定できないなぁ)

「お陰で役に立っただろ?」

「ああ、すごく役に立った」

「なら、ここでお別れだ」

ブルーはくるりと背中を向ける。

「行くのかい?」

「ああ、今回の僕の役目は終わりだ」

「そうか、ありがとう」

ブルーは少し黙った後、言葉を紡ぐ。

「ただ、気を付けるといい。

グランドジョブが言っていたように、これからが本番だと思う」

振り返るブルー

「だから、何が起きたとしても諦めずにいるんだ。

諦めなければ、絶対に道は開ける」

「分かった」

俺は頷いた。

それを見てブルーは微笑む。

そして、また背を向けて今度こそ歩きだした。

歩いていくブルーの姿がゆっくりと透明になっていく。

そして、それはいつの間にか完全に姿を消した。

「ありがとう」

俺は消えたブルーにもう一度お礼を言った。

 

「さぁ、行こうか」

俺はこの町にあるゲートに来ていた。

肩に乗るセレスは頷く。

俺はゲートに乗る。

そして、次の目的地、いや、最後の目的地【ホロライブ城】に飛んだ。

 

 

「やっと、戻ってきた」

俺は【ホロライブ城】のある城下町に戻ってきた。

ゆっくりと城に向かって歩く。

この町は何も変わっていない。

本当にこれから何かが起こるのか、疑問に思うくらい平和だった。

「おかえりなさい」

そんな俺に元気に声をかけてくれる人物が前からやってきた。

「ノエルさん」

俺に呼ばれて笑顔を返してくれるノエルさん。

「お疲れさまだったね」

ノエルさんはそう言って頭を撫でてくれた。

「はは」

俺は照れ笑いしながらその行為を受ける。

「それでどうする?

すぐに城に向かう?」

「え?」

「だいぶログインしてない?」

ノエルさんに言われて理解する。

(確かにかなりの時間ログインしているけど…)

「このまま城に行きます。

なんか、早く【魔集石】を渡したくて」

俺は素直にそう伝えた。

「そっか、じゃ、一緒に行こうか」

ノエルさんはそう言って俺と一緒に【ホロライブ城】についてきてくれる事になった。

 

城に続く橋。

「え?

あ、お疲れ様です」

「はい、お疲れさま」

橋の番人であるNPCが俺達を見て挨拶してきた。

ノエルさんはそれに笑顔で答える。

 

「あ、ノエル団長。

お早いご帰還で」

城の門番が挨拶してくる。

「ええ、目的はすぐに終わったから」

ノエルさんはそう答える。

「何か用事があったんですか?」

俺はヤゴー王の間に向かいながらノエルさんに聞いた。

「え?

それはもちろんキミを迎えに行く事だけど?」

ノエルさんにそう言われて少し照れてしまった。

そして、俺達はヤゴー王の間の前に来た。

俺はセレスを見る。

セレスは目を閉じた。

「大丈夫。

今回は異常を感じられない」

セレスは中を探ってくれたようだ。

「よし。

ただ、念のため」

俺はアイテムボックスから【魔集石】を出す。

「ノエルさん、何があるか分かりません。

この【魔集石】を預かっててくれませんか?」

「え?

ダメだよ。

そんな大事なもの、預かれない」

ノエルさんは両手を振る。

しかし、俺はノエルさんに強引に【魔集石】を渡した。

「これを取られたら終わりなんです。

だから」

俺の真剣な顔にノエルさんはゆっくりと頷き、【魔集石】を受け取り片付けた。

「じゃ、行きます」

俺はそう言ってヤゴー王の間の扉をゆっくりと開いた。

 

そこはあの時と変わらず壮大な場所だった。

ゆっくりと俺達は進む。

そして、王座に座るヤゴー王の前に来た。

「よくぞ戻った、勇者よ」

(勇者になってる)

「キミの活躍は私の耳にも届いていたよ」

「そうなんですか?」

「あ、演出演出」

ノエルさんが小声で教えてくれる。

「では、【魔集石】をここに」

ヤゴー王の言葉に合わせて、フードを被った人物がこちらに進み出た。

その人が俺達の前で止まりフードを脱ぐ。

「Aちゃん」

「はい、ちょっと本当のストーリーと違いますが、一刻を争いますから、私が直に受け取りますね」

そう言って微笑むAちゃん。

「分かりました」

俺は頷き、ノエルさんを見る。

ノエルも頷いて、アイテムボックスから【魔集石】を出そうとしたその時。

「待って!!」

鋭い声と共に、頭上から何かがこちらに飛んできた。

いや、正確にはAちゃんのいた場所にだ。

ガ!

地面に刺さるそれは剣?

Aちゃんは大きく飛び退いて、その武器を避けている。

「な、なんだ?」

俺は辺りを見渡す。

そして、それは上から現れた。

タ、タ、タ、タ、タと5人の影が現れる。

「ごめんなさい、いきなりで」

その中の1人はこちらを向いて頭を下げる。

5人組の男女が俺達を守るように前に立つ。

「ち、気づくのが早いな」

Aちゃんはそう言って後ろに下がる。

いつの間にかヤゴー王が消えていた。

「本部から連絡、ヤゴー王の退去完了しました」

さっき謝って来た女性が、小柄な女性に伝える。

「了解。

仕事が早くて助かる。

すまないな、自己紹介している暇がない。

私達はGM。

GM戦隊グレートメンバーと呼ばれている」

小柄な女性はAちゃんを睨みがら言った。

(GM?

ゲームマスターの集団?

どうしてここに?)

「Aちゃんに化けるなら、きちんと本人がいない時にしないとね」

ロングヘアの女性が銃を構えながら言った。

「ふ、Aちゃんがいない時?

そんな時があるのか?」

そう言って目の前のAちゃんが王座の方に飛び退いき、空中で止まる。

そして、その姿がぶれ始めた。

Aちゃんの姿が別の女性への姿に変わる。

「このは!」

小柄な女性がその姿を見て叫んだ。

(あれが俺の前の【世界の答え】)

「まさか、君達が来てくれるとは思わなかった」

可愛い声で喋るこのは。

「返してもらう。

その体!」

小柄な女性が前に出ようとする。

ガシ。

「落ち着けさくや」

大柄な男性に肩を掴まれ止められる小柄な女性。

「ノエルさん、【魔集石】はこちらで」

ロングヘアの女性がノエルさんに手を伸ばす。

しかし、ノエルさんはこのはを見たまま動かない。

「ノエルさん?」

ロングヘアの女性がもう一度声をかけた。

「まさか!

そのノエルを止めろ、フジ、ヒーロ」

さくやに言われて、大柄な男性と先程地面に刺さった剣を持った男性が同時にノエルさんに飛びかかる。

しかし、ドカ!

『ぐわぁ!』

2人はいとも簡単にノエルさんに吹き飛ばされた。

ゆっくりとノエルさんはこのはの方に歩き出す。

「さくや!」

ロングヘアの女性がノエルさんに銃口を向ける。

「待て、レイム。

操られているのか、偽物か分からない。

リィス、解析」

「はい!」

リィスと呼ばれた始めに謝ってきた女性が目の前のキーボードを叩く。

「解析出ました。

偽物です!」

「レイム!」

リィスの声と共にこのはがレイムに指示を出す。

ダンダン!

銃口が火を吹き、ノエルさんに攻撃した。

しかし…

「遅い」

いつの間にかノエルさんの前に現れたこのはが、その銃弾を防いでいた。

「く!」

吹き飛ばされたヒーロが、剣を持ってこのはを攻撃した。

しかし、その攻撃は空振りに終わり、このはとノエルさんは空中に浮かぶ。

ノエルさんが【魔集石】を取り出して、このはに渡した。

そして、ノエルさんは真っ黒に染まり消えた。

「ホロメンの影を使ったのか」

悔しそうに言うさくや。

突然の展開についていけない俺は、アイテムボックスから鬼切丸を取り出す。

「何がどうなって」

「見ての通り、【魔集石】がヤツの手に渡った」

俺の言葉に、悔しそうな声でさくやが答えた。

「はは、いいな、この石は」

このはの右の掌の上で回る5つの【魔集石】

「まさか、この中に私を封印するデータが隠してあるとは思わなかった」

このはがこちらを見下ろす。

「さて、ここからが本番だ。

まずは、邪魔なおまえ達を追い出そうか?」

【魔集石】が光る。

「くそ!」

ヒーロと呼ばれる男性の足元から光の粒子へと変わっていく。

「強制退去か」

フジと呼ばれた男性が叫ぶ。

「何も力になれなくてすまない。

それに勝手なお願いになる。

このはをどうか静かに眠らせてやってくれ」

さくやは俺に向かって言った。

そして、5人は光の粒子となって消えてしまった。

「はは、本当に騒がしいだけのやつらだったな」

このはが悪態をつく。

「セレス」

俺の声にセレスが地面に降りて、本来の姿に戻る。

「ほう、ホロライブENの…

いや?

おまえは【偽会】か?」

「よく分かりますね」

セレスはこのはを睨む。

「波長が違ったからな。

さて、元【世界の答え】よ。

おまえに聞きたい事がある」

「なんだ!」

俺は鬼切丸を構える。

「おまえにとってこのゲームはなんだ?」

(なんでそんな事を聞く?)

俺は不思議に思いながらも黙ってこのはを睨む。

「ま、たかがゲームとは思ってないだろうな。

1度【世界の答え】になったのだから。

なら、このゲームがなくなったらどうだ?」

「な、何を言って…」

「このゲームをやっている人間にとって、この世界は最高だろう。

会えないホロメンに会うことができる。

人生の大半の時間をゲームにつぎ込んでいる人間は多い。

なら、そのゲームが突然、この世界から消えたらどうだ?

さぞかし、面白いだろうな。

今まで費やした時間が全て無駄になる」

「な、何を言ってるんだ、おまえは!」

俺の叫びにニヤリと笑うこのは。

「やるぞ、セレス」

「OK」

俺は戦闘態勢に入る。

このままにしていたら、ヤバい事が必ず起きる。

「ふふ」

そんな俺を見て、このはが地面に【魔集石】を落とした。

「な、何を」

地面に落ちた【魔集石】を包み込むように黒い影が起き上がった。

その影はゆっくりと形を変えていく。

「な、まさか」

その影はホロメンだった。

1人は星街すいせい。

中華風の衣装を着た、赤い目をした姿だった。

1人は風真いろは。

完全に忍者の姿で、背中に巨大な手裏剣を背負っている。

1人は巨大な黒い甲冑。

胸にぺこらちゃんのウサギのマークが描かれている。

1人は潤羽るしあ。

ピンクの髪にゴスロリの服装。

1人は大神ミオ。

見たことのある女王様風の衣装なのだか、髪の色が真っ白だった。

「な、なんだ、このホロメン」

「ホロメン・ディープエビル。

人の心の奥底にある悪によって姿を変えられたホロメンだ」

「実際のホロメン達がそんな事で姿を変えるわけがない」

「そうだな、だが、影は別だ。

私の力で影に【魔集石】を埋め込み作り出した。

その力は元のホロメンを越える」

「な、なんだって」

「そして、この5人と私の産み出した影達が、今からこの世界を消滅させる」

淡々と言葉を続けるこのは。

「そんな事させない!」

「いや、おまえにはどうする事も出来ない。

何故なら、おまえはもうこの世界にいられないのだから」

「な!」

「まさか!」

「では、さようならだ。

おまえは現実に帰り、消えていく世界を絶望しながら見ているがいい」

このはが手をあげる。

ぐっと誰かが俺を抱きしめた。

セレスだ。

「ごめんなさい。

あの力には私達もどうしようもない。

でも、決して諦めないで、絶対に道は作る。

だから、あなたは待っていて。

必ず迎えに行…」

最後までセレスの言葉を聞けぬまま、俺はこのはの手から放たれた暗い闇にのまれてしまった。




ガバッ。
起き上がりあなたは頭に付いているヘッドギアを外した。
辺りを見渡す。
そこは見慣れたあなたの部屋。
あなたは現実に戻ってきていた。
急いでもう一度ヘッドギアを被り、【ホロライブワールド】のゲームを立ち上げる。
しかし、『現在緊急メンテナンスの為、【ホロライブワールド】をプレイする事はできません』と赤いメッセージが表示されるだけだった。
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