ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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大神ミオ。
配信でタロット占いをしてビッグゴッドミオーンと呼ばれ、よく当たるとリスナーから言われている存在。
それはこの世界【ホロライブワール】でも健在で、この世界の大神ミオも占いの力を持っていた。
さて、その大神ミオがもし世界の行く末を占ったら?
その占い結果が破滅だったら?
そう心の底で思ったプレイヤーはいないだろうか?
よく当たる占い師がそんな未来を占ってしまったら?
馬鹿げた話かも知れないが、そう思ってしまったら?
そう、そんな小さな悪い思いが集まり形になったのが大神ミオDE。
大神ミオディープエビルだった。


第30話 世界の終焉を占う者 大神ミオ・DE

「大神ミオDE…」

俺は目の前の白髪のミオDEと向き合いながら、鬼切丸を握りしめる。

正直に言って、勝てそうにない相手だ。

俺が立ち止まったのも、これ以上進めばやられるという感じを受けたから。

「そんなに怖がらなくてもいいと思いますけど?」

女王様風の衣装を身に纏ったミオDEは腕組みしながらこちらを不適な笑顔で見ている。

「ここを守っているホロメンはどうしたんだ」

俺は目をそらさないようにしながら、相手を見る。

目をそらせばやられるような気配がする。

「ああ、ここを守っている人ですか?」

手を顎に当てて少し考えた後。

「そんな人、ここにはいませんよ」

手を広げて呆れたように答える。

「な、ホロメンを倒したのか!」

鬼切丸を握る手に力がこもる。

「まさか!

いくらうちがホロメンより強いと言っても、ここには4人もホロメンがいますからね。

なので、各メインで守護する場所を襲撃させました」

あっけらかんと答えるミオDE。

俺はみんながやられていない事に少しほっとしながらミオDEに聞いた。

「なら、なんでおまえはここにいる?

俺を待ち伏せていたのか?」

(ホロメンより強いというなら、どこかの神社に向かっているはずだ。

ホロメンを倒す為に)

俺はそう考えていた。

「ここにいる理由?

そんなの特にないですよ。

ホロメンを壊そうと思ってたまたまここを通ったら、キミがいたっていうだけです。

自分の事をあまり特別に思わない方がいいですよ。

キミはただのプレイヤーなんですから」

ミオDEの言葉が胸に刺さる。

(そうだ。

前回とは違い、今回俺は世界に選ばれた者じゃない。

だとしても、俺には俺を信じてくれる仲間がいる。

ホロメン達との絆がある。

だから、俺はここにいる)

俺はミオDEを見る。

「なるほど、その目。

いいですね、まだ希望のある目。

でも、うちの占いでは、この世界の未来は破滅。

希望なんてないんですよ?

うちの占いはよく当たりますから」

そう言ってミオDEは指先でタロットカードをくるくると回す。

「占いは100%じゃない。

俺はそんな結果信じない」

俺はアルティメットフッドの力を解放する。

(いつでもいける)

「ふふ、確かに信じるも信じないのもキミ次第。

でも、結果は変わりませんけど…ね?」

その言葉と同時に俺はミオDEに向かって飛び込んだ。

アルティメットフッドのお陰で向かうスピードは、ホロメン並み。

そして、赤竜帝の小手の力を限定解除力で攻撃力をあげる。

フル解放は自分の負担が大きいけ、限定解除でアルティメットフッドを併用すればやれる。

「たぁ!」

俺はその勢いのまま攻撃する。

ガ!

しかし、俺の一撃は相手の持つタロットカードに止められた。

「まあまあですかね」

顔色変えず、ミオDEは言った。

「まだまだ!」

俺はそのまま、ミオDEを攻撃する。

1つ、2つ、3つ、4つ。

連続して放つ俺の斬撃をミオDEは全てタロットで受け止める。

(これだけやって、どうにか両手を使わせれただけか)

両手のタロットを使って防ぐミオDE。

しかし、今だに一撃を与えられない。

「うちに両手を使わせれただけでもすごいと思いますよ。

でも、当たらないと意味ないですけどね」

そうミオDEが言った後、不意に俺に影が覆い被さる。

俺は恐怖を感じ、全力で後退した。

俺の顔の前を鈍く光る刃物が擦るように通り抜ける。

地面に着地し俺は、ミオDEを見る。

ミオDEの背後に死神のような存在が浮かんでいた。

「タロットカードでよく見るでしょ?

死神のカード。

それですよ」

ミオDEの不適な笑顔は変わらない。

(回避が遅れていたら終わってた。

今のこの世界にリスポーンがあるかどうか分からない。

だから、俺はやられるわけにはいかない)

「さぁ、今度はこちらからかな?」

ミオDEが手を掲げる。

その上に黒い炎。

背後の死神が黒い炎の中に入り込む。

「触れれば終わる黒い炎。

キミへのプレゼントだよ」

ゆっくりと振り下ろされた手に反応して、その死の炎はこちらにゆっくりと進んでくる。

(なめてるのか?

そんなスピードに当たるか)

俺は回避の為に横に跳ぶ。

だが、体が動かない。

「な…に?」

ミオDEは手にもっているカードを俺に見せる。

(あれは吊るされた男)

「キミは逃れられないよ?」

(くそ、シオンちゃん!)

俺はシオンちゃんの絆の力を使う。

そのまま鬼切丸をアイテムボックスに入れ、赤竜帝の小手を合わせて前に出す。

「【赤竜帝の豪炎】!」

合わせた小手から凄まじい炎が放たれる。

「へぇ」

ミオDEから少し驚くような声が聞こえた。

シオンちゃんの魔力を借りて、赤竜帝ココちゃんの吐くブレスを使った。

黒い炎と赤い炎がぶつかり拮抗する。

「すごいですね。

ホロメンとの絆の力ですか?

でも、言いましたよね?

うちはホロメンより強いって」

バン!

弾け跳ぶ赤い炎。

そして、俺に迫る黒い炎はまったく衰えていなかった。

「く」

避けようとしても、足が地面に引っ付いたように離れない。

(このままじゃ、やられる)

俺はアルティメットフッドの力を最大限に上げるが、状況は変わらない。

もうそこまで黒い炎は迫っている。

「キミだけでは、この力に抵抗できない」

ミオDEの持つ、吊るされた男のカードがやけに目に止まった。

(やっぱり、俺は勝てないのか…

せっかくこの世界にこれたのに俺は、何もできないまま終わるのか?)

ぐっと手を握る。

(いやだ!

俺は、俺は)

頭をこの世界に導いてくれたホロメン達の顔が浮かんだ。

「必ずこの世界を元に戻す!」

そう俺は叫ぶ。

「そう、その調子でいてもらわないと困るよね?」

そんな陽気な声と共に黒い炎が爆散した。

 

背後に黒い炎を受けてなお目の前に立つ人物は、笑顔で静かにこちらを見ていた。

ピンと伸びる耳に、ふさふさの尻尾。

その笑顔は見ている自分を自然に元気にしてくれる力があった。

「うちの死神が効かない?」

ミオDEの声を背後に受けて、目の前の人物は振り返る。

「そりゃ、このポルカ様を倒したいなら、そんな力じゃ無理でしょ」

「ポルカちゃん」

「やっぱり、戻ってたんだ。

無事?のようで何より」

こちらに向き直ったポルカちゃんは笑顔でそう言った。

「なら、これはどう?」

ミオDEの周りに剣が浮かぶ。

「はぁ、ちょっとこっちで話あるから、相手してあげられないんだよね。

だから、ちょっと頼んだ」

ポルカちゃんが鞭で地面を叩く。

すると赤い炎でできた熊が立ち上がった。

「そんなもので、防げるとでも?」

ミオDEは剣をこちらに飛ばした。

しかし、剣は全て炎熊に飲み込まれ消滅する。

「な!

どうして、ホロメンでさえ傷を負わす威力のはず」

初めて焦りの顔を見せるミオDE。

「確かにこの威力だと、ホロメンにもダメージあるかもしれないけど、ポルカにはねぇ」

俺の足元に向かってさっと手を振り、その後助け起こしてくれるポルカちゃんがニヤリと笑いながら言った。

(うわぁ、いたずらする時の笑顔だぁ)

「ホロメンの力は全員ほぼ一緒のはず」

「ま、基本はね?

でもさ、この世界に生まれてからこっち、ポルカ達が何もしないと思ってる?」

「!!」

「ポルカ達も成長してるんだ。

おまえみたいなヤツが現れるからさ」

パシン

もう1度鞭で地面を叩くポルカちゃん。

再び炎の熊が2体地面から立ち上がる。

「足止めよろしく」

ガァオオオ

3匹の炎熊が雄叫びをあげる。

俺はポーションをアイテムボックスから取り出して飲んだ。

ポルカちゃんが俺の方を見る。

「大丈夫なんですか?

他のみんなは」

俺の言葉にポルカちゃんは頷いた。

「後退はさせられてるけど、まだ重要な場所は守りとおせてる。

ただ、ポルカもすぐに戻らないといけない」

悔しそうに言うポルカちゃん。

「そうですか。

でも、みんなが無事ならよかった」

俺の言葉に笑顔で頷く。

「ここに来たのは、キミにお願いがあって来たんだ」

そう言ってポルカちゃんは背筋を伸ばして俺を見る。

そしてビシッと俺を指差し

「ポルカ達の推しになってよ」

と最高の笑顔でポルカちゃんは言った。

「推しですか?」

「そう、この世界は今、キミしかプレイヤーがいない。

ポルカ達ホロメンは推しがいないと、十分に力を発揮できないんだ」

ちらっと俺は炎熊を見る。

(なんか圧してる)

「ま、ポルカはいろいろと裏技使えるから」

はははと笑うポルカちゃん。

「それで、俺はどうしたら?」

「ステータスオープン」

声高らかにポルカちゃんが言うと、俺のステータス画面が開く。

「ええ、俺の?」

「時間ないからね。

で、推し画面開いて」

「は、はい」

俺は推し画面を開く。

みんなの顔写真がずらっと並び光っていた。

「あ、やっぱりまだ決めてないんだ」

ポルカちゃんがその画面を見て言う。

「なんか、決めれなくて」

そう、俺はこの世界で推しを決めていない。

リアルではもちろん決めているけど、この世界に入ってたくさんのホロメンと出会ううちに、たくさんの思い出を作った。

だから、まだ推しボタンを押していなかった。

「キミの事だから、誰かに決めるっていうのができないんだろ?」

(ポルカちゃんはお見通しか)

「なら、もう1つの選択をしよう」

「え?」

俺はポルカちゃんを見た。

「それはみんな押す。

全部推す。

それぐらいキミはポルカ達と思い出作ってきたんじゃない?」

ポルカちゃんの言葉に、俺ははっとする。

(そうか、誰かじゃなくて、みんなを推せばいいんだ)

俺はポルカちゃんを見て頷く。

ポルカちゃんもまた頷いた。

「これまでみんなが俺に力を貸してくれた。

だから、今度は俺がみんなに力を貸す番だ!」

推し画面の前で俺は人差し指を伸ばして両手を上げる。

「届け、みんなに、この気持ち!!」

俺は押した。

推し画面のみんなのボタンを。

1人1人押す時に、そのホロメンへの気持ちと想いを胸に。

押して押して推しまくった。

ピコン

ポルカちゃんのボタンを押した時、隣で音が鳴った。

ポルカちゃんが笑顔でステータス画面を見せてくれる。

一番下の推しの数が1になっていた。

ポルカちゃんが推し一覧のボタンを押すと、俺の名前が載っていた。

「これで、キミがこの世界にいる事がみんなに伝わった。

ポルカがここに来たのも、誰かが戦ってるのをまのあろが感じて、それで飛ばしてもらったんだ。

今頃、ラミィ小躍りしてるんじゃない」

「ええ」

俺は全てのボタンを押して画面を閉じる。

そして、ポルカちゃんを見ると体が透けていた。

「ポルカちゃん?」

「あ、時間か。

まのあろの力で跳んでは来たけど、時間制限付きなんだよね。

今、この世界ではワールド跳躍は変な力で押さえ込まれているんだよ」

「ありがとう。

そんな状態でも助けに来てくれて」

「こちらこそ、推してくれてありがとう」

俺はポルカちゃんと握手する。

ゆっくりと消えていくポルカちゃん。

俺は改めて鬼切丸を握り、ミオDEの方を向く。

炎熊もポルカちゃんと同じように消えていっている。

「大丈夫。

ポルカが消えたとしても、キミにはすごい味方がいるから」

ポルカちゃんに俺は頷いた。

「負けるなよ!」

ポルカちゃんはそう言って消えた。

「話をしただけで帰ったんですね」

ミオDEが俺を睨む。

たぶん、炎熊に足止めされて怒ったのだろう。

「話をしただけでも元気はもらえた」

鬼切丸をミオDEに向けて構える。

「元気をもらえただけで、どうにか出来るんですか?」

ミオDEから放たれる圧に俺は屈せず睨み返す。

「それが、話だけではなくて、時間稼ぎもしてもらってたんですよねぇ」

「え?」

突然の声に俺は横を見た。

そこにはゴスロリ服の女性が1人。

「キミの事助ける為に、この世界に生まれたのにさっさといなくなったから、どうしようかと思いましたよ。

でも、戻ってきたのならよしとしましょうか」

そう言って笑うその女性は【新世代first】の1人儒烏風亭らでん、その人だった。




このはの作り出したホロメンデイープエビルの1体、ミオDEとの戦闘の記録。
ポルカちゃんの願いを受けて、箱推しになったあなたの力がみんなに届くのか?
そして、あなたの味方として現れたらでんちゃんとの連携はいかに?
では、また次回をお楽しみに
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