ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

38 / 62
いろはDEとの戦いで劣勢だったあなたの元に、次々と現れるホロメン達。
彼女達の力を借りて反撃を開始しようとしたその時、いろはDEはあなた達の戦力分散の策に出る。
3人に分身したいろはDEを追う為に、別れたあなた達ははたして、いろはDEを倒す事ができるのか?



第35話 VSいろは・DE 分岐編

「見つけた!」

少し先、ビルの間を飛ぶように進むいろはDE。

それに碧の侍と赤の歌姫が追い付いた。

「ふ、やはり別れたでござるか」

いろはDEはこちらに向き直りながら、地面に降り立つ。

それに合わせるように2人も地面に降りた。

「こちらに来たのが、2人とは」

いろはDEは少し離れた場所の2人を見る。

「今度は逃がさないでござるよ」

碧の侍いろはは刀を構えた。

「少しお仕置きしないとかな?」

赤の歌姫AZkiは、いろはDEを見る。

「2人で勝てるとでも?」

いろはDEは小刀を構える。

「勝てない…とでも思ってるでござるか?

【鬼武者】からの【鬼神大元】」

いろはの背後に現れた緑の気の鬼侍がいろはに同化。

いろはは緑の気を纏った。

「百鬼あやめの技…」

「その通り、かざまの【模擬真眼・改】は見た技を自身で使えるようになる魔眼。

覚悟するでごさるよ」

「いいでござるよ。

なら、今一度喰らうがいい!」

いろはDEは跳躍。

多重分身からの風魔手裏剣が放たれた。

「もう、助けは来ないでござるよ!」

「もちろん、避けるまでもない。

AZki先輩」

いろはに言われてAZkiは頷き、背後に重なるように立つ。

迫る風魔手裏剣。

しかし、いろはは顔色変えずにその風魔手裏剣を斬り落とし始めた。

多数でほぼ全方位と言ってもいい、その風魔手裏剣の攻撃を、いろははその場を動かず捌く、捌く、捌く、捌く。

斬られた手裏剣は煙と消えていく。

チャキ丸と緑の気で出来た刀の二刀流。

いろはは全ての風魔手裏剣を切り落とした。

「狙われているのが、かざまだけとなれば、このくらいは雑作もないでござるよ」

さっきは狙われる対象が多すぎて、捌ききれなかったが、今回はAZkiがいろはと重なるように立っている。

必然に狙いは1つに絞られる。

だから、いろはは全ての手裏剣を斬り落とすことが出来た。

「なら、ここからは!」

いろはDEがいろはへと突撃する。

「望むところ!」

いろはもそれに答えるように突撃した。

交差する2人。

風魔手裏剣を刀のように振り、いろははそれをチャキ丸で受ける。

脇を突き刺そうと出された小刀を緑の刀で止め、弾く。

すぐさま、弾いた刀で斬りつけるいろは。

しかし、その一撃はいろはDEを切り裂いたが、その姿は煙と消え、その煙の奥からすぐさまいろはDEが現れる。

空蝉の術。

白上フブキが得意とする術。

忍者であるいろはDEはその術を当たり前のように使ってくる。

いろはDEの攻撃を受け反撃するいろはだが、その攻撃は全て当たり、しかし無効となる。

いろはDEからの攻撃は止まらず続く。

いろはの顔に少し陰りが見え始める。

相手の攻撃は急所狙いで正確だ。

防御を誤れば一撃でやられる。

その状況化でいろはは確実に反撃している。

反撃する事で相手の攻撃速度を少しでも落としている。

そうしなければ押され負けする。

「やっぱり、2人でやりましょうか?」

いろはの背後で声がする。

「すいません、お願いします」

ドン!

「ぐ!!」

いきなりの衝撃波にいろはDEは背後に吹き飛ばされる。

なんとか体勢を持ち直し地面に立つ。

いろはDEの前に立ついろはの背後に肩に優しく手を置き浮かぶAZki。

「ふぅ」

いろははゆっくりと息を吐き、【鬼神大元】を解く。

「何をするつもりでござるか?」

いろはDEは武器を構えるが、前に出れない。

先程までとは明らかに違う雰囲気の眼前の敵。

完全にいろはDEは気圧されていた。

 

 

「案外早いんだ」

箒に乗って追いかけているシオンは、ビルに跳び移りながら逃げているいろはDEをとらえた。

「どうします?」

並走するようにビルを跳び移るクロヱがシオンに聞いた。

「ん~

そろそろ鬼ごっこも飽きたし、沙花叉ちょっと止めてきて」

「は~い」

シオンに言われてクロヱが姿を消した。

「うわぁ!!」

前のいろはDEが大きな声を出して、地面に落ちていく。

「いやぁ、いきなりそれはダメでしょ」

シオンはクロヱを見てクスクス笑う。

クロヱはいきなりいろはDEの目の前に現れたのだ。

クロヱはばぁっとした姿でシオンの方を見て笑った後、また姿を消した。

地面に降りるシオン。

その横にクロヱは現れる。

少し離れた場所にしりもちついたいろはDEは、お尻をさすりながら立ち上がる。

「神出鬼没でござるな」

いろはDEはシオン達の方を見て言った。

「ごめんごめん、そっちの十八番とっちゃって」

クロヱは詫びる気無しで言う。

「…」

真顔で風魔手裏剣を構えるいろはDE。

「ありゃ、怒っちゃったか」

「あんまりおちょくるからだよ」

クロヱに呆れたようにシオンが言う。

「ま、やるならやるけどね」

肩をひょいと上げた後、鎌を構えるクロヱ。

シオンは1歩下がりロッドを構えた。

「参る」

静かにそう言ったいろはDEは姿を消した。

「はいはい」

クロヱもそう言った後、姿を消した。

「はぁ~

その戦い方ってビジュアル的にどうかと思うんだけど…」

至る場所で武器と武器が鳴る音が聞こえる。

しかし、その姿は一切見えていない。

別に高速で動いているわけではなく。

お互いにスキルで動いている。

いろはDEは忍者の持つスキル【死角渡り】

相手の死角に一瞬で移動するスキル。

それに【空蝉の術】を使って移動していた。

それに対してクロヱはアサシンのスキル【神出鬼没】

その名の通り、任意の場所にいきなり移動するスキル。

それに【朧斬鬼】を使う。

敵の攻撃を無効化した後に背後に瞬間移動するスキル。

クロヱ専用のスキルだ。

お互いに瞬間移動のスキルを使っている為、このようなつばぜり合いの音だけ聞こえる戦闘になっていた。

「どうしようかなぁ」

シオンはぼーっと立ったまま呟く。

すぐそばでつばぜり合いの音は鳴っているが、シオンは気にしてなかった。

シオンを狙えば、その隙をクロヱが狙う。

なので、いろはDEはシオンを狙えない。

すっとロッドを構えたシオン。

「ほい」

その声と共に雷がある場所を直撃する。

「うわぁ!」

雷に射たれて地面に転がるいろはDE。

「な、なぜ」

驚くいろはDEに、ふふんと自慢気に微笑むシオン。

「いくらスキルで動き回っても、シオンの結界内だからね、場所はすぐに分かるよ」

「そうだ、シオン先輩はすごいんだぞ」

なぜかシオンの横で胸をはるクロヱ。

「く、このままでは埒が明かないでござるな。

なら、奥の手を使うまで!

風魔忍術奥義・大化生の術!」

飛び上がったいろはDEが印を結び叫ぶ。

そして、巨大な煙がいろはDEを包み込んだ。

シオン達は武器を構える。

煙が晴れて現れたのは、巨大なタヌキだった。

『ははははは、驚いたでごさるか!

これこそ私の奥の手。

このまま、焼き殺してやるでござる。

大火遁の術!』

巨大タヌキになったいろはDEは大きく息を吸い込む。

そして、口から巨大な炎の玉をシオン達に向かって吐き出した。

「ふぅん」

シオンは向かってくる巨大な炎の玉を見て焦ることなく、ロッドを向けた。

「ファイヤーボール」

シオンのロッドから拳大の炎の玉が打ち出される。

『ははははは、そんな小さい炎の玉でどうするでござるか?』

笑う巨大タヌキ。

そして、巨大な炎の玉が小さい炎の玉を飲み込もうとした瞬間。

小さい炎の玉が突然弾け炎の渦となって、巨大な炎の玉を覆っていく。

『な!』

そのまま巨大な炎の玉は炎の渦に包み込まれて凝縮され消えた。

「あれぐらいなら何とでも」

シオンがそう笑った時、巨大タヌキの背後で声がする。

「その首もらった」

『!』

背後で鎌を構えるクロヱ。

その鎌は巨大タヌキの首を優に越えた大きさだった。

ブン!

クロヱは迷いなく鎌を振るう。

しかし、クロヱの攻撃は避けられた。

いや、避けられたというより、狙いの場所がそこにはなかった。

「はぁ?」

クロヱは一瞬驚いた後、シオンのところに戻る。

そして、目の前に立つ首のないタヌキを見た。

『ははははは、そんな攻撃は効かないでござるよ』

首のないタヌキから声がする。

そして、ずぼっと首が生えた。

「うわ、きしょくわる」

クロヱが悪態をつく。

「なるほどね、ただのタヌキじゃないって訳だ」

シオンはタヌキを観察した。

『その通り、私はただのタヌキではなく、分福茶釜のタヌキに化生しているのでござるよ。

とう』

タヌキが飛び上がる。

『喰らえ!

茶釜アタック!』

頭と手と足を茶釜に入れたタヌキがその場所から火を吹き出して、回転し始める。

そして、そのままシオン達に突進してきた。

「な、ちょっと、ガ○ラかぁ!」

クロヱは慌てた声で突っ込む。

「ファイヤーランス!

乱れ射ち!」

シオンの周辺に浮かび上がる炎の槍を、そのまま茶釜に打ち出した。

しかし、槍は茶釜に当たり弾けとぶ。

「あちゃ、ダメかぁ」

『当たり前でござろう、茶釜に炎など効かぬ』

「シオン先輩!」

クロヱはシオンを背後から抱き締めると、茶釜アタックから回避した。

「ありがと」

「いえいえ」

なんかぎゅと抱き締められているが、シオンは突っ込まなかった。

ビルの屋上へと上がったシオンは、ぶんぶん飛び回る茶釜を見下ろす。

「はぁ、他の魔法も効きにくそうだなぁ」

「そうなんですか?」

「はぁ、氷魔法ならやれそうだけど、アレってラミィちゃん専用だからなぁ」

シオンはため息をつく。

「どうします?」

クロヱはシオンを覗き込む。

「ほんとは嫌だけど仕方ない。

アレやるよ」

「え?

マジですか?」

クロヱは少し顔をにやけながら言った。

「仕方ないでしょ、アレを撃ち抜くにはそれしかなさそうだし」

そう言って、シオンはさっきよりも大きなため息をついた。

 




あなた以外の2組の戦いの記録です。
この事実はあなたも知らない記録。
彼女達がどんな戦いをしたのかは、次回の記録で。
そして、あなたはいろはDEとどんな戦いをしたのか?
それもいずれ色褪せた記憶の中で…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。