ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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【ホロライブワールド】の運営はプレイヤーが楽しく安全に遊べるように日々研究し、【ホロライブワールド】をアップデートしている。
しかし、運営とは別に【ホロライブワールド】として世界のAIは自分の中に住むAI達が成長できるように自らをアップグレードしていた。
もちろん、それは【ホロライブワールド】に住むホロメン達も影響されている。


第36話 ホロメンVSいろは・DE決着 そして、あなたの対決へ

「AZKi先輩!」

「いろはちゃん!」

お互いに頷く。

『バディ!!』

2人の声が重なる。

光が2人を包み込んだ。

「く!」

いろはDEは背後に跳び距離をとり構える。

何が起こったのか分からない。

バディとは何なのか?

そんなシステムはこの世界にはないはず…だった。

光が爆発し2人はそこにいた。

真っ白な侍衣装を着るいろは。

その背後に赤と白の和風の服を着て浮かぶAZKi。

その背には羽衣を着けていた。

「天女…?」

いろはDEはAZKiの姿を見て思わず呟いてしまった。

AZKiは手に持つ真っ赤な羽織をいろはに着せる。

いろはは腰にさす刀に手を置き、いろはDEを見た。

「さぁ、仕切り直しとさせてもらうでござる」

「な、なんで、ござるか、その姿」

いろはDEは1歩足を引く。

「かざま達がいつまでもその場に立ち尽くしていると思っているのでござるか?

かざま達だって前に進む。

誰かに背を押され、誰かの背を押す為に。

かざま達も進むんだ!」

ダン!

一瞬でいろはDEとの間合いを詰めるいろは。

「く!」

いろはDEは風魔手裏剣をいろはへと振り下ろした。

しかし、ガン!

それはいろはに届く前に止められた。

いろはのすぐ後ろに浮かぶAZKiの力がいろはを守っていた。

「は!」

腰から居合い抜きされたいろはの刀が、いろはDEをとらえる。

ボン

しかし、空蝉の術で避けるいろはDE。

「な、なぜ」

少し離れた場所で腕を押えるいろはDE。

空蝉の術で避けた筈のいろはの一撃は、いろはDEにダメージを与えていた。

「全てを無効にはさせないでござるよ」

いろはの言葉に、いろはDEは焦り大きく上に跳ぶ。

「超・分身の術」

いろはの視界いっぱいに現れるいろはDE達。

『風魔手裏剣・二連!』

全てのいろはDEが風魔手裏剣を2つに増やして、同時にいろは達に放った。

先程までとは数が違う。

全てをすりおろすぐらいの隙間のない風魔手裏剣がいろは達を襲う。

しかし、いろは達は動かない。

「【エリアスロー】」

「【斬鉄斬】乱れ撃ち」

AZKiの声が響く。

自身の周辺にある任意のものを遅くする魔法。

速度が落ちて迫る風魔手裏剣を、いろはは技を連発して全てを斬り落とす。

だが、いろはDEはそれを見越していた。

斬られた風魔手裏剣はその場で爆発。

いろは達を巻き込み、その周辺は大爆発にのみ込まれた。

『これで』

いろはDE達が息を吐きかけたその時、それは放たれる。

「【絶技 円陣】」

キンっといろはDE達の背後で鋭い音が鳴り響いた。

先程まで様々な音があった世界が、その一瞬だけ音を失くし、その鋭い音だけが聞こえたような気がした。

そして、いろは達の周りのものは、真っ二つに斬られた。

 

倒れるいろはDEの側に立ついろは達。

いろはDEの腰から下は別の場所に転がっている。

「なぜ、あの技を」

いろはDEはいろはに聞く。

斬られた場所から徐々に光の粒へと変わっていく。

【絶技 円陣】はときのそらの円卓の騎士が使う、最強にして専用の技。

いくらホロメンと言えども、資格のないものには使う事は出来ない。

いろははいろはDEを真っ直ぐ見た。

「そういう事でござるよ」

静かにそう答える。

「は、は、私はあなたを元に作られた筈なのに、そんな重要な事も分からなかったのでござるか…」

いろはDEの言葉にいろはは少し微笑む。

「それは誰も分からない事でござるよ。

今のかざまでさえも」

そう答える。

「そうか、あなたはこの世界の風真いろはだから」

いろはDEは大きく目を見開いて、そして、納得したように微笑んだ。

「魔集石は違ういろはDEでござったか」

いろはの言葉に頷くいろはDE。

「他の者達が勝てるかは分からないでござるよ」

体が消え、首から上しかないいろはDEが言う。

「それは大丈夫でござるよ。

かざま達は信じているでござるから」

いろはは背後に浮かぶAZKiを見る。

そして、2人は微笑みあった。

「なら、見に行くでござるよ。

その言葉が真実かどうかを」

その言葉を最後にいろはDEは消え去った。

いろは達は他の人達が向かった場所に目を向ける。

「行くでござるか」

「ええ」

そして、2人は遠くで爆発音が聞こえる、まだ戦っているであろう仲間の場所へと向かった。

 

 

「さぁ、やるよ、沙花叉」

「合点承知!」

クロヱの元気な返事に頷くシオンは、眼下の動き回る巨大茶釜に向かって、ビルを飛び下りた。

ゴーっと音が耳につく。

リアルだったら、絶対ヤバい高さでも、このゲームの中のシオンには何でもない高さだった。

シオンは飛び下りながら箒を出して、その上に立った。

茶釜から少し上空で止まったシオン。

詠唱を始める。

力を抑えられてないシオンは、通常魔法を使うのに詠唱を必要としない。

しかし、シオンは詠唱をしている。

それは即ち…

「ライトニングファイヤー!!」

世界が一瞬暗くなった瞬間、シオンの上空から凄まじい雷が茶釜に降り落ちた。

そして、大爆発。

最大級の魔法が茶釜を襲った。

煙に巻かれる茶釜。

しかし、茶釜は何事も無かったように、その煙から現れた。

回転しながら茶釜はシオンの方へと向かう。

「あれもダメなんだ」

シオンは立ったまま箒を器用に動かして逃げる。

追いかけてくる茶釜に、シオンは様々な魔法を打ち込むが、決定打にはならなかった。

『ぐはははは、無駄無駄無駄でござるよ~』

化物となったいろはDE茶釜の声が響く。

「ま、本命はこれからだけどね」

シオンはボソッと呟いた後、箒に掴まり急上昇した。

『なに!?』

茶釜はその急な動きについて行けずに、そのまま真っ直ぐに進む。

そして、『ぐわぁ!!』

ビルの間にいつの間にか張られていた、網のような物に絡まった。

「マジックネットだよ」

茶釜からタヌキの顔を出し、いろはDEは声がした方を見る。

そこには箒の上に立つ魔法使いがいた。

『シオン?』

そう呼ばれた人物は紫色のつばの広い帽子をくいっと上げる。

「残念、沙花叉でした」

ニヤリと笑うシオン衣装のクロヱ。

「準備オッケー」

背後からシオンの声が聞こえた。

「では、お立ち会い。

沙花叉クロヱとシオン先輩の愛の合体技!」

「いや、愛とかは関係ないけど…」

トンっと軽やかにバク転して背後に跳ぶクロヱ。

その先の地上には巨大な砲台と共にシオンが待っていた。

「とう!」

クロヱは砲台の操縦席に乗り込む。

「沙花叉、魔導砲のエネルギーチャージできてるよ」

砲台に手を当ててシオンは叫ぶ。

「わっかりました、シオン先輩!

じゃ、ぶっぱなしてやりますよ~」

砲身の先から光が溢れ始める。

それを見た茶釜があたあたし始めるが、魔法で出来た網からは逃れられない。

「単純な魔力の塊だったら耐えられないでしょ」

そう言ってシオンがニヤリと笑う。

『や、やめ…』

「はっしゃぁぁぁぁ!!」

クロヱの元気な声と共に、砲身から魔力の塊が放たれた。

ドゴォォォォォ!!

凄まじい音と共に魔力弾は茶釜を貫く。

茶釜は静かに光の粒へと変わっていく。

「よっと」

操縦席から飛び下りたクロヱは元の服に戻って、シオンの隣に立った。

「魔集石が出ないみたいだし、ハズレだったかな」

「ま、どっちでもいいです。

シオン先輩との合体技できて大満足ですから」

シオンの言葉にクロヱはそう答えた。

「はぁ~

ちょっとは心配しなさいよ、この世界の事」

シオンは呆れたように言う。

「ん?

もちろん、心配はしてますよ。

でも、大丈夫ですよ。

みんないますから」

そうクロヱはシオンに微笑む。

その顔を見て、シオンはくすっと笑った。

クロヱが、誰よりもみんなを信じているのが分かってシオンは嬉しかったのだ。

「じゃ、他のメンバーのところに行こっか」

「ま、仕方ないですね」

クロヱの愚痴っぽい返答に笑いながら、シオンは箒にまたがる。

ちゃっかりシオンの後ろに座るクロヱ。

「さ、行きましょう!」

元気に手を上げるクロヱ。

「仕方ないなぁ」

シオンは少し嬉しそうにそう答えて箒を空へと舞い上がらせた。

向かうは信じる仲間の元。

たぶん、自分達が行く頃には、もう終わっているのだと確信しながら、箒を飛ばした。




あずいろ、塩シャチのVSいろはDE決着です。
ちなみにクロヱちゃんが乗り込んだ砲台ですが、シオンちゃんが魔力で作り出した物です。
魔力供給とかもしているので、自分で撃つことが出来ない為にクロヱちゃんが代わりに操縦している(狙いと発射)という訳です。
ちなみにシオンちゃん曰く「沙花叉以外には乗せない」と言っているとかいないとか。
では、次はあなたの物語。
次回の記録でお会いしましょう。
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