ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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あなた以外のチームはいろはDEを退けた。
しかし、魔集石は見つからない。
魔集石を持ついろはDEの元に向かっているのは、あなた達だった。
果たしてあなたはいろはDEに勝てるのか?


第37話 キミVSいろは・DE 決着 

「こっちに行ってたんだよね?」

「そうだね」

「あってるはずですよ」

俺は奏ちゃんとらでんちゃんと共に、いろはDEを追って無人の街を走っていた。

かなりのスピードで跳び去って行ったから、まだ追い付けていない。

「そうだ」

俺はアイテムボックスを覗く。

(あった)

俺はアイテムボックスから黄色の宝玉を取り出した。

「あ、それ」

らでんちゃんはその宝玉を見て微笑む。

「これ、奏ちゃんに」

俺は隣で走る奏ちゃんに宝玉を渡す。

「え?

これ何?」

不思議そうに宝玉を受け取った奏ちゃんの手の中で、宝玉が輝きだす。

そして、らでんちゃんの時と同じように、光と変わった宝玉は奏ちゃんの腕に着いているブレスレットへと吸い込まれた。

「ええ!!」

いきなり立ち止まる奏ちゃん。

そして、自分のブレスレットを見ていた。

「まさか、これに力をチャージ出来るのが存在してたの?」

「私も初めは驚きました。

でも、見ての通りです」

驚く奏ちゃんにらでんちゃんは嬉しそうに言った。

「じゃ、もしかして、アレになれる?」

「もちろん」

奏ちゃんに笑顔で答えるらでんちゃん。

「やった~!

そうと分かれば俄然やる気出てきた。

じゃ、いくよ!」

先頭を走り出す奏ちゃん。

俺達はその後を追うように走り出した。

 

 

「やっと来たでござるな」

メインの広い道路の真ん中に仁王立ちして、彼女は待っていた。

「忍者なのに姿見せてるんだな」

俺は鬼切丸を構える。

奏ちゃんもらでんちゃんも各々構える。

「ふふ、余裕と言うやつでござるよ」

仁王立ちしていたいろはDEが忍者刀を構えた。

「名刀チャキ丸裏のサビになると良いでござる」

すっと音もなく目の前から消えるいろはDE。

(な)

ギン!

目の前に突如現れ、刀を振り下ろすいろはDEの一撃を、らでんちゃんは扇で受けてくれる。

「やるでござるな」

ニヤリと笑い後方へと大ジャンプ。

そのまま、複数の手裏剣をこちらに放ついろはDE。

「やぁ!」

奏ちゃんが前に出て、いつの間にか手に持つ包丁を横に振る。

途端、迫ってきていた手裏剣が爆発した。

「はははは、さすがさすがイレギュラー

だが!」

ド。

背中に何かがぶつかった。

「な、なんで」

俺はゆっくりと振り向く。

そこにはニヤリと笑ういろはDEがいた。

腹から生える忍者刀。

「く!」

らでんちゃんがいろはDEを攻撃する。

いろはDEは俺の背中から刀を引き抜いて下がる。

「がは」

俺はその場に片ひざを着く。

そして、口から血を吐いた。

「な、なんで」

奏ちゃんは俺の側に駆け寄っていろはDEを見る。

爆発した後の煙が晴れた後、そこにはもう1人のいろはDEが立っていた。

「2人?」

(くそ、油断した。

相手は分身出きるんだった)

俺はアイテムボックスからポーションを出して飲む。

「だ、大丈夫?」

「ありがとう、大丈夫」

奏ちゃんにそう答える何とか立ち上がる。

(くそ、普通のポーションじゃ、完全には治せてない)

ズキズキ痛む腹を我慢しながら、いろはDEを睨む。

『どうしたでござるか?

顔が青いでござるよ』

ステレオで聞こえるいろはDEの声。

「どうする?」

「2人いるなら2人共倒すまでです」

奏ちゃんにそう答え腕を胸の前に持ってくるらでんちゃん。

「そう、だよね」

奏ちゃんも同じように手を胸の前に持ってきた。

『本気だす!

リグロスチェンジ!!』

2人の叫びと同時に黄色と緑の光が各々を包み込んだ。

そして、光が霧散する。

「リグロスグリーン」

「リグロスイエロー」

色は違うけどほぼ同じようなライダースーツとヘルメット。

2人のヒーローが俺の両脇に立つ。

「休んでてください」

「絶対に許さない」

ダン!

2人は同時に各々のいろはDEに向かって行った。

2人の一撃に大きく後方に飛ばされるいろはDE。

そして、それを追う2人。

俺はその場に1人残された。

「狙いどおりなんだろ?」

俺は鬼切丸を構え、誰もいないその場所で言った。

「ええ、そうでござるが…

よく分かったでござるな」

ビルの影からゆっくりといろはDEが現れた。

「1度やったんだ、2度3度あってもおかしくはない。

それにあんたが本体なんだろ?」

「ほぅ」

俺の言葉にいろはDEの目が少し驚いたような顔になる。

「どうしてそう思うでござる?」

「こいつさ」

俺は鬼切丸を見せる。

刀身が淡く光っていた。

「この刀には魔集石の1つが取り込まれている。

そのせいかな、俺には何となく分かるんだよ。

さっきは近くにあんたが隠れていたせいで、はっきりとは分からなかったけど、2人がこの場から2体のいろはDEを遠ざけてくれたお陰で今回ははっきりと分かる」

「なるほど…」

いろはDEが、背中の大きな風魔手裏剣を手に持ち構えた。

「それで?

分かったところでどうするでござるかな?

たった1人で私を倒せるとでも?」

いろはDEは余裕の顔で言う。

(そうだろうな。

ホロメンを凌駕する力を持つホロメンDEだ。

ただのプレイヤー1人でどうにかなるとは普通なら思わない。

だけど)

「ああ、俺1人であんたを倒す!

赤竜帝フル解放!」

赤い竜騎士のような鎧が全身を包む。

「アルティメットフットフル解放」

足装備が擬装を解いて姿を表す。

「な!」

明らかに動揺した顔をするいろはDE。

「そして、鬼切丸に宿りし絆よ力を貸してくれ。

ノエルちゃん、ラミィちゃん!」

ノエルちゃんの力、無限のパワー

そして、ラミィちゃんの氷の力が刀身に宿り、刀身が氷を纏う。

「そ、そんな状態を続けたら10分も持たずに人間であるあなたの脳は破壊されてしまうでござるよ!」

いろはDEの言う事は正しい。

動いていない今でもかなり頭痛がする。

「そうかもしれない、だから、さっさと終わらせる!!」

俺は一瞬でいろはDEとの間合いを詰める。

いろはDEはそれをよんでいたのか大跳躍。

(しかし、今の俺はそれを追いかけられる力がある)

追うように俺も跳躍。

いろはDEはそんな俺に向かって風魔手裏剣を投げた。

投げた瞬間、印を結ぶいろはDE。

途端、迫る風魔手裏剣が分裂して増えた。

「奥義【斬鉄斬】」

横一文字に刀を振る。

飛ぶ斬撃が氷を纏い、迫る風魔手裏剣をことごとく凍らせ切断した。

「くっ!」

いろはDEが空中に風魔手裏剣を出して、それを蹴ってビルの屋上へと方向転換して跳ぶ。

俺はそれを追うように、背中の竜の翼を使って飛んだ。

一定の距離で、俺達はビルの屋上で睨みあった。

(かなり頭が痛い、早く終わらさないと)

俺は鬼切丸を強く握る。

そして、意を決して前に出た。

「【五花閃】!」

俺の五つの斬撃が氷を纏いいろはDEへと翔ぶ。

「風魔手裏剣・壁」

いろはDEは風魔手裏剣を目の前に壁のように五つ並べるように出す。

俺の攻撃は全て防がれる。

(だが、まだまだ!)

「【六華閃】!」

俺は切り裂いた風魔手裏剣の上を狙って技を出した。

ちょうどそこに飛び出す、いろはDE。

驚きながらも、いろはDEは口から爆炎を吐く。

六つの氷の斬撃はそれを相殺する。

フレアさんの力【予見眼】でいろはDEが飛び出すのが視えていた。

「なら、【七星】!」

上段から振り下ろす刀の斬撃は、氷を纏いまるで空から振り落ちる星のように、いろはDEを襲う。

「風魔手裏剣・大車輪」

いろはDEは風魔手裏剣を巨大化して頭上で回転させる事によりそれを防ぐ。

そこに俺は間をおかずそのまま次の技へ。

「【八葉】」

左右から合計八つの斬撃がいろはDEを襲う。

いろはDEは忍者刀でその斬撃をいくつか防いだが、全ては防げていなかった。

バックステップをする。

俺は脇へと構えた刀を勢いよく前に突き出す。

「【九頭竜】!」

九つの斬撃が氷を纏い本物の竜のようになって、いろはDEに向かう。

いろはDEはそれを防ぐことなく受けた。

(やっぱり、空蝉を使わない。

いや、使えないか)

俺は鬼切丸を鞘に戻す。

ゆっくりと目を瞑る。

(瞬速を超えて神速、神速を超えて、無音)

俺は目を開けいろはDEを見た。

そして、鬼切丸を抜く。

「裏秘奥義【斬鉄剣】!!」

音もなく抜いた刀は、確かに標的を捉えた。

いろはDEを捉えるように張り付いていた【九頭竜】の氷が全て霧散した。

「ぐ…」

俺は体に纏っていたフル解放を全て解除。

鬼切丸を屋上に突き刺して、片ひざをつく。

(まだ倒れられない)

俺は何とか顔を上げていろはDEを見た。

その場に立ついろはDE。

「この勝負、キミの勝ちでござるよ」

弱々しい声だったが、そう俺ははっきりと聞こえた。

いろはDEの足元からゆっくりと光の粒子に変わっている。

「まさか、ただのプレイヤーに破れるとは…

いや、ただのではござらんな。

キミは多くのホロメンと出会い絆を結んできた。

今やその力で瞬間的にホロメンを超えている」

「もしそうだとしても、それはあんたが言ったように俺1人の力じゃない。

みんなのお陰だ」

「仲間でござるか…」

ふと悲しい顔をするいろはDE。

今なら何となく俺は分かる。

いろはDEにはその仲間がいないんだと。

「大丈夫~!」

遠くから声が聞こえる。

「この声は奏ちゃん?」

「仲間が来たでござるな」

いろはDEはそう言って笑う。

「もしかしたらキミならこの世界を救えるかもしれないでござるな。

では、さらばでござるよ」

いろはDEはそう言って光の粒子へと変わる。

そして、残った魔集石がその場でくるくる回った後、下へとカランと落ちた。

俺はゆっくりとその場に倒れそうになる。

「本当に大丈夫?」

そんな俺を戻ってきた奏ちゃんが支えてくれた。

「なんとか、大丈夫。

でも、少し…」

「ちょ、ちょっと!」

俺は慌てた奏ちゃんの声を聞きながら、目の前がブラックアウトした。




あなたは無事、いろはDEを倒しました。
しかし、フル解放をしたせいであなたは気を失ってしまいました。
果たしてあなたはゲーム内で目を覚ます事が出来るのか?
それともそのままログアウトしてしまうのか?
それはまた次回の記憶で。
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