ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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なんとかいろはDEを倒したあなただったが、戦いの疲れか気絶してしまった。
あなたはそのまま目覚める事はないのか、それとも…


第38話 目指せ!次なる世界へ

「はっ」

俺は目を覚まし体を起こす。

「あ、やっと起きた?」

辺りを見回すとそこは、さっきいろはDEと戦っていたビルの屋上。

俺は声がした方を向く。

「師匠?」

「ん」

とシオンちゃんが手を上げた。

「俺、気絶してたんですか?」

「そうだよ。

無理しすぎ」

ポンっと近寄ってきたシオンちゃんに頭を叩かれる。

「脳の処理能力を越えたから、意識がなくなったんだよ。

普通は強制ログアウト案件だけど、さすがに今のこの世界だと強制ログアウトはされないみたい」

「おきたぁ~?」

「あ、起きたよ」

少し離れたところから奏ちゃんの声が聞こえ、それに答えるシオンちゃん。

「一番最初にここに来て、かなり慌ててたよ。

お礼でも言っておきなよ」

そうシオンちゃんは言って、駆け寄って来た奏ちゃんと交代するように向こうに行った。

「大丈夫なの?」

「何とか。

それと、助けてくれてありがとう」

「え?

いいよ、そんなの。

無事でよかった。

あ、そうそう」

奏ちゃんはポケットをごそごそした後、何かを取り出して、こちらに差し出す。

「これって」

「うん、キミが倒れていた近くに落ちてた」

それは紛れもなく魔集石。

俺は鬼切丸の柄頭を近づける。

柄頭に付いている宝石が魔集石を吸収する。

『魔集石を回収しました。

アップデートを開始します』

前回同様、機械音声が頭の中に響いて、鬼切丸が強い光を一瞬放った後、また元に戻った。

「吸い込んじゃった」

「うん、これで二つ目を手に入れた」

「無事に吸収出来たんだね」

AZKiちゃんが優しく微笑んだ。

ちょうどそこに共に戦ってくれたホロメン達が来ていた。

「はい、みんなのお陰です」

俺はゆっくりと立てりながらみんなを見る。

6人のホロメンは優しい笑みを浮かべてこちらを見ている。

俺はゆっくりと頭を下げた。

そして、頭を上げる。

みんなは各々いいよといったジェスチャーをしていた。

「それで、これからどうするでござるか?」

「このまま、【ファンタジー】に繋がるゲートに向かおうと思います」

俺はいろはちゃんに答える。

「あ、それはちょっと今不味いかも」

AZKiちゃんが少し困った顔で言った。

「そうなんですか?」

「うん、言ったと思うけど、私はヘルプに行く途中でこちらに合流したの」

「あ、確かに」

「それでね、そのヘルプ先が【学園】なのよ。

さっき確認したけど、今のところ抑えてはいるけど、それでも周辺に星持ちがたくさん出現してるって言ってた」

「それだと、そこを突っ切るのは難しいですね」

とらでんちゃんは難しい顔をする。

「だったら、他の線になるとあそこしかないかな」

「それって?」

俺の質問にシオンちゃんは上を指差した。

俺は空を見上げる。

「【ふぉーす】を経由する」

シオンちゃんはそういってニヤッと笑った。

「それだと【近未来都市】に行かないといけないですね」

クロヱちゃんはシオンちゃんに言う。

「そうだね。

あそこには【ふぉーす】に直接上がれるゲートがあるから」

「それじゃ、そこに向かいます」

俺はみんなに言った。

「本当はついていってあげたいんだけど…」

AZKìちゃんが申し訳なさそうに言う。

「いえ、今回助けてくれただけでもありがたいです」

「うん」

AZKiちゃんは頷く。

「それじゃ、シオンも【学園】の方についていこうかな。

あの場所も無関係って訳じゃないし」

「あ、じゃ、沙花叉も行きます」

「だめでござる、そろそろ1回は【魔王城】に戻らないと」

シオンちゃんに引っ付こうとするクロヱちゃんを、いろはちゃんが首根っこを掴んで止める。

「だぁ、シオン先輩~」

「ま、あんたは1回戻りなさいよ」

半泣きのクロヱちゃんにシオンちゃんは、手をひらひらしながら言った。

「というわけで、キミにはこの2人についていってもらうから」

シオンちゃんはらでんちゃんと、奏ちゃんを指差した。

「ま、そうなるかぁ」

「もともと、そのつもりでしたから」

2人はそう言って笑った。

 

その後、俺達はビルを降りた。

「それじゃ、アレ出しますね」

らでんちゃんが手を振ると例のバイクが現れる。

「おお、かっこいいでござるなぁ」

いろはちゃんがまじまじと見る。

「なんか嫌な思い出があるなぁ、それ」

クロヱちゃんはバイクを見ながら言った。

もしかしたら、前にGMともめたことがあるのかもしれないな。

「ほい」

奏ちゃんも同じようにバイクを出す。

こちらにはサイドカーは付いてなかった。

俺達はバイクに乗る。

「それじゃ、気をつけて」

「無茶せずにきちんと絆の力使いなさいよ」

「フル解放は慎重に使うでござるよ」

「はぁ、せっかくのデートが。

ま、頑張りなよ」

「はい、ありがとうございます」

各々の激励?をうけて俺達はバイクを走らせた。

目指すは【近未来都市】

そして、そこに行くまでに必ず通らないといけないあの場所へ向かった。

 

 

「ここからが問題だよ」

俺達は目の前に広がる広大な砂漠の前でバイクを停めた。

この砂漠の先に俺達の目的【近未来都市】がある。

「あ、バイクの事なら心配ないよ」

奏ちゃんにバイクのハンドルの中心に付いている赤いボタンを押す。

するとバイクがフワッと浮き上がった。

「そんな機能があるんですか?」

「もちろん、空も飛べる」

「ただ、今、空を飛ぶとすぐにモンスター達に見つかってしまうのでダメですね」

らでんちゃんがサイドカーから言った。

「それじゃ、行くぞ」

奏ちゃんが元気よく砂漠に飛び出す。

「あ、ちょっと。

俺が言いたかったのは…」

俺も慌てて赤いボタンを押して奏ちゃんを追った。

そして、俺が心配した事は砂漠に入ってしばらくして起きる事となった。

 

 

「ちょ、聞いてない~!!」

「だから、言おうとしたんです」

「もっとスピード出して出して!」

俺達は砂漠をものすごいスピードで疾走していた。

背後からはものすごい砂を巻き上げながらヤツが向かって来ていた。

「アレって何!?」

「キングワームです、巨大な肉食ミミズ!」

『うぇ~』

俺の言葉に2人が嫌そうに叫んだ。

「でも、このままだと追い付かれそう」

「仕方ない」

トンと奏ちゃんがバイクから飛び降りる。

バイクはそのまま虚空に消えた。

「え?

ちょっと!」

俺もバイクを停めた。

「仕方ないか」

らでんちゃんもサイドカーから降りる。

「何を」

「ここは私達に任せて、先に向かっててください」

らでんちゃんが俺の方を向いて言った。

「でも、キングワームはどんどん仲間を呼んで増えていく」

「大丈夫です」

奥にいる奏ちゃんが光に包まれ変身する。

そして、らでんちゃんも目の前で光に包まれ変身した。

「このリグロスファイブに任せてください」

奏ちゃんも右手に拳を作りを大きく上げた。

「また、1人で行かせることになりますが、必ず合流するので」

らでんちゃんの言葉に俺は大きく頷いた。

「絶対に。

待ってるから」

「はい!」

俺はらでんちゃん達を残してバイクを走らせる。

後ろ髪をひかれる思いだったか、ここで悠長にしていたら、残ると言ってくれた2人に迷惑がかかる。

俺は2人を信じて【近未来都市】へと急いで向かった。




「行った?」
横に来たらでんに奏は聞いた。
「うん、困った顔をしたけど、きちんと決断して行ったね」
「ま、ここでごねられても困るんだけどね」
奏は地中から現れたキングワームを見上げていた。
「う、気持ち悪い」
「確かに」
らでんはフルメットの上から扇で口許を覆い賛同する。
「どうしようか?」
「なんか次々と敵性反応が増えてきてますね」
メット内のセンサーに赤い反応が増えてきているのが見える。
現れているキングワームもこちらを今にも襲いそうな勢いだ。
「まとめてやった方が早いと思う」
奏がそう言った時、キングワームが2人を食べようと口を開いて飛びかかって来た。
「そう、ですね」
ドカァ!!
凄まじい速さと音を立てて、キングワームは地面を抉りそのまま潜った。
2人はその攻撃を軽く避けながら会話する。
「それじゃ、ここに集める役はよろしく」
奏はそうらでんに伝え、再び現れたキングワームに向かう。
「任されました」
らでんは少し笑いながら、何かを頭上に投げた。
投げたのは複数の能面。
それは各々意思があるようにどこかへと飛んでいった。

奏が向かう先のキングワームは、今度こそ奏を喰らうつもりで、奏に襲いかかる。
ザッと奏はその場に立ち止まった。
迫る巨大な口。
「本当にきもいから!」
ドゴン!
奏は迫るキングワームを下から蹴り上げた。
蹴り上げられたキングワームは空へと直立に吹っ飛ばされる。
ダン!
奏はそれを追うように跳躍する。
奏の跳躍はキングワームを通り越す。
そして、手に持つ巨大な包丁をキングワームへとぶっさした。
そのまま降りる奏。
地面に着地した時には、キングワームは真っ二つになっていた。
「来たよ!」
奏の背後から声がする。
奏が辺りを見回すと、複数の能面を追って多数の土煙が奏に向かってきていた。
ドォン!
奏の周りに多数のキングワームが地中から現れる。
「集まった?
じゃ、おまえらを奏の世界にご招待!」
奏はダンと地面に足を蹴り鳴らす。
その瞬間、奏を中心に世界が変わる。
奏の【特殊領域・歌劇】が発動した。
奏は円形の舞台の中心に立っていた。
その周りの観客席の場所でキングワームが出現していた。
どこからともなく曲が流れる。
「さぁ、おまえら奏の歌を聴けぇ~」
奏はその場で歌い始める。
歌は世界に広がり、キングワームは空に口を向け、その体を曲に合わせてくねくねし始めた。
「相変わらず強制力が強い事で」
円形舞台に続く細道をゆっくりと歩いてくるらでん。
「では、観覧料をいただきます」
らでんの胸の前に交差した両手には巨大な扇が持たれていた。
「【らでん流・大旋風】!」
両手を広げ回転するらでん。
それに合わせて円形の舞台を中心に巨大な竜巻が出来る。
その竜巻に飲まれ次々にキングワームが空中に巻き上がっていく。
「奏!」
「OK!」
らでんに言われて奏は迷わず竜巻に飛び込む。
そして、先程の巨大包丁を前に出して竜巻に乗る。
「行くぞ~~!」
泳ぐように竜巻の回転に乗る奏は、手に持つ巨大包丁で、竜巻に巻き込まれたキングワームを次々に貫き始める。
貫かれたキングワームは、光の粒になって消えていく。
竜巻はその光の粒を取り込み、鮮やかに輝いた。

「おつかれ~」
「はい、ざっとこんなもんよ」
【特殊領域】を解き、変身を解いた2人は砂漠に立つ。
辺りにキングワームはいない。
「さ、追いかけますか?」
「そうだね」
奏の言葉に頷くらでん。
奏はバイクを召喚する。
もちろん、サイドカー付きだ。
飛び乗る奏。
サイドカーにはらでんが乗った。
「そういえばずっと気になってたんだけど、乗り物に弱くなかった?」
奏はサイドカーに乗るらでんに聞く。
「それはリアルのらでんですね。
この世界では、そこら辺は修正されてるみたいです。
それに仮の状態での実装ですし、らでん達」
「そっかぁ~
じゃ、いっか」
奏はそう言ってバイクを走らせる。
向かう先はあなたの向かった場所。
【近未来都市】へ。
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