ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

43 / 62
無人と化かした【近未来都市】に着いたあなたは、危機一髪の所を一条莉々華に助けられる。
再会もつかの間、新たな驚異があなたの前に現れた。
それは紫色の巨大な化物。
あなた達の戦いは始まったばかり…


第40話 【近未来都市】戦開幕

「アレがこの都市をめちゃくちゃにしている原因。

さ、急いで」

莉々華ちゃんはまた走り出す。

「ちょ、ちょっとどこに?」

俺もその後を追う。

「さっき言ってた【ふぉーす】へのゲートの場所は、あの中央タワーの中」

「え?

じゃ、こっちは正反対の方向」

「言ったでしょ、あっちに行っても中央タワーにはいけない。

あの怪物は現れたと同時に多数の星持ちモンスターを出現させる。

今、あそこに向かっても、その星持ちと怪物を相手にしないといけないよ。

それに」

莉々華ちゃんの声を遮るように、背後で爆撃音が鳴る。

「え?」

俺は立ち止まり振り返った。

さっきの紫色の巨大な化物に、中央タワーから攻撃が開始されたのだった。

「誰かいるのか?

あそこに」

「もちろん」

莉々華ちゃんも立ち止まり中央タワーを見る。

「今、あそこはこの都市を守るホロメン達の最後の砦になってる」

「あそこにみんなが…」

「ほら、ぼっとしない。

急ごう」

「は、はい」

莉々華ちゃんに言われて俺は走り出す。

 

しばらく走り、目的地に着いたのか莉々華ちゃんは、ある建物に入っていく。

(ここって郵便局?)

俺もその後に続いた。

中は散らかっていて人はいない。

「こっち」

莉々華ちゃんがドアの前で手招きしている。

「ここって」

(トイレだよな?)

俺は小さなトイレの個室に入る。

「ほら、さっさと座って」

「え?

あ、はい」

俺は便器に座る。

「ちょっとごめんね」

そう言って莉々華ちゃんは片足を俺の膝にのせて個室に入ってくる。

「ちょ、ちょっと狭い」

(めちゃくちゃ近い)

「何、顔赤くしてんのよ。

英雄さんは実はうぶだった?」

「な、何を」

「ほら、何かに捕まってないと危ないよ」

莉々華ちゃんはそう言って壁に付いているボタンをダンと拳で叩く。

「え?」

「下に参りま~す」

莉々華ちゃんがエレベーターガールのように言った瞬間、床が下へと勢いよく動いた。

「ちょ、ちょっと~!」

 

「いつまでそうしてるの?」

「え、あ、ごめん」

慌てて俺は手を離す。

いきなりの事でびっくりして莉々華ちゃんにがっちり捕まってしまっていた。

「ま、いいけど」

「え?」

莉々華ちゃんの顔を見ると少し赤いように見えた。

「ほら、何じっと見てるのよ」

誤魔化すように扉を開けて外に出る莉々華ちゃん。

「ちょっと待って」

俺も同じく外に出た。

そこは地下水路のような場所だった。

「ここから中央タワーに向かう」

「了解」

「あと、ここも安全って訳じゃないから準備だけはしといて」

莉々華ちゃんはどこからともなくハンドガンを出現させ両手に持つ。

「分かった」

俺も鬼斬丸を装備する。

「準備OK行こう」

俺の言葉に莉々華ちゃんは頷き、俺達は中央タワーに目指して進み始めた。

さすがに地下だけあって暗い。

たまに電気があるがチカチカして消えているものもある。

「前はこんなに暗くはなかったんだけどね」

俺の前を歩く莉々華ちゃんは悲しそうに言った。

流れている水はそこまで汚れていない。

ある意味、汚す者がこの上にいないって事なのかもしれない。

「止まって」

曲がり角で莉々華ちゃんが静かに言った。

「どうしたの?」

「ん」

小声の俺の質問に角の奥を見るように促す莉々華ちゃん。

俺はそっと覗く。

そこの奥には上への階段。

そして、その手前に2体のオークとリザードマンがいた。

「2匹とも星持ちか」

オークの右胸の部分に2つの星。

リザードマンは肩に2つの星。

どちらもスターズだ。

「いける?」

莉々華ちゃんに聞かれる。

普通ならスターズはバーティーで対応する敵だ。

(でも、今の俺なら…)

「もちろん」

俺はそう答える。

「いいじゃん。

なら、行くよ!」

「おうさ」

俺達は勢いよく通路に飛び出した。

 

ダンダンダン!

莉々華ちゃんが通路に出た瞬間、銃を放つ。

「ガァァァ!」

オークが怯んだ。

「そっちは任せた」

莉々華ちゃんが跳躍してリザードマンを飛び越える。

「任された!

は!」

俺は鬼斬丸を振って斬撃をリザードマンへと飛ばす。

「ギァァァ!」

リザードマンはそれを受けて俺をターゲットにしたようだ。

そのままシミターを振り上げ突進してくる。

ギャン

その一撃を俺は鬼斬丸で受ける。

(く、さすがに重い)

俺はつばぜり合いをしながら後ろに下がる。

(向こうの戦いに巻き込まれないようにしないと)

さっき覗いた曲がり角の手前で止まる。

「おらぁ!」

そして、俺はリザードマンを押した。

互いに離れて構える。

不意にリザードマンが息を勢いよく吸い込む。

(おい、まさか)

俺の嫌な予感が当たる。

「ガァァァ」っと叫び、リザードマンが炎を吐く。

(竜かよ!)

「【六華閃】!」

六つの斬撃が炎を切り裂く。

(やっぱり使えるようになってる)

前回、いろはDEの時は無我夢中だった為、分かってなかったが、今の自分が侍の技を全て使える事を再確認した。

(これがミオDEいや、大口真神の化身へと変わったミオちゃんが言ってた【道を極める力】の加護)

俺はリザードマンを睨む。

こんな所でもたもたしている時間はない。

「ラプちゃん、クロヱちゃん」

俺は力を願う。

鬼斬丸が紫色のオーラを纏う。

「一気に決着をつける」

「ギャァァァァァ!!」

リザードマンが跳躍する。

天井すれすれからの落下攻撃。

(そんなもの!!)

「【昇り竜】!」

刀を振り上げる。

地面からの風圧がリザードマンを切り裂き、体勢を崩し地面に落とす。

鬼斬丸を鞘に納める。

そして「【無間】」

キン!

鍔なりだけが響く。

ゆっくりと刀を鞘に納める。

(朱雀さんが言っていた技、ちょっとチートしましたけど使えましたよ)

最速の技だが威力はスターズを一撃で倒せる力はない。

しかし、今の俺はラプちゃんの力で威力アップ、そして、クロヱちゃんの暗殺の力で確率で即死効果がある。

その即死効果もラプちゃんの力でほぼ確定だ。

なら、勝敗は決まっている。

俺が見たスターズリザードマンは声無き咆哮を上げながら虚空に消えた。

「やるね」

莉々華ちゃんはこちらを笑顔で見た後、ダン!

足で押さえ込んでいるオークに無慈悲な1発。

オークも莉々華ちゃんの足元で虚空に消えた。

「案外、怖いんだね」

俺は鬼斬丸をしまいながら莉々華ちゃんに言った。

「そう?

社長なんてしてたら、たくさん決断しないといけない事あるよ?」

莉々華ちゃんはそう言ってハンドガンを空中に投げる。

ハンドガンは音もなく虚空に消えた。

「さ、上がろ」

梯子を手にかける莉々華ちゃん。

「ちょ、ちょっと待った。

俺が先に行くよ、何かあるといけないから」

「?

そう?」

不思議そうに俺を見る莉々華ちゃん。

(はぁ、頼むから今の自分の格好を考えてよ)

ミニスカートを履いている莉々華ちゃんをちらっと見た後、小さくため息をして俺は梯子を登った。

「ああ、そういう事か」

後から上がってくる莉々華ちゃんが、俺を見上げながら納得したように言ってるのが聞こえた。

はぁ~

 

 

ガチャ

梯子を登り天井の扉を開く。

俺は登りきり、後から来る莉々華ちゃんに手を伸ばす。

「ありがとう」

登った後、俺は扉を閉じた。

「ここであってるよね?」

辺りを見回すとそこは確かにビルの中のようだった。

「うん、ここが目的地。

中央タワーの中だよ」

「いらっしゃい。

何か、ボクのセンサーに引っ掛かったから来たのかなって思って見に来たらやっぱり」

懐かしい声が聞こえた。

俺はそっちを見る。

やっぱり。

「ロボ子さん」

「はろーぼー

お久しぶりだね、キミ」

そう言って中央タワーの主、ロボ子さんが出迎えてくれた。




【ふぉーす】へのゲートのある中央タワーになんとかたどり着いたあなた。
【道を極める力】と絆の力のお陰で今のあなたはスターズさえも簡単に倒せる力を手に入れたみたいです。
しかし、相手はホロメン達を凌駕するDE。
果たして紫色の巨大な化物の正体は?
そして、あなたはその化物を倒せるのか?
それでは、また次回の記憶で…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。