ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
こよりはお茶を1口飲んでラプラスに聞いた。
「ん~
なんて言ったらいいかな」
ラプラスは小首を傾げる。
「そうだなぁ。
RPGによく魔王っているだろ?」
ラプラスの言葉に頷くこより。
「で、魔王がいたらそれを倒す勇者がいる」
「ふんふん」
「ルイがそれだ」
「??」
ラプラスの説明に頭の上に?が浮かぶこより。
「えっと、それだとラプちゃんが魔王?」
「そう」
「ま、確かにゲーム内では魔王だよね」
こよりはそう言ってラプラスの頭を撫でる。
「いや、違うって。
例えだから」
ラプラスは、ん~と首を振る。
「例え?」
「そう、我輩の力はある意味、この世界を壊しかねない程あるわけ。
その力がもし暴走したらやばいから、それを抑える力をルイが持ってる」
「じゃ、ルイ姉ってラプラスより強いって事?」
「ん~
ちょっと違う。
ルイは我輩には強いってやつだな。
言わばラプラスキラーってとこだ」
「ラプラスキラー…」
何故か威張って言うラプラスに、変なあだ名を付けられたルイに同情しながら、こよりは苦笑いをした。
「こんのぉ~!
おりゃ、おりゃ、おりゃ、おりゃぁ!」
かなたちゃんの凄まじいラッシュがラプラスDEに放たれる。
ラプラスDEはその攻撃を両手を組んだまま、紫の腕で防いでいた。
「こんなものかぁ?」
あざけわらうようにラプラスDEは言った。
「うるさぁい!
トワ!」
ラプラスDEにそう怒鳴り返して、かなたちゃんは横に避ける。
その背後からトワ様の黒炎の玉がラプラスDEに向かって飛ぶ。
「だから、こんなもの…」
ラプラスDEはその黒炎の玉も紫の腕で弾き落とす。
しかし、黒炎はそのはらった腕に纏わりついている。
ラプラスDEはすぐにその腕を消す。
そう、狙いどおりに。
「おりゃ!」
俺は振り上げた鬼斬丸をラプラスDEに振り下ろした。
「!」
ラプラスDEはそれを受け止めようとしたが、すぐに後ろに飛び退いた。
「くそ」
俺は地面に着地する。
「危ない危ない。
まさか、あのタイミングで裏秘奥義を使ってくるとはな」
ラプラスDEはにやにやと笑っている。
(くそ、当たらなければ意味がない)
かなたちゃんと、トワ様の陽動も無駄にしてしまった。
「時間稼ぎをするのではなかったのか?
じゃ、その時間稼ぎに付き合ってやる」
ラプラスDEは地面に降りて両手を上げ、そして、勢いよく振り下ろす。
ラプラスDEの影が左右に広がり、その影から漆黒のモンスターが現れた。
「それも全部星持ちか」
確認すれば、みな何処かに星2つがついている。
スターズだ。
「ほら、時間稼ぎの手伝いだ。
せいぜい楽しんでくれ」
ラプラスDEは黒い玉座を作り出し座る。
「相手するしかないか」
かなたちゃんが拳を構える。
「そろそろ増援もくるはず」
トワ様はちらっとゲートがあった場所を見る。
(そうだ、青くんがゲートを復元してくれてる)
「やりましょう」
俺もぐっと鬼斬丸を握った。
「うりゃぁ!」
ドゴォ!
凄まじい音が鳴り、かなたちゃんの一撃がモンスターの腹にヒットする。
相手はかなたちゃんの数倍の大きさのゴーレム型スターズ。
ホロメンの一撃だ、スターズだったら吹き飛んでいるところだけど、この相手は違った。
ゴ…
鈍く喋るゴーレムはそのまま、かなたちゃんを掴もうと手を伸ばす。
かなたちゃんはその腕を掴み鉄棒のように回り、ゴーレムの頭へと飛んだ。
そして、ドガ!っと頭を蹴り、後退した。
かなたちゃんの強烈な一撃がまったくと効いていない。
ゴーレムは首を左右にゆっくりと振った。
まるで肩叩きをしてもらった後のようだ。
「くそぅ」
かなたちゃんはキッとゴーレムを睨むと、また攻撃を開始した。
「く」
トワ様がスターズの攻撃を避ける。
素早い動きで襲いかかってくるスターズ。
オオカミ型のスターズはクバッと大きく口を開けた。
「気持ち悪い」
トワ様は両手に黒い炎を生み出しながらスターズと対峙する。
トワ様は【魔神化】している。
普通なら苦戦する筈がないが、やはり普通のスターズとは違うみたいだ。
トワ様がスターズに負けない早さで、間合いを詰める。
スターズはそれに反応して動くが、トワ様の方がわずかに早い。
トワ様の黒い炎がスターズに前足部分に燃え移る。
燃え広がろうとする黒い炎。
しかし、スターズは躊躇なしにその前足を口で噛みきった。
前足はそのまま燃え消える。
3本足になったスターズはトワ様を見て口端を上げた。
グジュと噛みきった部分が盛り上がり、新たに足が生える。
その姿をトワ様は気持ち悪そうに見ていた。
「はぁ、本当に厄介」
トワ様はため息混じりに黒い炎を連続で撃ち出した。
「ヒケン【ツバメガエシ】」
侍の奥義を繰り出すガイコツ。
キ、キン。
1つ目から2つ目の斬撃が間髪いれずに放たれる。
俺は何とか鬼斬丸で防いだ。
「侍の奥義を使うモンスターか」
いないとは言わないが、スターズで使ってくるモンスターに会うのは初めてだ。
(やっぱり普通のスターズとは違うのか?)
俺は正眼に構える。
かなたちゃんもトワ様もなかなか決着がつきそうにない。
完全に時間稼ぎをされている。
こちらとしてはそれが目的だったが、下手すればそのまま押しきられる可能性もある。
(だったら、1体でも先に倒して他のサポートにつく)
俺はホロメンの力を借りる。
(クロヱちゃん、ノエルさん)
2人の力がこの身に流れる。
(いく)
俺はクロヱちゃんの力を使い一瞬でガイコツの背後に移動した。
「【一閃】」
そのまま侍の技を叩き込む。
ノエルさんの力を借りている一撃だ。
威力は申し分ないはず…
ガ
しかし、スターズはこちらを振り向くことなく剣を背後に回して受け止めた。
「な…」
俺はさっと背後に跳ぶ。
ガイコツの顔はぐるりと90度回り、腕の間接もでたらめに、飛び退く俺に対して技を放ってきた。
「【ザンテツザン】」
「なに!?」
その技の威力はよく知っている。
だけど、それを使ってくるとは俺は考えもしていなかった。
避ける動作が少し遅れる。
(このままじゃヤバい!)
技で真っ二つになる自分の姿が頭によぎった。
「あぶなぁ~い」
ドガ
「ぐふ」
そんな時、俺の横から激しい一撃が掛け声と共に届く。
俺は蹴られて横に転がる。
(そのお陰で真っ二つにならなかったけど…)
「手加減してくれよ」
蹴った相手、最近聞いたその声の主に向かって俺は叫ぶ。
「あ、ごめんごめん、勢いあまっちゃった」
そう言って頭をかきながら笑う奏ちゃん。
見るとかなたちゃんのところにらでんちゃん、トワ様のところに青くん、そして、莉々華ちゃんは俺の近くに立ち、レールガンを召喚してラプラスDEに向けていた。
「ほう」
その光景をラプラスはニヤリと笑いながら見ている。
「余裕な顔できるのも今のうちだよ」
莉々華ちゃんはラプラスDEに言う。
「で?
そんなものでどうにかできるのか?
この我輩を」
莉々華ちゃんの頬に汗がつたうのを見た。
莉々華ちゃんには分かったのだろう。
レールガンでは今のラプラスDEにダメージを与えられない事に。
「形勢逆転とはいかないか…」
それでも、ここでやられる確率はぐっと減った。
かなたちゃんが言った時間稼ぎは十分にできるはずだ。
俺は鬼斬丸を構えて立ち上がり、スターズと対峙する。
奏ちゃんも同じく並び立ってくれた。
その時、かなたちゃんが空を見上げる。
「来た」
小さな声でそう言ったのが聞こえた。
ビシィ
聞いたことのないような音と共に、上空の空間にヒビが入る。
「な、なんだ?」
ラプラスDEも驚き空を見る。
俺達も空を見上げていた。
そして、ガラスを割ったような音と共に、空間が割れた。
そして現れたのは巨大な真っ赤な竜。
その竜には見覚えがある。
「ココちゃん…」
俺はその名を呼んだ。
巨大な竜はそれに答えるように雄叫びを上げる。
その場にいた全てが一瞬空を見上げて固まっていた。
そして、そのまま竜は何処かに跳び去っていく。
ただ1つ、その竜から誰かがこちらに飛び下りたように見えた。
すごい高さからなのに、その人は音もなくふわりと着地した。
その人物はこちらを見る。
見たことのある人だった。
赤い外套を着けたピンクの髪の綺麗なお姉さん。
「待っ鷹ね~」
そう言ってルイちゃんはニコッと笑った。
援軍が続々と到着して来ました。
ラプラスDE戦も終盤。
あなた達は圧倒的な力を待つラプラスDEに勝利することができたのか?
そして、ラプラスキラーのルイちゃんの実力はいかに?
では、またの記憶で