ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
あなたの行く先に何が待ち構えているのか?
【助けて、すいちゃんが!】
突然の鳥居型画面で現れたみこちゃんの焦る映像。
「ど、どうしたんですか?」
俺は慌ててみこちゃんに聞く。
【実は…】
みこちゃんから【ファンタジー】に現れたすいせいDEの話を聞いた。
「まさか、最後がすいせい先輩のDEなんて」
らでんちゃんが呟くように言う。
他のみんなも驚いているようだった。
(確かにこの世界で最強と言われる1人だからな)
俺はぐっと拳を握る。
「分かりました。
今、【新世代first】のみんなと一緒にそちらに向かってます」
俺はみこちゃんへ伝える。
【わかったにぇ、待ってるから】
そう言って画面が消える。
「みんな急ごう」
俺の言葉に頷く3人。
「青くん?」
俺の方を見ず、ある方向をじっと見つめている青くん。
「ごめん、僕達はここまでみたいだ」
青くんはそう言って厳しい顔をする。
「え?」
俺は驚きながら青くんの見ている方を見た。
そちらから何かがこちらに迫ってきているように見える。
(鳥か?
いや、あれは!)
初めは小さかったそれはだんだん大きくなっていく。
まだ、かなり離れている筈だが、その姿ははっきりと分かる。
噂で聞いたことがある。
この【ホロライブワールド】に存在する其々のモンスターの頂点達【五帝】
その1体がここに向かってきていた。
「あれは何ですか?」
「あれは黄帝鳥ライバード、【五帝】の1体だよ」
らでんちゃんに俺はそう答えた。
「【ホロライブワールド】のモンスター側の最強の一角だ。
なんであんなモンスターがここに?」
俺はアイテムボックスから鬼斬丸を取り出す。
「じゃ、ここは僕達に任せてもらおうかな?」
「え?」
俺は周りにいる新世代firstを見る。
4人はこちらを向いて頷く。
「いや、あれはモンスターの…」
「ま、言いたい事は分かりますよ」
「でも、みこ先輩からヘルプあったしなぁ」
「だから、あれは莉々華達に任せて」
「キミは僕達の背中を越えて行け!」
ビシッと明後日の方を指差す青くん。
『それ、言いたいだけだろ!』
3人に同時に突っ込まれる。
「と、いうわけで行ってこ~い」
ドカ
背後から奏ちゃんにけとばられる。
「うわ」
勢いよく鳥から飛び出す俺。
「これって、着地は?」
『何とかなる!』
俺の言葉に4人は笑顔で答えた。
「おい!」
そして、俺は重力にひかれ下へと勢いよく落ち始めた。
「くそう、こういう時はリアルに忠実なのが恨めしい!!」
俺の叫びは空に木霊した。
「来た!」
「うわぁぁ~~~~!!」
ボフン!!
俺は地面にぶつかる前に何か柔らかい物にぶつかった。
「な、なんだ?」
俺はもふもふの中、顔を上げた。
「よし、なんとかキャッチ」
もふもふの外で喜ぶ1人の女性。
「わためちゃん?」
俺は見覚えのある人物の名を呼ぶ。
「そうだよ。
いやはや、危なかったねぇ」
わためちゃんはそう言って笑顔で俺を下へと下ろしてくれた。
「ありがとうね、みんな」
わためちゃんの言葉にもふもふが動き出す。
羊の群れだ。
(そうか、わためちゃんと一緒にいる羊達が)
「ありがとうございます」
俺の言葉に羊達がピョンピョン跳んで答えてくれる。
「さ、キミは行くところがあるんでしょ」
わためちゃんが俺の方を真剣な顔で見ている。
「はい」
俺は頷いた。
「この先でキミを待ってる人達がいるから」
「分かりました」
俺は教えてもらった方に走り出す。
「そういえば」
俺は止まり振り向く。
「どうして俺がここに落ちてくるって?」
「みこちが教えてくれたよ」
(そうか、みこちゃんあの後、俺をずっとサーチしてくれてだんだ)
「急げ、キミくん!」
「はい!」
わためちゃんの言葉に元気に返事して俺は再度走り出した。
平野を走る。
少し行ったところに人影が見えた。
「待ってたよ~」
「こっちこっち」
手を振る2人、そして…
「来てくれるって信じてた」
目が少し腫れたみこちが待っていた。
「お待たせしました、2人はどうして?」
俺はみこちゃんの左右に立つ2人に聞く。
「もちろん、治療班です」
「うんうん」
白衣のちょこ先生とメルちゃんが頷く。
(そうか、今すいちゃん1人で戦っているんだ)
「行きましょう」
俺の言葉に3人が頷き、俺達はすいちゃんが戦っている平野奥へと走り出した。
「ふふ、ふふ、ふん」
鼻唄が聞こえる。
俺達はみこちゃんを先頭に進んできた。
みこちゃんが立ち止まり、俺達も止まった。
それから少ししてだった。
楽しそうな鼻唄を歌いながら歩いてくる相手を確認できたのは…
片手に何かを引きずりながらソレはお互いに認識できる位置に止まる。
「へぇ、やっと来たんだ」
目の前にいる相手、星街すいせいDEは笑顔でこちらに言った。
「おまえ!!」
みこちゃんが今にも殴りかかりそうなところを、ちょこ先生が止める。
「ほら、あんた達のでしょ」
すいせいDEが引きずっていたものをこちらに投げる。
弧を描き俺達の前にドサッと落ちたのは、すいちゃんだった。
「すいちゃん!?」
みこちゃんが慌てて駆け寄る。
ちょこ先生もメルちゃんも同じように駆け寄った。
「よかった、まだ、息はしてる」
メルちゃんの安堵の声が聞こえた。
俺はすいせいDEから目をそらせない。
ここに来るまでに取り出した鬼切丸を握りしめ、いつでも戦えるように準備した。
「へぇ、ホロメンがぼろ雑巾みたいになって目の前に投げられたのに、なんの動揺もないんだ」
すいせいDEが俺を見ながら言った。
「すいちゃんはそんな事で負けたりしない。
それにみこちゃんや、ちょこ先生、メルちゃんがいる」
俺は強く答える。
「ふぅん」
すいせいDEはそう言ってこちらに向かって笑った。
「メル様!」
「そうだね、ここでは無理。
移動しよう」
2人の声が聞こえた。
「みこちゃん。
ゲートを開いて行ってください」
俺はそう3人に伝える。
「ひ、1人で?
すいちゃんもダメだったんだよ」
みこちゃんの焦る声。
「大丈夫です。
俺にはみんながついてますから」
そう答えた。
確かに1人では無謀だろう。
でも、ここですいちゃんを見捨てる訳にはいかない。
「…」
沈黙するみこちゃん。
「分かった」
メルちゃんはそう言って俺にアイテムを渡してくる。
俺はそれを受け取った。
回復アイテムに補助アイテム。
全部メル印の一級品。
「それでも足りないけど。
どうにかもたせて」
メルちゃんに俺は頷いた。
「行きましょう、みこ様」
すいちゃんを背負うちょこ先生。
「分かった、すぐに戻るから」
みこちゃん、ちょこ先生、メルちゃんが俺の横を通りすぎて後ろに走っていく。
「本当に1人でやるき?」
すいせいDEの笑顔が消える。
「もちろん」
俺はメル印の補助薬を飲み干す。
ステータス画面を見なくても分かる。
身体中に力が沸く。
(いくら持つか分からないけど、やるだけやってやる)
「赤竜帝の小手【開放】」
俺の言葉に小手が光全身を赤い竜のアーマーが覆う。
「へぇ」
腕組みしたままこちらを見るすいせいDE。
(負担を考えたら動ける時間は限られてるけど、補助薬のお陰かそこまで痛くない)
俺はすいせいDEを見る。
「いくぞ!」
ダン
地面を蹴った瞬間、目の前にすいせいDE。
(一瞬でこの速度、さすがチートに匹敵する装備)
「ノエルさん」
鬼切丸の柄頭の宝玉が光る。
「はぁ!」
横一閃。
すいせいDEはその一撃をいつの間にか出現させた銀斧で防ぐ。
そのまま相手からのカウンター
「アキちゃん!」
俺はそのカウンターをアキちゃんの力を借りて避ける。
そのまま舞うように連続攻撃。
すいせいDEは顔色変えずそれを防ぐ。
「まだまだ!
ねねちゃん」
(アキちゃん&ねねちゃんの力で体が軽い、動きがもっと早くなっている)
しかし、早くなった攻撃を全て防がれてしまう。
(押しきれないか、なら!)
「ラプちゃん!
あやめちゃん!」
違う2人の力を借りた。
すいせいDEの影から紫の手が出現して、すいせいDEを拘束する。
がら空きになった前側に俺は技を放つ。
「【百鬼流 鬼神二連】!」
ラプちゃんの力を乗せて放つあやめちゃんの技。
「く!」
すいせいDEの胸元に✕印の斬撃がヒットする。
その瞬間、すいせいDEは力任せに紫の手の拘束を解いて、俺へと銀斧を振るってきた。
ガ!
「うわぁ!」
何とか鬼切丸で防いだが、威力を殺せない。
そのまま俺は背後へと飛ばされる。
(このままだと追撃される、どうにか体勢を…)
しかし、勢いを殺しきれない。
そんな時、いきなり背中からトンっと押された。
「助けにきましたよ」
そう声が聞こえた。
勢いが弱まったお陰で俺は空中で体勢を立て直す。
そして、眼下を見た。
白い閃光がすいせいDEに向かって走っていた。
その閃光はすいせいDEの目の前で拳を放つ。
ドカァ!
凄まじい音と共にクロスガードしたすいせいDEが今度は勢いよく飛ばされた。
「リグロスホワイト見参!
特殊領域展開!」
その声と共に、景色が一変する。
そこは月面。
辺りは宇宙だった。
「はじめちゃん!」
俺の声にリグロスホワイト、轟はじめちゃんが右手を上げた。
俺は月面に着地した後、はじめちゃんの横へ移動した。
「話はみんなから聞いてるよ」
「ありがとう、助かったよ」
「頭どう?」
「少し痛むけどまだいける」
「よし、じゃ、ここから押すよ」
「おう」
俺とはじめちゃんは拳を握る。
そんな俺達をクロスガードをゆっくりと下ろしたすいせいDEがニヤリと笑いこちらを見ていた。
すいちゃんを倒すほどの実力をもったすいせいDEに、あなたとはじめちゃんは勝つことができるのか?
そして、傷をおったすいちゃんは無事なのか?
最後のDE、すいせいDE戦開幕です。
この続きはまたあなたの記憶で…