ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~ 作:天野空
しかし、圧倒的なすいせいDEの前にチート級の力を解放したあなたでさえ、太刀打ちできないでいた。
そこに最後の【新世代first】の轟はじめが加勢に現れる。
あなた達2人は果たして、すいせいDEを止める事ができるのか?
「やっと面白くなってきた」
トンっとすいせいDEは跳躍して、俺達との距離を縮める。
「うわぁ、ちょっとぉ」
いきなり顔を隠してはじめちゃんが慌てる。
「どうした?」
俺は訳が分からずはじめちゃんを見た。
「あ、あれ」
はじめちゃんがすいせいDEを指差す。
俺はすいせいDEを見て理解した。
「どうかしたの?」
すいせいDEは少し不機嫌な顔をして腰に手を当てて胸を張る。
「そ、それだよ」
俺はすいせいDEの胸の部分を指差した。
「ん?」
すいせいDEが自分の胸を見る。
そこは十字に切られていた。
(俺の技を受けたからか)
「気に入ってたんだけどな」
すいせいDEはおもむろに胸の服を掴む。
そして、ビリっと上半身の服を破り捨てた。
「お、おい!」
「うひゃ」
俺とはじめちゃんは驚き顔を隠す。
「戦闘中に何してる?」
いきなり近くで声がした。
そして、俺達は吹き飛ばされる。
「くそ」
俺は起き上がりながら、相手の言う通りだと思った。
(そうだ、戦闘中に顔を隠すなんてやられてしまっても仕方ない…
しかし、実際に本人ではないとしてもやっぱり、そのぅ、何も着てない上半身を見るのはヤバイと言うか、なんというか。
いや、しかしだ。
相手は隙を見せたら即やられるくらいのチート、こ、ここは恥ずかしがっている場合じゃない)
俺は頭の中で瞬時に自問自答した。
そして、俺はすいせいDEを見る。
(あれ?)
仁王立ちするすいせいDE。
(なんだろう?
思ってのたのとなんか違う気がする)
両腕には袖が残っており、その他は何も着てない上半身。
見事に割れた腹筋に、整った胸板。
「ん?」
頭の中が一瞬?でいっぱいになる。
「何じろじろ見てるんだ?
見慣れてるだろう、男の胸なんて」
すいせいDEは呆れたように言う。
「男!?」
驚く俺。
隣のはじめちゃんは、相変わらず顔を手で覆っているが、パーの状態だから、見えてますよね、それ?
「DEは深層悪の具現化された姿だ。
俺のこの姿を見て、男?男っぽい?っていう考えが集まってできたんだよ。
それより、早くやろうぜ」
ニヤリと笑うすいせいDEが拳を構える。
よく見るとスリットからはロングパンツが見えてる。
「はぁ、まさか性別まで変わってるとはな」
俺も構える。
(この領域内では武器は禁止だったな)
「びっくりしたけどやるしかないね」
隣ではじめちゃんも構えた。
「先に行くよ」
俺はすいせいDEとの間合いを積める。
そのまま右ストレートから乱打。
すいせいDEはそれをいなしながら反撃、俺もその攻撃を何とか防ぎながら攻撃を続ける。
(くそ、やっぱり相手の方が上か…)
「やぁ~!」
そこへ飛び蹴りで入ってくるはじめちゃん。
俺達は左右から攻撃を続ける。
それをすいせいDEは片手片足で防いでくる。
(反撃はこなくなったが、俺達の攻撃を防ぎきるのか?)
「くそ!」
俺は大きく間合いに入り渾身の一撃を放つ。
「ダメ!」
はじめちゃんの声が聞こえた瞬間、目の前いっはいにすいせいDEの顔。
「間合いの詰めすぎだよ。
【コメット・インパクト】!」
「が…」
凄まじい衝撃を腹に受け俺の体は宙に舞った。
「はぁ!」
はじめちゃんは追撃させないように、すいせいDEへと1歩踏み込んだみたいだ。
(ち、焦った)
俺は腹をおさえながら空中で体勢を立て直し、眼下を見た。
「【宇宙番長パンチ】!」
右手に白い気を纏い放つストレート。
気が爆発的に膨らみ、巨大な右こぶしとなってすいせいDEを襲う。
「【コメット・インパクト】!」
それに合わせるようにすいせいDEは左拳を放つ。
2つの拳が衝突し爆発する。
勢いが凄まじく、体勢を崩すはじめちゃん。
(ヤバイ)
俺は両手を合わせて下に向ける。
(くそ、間に合わない)
すいせいDEが前に出る。
(さっきは左だった、なら、本命は)
「【メテオ・インパクト】!」
「【赤竜の豪炎】!」
技は同時だった。
俺の放つ火炎弾が眼下に落ちる。
しかし、すいせいDEの放った拳は咄嗟に防御したはじめちゃんに一撃を与えた。
凄まじい音と共に背後に吹き飛ぶはじめちゃん。
俺の火炎弾は、バックステップしたすいせいDEに避けられた。
「はじめちゃん!」
俺はそのまま吹き飛んだはじめちゃんの方へ向かう。
パリン
ガラスが割れた音と共に、世界が割れる。
特殊領域がなくなったのだ。
「はじめちゃん、大丈夫?」
地面に倒れるはじめちゃんを見る。
「息はしてるけど、気を失ってる」
俺はすぐにアイテムボックスからメル印の薬を取り出して、はじめちゃんに飲ました。
「すぐには回復できないか…」
俺は鬼切丸を出して、炎が舞う方へ目を向ける。
ブワァっと突風が吹いた。
炎が払われて、銀のハルバードをもったすいせいDEが現れ、これらに向かってくる。
(ダメージはなし…
俺1人でやるしかない…か)
鬼切丸の持つ手に力を入れる。
そして、俺はすいせいDEへ向かって飛び込んだ。
「ぐぁ!」
何度目になるだろうか、俺はすいせいDEの一撃を受けて吹き飛ぶ。
メル印の回復薬も、もうそろそろなくなりそうだ。
「そろそろ飽きてきたかな」
すいせいDEは地面に銀のハルバードを突き刺して息を吐く。
ホロメンの力を借りて、赤竜帝の力を全解放して戦っていてやられはしないが、相手に傷一つ与えられていない。
頭痛もかなりひどくなってきている。
(このままいけば、廃人か…)
チート化は脳にかなりの影響があると言われた。
「だけどなぁ!」
俺は立ち上がる。
(たかがゲームだと言われるだろう。
ここで俺が諦めたってこのゲームがなくなってしまうだけ。
だけど、俺はこのゲームが好きだ。
このゲームを救う事を俺の手でできるなら諦めたくない!)
「へぇ、まだやるんだ」
すいせいDEが銀のハルバードを引き抜く。
「でも、飽きたんだよね!」
すいせいDEは銀のハルバードを振り上げ迫る。
「!!」
避けようと体を動かすが、足がついてこない。
(くそぅ!)
目の前に迫る銀のハルバード。
絶体絶命のその時。
ガン!
目の前でハルバードが止められた。
「やっとお目初め?」
「まさか気絶させられるとは思ってなかったですよ」
「はじめちゃん」
クロスガードでハルバードを受けるはじめちゃんは、少し顔をこちらに向けて微笑む。
「おりゃぁ!」
ドカァ!
はじめちゃんの蹴りがすいせいDEを吹き飛ばす。
吹き飛ぶすいせいDEは、華麗に回って着地した。
「仕切り直しってところ?」
すいせいDEの問いに、はじめちゃんはゆっくりと首を横に振る。
俺に手を差し伸べて立ち上がらせながら、はじめちゃんは答えた。
「仕切り直しじゃないですよ。
ここからはこちらのターンです」
はじめちゃんの言葉と同時に背後で音がした。
そこに現れたのは鳥居型のゲート。
そして、上空からも何やら声が聞こえる。
それは懐かしい声だった。
俺はすいせいDEを見ながら完全覚醒を解く。
(俺達はまにあわせられたんだ…)
お待たせしました
圧倒的な力を持つすいせいDE。
そして、まさかの性別まで変わっています。
あなたはそんな最強のDEを倒す事ができたのか?
あなたの時間稼ぎでこの戦況を変える事ができたのか?
全ての答えはあなたの忘れられた記憶の中に…