ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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すいせいDEから魔集石を回収したあなた。
一旦、共に戦ったホロメン達と別れて、単身この事件を起こした相手に会う為、【ホロライブ城】へと向かう。
果たしてあなたは世界を救う事ができるのか?


第54話 三度【ホロライブ城】へ

キキー!

俺は【ホロライブ城】への橋の前でバイクを止めた。

ゆっくりと降りると、バイクは音もなくその場で消えた。

俺は【ホロライブ城】を見る。

しんと静まりかえる城は、やはり不気味だ。

ここまで来る道中もNPCおろかモンスターさえも出現しなかった。

これまではモンスターぐらいは出現していたのに…

俺は鬼切丸を取り出して装備する。

そして、意を決して橋へと向かう。

この世界をこんな滅茶苦茶にした元凶に会う為に…

 

(メインイベントを教えてもらってから、ここに来るのはこれで3回目か…)

【ホロライブ城】の城門前、俺は城を見上げた。

城の門番NPCも今はいない。

(扉は…)

ギギギ

「開いているか…」

ゆっくりと扉が開く。

やはり中は静かだった。

俺はゆっくりと城の中を歩いた。

向かう先は王の間。

そこにヤツがいるはずだ。

 

「へぇ、戻ってこれたんだな」

王座に肩肘を付きながら座りヤツが言った。

(白々しい。

俺達がDEを倒していた事ぐらい知っていただろうに)

「いや、それは知らなかった。

なんせ、この体に馴染む為にスリープ状態になっていたからな」

俺の考えをよんだのかソイツがいった。

(ま、ゲームの中だからな、考えている事をみようと思えばみれるか)

ニヤリと笑うソイツはゆっくりと立ち上がった。

見た目は普通に高校生くらいの女性。

冒険者とでもいうような服装にマントだ。

(ま、俺もあまり変わらないけどな)

「それで?

ここまで戻ってきて何をする気なんだ、おまえ」

(声は普通に女性なんだが、しゃべり方がなぁ)

「決まってるだろ?

この世界を終わらせない為に来た」

「ふぅん」

俺の言葉に口の端を上げて笑う。

「もう遅いと思うがな」

「なに?」

「もし、おまえが俺を倒せたとしても、急な通信障害、強制ログアウト、いつまでも復旧しないゲーム、はっきりと回答しない運営。

そんなゲームがまた普通に再開出来ると思っているのか?」

(確かにそうだ。

俺がログインしてかなりの時間は経過しているはず。

すぐに戻れるか分からなかったから、ログインする前に体の維持の方は策をうってきているが)

「この世界が終わらなければ、まだ未来はある」

(そう、俺はそう信じたい)

「ふぅん。

たかがゲームにそこまでやる必要があるのかね?

開発者や運営でもないくせに」

ヤツは呆れた顔で俺を見ている。

(確かにそうだ。

俺はゲームの製作に関わった人間でも、維持する人間でもない。

だけど)

「俺はこの世界で何ものにも代え難い、たくさんの出会いをしてきた。

それを守る為に俺はおまえを倒す」

ニヤリと笑う。

(くそ、腹立つ)

「いいねぇ、いいねぇ。

まだ先があると。

未来があると信じるあんた。

でも、な」

パチン

指を鳴らす。

すぐに辺りに違和感があった。

(これは?

特殊領域)

辺りを見回すが特に変わってはいない。

けど、何度もこの感覚は味わっている。

「そう、その通り。

おまえの動向はスリープ状態で分かってはいないが、目の前に来てくれれば、おまえがどういった状態かぐらい分かる。

魔集石を全て持っているな?

なら、それはそれで好都合なんだよ」

「何をする気だ!」

「あぁ?

これから壊しにいくんだよ。

この世界の要を」

「要?」

「そう、これに対をなす物をな」

ソイツはいつの間にか手にした剣を俺に見せる。

「それは?」

「【ホロライブソードzwei 】

かつて【絆】と呼ばれてこの世界【ホロライブワールド】を救った剣だよ。

その威力は【ホロライブソード】と大差ない」

「な!

【ホロライブソード】と!?」

俺は【ホロライブソード】の威力を知っている。

(それと大差ないって…)

「はは。

しかし、想定外だったよ。

この体は前から目に付けていたが、まさか完全解放状態のコレまで一緒にあるとわな」

ヤツは【ホロライブソードzwei 】をなめるように見ている。

「ではな。

おまえはここで世界の終わりを待っているがいいさ」

ヤツの背後に黒い渦が現れる。

(逃げられる?)

「ま、まて!」

ヤツはその渦に飛び込み、手を振りながら消えていった。

もちろん、渦も消えている。

「くそ!」

俺はすぐに鬼切丸を装備。

赤竜帝の力を解放し、全力で城の壁へと【斬鉄斬】を放つ。

しかし、技が壁に当たる前に何かに弾かれて霧散する。

「まだだ!」

俺は自分のもつ技を次々に試す。

しかし、どれもこれも全てダメだった。

俺は王の間の入り口に走った。

だが、そこも何か見えない壁に阻まれて前へと進めない。

「くそ、このままだとアイツに世界が壊される」

俺は強く床を拳で殴った。

 

 

どれだけ時間がたったのだろうか?

いや、そう感じただけかもしれない。

俺は何も出来ぬまま、その場に座り込み、王座を睨んでいた。

(本当にこのまま世界が終わるまで待たないといけないのか?

なんで俺はここまで来たんだ?)

誰もいない静かな王の間で俺はただただいるだけの存在になっている。

(これなら俺はここに来なければよかった…)

『そんな事を考えるな、馬鹿者!』

「え?」

いきなり頭に直接どなり声が聞こえた。

俺は勢いよく立ち上がり辺りを見る。

(気のせいか?)

そう思った瞬間。

俺のすぐ近くの空間にヒビが入った。

「な、なに!」

パリン

甲高い音共に空間が割れる。

俺は1歩下がり武器を構えた。

「はぁ、なんでこんな事を我輩がやらないといけないんだ?」

「まぁ、そう言わないで。

この結界を破壊できる存在は、今この世界にあまりいないんですから」

割れた空間の先から2人の人物が姿を表す。

1人は俺より背が低いが立派な角を持っていた。

もう1人は俺より背が高く、こちらも立派な角を持っている。

「ラプラス?

それに会長!」

俺に呼ばれてこちらを見る2人。

「あ、やっぱり出られなくて困っていましてかぁ」

ココちゃんは笑顔でこちらに手を振る。

「様をつけろ、様を!」

ラプラスは腕組みをして不機嫌な顔をしたが、直ぐに、ほっとしたような穏やかな顔になる。

「よかったですね。

キミが無事で」

「な、別に心配などしていない。

ルイが急いで助けに行ってやれって言うから、仕方なくだなぁ」

ココちゃんに言われてラプラスがふてくされながら答えていた。

「ありがとうございます」

俺は2人に礼を言った。

「あと、すいません。

お願いがあります。

ヤツを追いかけたいんです」

「勝てる見込みがなくてもか?」

ラプラスは俺の顔を真剣な顔で見ている。

「勝つために俺は行くんです」

俺は真剣な顔で答えた。

「ふふ、はははは。

ラプラス、無駄ですよ。

彼は諦めが悪い。

それに可能性は0ではないでしょ」

ココちゃんは俺見ながら言った。

「ふぅ。

愚か者。

たかがゲームにそこまで力をいれるか?

下手したら現実に戻れないかもしれないのに」

ラプラスは呆れたように息を吐く。

「勝算は確かにあります。

アレが持つ【ホロライブソードzwei 】をもう一度封印する事。

それにはキミの武器が鍵を握っています」

「鬼切丸が?」

俺は手に持つ刀を見る。

「はい。

あなたの武器には、わたし達ホロメンとの絆がつまっている。

その絆の力を使えば封印できます」

「ただし、その力を使えばおまえは絆の力を使えなくなる」

ココちゃんの後にラプラスが続く。

「封印した後、おまえは我輩達の力を借りずにヤツを倒さないといけない」

(絆の力。

ホロメン達から借りれるあの力の事だよな)

「ただし、わたしが預けている小手等のアイテムの力は使えま~す」

ココちゃんがにこっと笑う。

「なら、なんとかやれます」

俺は2人に頷いた。

「ふん、なら送ってやる。

行き先は?」

「【ホロライブソード】のある場所。

【世界の境界線】のその先へ」

「すべての始まりの場所か…」

俺の言葉にラプラスがボソッと答える。

「前にも誰かが言っていました。

【世界の境界線】の先はいったいどういう役割の場所だったんですか?」

俺は気になっていた事を聞く。

ラプラスがココちゃんを見た。

ココちゃんは頷く。

「ま、我輩は絶対王者だからな。

ちょっとくらい秘密を喋っても怒られないだろう」

ラプラスは自分に言い聞かせるように言う。

「あそこはな。

【ホロライブ】初めてのオープンワールドのデータが保管されている場所だ。

規模自体は縮小されて、巨大な剣とその周辺のマップしか存在しないがな。

名前は【※※※※※】」

「え?」

肝心な名前が聞き取れない。

「はは、さすがにブロックされてるみたいだな」

ラプラスが笑う。

「さぁ、そんな事より今はこの世界だろ?」

ラプラスの言葉に俺は強く頷く。

「なら、行ってこい。

ただ、【世界の境界線】の先に送るんだ。

直ぐにヤツの場所に移動できるかは分からん。

だから、向こうに着いたら急いで【ホロライブソード】へと向かえ。

ヤツはそれが狙いなんだろ?」

俺は頷く。

「では、ココさん。

力を貸してもらいます」

「OK。

いいですよ」

ココちゃんがラプラスの肩に手を置く。

「じゃぁな。

後は任せたぞ。

【世界の答え】殿」

ラプラスは最後に笑顔でそう言って、俺をドンッと突いた。

俺は後ろにとばされると同時に、辺りが暗い闇に包まれ、ラプラス達が遠くに消えていく。

そして、完全に俺は闇の中に入った。

 

 

ドサ

「な、なんだ?」

俺はいきなり眩しい場所に落ちた。

(空が青い?)

俺は直ぐに起き上がる。

草原が広がり、穏やかな風が吹いていた。

(さっきまでいた世界とは別物だ)

俺は辺りを見る。

所々にいろんな建物があるが、どれも朽ちて植物がまとわりついていた。

(俺はここに見覚えがある)

ドォォォン

凄まじい音が背後から聞こえた。

俺は振り返り、そして見た。

空へと伸びる巨大な剣。

(【ホロライブソード】!

ここは【世界の境界線】の先。

ラプラスの言う通り、【ホロライブソード】までは少し遠い。

でも、急がないと、あの爆発音は誰かが戦っているんだ)

俺は走り出した。

戦闘は続いているのだろう。

いくつもの爆発音が響いている。

手に持つ鬼切丸をぎゅっと握り、俺は最後の戦いへと向かった。




いよいよ、最後の戦いが始まります。
この先で何が起こったのかを知る事ができるのは、あなたの頭の奥底に眠った記憶だけ。
【世界の境界線】の先が何なのかも皆さんなら分かっていらっしゃるでしょう。
ではまた、最後の戦いの記憶で…
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