ホロライブ・オルタナティブver.IF正式版~メインストーリー事変~   作:天野空

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次のグランドジョブに会う為に、【ふぉーす】の学校に来たあなた。
久しぶりにかなトワと再会し、学校に入れたあなただったが、すぐに紫咲シオンに捕まり、学校へと連れていかれた。
そして、シオンのリア充撲滅運動を半強制に手伝われたあなたは、シオンのターゲットを目撃する。



第9話 キラキラと2人は撲滅?

「もしかして、あの人。

グランドジョブの人ですか?」

俺はシオンちゃんに確認をとる。

「え?

確かにそんな役もやってたような?

でも、今はそんな事はどうでもいい。

行くわよ」

「ええ、どうでもよくないですよ」

勢いよく廊下に飛び出るシオンちゃんの後に、俺はのぼり旗を持ってついていく。

「そこまでよ!」

「え、リア充撲滅委員会」

俺達に驚くキラくん。

(いや、普通に可愛いわ。

声は確かに男の子って感じだけど…)

「さぁ、きみは逃げて」

「あ、はい」

キラくんに言われて逃げていくNPC女子生徒。

「ちょ、ちょっと師匠?

なんかこっちが悪者っぽいんですけど…」

小声でシオンちゃんに言う。

「大事の前の小事よ」

「そんなもんですか?」

「噂には聞いているよ。

なんでも、リア充カップルばかりを狙い、変な占いを言う女子生徒がいるって。

まさか、シオンちゃんだったなんてね」

(そんな事してるの、師匠~)

「ふ、シオンも有名になったものね」

(いや、ちょっと嬉しそうな顔しないで)

「それで今度は僕のところに来たわけだ」

「リア充エネルギーを感じたからね」

(そんなエネルギーあるの?)

「隠したつもりだったんだけどね」

(いや、本当にあるんかい)

「それで、その横の部外者は?」

キラくんが俺を見て言った。

「部外者じゃないわ、シオンの舎弟よ」

(いつの間に?)

内心驚く俺。

「なるほど。

いいよ。

戦ってあげる。

でも、ここでは狭すぎる校庭に移動しようか」

キラくんが目配せする。

「いいわ、確かにここでは全力が出せない」

キラくんはその言葉に頷き、くるりと後ろを向くとゆっくりと歩き始めた。

「えっと…戦うんですか?」

「もちろん、世界の平和の為。

ひいてはすべての陰キャの為よ」

(ええ、そういう話なの?)

「さ、行くわよ」

歩き出すシオンちゃん。

その時、耳元でセレスが俺に何かを伝えてきた。

「え?

まじでそんな事言うの」

小声で俺はセレスに確認する。

頷くセレス。

「わ、わかった」

(このまま、キラくんと戦えばメインストーリーがごっちゃになってしまうし、やるしかないか)

「し、師匠。

いや、シオンちゃん」

「ん?

何?

あらたまって」

「突然なんですが、俺シオンちゃん好きですよ」

一瞬の沈黙が無限に感じた。

「は?へ?ええええぇーーーー!」

片手で顔を覆い、もう片方の掌をこちらに向ける。

ビクッ

(一瞬、魔法を放たれるのかと思った)

「な、なんでいきなり」

完全に声が裏返ってるシオンちゃん。

「え、いや、初めて会って力を貸してもらってから…」

「それ以上はダメ!

恋は絶対にダメーーーー!」

「師匠として好き…」

「走り去ってしまってます」

最後まで聞かずにシオンちゃんは去ってしまった。

「まさか、そんな方法があったとは」

「とんだタラシだね」

「な!」

背後からの声に振り返るとそこにいたのはかなトワコンビ。

「いつの間に」

「ん~

わりとはじめから?」

「後をついてきてたんですね」

「うん、面白そうだったし」

(案外性格悪いな2人とも…)

ニコニコ笑顔の2人を見て俺はそう思った。

「それでどうするの?」

「もちろん、行きます。

校庭へ」

トワ様にそう答える俺。

「じゃ、一緒に行くしかないか」

そうかなたちゃんが答えた。

「え?」

「その為についてきたんだし」

「いくぞ~!」

そしてまた俺は2人に背中を押されて校庭へと向かった。

 

 

「来たね…

ってあれ?

シオンちゃんは?」

校庭で待つキラくんが不思議そうにこちらを見た。

「え、えっと、ちょっと野暮用が出来たみたいで…」

俺はしどろもどろに答える。

「それで今度は、かなたちゃんにトワちゃん?」

『は~い、付き添いで~す』

2人は俺の後ろで元気よく答える。

「え?

まさかメイン?」

2人の返事を見て、キラくんが俺に聞いてくる。

「あ、はい、たぶん」

「たぶんじゃない。

メインに決まってる」

「自分の立場分かってないの?」

(2人に野次られた)

「そういえば、キミも僕のところに来てる」

キラくんも今頃驚く。

(そう、この目の前のキラくんもメインAIなんだ)

「なんで、普通のプレイヤーが?」

「それが普通じゃないんですよね」

かなたちゃんが、自分の事のように俺の事を説明する。

「まさか、そら先輩の虹色ダーツ保持者とは」

納得したのか頷くキラくん。

「それで、そのラッキーくんがここに何をしに?」

「はい、魔集石の回収とメインストーリーを進めに」

俺の答えにキラくんが大きく目を開く。

「なるほど、魔集石の事は心当たりないけど、メインストーリーを進めに来たんだ。

なら、答えないといけないね。

僕はグランドジョブの1人。

グランド・魔法使い、鏡見キラ。

改めてよろしく」

「こちらこそ」

(キラくんは魔集石の事、知らなのか?

それとも…)

俺はそんな事を考えながら、お互いに礼をする。

「それで、本来は戦う必要はないんだけど、せっかくこんな場所にいるんだし、戦っとく?」

キラくんがにやりと笑う。

「はぁ~

俺は戦わなくていいなら、それでいいんですけど」

「後ろの2人はそうでもないみたいだよ」

キラくんの言葉に後ろを見れば、かなたちゃんとトワ様は笑顔で拳を握って構えていた。

「やらないといけないみたいですね」

俺はアイテムボックスから鬼切丸を取り出した。

「いいね、久しぶりだよ。

戦うの」

キラくんがそう言って片手を前に伸ばす。

そして、現れる魔法のステッキ。

「さぁ、グランドジョブの真の姿を見せてあげるよ!」

「あ、ダメです。

ステッキの先に付いてるの魔集石だ」

セレスがステッキを指差す。

「な!

待ってキラくん!」

俺は叫ぶ。

しかし、その時はすでに遅かった。

キラくんはステッキを手に取り、変身し始めていた。

訳の分からない桃色の世界の中。

キラくんは光輝きながら着ている制服が消えていく。

微妙なカメラアングルでステッキから出現する黒いリボンがキラくんの体に巻き付いていく。

そして、バン!っと黒い魔法少年が目の前に爆誕した。

もちろんその目は血のように真っ赤だった。

「くそう、アイテムの方に憑依してたのか」

「な、なにあれ?」

驚くトワ様。

「いつもは白とピンクの可愛らしい衣装なのに。

まさか闇落ち?」

少し狼狽えているかなたちゃん。

「いや、これが始めに説明したやつです」

俺はもう一度簡単に2人に説明した後、対処法も説明した。

「なるほど。

じゃ、あのステッキの宝石をキミが攻撃して外す訳ね」

「はい」

「それじゃ、その隙を僕達で作る」

2人が前に出る。

「そうはさせない」

『な!』

キラくんがにやりと笑う。

「さぁ、出でよ。

我が眷属!」

キラくんがステッキを高々と上げた。

すると、キラくんへの道を防ぐよう巨大な黒い影が沸き上がった。

赤い目に巨大な口。

地面から生えた上半身だけの黒い巨人のようだった。

「あれをどうにかしないといけないか」

かなたちゃんが黒い巨人を睨む。

「はぁ~

うざい」

トワ様もキッと睨む。

「あれ、やるよ」

「え?」

かなたちゃんの言葉にトワ様が驚く。

「あれってアレ?」

「そう」

「いやぁ、アレはちょっと…

ほら、見てる人いるし」

「いくよ!」

かなたちゃんがぐっと拳を胸に当てる。

「ああ、もう」

トワ様も逆の手でかなたちゃんと同じポーズを取る。

『メタモルフォーゼ!』

2人の声が重なる。

そして、世界は今一度あの変な空間になった。

白と黒のリボンが2人の胸元から飛びだし2人を包む。

そして、2人の魔法少女が誕生した。

「ふたりは…」

「セレス、言ってはいけない事もある」

俺はそっとセレスの口元を押さえた。

「やっぱり、恥ずかしい」

「いくよ、トワ!」

ダン!っとかなたちゃんが巨人に向かって跳躍する。

「ああ、もう」

トワ様もそれに続いた。

「やぁーーーー!」

ドドドドドッ!

巨人の胸にかなたちゃんの凄まじい連続パンチ。

巨人は苦しそうにかなたちゃんを捕まえようと手を動かす。

しかし、「させるか!」

トワ様のエネルギー弾が片手を打ち払い。

もう片方の手を蹴りで払う。

「は!」

ドン!

凄まじい音の後、後方連続回転で後ろに下がるかなたちゃん。

怯む巨人に、トワ様は頭上に集めた巨大な魔力の塊を放った。

ドガァァ!!

凄まじい威力で校庭の砂が舞う。

(もう、魔法少女じゃなくて龍玉だなぁ…)

「まだ、生きてる」

セレスの声。

『やぁーーーーー!』

かなたちゃん、トワ様が重なるように巨人に向かって跳ぶ。

2人が同時に拳に繰り出した。

ドガァ!

巨人を貫く2人。

「やった!」

俺の声にそれが答えた。

「ええ、狙いどおり」

「え?」

振り返った先にキラくんがいた。

 

 

「え?

ここは?」

そこは薄暗い何もない空間。

いや、黒っぽい地面はある。

「ようこそ、僕の魔法の空間へ」

浮かぶキラくん。

「閉じ込められたようです」

今回はセレスがいる。

肩のセレスに俺は頷いた。

「さて、チートの2人にはもう少し僕の眷属の相手をしてもらって。

キミには返してもらうよ」

「何を」

「もちろん魔集石さ」

「!」

(魔集石の回収が目的になってる)

「たぶん、黒幕の狙いでしょう」

「ああ」

セレスの意見は正しい。

「断る」

俺は鬼切丸を構える。

「構わないよ。

キミ1人と力の制限があるその異世界のホロメン2人で僕に勝てるなら!」

キラくんのステッキの先からとてつもない巨大な黒い炎の玉がこちらに撃ち出された。

「!

体が動かない?」

避けようと体を動かそうとするが、動けない。

「敵からの威圧です」

セレスも同様に動けない。

「くそ」

「消し炭にした後、ゆっくりと探させてもらうよ」

そう言い放つキラくんの声は、今までで一番冷たい声だった。

 

 

目の前に迫ってくる炎の玉。

 

 

(もう、ダメなのか…)

 

 

「はぁ、これだから一般ピープルは」

 

 

「え?」

 

 

「肩のお人形さんは飾りではないんでしょ。

なら、防御ぐらいしてよ」

 

 

そして、巨大な黒い炎の玉が真っ二つに切り裂かれた。

 

 

「な、なに!」

黒い炎の玉が真っ二つにされ驚くキラくん。

俺はセレスが張った魔法壁のお陰で無傷。

それより。

「いつからいたの?」

背中合わせに立つその人に俺は声をかける。

「キミが沙花叉の推しに告白なんてしやがった時から」

「ははははは」

「ほんと、リスポーンしてやろうかと思っちゃったよ」

かなり物騒な事を言う。

背後のアサシン。

第六世代組沙花叉クロヱちゃんがそこにいた。

「それで、地獄の使者さんは手伝ってくれるの?」

俺はキラくんに鬼切丸を構えながら、背後のクロヱちゃんに聞く。

「仕方ないでしょ。

シオン先輩にお願いされちゃぁ。

それに地獄の使者なんて物騒なあだ名付けないで!」

ブォンと背後で武器を回す音を聞こえた。

「助かる」

「お礼はシオン先輩に。

ここからは仕事。

先に行く!」

ぶっきらぼうにそう言ったクロヱちゃんの気配が消える。

ガン!

キラくんに攻撃するクロヱちゃん。

(いつの間に…)

持つ武器は逆刃の鎌。

「ウッドアロー!」

セレスの力ある言葉に生まれる複数の大木の矢。

それらがキラくんに向かって放たれる。

それを確認したクロヱちゃんは、投げナイフをキラくんに投げて姿を消す。

「く!」

その投げナイフを払う一瞬がキラくんの防御を遅らせる。

なんとかすれすれで防御をしたキラくん。

でも、遅い。

「ここだ!」

背後から雷を纏う俺はキラくんへと鬼切丸を振り下ろす。

「まだ!」

魔力で覆った腕で俺の一撃を防ぐキラくん。

「隙あり!」

そして突然現れるクロヱちゃん。

その一撃が、ステッキを持つ手を狙い振り下ろされた。

「だから、まだだ!」

キラくんの叫びが空間に響く。

ガキン!

逆刃の鎌も腕で受け止める。

(どれだけ魔力で固めてるんだ)

『ほら、ぼ~としてないで、きちんとトドメしなさいよ。

シオンの弟子を名乗るなら!』

「!」

頭の中に直接響くシオンちゃんの声。

そして、それは空間を撃ち破って飛んでくる。

バリン!

世界が元の校庭に戻る。

ドン!

紫の雷の弾丸がキラくんのステッキを持つ手を撃ち抜く。

「く!」

手からこぼれ落ちるステッキ。

俺はそのままステッキを追った。

そして、ステッキの先の魔集石に向かって鬼切丸を伸ばし貫いた。

魔集石がステッキから取れ吹き飛ぶ。

パシッ

飛んでいく魔集石を校庭にいたかなたちゃんがキャッチ。

「これで任務終了かな?」

倒れた黒い巨人の上でトワ様はそう言って笑った。

 

 

学校の保健室。

キラくんはベッドに寝ている。

壁にもたれ掛かるアサシンマスクを付けたクロヱちゃん。

かなたちゃんは恥ずかしがるトワ様と共に「またね」とどこかに言ってしまった。

シオンちゃんも姿を現さない。

「えっと…」

「何かあったら困るから最後まで見てるだけ」

クロヱちゃんはぶっきらぼうに答える。

(まだ、お仕事モードなんだ)

「んん」

「あ、キラくん」

「あ、おはよ。

ここは?」

キラくんは上半身を持ち上げ、辺りを見渡す。

「保健室?

そっか、僕、暴走したんだ」

苦笑いのキラくん。

「仕方ないですよ。

まさか魔集石があんなところに付いてるなんて」

「それでも、はしたないとこ見せちゃったね」

「別に何も起こんなかったし、いいんじゃないですか」

クロヱちゃんがボソッと言う。

「はは、ありがとう」

キラくんはクロヱちゃんの方を見て言った。

「それで、魔集石は?」

「はい、俺が回収しました」

「そっか。

なら、後は」

キラくんが俺に手を伸ばす。

俺はその手を取る。

「ありがとう助かったよ」

ぎゅっと握られた手から暖かいものが流れ込んできた。

『グランドジョブの試練をクリアしました。

魔法使いのレベル上限が解除されました。

キラの絆を手に入れました』

頭の中に機械音声が流れる。

「こちらこそありがとうございます」

俺の言葉にキラくんはにこっと微笑んだ。




前回に続き学校編となります。
グランドジョブのキラくんを無事に正気に戻し、魔集石も回収しました。
さて、次の行く先はどこなのか?

次回はあなたのお話とは別に、今回の3人かなトワ、シオンちゃんが、あなたが別の空間に移動した後、どうなっていたのかを紹介していこうかと思います。

できるだけ早くの更新をしていこうと思いますが、気長にお付き合いいただけると幸いです。
では、また次回、よろしくお願いします。
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