ほんとに作者は気まぐれです。
今年は何かと忙しいので更新は不定期になりますが、両方とも完結まで頑張るのでよろしくお願いします。
それでは、どうぞ。
~プロローグ
―――――………―――――
ねぇ、志貴………
―――――………―――――
きっと、これで良かったんだよ………。
―――――……っ―――――
だから、泣かないで。ね?
―――――■■■■■■……―――――
ありがとう、志貴。
―――――!!■■■■■■!!!―――――
私を―――――
―――――■■■■■■っ!!―――――
―――――
主を喪った城が音を立てて崩れていく。
そんな城の玉座で、彼はただ呆然と膝を着いていた。
辺りは夥しい量の彼と彼女の血が混ざり合い、赤色に染め上げている。
しかし、彼はただ一点を………彼女がいた場所を見つめ続けていた。
最早彼が愛した彼女はこの世にいない。
彼は己の存在意義を無くしてしまった。
自分で
だから、自分が生きる理由などない。
彼女を穿ったナイフが手から滑り落ち、彼は血溜まりに沈む。
もう………いい………。
そして、彼もまた醒めない
そこに、老人と赤い長髪の女性が現れた。
「よくやってくれた、志貴。あの娘を■してくれて」
老人、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグは一言そう言った。
彼にとっても彼女は大切な存在であった。
爺や、と言ってくっついてきた彼女はとても愛らしかった。
まるで、孫娘の様に大切だったのだ。
彼にとってこれは望む物ではなかったが、今となってはこれが最善だったと思う。
しかし、キシュアにとってこれは決して取る事の出来ない―――――取りたくない手段だった。
その役目を彼は成し遂げてくれた。
彼女を
それはどれ程苦しいものだっただろうか。
でも、それは他ならぬ彼女が望んだことでもあったのだ。
彼女が愛した彼によって■されることを………。
「お前には幾ら礼を言っても足りん。だが、儂には返し方が浮かばん 」
そう言って、キシュアは横にいる女性に視線を動かした。
女性はキシュアと視線が合うと、小さく首を縦に振り、彼の近くで話し始めた。
「志貴、聞いてるものと思って話すからね。貴方は良く頑張ったわ。向き合いたくない現実を前に立ち向かうのはとても難しいことよ。先生としては鼻が高いわ。これは私の願いでもあるし、爺さんに頼まれたからでもあるわ」
そう言って、彼女は布で包んでいた物を取り出した。
「姉貴に頭を下げて作らせたんだからね?………貴方は生きるの」
中身は、横たわる彼の身長より少し小さい人形だった。
女性、蒼崎青子は彼の意識を人形に移そうとしているのだ。
術式を床一面に広がった血で描き、儀式をとり行った。
無事儀式を終えると、先程まで人形だった物は人間の肉体となっていた。
新たに器の主となった小さな彼の頬を優しく撫でる。
「時間が無くて急がせたから身長は私と初めて会った時ぐらいの身長だけど我慢して頂戴ね。それとその人形、元となった者の情報すべてを取り込むから『魔眼殺し』も新しくあげとくね」
それだけ言い、小さなトランクを横に置くと、青子は後ろに下がった。
そして、キシュアが再び前に出る。
彼の手には虹色に輝く短剣が握られている。
宝石剣、第二魔法を再現するもの。
平行世界を繋ぐ架け橋となる魔法の産物。
それは徐々に輝きを増していく。
眩い光が辺りを包み込む。
その中を小さな黒い影が通り過ぎた。
それは横たわる彼の近くに座る。
「そうね。レンは志貴に付いて行きなさい。志貴を頼むわ」
青子は小さな黒猫に彼をお願いした。
キシュアは哀しそうな表情を浮かべていた。
「残酷かもしれん。これは儂の自己満足じゃ。だから恨んでくれて良い。………それでもお前は生きろ、志貴」
そう言うと、宝石剣を振り翳す。
そして、彼は新たな世界へ旅立った。
ルートはアルクェイドです。
まあ、見れば解るか。
次話投稿お楽しみに。