ウマ娘短編   作:探究の大図書館第9柱

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クロノステイオーの本気の走り

ゲートが開く。

が、全部開いてからでは遅い。

ゲートが開く隙間、

自身の身体がちょうど通れるぐらいに開いたスキマに身体を捩じ込むようにして通過する。

そして、足が折れんばかりに力を入れ、ターフを踏み込み、

抉るように踏み出す。

そのまま体力を無視して全力で踏み出す。

大股で、尚且つ脚を回転させるスピードは早く、

ストライド走法とピッチ走法を合わせるような感じで。

心臓を、血管を、全身の血液という血液を循環させながら走る。

そうして走るとカーブが来る。

そこで俺は後ろを少し振り返る。

よし、まだ距離があるな。

ちょうどカーブに来たところで俺は急停止する。

そう、急停止である。

本来ならばレース中の急停止は事故が確実だろう。

だが俺は片足をターフにめり込ませ、

無理矢理スピードを落とす。

横に倒れそうになるが、

尻尾で反対方向に身体ごと引っ張って無理矢理バランスを取る。

そのまま体勢を立て直すと、

めり込ませなかった方の脚を前に突き出し、

全身が弾け飛びそうになるぐらい息を吸い込み、

酸素を吸入する。

そうして吸入した酸素を肺から血液に取り込んだあと、

心臓に送り、全身の血液を巡るように、

全身の筋肉を使って一気に圧力をかける。

目の前がやや暗く染まるがそれはどうでも良い。

そうして俺は再びスタート時のように、

一気に加速する。

これを俺は「セカンドブースト」と名付けた。

そのまま全身に力を入れながら踏み出す。

肺が弾ける寸前の風船のように酸素を充しながら

走りを続ける。

残りの距離を口を少し開け、

酸素を取り込みながら走る。

走る。

 

走る。

 

走る。

 

『ゴーーーーール!!クロノステイオー、並み居る強豪を捩じ伏せ、2400mを走り切ったーーーーー!!!!』

 

気づいた時には、すでに走り切っていた。

全身から酸素を抜き、また酸素を入れる。

直ぐに呼吸を整えると、

直ぐに後ろを見やる。

後ろには全力で走り切った子らが息も絶え絶えに

佇んでいた。

ふとタイムを見る。

おお、新記録だ。

そりゃあそうだよな。

それにしても、この走り方は流石に他の子には真似できないし、

させられないよな。

こんな走り方、

それこそゴム人間でしかできないしな。

まあ俺は違うわけだけど。

脚の負担を無視した走り方でもあるわけだから、

正直オススメはしない。

俺は観客席に向かってダブルピースで決める。

観客席は割れんばかりの熱声が上がる。

ちょっと引くな。

なあ、だから言っただろ?

お前らじゃあ、俺には勝てないって。

後ろの自身が走ったあとを見る。

そこは、ターフが芝どころか土ごと抉れ、

一部やカーブに至っては、自身の走った証を残さんと火花を立ち上げていた。

後のインタビューで、

このレースを観た観客はこう言ったと言う。

 

「まるで悪魔のようだったな」

 

「彼女が走っていた時、どんな顔をしていたと思う?・・・笑っていたんだよ。まるで戦いを楽しんでいるように。」

 

「彼女には、“悪魔”や“怪物”と言う名すらも相応しくない、もっとこう、

何か悍ましいモノを感じた。」

 

「彼女にトレーナーは?(いると答える)・・・それならそのトレーナーは恐らく世界一の名トレーナーだろうな。」

 

「彼女に勝てるウマ娘は恐らく世界でもいないんじゃないか?」

 

そしてそう言った感想を読んだ俺はちょっと傷ついてしばらく動けなかった。

そりゃ確かにウマ娘の走り方ではないけどさ・・・




全然締まらない終わり方したなぁ。
ちなみに余談ですが、
モブ娘もこのレースに出走してます。
あと実力のあるウマ娘は限界ギリギリの数まで出走しています。
某会長とか。
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