νシン・アスカは伊達じゃない! 作:DestinyImpulse
映画を見て気づけば書いてました。
血のバレンタインの悲劇によって、地球・プラント間の緊張は、一気に、本格的武力衝突へと発展した。誰もが疑わなかった、数で勝る地球軍の勝利。が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまま、すでに、11ヶ月が過ぎようとしていた。
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《ーーでは次に、激戦の伝えられる華南戦線、その後の情報を…》
パソコンの画面に小さく映る放送を聴きながら、素早くキーボードを叩く少年が居た。漆黒の髪の小柄な少年だ。まだ幼さを残す繊細な顔立ちは何処か可愛さがある。しかし何よりも目を引かれるのがルビーの如く美しい
ここは工業カレッジのキャンパス、緑したたる中庭、あふれる陽射し、楽しげにたわむれ、行き過ぎていく若者達とどこでも見られるような、ごくありふれた日常風景。
しかし彼らが踏みしめている芝生の下には、厚さ約百メートルに及ぶ合金製のフレームがあり、その外には真空の宇宙が広がっている。ここは“ヘリオポリス”。地球の衛星軌道上、L3に位置する宇宙コロニーである。
「あ、新しいニュース!」
作業に没頭して放送が耳から耳に出ていっていた時に、突然ぬっと肩ごしにのぞき込まれて、少年は我に返った。
「ビックリしただろ…マユ」
「へへへ、無防備なお兄ちゃんが悪いんだよー」
どうやら覗いてきた人物は少年の妹の様だ。茶髪の髪を肩まで伸ばし少年と何処か似ている可愛らしい少女だ。
「カトウ教授がお兄ちゃんの事を探してたよ。見つけたら連れてこいって」
「またかよ…」
妹の言葉に少年はあからさまに不機嫌になりパソコンの画面を見る。画面には何かのOSが映っていた。
「あのオヤジめ…。昨日渡されたのだってまだ終わってないってのに…。単位くれなきゃ訴えてたぞ」
「それだけお兄ちゃんと
「幾ら先輩と分割して早く終わらせても次から次に要求してくるんだよ…先輩が断れないのいい事に」
呆れた様子で気分転換しようにも画面に映るニュースではそんな気分にもなれない。立ち昇る黒煙と爆音、逃げまどう人々、ビルの立ち並ぶ町並みは半壊し、どこか近くで戦闘が続いているらしい。去年、プラントの保有するザフト軍は、地球への侵攻を開始した。
「結構近いけど……オーブは中立だから大丈夫だよね!」
少年達の故郷である中立国オーブのコロニーであるここ“ヘリオポリス”でも、開戦当初はみな、地上で行なわれている戦況を息をつめて見守っていたものだが、最近はもうそれにも慣れてしまった。
だってオーブは中立だから大丈夫。
妹だけでなくこのヘリオポリスに居る多くの人が思う考えに少年はふいになんとも言えない不安を感じた。
それでも此処に居る人は、【戦争】なんて、自分たちと関係ないものと思っていた。コンピュータを閉じたら終わってしまう、画面上の単語にすぎないと……
少年は理解していた。この静寂が永遠のものではない事を…何故なら此処は
少年の名はシン・アスカ。
オーブ生まれの第二世代コーディネーターであり…
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自分が転生者だと自覚したのは、今から四年前……家族でキャンプに行っていた時…妹の悪戯で寝ている時に紅葉をかけられ追いかけっこをしていた時に足を滑らして川に落ちた衝撃で思い出した。
泣き叫ぶ妹と俺に呼びかける父と母。
何がなんだか分からず辺りを見渡すと……
黒髪に赤い瞳の美少年が川の水に反射して映っていた。試しに首を傾げれば水に映る自分も首を傾げている。
記憶が確かなら自分はこんな十人中十人が美少年と答えるビジュアルはしておらず。こんな赤い瞳ではなかった筈だ。
それにしても……黒い髪に赤い瞳、何処かで見覚えが……?
「おい!大丈夫なのか“シン”!?」
「“シン”!?しっかりしなさい!?」
「うえええぇぇぇぇえん!!お兄ちゃぁぁぁぁあんん!?」
そんな俺を見て鬼気迫る父と母が俺の名を呼び、妹が更に泣く。
「………シン?」
確かめるように俺はその名を呟いた。そして同時に理解した。川の水に映る自分がまだ幼少の頃に放送されていたとあるTVアニメの登場人物の実物だという事を……
そして同時に戦慄した。
【シン・アスカ】
アナザーガンダムである【機動戦士ガンダムSEED】の続編にあたる【機動戦士ガンダムSEED DESTINY】の主人公だ。
序盤は良かったものの最終的には前作主人公であるキラ・ヤマトに主人公の座を奪われ、前作の準主人公のアスランにボコボコにされ、ガンダム界一の不遇主人公とも言われてしまう人物……らしい。
と言うのも俺はSEEDはよく知らないのだ。
曖昧な記憶を辿ると仲の良かった友達が初代ガンダムを勧めてくれて、それを見たのがきっかけでガンダムにハマった…
そうして幾つものシリーズ……特にアナザーをよく見ていたな。ガンダムXは至高…!
鉄血や水星の魔女をリアタイで見て…映画のガンダムSEED FREEDOMが発表されて。これを機にSEEDシリーズを見ようとして……そこからの記憶がない。
しかし聞いた話によるとこのSEEDの世界は鉄血や水星の魔女に劣らない程に倫理が破綻して宇宙世紀よりも世紀末な世界らしい。
そんな世界の主人公の一人であるシン・アスカに俺はなってしまったのだ……
「……………は、はははは」
俺はどんな顔をしているだろう……少なくともいい顔はしていないだろう。慌てる両親と泣き叫ぶ妹を見ながら俺は乾いた笑みを浮かべる事しかできなかった。
これは俺が不遇な運命を切り開き主人公になる為に奮闘する物語。
因みにνシン君の身長は種死時代と同じ168㎝です。