νシン・アスカは伊達じゃない!   作:DestinyImpulse

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 アストレイの右腕に対するコメントが多くでビックリしました。

 今回はそんな皆さんの待望の話になると思います。


07. PHASE-07b【消えるガンダム・後編】

 

 あの騒動の後、食堂から連れ出され、そのまま格納庫へと連行された俺はストライクの前に立たされていた。

 

「OSのロックを外せばいいんですね?」

 

「あ、あぁ。…だが、それ以外にも君ならば、色々と出来るのだろう?」

 

「………」

 

 俺の問い掛けにハゲが了承しストライクのコックピットへと向かおうとした直後、ハゲの口から更なる言葉が続いた。

 

「例えば!こいつの構造の解析し同じ物を造るとか。逆にこういったMSに対して有効な兵器を造るとか…かね」

 

「……俺にそこ迄の能力はありませんよ」

 

「謙遜しなくていい。地球軍側に付くコーディネーターというのは貴重だよ。優遇されるさ、ユーラシアでもな…」

 

 そんなつもり更々ない癖に、実に欲望塗れな男だな。

 

「君やあの小娘は裏切り者のコーディーー「随分と無駄口が好きなんですね」ーー……ヒィ!」

 

 耳障りなんで睨みつければ、余程さっきの俺が怖かったのだろう、顔を真っ青にして震えていた。ほんの数分前の出来事なのに、すぐに調子に乗って痛い目を見る。

 

 お手本の様な小物だな。

 

 俺はストライクのコックピットに乗り込みOSのロックの解除を始める。

 

 適度に始めるか、多分この要塞も……それ程長くないだろうし。

 

 何故か俺はそんな予感を抱き、一瞬、ある方向に視線を向けて作業を開始した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 シンが作業を始めて数分後、それは起こった。

 

 突如としてアルテミスを巨大な振動が襲ったのだ。アルテミスの司令室は混乱の極みに陥りシンの作業を見ていたガルシアが管制室へ怒声を放つ。

 

「管制室!この振動はなんだ!?」

 

〈不明です!周辺に機影なし!〉

 

 しかし管制室にいる管制官はガルシアが期待した答えを返してこない。

 

「だがこれは、爆発だぞ!超長距離からの攻撃かもしれん!傘を開け!何をしている!?」

 

 その時、一際大きな振動が司令部に伝わった。管制室は外部カメラから送られてくるデータを確認すると…“それ”は居た。

 

 まだ開いていないリフレクターモジュールを切り裂く黒いガンダムが。

 

〈ぼ、防御エリア内にMS!リフレクターが落とされていきます!〉

 

「なんだと!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「うわぁー!今の爆発で!部屋に亀裂が入った!空気がぁ!」

 

 同時刻、ムウは部屋を隔てるドアの前で、そんな間抜けな叫び声を上げた。マリューやナタルは、その姿を見て呆気に取られている。

 

「ほら!叫べよ!ドア開けさせるんだ!」

 

 実のところ、部屋には何の変化も無いが、揺れは続いていた。これこそが千載一遇のチャンスだ。

 

「キャーー!助けて!死んじゃうぅ!」

 

 マリューは覚悟を決めて、自分でもらしくないと思う叫び声を上げた。この際恥ずかしいなどとは言っていられない。

 

「うぁぁぁ!早く開けてくれ!」

 

「あー助けて〜!」

 

 呆気に取られるナタルを他所に遂に武装兵の二人組みが扉を開けた。

 

 タイミングを逃さずムウが手刀一閃。武装兵一人の首筋にお見舞いし気絶させる。

 

「おい、どうし!」

 

 片割れの武装兵が慌ててやって来るが素早くボディに一発!

 

「急ぐんでね!」

 

「確かに、アルテミスと心中はごめんね!」

 

 ナタルもため息を吐いて三人も外へ飛び出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 どうやら俺の勘は当たったらしい。

 

「傘が破られた!?そんなバカなっ!?」

 

 収まらないこの爆発は敵の攻撃で、アルテミスは絶賛大ピンチ。それにしてもいいタイミングだ、もう少しでOSのロック解除が終わる所でヒヤヒヤしたぜ!

 

 慌てふためくハゲと副官に視線を向けている俺の監視役をコクピットから蹴り飛ばしハッチを閉める。

 

「き、貴様!」

 

 足元のハゲ共が何かを叫んでいるが知った事ではない。ゆっくりストライクを動かしてカタパルトに乗せる。

 

 すると待っていたと言わんばかりにストライクにソードストライカーが装備される。どうやらノイマンさん達も無事にアークエンジェルを取り戻せた様だ!

 

 スラスターを吹かせて外へと飛び出していく。周囲は火の海となりアルテミスの迎撃部隊は次々と藻屑と化していく。

 

「っ、アレは!」

 

 すると俺達を探しているのだろう、攻撃を続けながら飛行するブリッツを発見。ブリッツ側も俺の接近に気付き攻撃を仕掛けてくる。

 

「ここまで追ってきて、随分とご苦労なこった!」

 

 攻撃を回避しながら対艦刀を構えて接近する。ブリッツは後退して距離を保ちながら、こちらへ向けて有線式のロケットアンカー、グレイプニールを射出。

 

 馬鹿め、こっちには対艦刀があるんだ、そんな直線の攻撃なんて真っ二つだ!

 

 直線的に迫るグレイプニールを対艦刀で真っ二つに切り裂く。これであのブリッツの武装は右腕のトリケロスだけ……。

 

「まてよ…」

 

 今は諸事情でストライクに乗っているが、ストライクにはキラ先輩に乗っててほしい。

 

 となると俺はアストレイなのだが、今のアストレイは右腕がないのだ。

 

 それにアストレイはビームライフルと2本のビームサーベルしかなく、これと言った特徴がない。

 

 ブリッツの右腕を見る。攻防一体型の装備トリケロス。それはビームサーベル、ビームライフル、三連装の貫徹砲を備えながら、盾にもなるという便利な複合武装だ。

 

「……アレ欲しいな」

 

 よし決めた。右腕ぶん取ってアストレイに取り付けよう。マードックさんならできる筈だ。敵の戦力を落としつつ、アストレイもパワーアップ、正に一石二鳥だ!

 

「その腕置いてけ!!」

 

 スラスターを吹かせてブリッツに迫る。ブリッツもトリケロスからビームを放ち距離を取ろうとするが場所が悪かったな。

 

 宇宙空間ならともかく、此処は要塞の中、それも崩壊寸前のだ。

 

「一人でノコノコと格好つけて来たのが間違いだったな!」

 

 逃げ場はおのずと限られる。そこにビームブーメランを投擲する。逃げ場を読まれた攻撃を受けた以上、行動は迎撃と防御だけ。

 

 唯一の武装であるトリケロスでブーメランを弾いた隙をついてブーメランのすぐ後に射出したパンツァーアイゼンがブリッツの頭部を強襲。

 

 頭部に衝撃を受けて吹き飛ぶブリッツ。これで向こうは一瞬だけどメインカメラが使えずに此方の姿を見失う筈だ。

 

 その隙にストライクのスラスターを全開にしてブリッツにタックルをかまして壁に叩きつける。そのまま右足でブリッツの左腕を押さえ、左膝をボディに乗せ、左腕で右腕を押さえる。

 

 どうにか脱出しようとスラスターを吹かせるが此方もスラスターを全開にして逃さない。

 

 苦し紛れにバルカン砲を放つがアストレイならいざしらず、今回はフェイズシフト装甲のストライクなんで痛くも痒くもない。

 

 しかしあまり時間はかけられない。いつ他の機体が来るが分からないからな。

 

「貰うぜ!アンタの右腕!」

 

 右腕の対艦刀をブリッツの右腕とボディの付け根に添えてビーム刃で一閃!大きな損傷もなくブリッツから切り離された右腕が宙を舞う。

 

 そうなればもうコイツに用はない。ブリッツを蹴り飛ばし切り飛ばした右腕に向かう。

 

〈シン!艦に戻って!アークエンジェル発進します!〉

 

〈了解!〉

 

 どうやらマリューさん達も無事に戻ってきたらしい。ミリアリア先輩の通信に笑みを浮かべてアークエンジェルに戻る。当然、切り飛ばしたブリッツの右腕も忘れずに。

 

〈えっ、逃げるのかー!〉

 

 後ろのブリッツが何か言ってるが負け犬の遠吠えだ。爆発する要塞内を飛びアークエンジェルに着艦する。

 

 援軍として来たであろうデュエルとバスターが見えるがもう遅い。基地内の爆発に遮られ動きが止まった隙にアークエンジェルがブースターを吹かせて発進する。

 あっという間にアルテミスから艦は脱出し、崩壊を続ける要塞を置き去りにしていく。

 

 これで諦めてくれればいいんだけどな…。そんな思いを抱いて俺は格納庫に向かう。

 

〈お土産でーす!〉

 

 そんな呑気な声と共にブリッツの右腕を格納庫に置き、俺はストライクのコクピットから出る。

 

「坊主!」

 

 そんな俺をムウのおっさんとマードックさんが出迎えてくれた。

 

「おっさん、マードックさん」

 

「おい!だからおっさんじゃない!」

 

 別にいいだろ…親しみやすくて。

 

「坊主、あの右腕…」

 

「ブリッツのヤツですよ。無くなったアストレイの右腕にしようと思って。……できます?」

 

 ブリッツの右腕とアストレイを交互に見ながらマードックさんは頷いてくれた。

 

「まぁ、なんとかなるだろ。坊主も手伝えよー!」

 

「分かってますって」

 

 俺の頭をガシガシと撫でながら笑うマードックさんに俺も自然と笑みが溢れる。

 

「シン!」

 

「お兄ちゃん!」

 

 すると格納庫の扉が開き、キラ先輩とマユが笑みを浮かべて此方に来る。それを見たおっさんとマードックさんが俺の背中を軽く叩く……行ってこいって事か。

 

 

「……ただいま」

 

 そう言って俺は二人に笑みを浮かべた。

 





ストライク「その腕だ…。便利だろ?……腕置いてけ!なぁ!便利なんだろ?お前の腕は!?」

ブリッツ「ぎゃー!」


 はい!皆さんの想像通りにブリッツの右腕をぶんどりました!
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