νシン・アスカは伊達じゃない!   作:DestinyImpulse

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 今回は本編の裏側の話です!

 


間話・【野望の城】

 

 シン達が第八艦隊と合流する前、オーブ連合首長国帰属宇宙ステーション【アメノミハシラ】で動きがあった。

 

 軌道エレベーターの頭頂部として建設されたが開戦により建設は中断、地上とつながるエレベーター部が未完成の状態にある場所で一機のMSが目覚めの時を待っていた。

 

 それはヘリオポリスでシンが発見したアストレイと同じ姿をしたMSだった。しかしフレームが金色のシンのアストレイとは違い、このアストレイは片腕が無く、紫色をしていた。

 

「P05の調整は順調のようだな」

 

 紫のアストレイから降りてくるパイロットに語りかける人物、それはシンとマユを襲った謎の男……ではない、声が女性だ。

 

「現状を確認したい。まずはMBFーP03の追跡情報から聞こうか」

 

「よかろう」

 

 パイロットから聞こえてくる声…間違いない、シンとマユを襲った人物の声だった。

 

 彼が操作するモニターに映るサングラスをつけた男。地球軍の軍服を着ているが彼は地球軍ではない。

 

「貴様とて聞いたことはあろう?傭兵部隊サーペントテールリーダー…」

 

「叢雲劾...」

 

 それは凄腕のMS乗りとして裏社会なら知らぬ者は居ない程の男。その実力はザフトのエリートである赤服以上とも言われている。

 

 次にモニターに映るのは青いフレームのアストレイ。現在、彼のMSとして活躍しているブルーフレームだ。

 

「ヘリオポリス崩壊後すぐさま新星奪還作戦に出撃。連合宇宙要塞アルテミスではPO2と戦闘。後日、海賊に占拠されたアルテミスを奪還している」

 

 アルテミス…シン達も訪れ、イザーク達に崩壊された要塞はどうやら、話題が絶えない状況らしい。

 

「PO3を使いわずか10日ほどでこれだけのミッションをこなしたと言うのか…」

 

「そう言うことだ」

 

 モニターに次々と映るブルーフレーム。その姿はミッションごとに武装が変わっている。

 

「MBF-PO3の頭部にはオプションパーツの設計データが格納されていた。それに気づき一部のパーツは製造したようだ、なかなか抜け目ない男だ」

 

「危険な男だ」

 

 MS戦、対人問わずに一流で頭もキレる。メンバー内での連携も高い。無策で挑んでいい相手ではない。

 

「確かに、いずれP03を取り戻すとしてもタイミングが重要となるだろう。まずは情報屋を使い、さらに奴のことを調べさせよう」

 

 続いてモニターに映るのはフレームが赤いアストレイ…“レッドフレーム”。

 

「そしてPO2だが…ジャンク屋の男が運用している。名は知らずともよいか」

 

 劾と比べても明らかに脅威ではない容易い相手、しかしレッドフレームが持つ武器に目を引かれる。

 

「ぬ?その武器は対艦刀か?」

 

 それは正しく日本刀だった。ジンを真っ二つにしており切れ味も悪くない。

 

「いや、実体剣だ。ヤツはデブリ帯の中、グレイブヤードと呼ばれる場所でロスト・テクノロジーから独自の武器を作り出したようだ」

 

「興味深いな…さらに気になるのは武器そのものよりMBF-PO2のOSだ」

 

「Pシリーズに搭載されたナチュラル用のOSは試験段階だった。コーディネーターである劾はともかく、なぜあのジャンク屋があそこまで使いこなせる?」

 

 レッドフレームのパイロット…ジャンク屋のロウ・ギュールはナチュラルだと調べがついている。

 

「さぁな、接触すれば何かわかるだろう。そして戦えばさらにはっきりする」

 

 興味深いとは言え、二人からすれば他愛もない相手である事は変わりない。

 

「戦闘はリスクが大きい。破壊してしまっては元も子もない。まずはモルゲンレーテの技術者を接触させ様子を見る」

 

「………」

 

「さて、肝心のP01についてだが……なかなか愉快な話だ」

 

 そして最後にモニターに映るのは金色のフレームのアストレイ。そう、シンのアストレイだ。

 

「お前に傷を負わせた少年の所在が判明した。名はシン・アスカ…オーブの民だ。両親はモルゲンレーテの優秀な科学者であり、Pシリーズを設計したエリカ・シモンズとも仲が良く、彼女の手伝いをしていたらしい」

 

「……成程、それでモルゲンレーテが深く関わっていたと察したのか」

 

 モニターに映るシンに並々ならぬ感情を示す謎の男。それに対して女性は笑みを浮かべている。

 

「しかし、今でも信じられんよ。お前が銃弾を放つ直前にペンを銃口に投げ入れ詰まらせ暴発させて、P01を奪って脱出するとはな」

 

「……私が嘘を言っていると?」

 

 あの時の屈辱が残っているのだろう、声に若干の怒りが籠る。

 

「いや信じるとも。P01が奪われたと知った時は怒りもしたが……」

 

 そこまで言うと女性はモニターを切り替える。モニターには裏社会一の情報屋を使って集めさせたシンとアストレイの戦いが映し出される。

 

「ここまで来ると称賛が勝ってしまう。あの少年は奪われた試作機の内の四機と優位に交戦し、更にはあのラウ・ル・クルーゼとも渡り合った」

 

 ザフトに奪われたイージス達を相手に優位に交戦するシンのアストレイ。更にはザフト最強のパイロットであるラウ・ル・クルーゼとの激しい戦闘……

 

「……凄まじいな」

 

 それを前に男もそう口にするしかない。

 

「ああ、我らサハク家が開発したアストレイの優秀さを彼は証明している。やはり我らは正しかったのだ、アスハの理想主義者よりもな」

 

 ヘリオポリスに来ていた姫は、せっかく助かったと言うのに今度は砂漠の虎を相手にゲリラ活動をしているらしい。……親が親なら子も子だな…と言う言葉はよく聞くが、本当にオーブの獅子と呼ばれたあの男の娘なのか疑いたくなる。

 

「それで?P01は残されたストライクと共にアークエンジェルに乗っている。アストレイの件も地球軍にバレ、押収されるぞ」

 

 モルゲンレーテを地球軍に売り込んだのはサハク家であり、その真の目的は地球軍の技術を盗用しアストレイを作る事。

 

 それがシンのせいでバレてしまった。アストレイは押収され、外交問題に発展すると男は危惧するが…。

 

「心配するな、既に大西洋連邦とは話をつけてある。奴等としてもオーブとのパイプは欲しいと言う訳だ。P01も奪われる事はない」

 

 オーブは他国の争いに介入しない理念を持っており、オーブの獅子と恐れられるウズミ・ナラ・アスハにより連合とザフトのどちらにもつかず中立を貫いている。

 

 地球の国家なら地球軍につけ!

 

 そう叫ぶ大西洋連邦からすれば、このままサハク家に力を貸して、地球軍につかせる事ができればと考えているのだろう。

 

「エリカ・シモンズも色々と手を回していたそうだ。…相変わらず優秀な人材だ」

 

「パイロット……シン・アスカはどうする?」

 

「無論、オーブに戻ってきてもらうさ。聞けばパイロットだけでなく技術方面でも優秀らしい。これ程の逸材を地球軍に置いたままにはせぬ。幼い妹も将来が楽しみだ。まぁ、最初のウチはアスハの邪魔が入るだろうが……必ず取り込む」

 

 そう言ってシンを見る女性に背を向けて男は部屋を出ようとする。

 

「ではこちらも好きにさせてもらう」

 

「ギナ?」

 

「P05の運用データも、もっと必要であろう?」

 

 そう言って男……ギナは部屋を出た。

 

「ふっ…プラント、地球連合、そしてオーブ。開戦により世界は混沌の中に沈む。我がサハク家が開発したアストレイ。それが我らの手により、完全に世に放た時……」

 

 女性は笑う。我らの理想が揺るぎない事を…。

 

「新たな支配の為の力となるのだ!!」





 今回登場したサハク姉弟。外伝のキャラは今後νシン君とちょっとだけ関わるかもしれません。

・汚いカミーユ

νシン君に傷つけられてゴールドフレームを奪われた事はブチギレ案件だけど殺すには有能過ぎて判断に困ってる。

・ミナ様

 νシン君が有能過ぎて怒りが消えてしまった。原作でシン・アスカを見出したデュランダル議長と同じ。


 此処に書いていた要望は活動報告に移させていただきました。よろしければ、そちらの方も見てください!

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