νシン・アスカは伊達じゃない! 作:DestinyImpulse
Gジェネの新作面白いですよね!
私は無課金なので六月のDESTINY追加までは石を貯める所存です。
戦場に飛び出たシン達を出迎えたのは敵の戦闘ヘリだった。しかし、ムウのスカイグラスパーがひらりと旋回し、戦闘ヘリを攻撃し、瞬く間に二機のヘリが被弾し黒煙の尾を引きながら落下していく、どうやら『エンデュミオンの鷹』は地上に降りても健在らしい。
レセップスのハッチが開き、バクゥを吐き出すのをストライクとアストレイのカメラが捉えモニターに映し出される。
「バクゥは……四…五機!」
〈キラ先輩!少しだけバクゥは任せていいですか?すぐに援護します!〉
〈うん、分かった!〉
砂漠に降り立つストライクが迫り来るバクゥを迎え討とうとする一方でライトニングストライカーの推進力で空を飛ぶアストレイは両腕部に装備されたパーツを組み合わせ“70-31式電磁加農砲”を左腰に構え、遠くから迫るレセップスに狙いをつける。
戦闘は始まったばかりで、ランチャーストライカーでもアークエンジェルの兵装でもレセップスには届かない。しかし、このライトニングストライカーのカノン砲なら…!
「……狙い撃つぜ!」
モニターに映るロックオンセンサーがレセップスの主砲を捉えた時……シンは引き金を引いた。
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「バルトフェルド隊長!」
高い声が格納庫の高い天井に跳ね返り、特注のパイロットスーツに身を包んだバルトフェルドは後ろを振り返った。奥から怒りに満ちた歩調でやってきたのは、クルーゼ隊の若いパイロット達だった。納得がいかないと顔に出ているアスランが問い詰める。
「納得いきません!どうして我々の配置がレセップス艦上なんです!?」
バルトフェルドは肩をすくめて、相手の怒りをやり過ごす。
「おやおや、クルーゼ隊では上官の命令に部下がそうやって異議を唱えてもいいのかね?」
「いえ、しかし…足つきとの戦闘経験では、自分達の方が!」
「負けの経験でしょ?」
「な…!?」
切り返されて勢いが落ちつつもそれなりの理由をつけるアスランを白いパイロットスーツを着るアイシャがバッサリと切り捨てる。
「アイシャ」
「失礼」
悪びれる様子もないアイシャにバルトフェルドはやれやれと肩をすくめた。
「バスターは砲戦仕様でイージスは宇宙用の機体だ。地上で高速戦闘を行うバクゥのスピードには、付いて来れんだろ?」
「し、しかしイージスならーー「短時間の飛行ができたとして初めて戦う砂塵の戦場に即座に適応できるとは思えないが?」ーー……うっ」
得意な宙の戦闘で遅れをとったのに、初めて戦う砂塵の戦場でマトモに戦える筈がない。下手に前に出してバクゥの足手纏いになっては困る。そんなバルトフェルドの指揮官として至極真っ当な意見にアスランは言葉に詰まる。
しかし、大切な幼馴染であるキラの説得・保護の機会を逃したくないアスランは引き下がろうとしない。
「よせアスラン!此処はクルーゼ隊じゃないんだ!」
これ以上は駄目だと後ろに居たイザークがアスランの肩を掴み下がらせようとする。そんなイザークを隣に居たディアッカは意外そうに見ていた。
(…イザークの奴、なんか変わった?)
ディアッカも足つきと交戦できる機会がないのは文句を言いたいが、ここで食い下がって命令不服従の失点をつけられるのが嫌だし、乱戦になれば幾らでもチャンスはあると考えて傍観していた。
しかしこうして見ると不思議だ。バルトフェルド隊長に食い下がるアスランと、そのアスランを宥めるイザーク。
少し前までは、逆だった筈の二人。冷静で如何にも優等生だったアスランが上官に食い下がったり、まるで何かに固執している様な雰囲気に変わり、プライドが高くて足つきを倒す事に固執していたイザークが、まるで憑き物が取れた様な落ち着きを見せている。
その時だ、途轍もない衝撃がレセップスを襲う。倒れ込む者や何かに掴まってやり過ごす者など、その衝撃にバルトフェルドは即座に原因究明を急がせる。
「ダコスタ!この衝撃はなんだ!?」
〈敵MSの攻撃により主砲が破壊!付近で火災発生です!〉
「なに…!?」
艦を任せたダコスタの報告にバルトフェルドは驚愕する。戦闘が始まったばかりでレセップスとアークエンジェルの距離はかなりあり、敵の武装では届かない筈だ。
「モニターに出せ!」
となれば新兵器の可能性が高い。格納庫にあるモニターに出す様に命じると、予想していたのだろう、即座に映された。
「…!」
そこに映っていたのは、黒い戦闘機の様な兵装を上半身に纏ったアストレイが此方に向けて大型のレールガンを構えてる光景だった。
明らかにパワーアップした見た目にバルトフェルドが冷や汗を浮かべ、後ろではアスラン達も自分達を苦しめたアストレイの新しいに姿に驚愕すると同時に激怒する。
「アイツ…!ニコルに続きイザークのパーツまで…!ふざけやがって!」
アストレイの機体色に合わせて黒く染まっているが、モニターに映るアストレイの脚部はアサルトシュラウドを纏ったデュエルの物だった。
ニコルのブリッツの右腕に続き、仲間の機体のパーツを奪い我が物顔で使うアストレイをディアッカが忌々しげに睨みつける。
「怒る気持ちは分かるが此方の指示は守ってくれよ。……これ以上の損害を許すな!狙撃の妨害をバクゥに伝達しろ!此方もすぐに出る!」
ディアッカに釘を刺しつつも的確に指示を飛ばすバルトフェルドはアイシャと共に愛機に乗り込もうとする。
「ば、バルトフェルド隊長!」
もはや、アスランに構ってる時間もない。此方を呼びかけるアスランを無視しつつ……
「………君も本気という事だな。嬉しいよ“少年”」
「え?」
そう呟いた。その呟きはバルトフェルドに呼び掛けようと駆け寄るアスランだけ聞こえ、その言葉にアスランは足を止める。
少年?あの金ピカを見てそう言ったのか?
だとすればおかしい、あのMSに乗っているのはキラと先程自分は言った……なのに何故、少年…シン・アスカが乗っていると断言している?
砂漠の虎と名高いアンドリュー・バルトフェルドが戦場で的外れな事を言う筈がない。
だとすれば、金ピカに乗って居るのがシン・アスカでストライクに乗っているのが……
「キラ…なのか…?」
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「やっぱり、二発目は撃たせてくれないか!」
迫り来るレールガンやミサイルをライトニングストライカーの機動力で回避しつつ俺はコクピットで吐き捨てる。
加農砲の一撃は遥か遠くに居るレセップスの主砲を見事に撃ち抜き敵に大きな損害を与えた。
しかし、それを見て二発目を撃たせてくれる程敵は馬鹿ではない。上空に居るアストレイ目掛けて砂漠を走るバクゥや敵の戦闘ヘリが攻撃を仕掛けて狙撃の妨害をしてくる。
まぁ此方も一発目が限界だと分かっていたので、素直にキラ先輩の援護に徹しバクゥをニ機撃墜する。このままいけばバクゥの全滅は近い…。
「っ!?」
そう思っていた時に突如として頭に電流の様な感覚が過ぎり感覚に従って機体を動かす。すると不意を突く様に下方から飛んできたビームが先程アストレイがいた場所を通過する。
「……なんだ!?」
反射的に分割して両腕部にマウントしたカノン砲から徹甲弾を放つが、ソレの動きは他のバクゥとは雲泥の差で掠りもしない。
ソレはオレンジ色の機体だった。バクゥに似ているが頭部にはジンのそれに似た鶏冠が突き出し、口にくわえるような形で両側にビームサーベルの光刃が煌めく。
更にデータで見たジンハイマニューバのスラスターが両翼に取り付けられており、前腕部には強固な追加装甲が取り付けられており……明らかに只者じゃないプレッシャーを放っている。
「君の相手は私だよ……少年」
「……やっぱり、バルトフェルドさんなんですね」
突如としてオープンチャンネルで聞こえてくる通信。その声は紛れもないバルトフェルドさんのモノだった。
それもそうだろう。こんな明らかな特別機体、隊長であるあの人以外の誰が乗るんだ。
「随分なパワーアップじゃないか、さっきの一撃には度肝を抜かれたよ」
「盛大な花火で出迎えてくれた礼ですよ。バルトフェルドさんこそ、随分強そうな機体ですね」
まるで世間話でもするような会話に、このまま終わってほしいと思っている自分が居た。
「ああ、君達と戦う為に用意したラゴゥ・ハイマニューバさ。ジブラルタルの連中に難癖つけられたが用意して正解だったよ」
でもそれは叶わない…。
「………さて名残惜しいが、楽しい会話は終わりだ少年」
「………ええ」
だって俺とバルトフェルドさんは敵同士だから…!戸惑いを無理矢理押し込んで背部にマウントしたシュベルトゲベールを構える。
「戦争を始めよう…!」
翼を得た砂漠の虎が、空に居る王道ではない者に…その牙で襲いかかった。
今回登場したラゴゥ・ハイマューバは漫画【機動戦士ガンダムSEED Re】に登場したモノを使いました。