赤い霧になりたくて!   作:アップルプルプル

20 / 23
UA13800人、お気に入り120超え、本当にありがとうございます!感想も含め、非常に励みになっております!これからも本作品をよろしくお願いします!

 アンケートの件ですが、結構均衡してますね。あと少しでアレクシア誘拐編は終了するので、その時のアンケートの結果次第で、今後の書き方を変えます。
 もし台本形式が勝ったとしても、16話以降の書き方を台本形式に変えることはしません。(普通にめんどいし)

 今回はなんか台本形式っぽい感じになっております。多分。やっぱり俺にこういう書き方は向いてないのか…?


第18話

 下水道で、剣を打ち合う音が聞こえる。対峙するのは、シャドウガーデンの盟主シャドウと、アレクシア誘拐事件の真犯人ゼノンであった。

 そんな2人の戦いに、アレクシアは圧巻され、アイリスはシャドウの剣技をじっと見ていた。なぜなら、アイリスはシャドウの剣技に、()()()()()()()()()()()を覚えたからである。

 

(どうしてこんなにも何処かで見たような感覚がするの?シャドウの戦いを見るのは初めてのはず…)

 

 そんな二人をよそに、シャドウ達は戦いを続け、ゼノンが口を開く。

 

「なるほど、少し見くびっていたようだ。小規模とはいえ、いくつもの拠点を壊滅させただけのことはある。」

 

 ゼノンが魔力をこめ、シャドウに斬りかかる。

 

「君にも見せてあげよう、次期ラウンズの力を!ハアッ!」

 

 魔力の余波でシャドウを突き飛ばし、そのまま斬りかかる。それをシャドウは比較的最小限の動きで全て防ぐ。

 

「うあああああああああ!」

 

 ゼノンが魔力を更に込め、シャドウと小競り合いをするが、

 

「あっ!」

 

 片手で防いでいたシャドウに小競り合いで負け、後頭部を強打される。

 

「強い…」

 

「えぇ…」

 

 アレクシアのつぶやきに、アイリスも同意する。あのゼノンの攻撃に、片手だけで防ぎ、あろうことか打ち合いで勝ってしまった彼の姿に、二人は驚くしかなかった。

 

「来ないのか?次期ラウンズ。」

 

「くっくう…」

 

 シャドウがそう煽り、ゼノンは顔をしかめて悔しそうな声を出す。

 

「うおおお!」

 

 その直後、ゼノンはシャドウに3回斬りかかるが、全て弾かれる。そのままゼノンは斬撃を繰り出し、シャドウはそれを防ぐ。

 戦闘が激しいのが原因か、下水道に段々ヒビが入っていく。そんな中、アレクシアはシャドウの戦う姿を見て、あることに気づいた。

 

(卓越を超えて、超越した剣技。でも、その根本にあるのは…)

 

 それはアレクシアがよく知っていた…

 

(凡人の剣…!)

 

 そう。シャドウもまた、アレクシアと同じ、凡人の剣であるということに気づいたのだ。そのままアレクシアは、少し思い出に浸る。

 

(幼い頃の私が見た、バカげた理想の剣。姉様のように剣の才能がなくたって、ひたすらに努力すれば、姉様のように強くなれると信じてた。でも、どれだけ努力しても、天才には届かない。いつだって、姉様と比べられて笑われるだけ。力も才能もない、持たざる者の剣。凡人の剣、と…

 

 でもそんな時に、師匠は現れた。師匠ことカーリーさんのことは…最初、姉様に勝ったって聞いても疑っていたけど、稽古をつけてもらって、カーリーさんの強さを実感した。そんな師匠のことは、天才の剣だって思って、反抗的だったけど…ある時師匠に、突然こう言われたことがあった。)

 

 アレクシアはその話を思い出す。

 

『なあアレクシア。』

 

『何よ。』

 

 アレクシアが稽古の休憩中に、カーリーから突然話しかけられる。

 

『なんでお前は私を避ける?』

 

『なによ藪から棒に。』

 

 話しかけて来たと思ったら、これである。

 

『ただそう思っただけだ。で、実際のところどうなんだ?私を避けているのか?』

 

『本人の前で言うのもおかしい気がするけど、良いわ。そう。私はあんたを避けてる。』

 

『何故だ?』

 

 カーリーは尋ねる。

 

『天才からの教えなんて、凡人の剣しか使えない私にはいらないもの。』

 

『ふむ、天才、か。何故私が天才だと思った?』

 

 カーリーはアレクシアに詰め寄り、アレクシアは少し戸惑う。

 

『な、何故って、そりゃあんたが強いからよ。』

 

『強いからって理由だけで、天才かどうかを決めているのか?』

 

『うっ…』

 

 カーリーからの言葉に、アレクシアは言葉が詰まる。

 

『図星か。いいか?強いからって、誰もが天才ってわけじゃない。私だって、最初は弱かったさ。』

 

『えっ?』

 

 カーリーの発言に、アレクシアはカーリーに尋ねた。どうして、どうやってこんなに強く?と。

 

『努力したんだよ。憧れたものがあったから。それに、お前は確かに凡人の剣だ。だが、お前のはただの凡人の剣じゃない。努力され、洗礼された剣だ。』

 

 まだ粗はあるがな、とカーリーは付け足すが、アレクシアは聞いていなかった。カーリーの言葉に驚かされ、おまけに褒められたことが嬉しかったのだ。

 

(洗礼された剣と、師匠は言ってくれた。それから、私は基本を愚直に積み重ねるしかないこの剣が…)

 

『あなたの剣が好きよ。』

 

『私は好きだぞ。お前の剣。』

 

「ハッ…!」

 

 アイリスとカーリーにも言われた、その言葉を、アレクシアは正確に思い出した。

 そしてそれと同時に、ゼノンはシャドウの一閃で傷を負う。

 

「貴様、何者だ。それだけの強さがありながら、なぜ正体を隠す!」

 

 ゼノンはシャドウに聞くが、シャドウは不敵に笑い、こう言い放った。

 

「我らはシャドウガーデン。陰に潜み、陰を狩る者。我らはただそれだけのためにある。」

 

「正気か?貴様。」

 

「シャドウガーデン?教団とか、一体何なの?」

 

「アレクシア」

 

 疑問をいだいたアレクシアに、アイリスが話しかける。

 

「その話は、この事件が終わってから話すわ。私に教えてくれた人と、カーリーさんと一緒にね。」

 

「?」

 

 師匠が教えたわけじゃないんだと、アレクシアは思ったと同時に、では誰が教えたのかという、新たな疑問が生まれたが、後ほどわかるだろうし、どうせ今聞いても教えてくれないだろうと思い、そっと心の奥にしまった。

 そんなとき、突然ゼノンが笑い出した。

 

「フフッいいだろう。」

 

 するとゼノンは、懐から赤い錠剤が入れてある瓶を取り出した。

 

「貴様が本気だというのなら、私もそれに応えようじゃないか。これによって、人は人を超えた覚醒者となる。」

 

 アイリスはその赤い錠剤を見て、なにか悩んでいた。その間にも、ゼノンは話し続ける。

 

「常人が使えば、その圧倒的な力に体が耐えきれず死に至るが…」

 

 ゼノンが瓶の蓋を取ったと同時に、アイリスは思い出す。あれは、調律者が注意するようにと言っていたものであると。

 

「まずっ!」

 

 だが時すでに遅し。ゼノンはもう錠剤を飲んでいた。

 

「最悪…」

 

 アイリスがそう苦言を言うと、ゼノンから叫び声と、先程とは比べ物にならない魔力を感じた。

 霧みたいな何かと、赤い電撃のような何かが晴れ、そこに立っていたのは…

 

「覚醒者3rd。ふんっ!」

 

 剣を振り、魔力の余波だけで砂埃を出し、身体のそこかしこに赤い線が浮かび、目が黒くなっているゼノンがいた。




アンケートに協力を。

聖域編すっ飛ばしてブシン祭行っても良い?

  • いいよ!
  • だめ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。