赤い霧になりたくて!   作:アップルプルプル

21 / 23
アレクシア誘拐編最終回です。


第19話

 場面はカーリー達の方に変わる。

 

「ハアッ!」

 

「ッ!」

 

 カーリーとアルファが斬り合っていた。カーリーは、1対1ではアルファに余裕で勝てるほどの剣術を身につけていた。だが生憎、この戦いは1対1ではない。

 

「アルファ様!」

 

「チィッ!」

 

 時々矢を放ってくるベータの存在がいるお陰で、アルファは追撃を免れている。だがしかし…

 

「面倒くせえ…一瞬でケリをつけてやるよ。『EGO発現』!」

 

 怪物と、アルファの攻撃に巻き込まれ、感情が高ぶったカーリーは、EGO発現をする。

 

BGM LibraryOfRuinaより、対ゲブラー戦BGM

 

「EGO発現…こうして見るのh「ッしゃあ!」…!?」

 

 カーリーは圧倒的スピードでアルファに斬りかかる。ベータもアルファもその速度に追いつけず、ただぼうっとしていた。

 アルファはなんとか防ぐことができたが、咄嗟に防いだせいか、バランスを崩す。アルファは追撃されると思っていたが、カーリーは別の場所に向かう。その方向は…

 

「!?ベータ!逃げて!」

 

「ッ!」

 

「逃がすわけねえだろ!」

 

 先程には及ばないが、それでも超人的な速度でベータの元へと向かう。ベータは逃げながら攻撃をするが、カーリーは全て弾き、とうとうベータに追いついた。

 

「追いついたぞ…!」

 

 カーリーはベータを斬りかかるが、

 

「危ないのですっ!」

 

「チッ」

 

 デルタが間一髪で守りに来る。

 

「ビナー!何してる!」

 

「イプシロンの相手をしている。こっちがまだ優勢が故、安心するといい。」

 

「だがこっちにデルタが来たぞ!」

 

 とカーリーが怒鳴るが、

 

「こっちはお前が起きるまで守ってやったのだよ。それくらい許したまえ。」

 

 とビナーが返す。

 

「はぁ…まあ良いか。ビナー!イプシロンを私の近くに寄せろ!」

 

「…!なるほどな。わかったよ。『劣化した柱』×8」

 

 その瞬間、柱がビナーの周りの8方向に現れ、発射される。

 

「『劣化した鎖』」

 

「くっ…!」

 

 イプシロンが避けたと同時に鎖で捕まえ、アルファ達が固まっている一箇所に投げ、身動きをさせにくくする。

 

「さあ…覚悟はできたか?

 

・・・

 

 場面はまた変わってアレクシア達の方へ。ゼノンが赤い錠剤を飲み、シャドウと相対していた。

 

「この力を制御できる者こそ選ばれし者。ラウンズの資格を得るのだ!」

 

 ゼノンは禍々しい魔力を出す。

 

「最強の力を―

 見せてやろう!」

 

 シャドウに突きにかかるが…

 

醜いな

 

 相当な余波があっても、シャドウは余裕でゼノンの攻撃を防いでいた。

 

「その程度で最強を語るな。それは最強への冒涜だ。」

 

 そうシャドウは吐き捨て、ゼノンの攻撃を弾く。そのまま追撃し、アッパーを繰り出す。

 

「ぐはっ…くそっ」

 

 アッパーをされた勢いのせいで、何歩か後ずさる。

 それでもシャドウはそのまま顔を何回も殴る。ゼノンが反撃をするが、それを軽々と避け、顎を蹴り上げ、そのままゼノンは倒れ込んだ。

 

「借り物の力で最強に至る道は―

 ないッ!」

 

 シャドウは上げた足を振り下ろして瓶を破壊し、そのまま魔力を開放した。

 

「おのれ…なっ!」

 

 シャドウとゼノンの周りが青紫色に光り、シャドウに線が走る。

 

「遊びは終わりだ。」

 

「「あっ」」

 

 青紫色のゾーンはアレクシアとアイリスの眼の前で止まる。

 

「なんだ、これは。これが魔力なのか?

 だが、こんな、個人の魔力でこんな…」

 

 とゼノンが圧巻されていると、シャドウが突然話しだした。

 

「かつて、核に挑んだ男がいた。

 

 男は肉体を鍛え、精神を鍛え、技を鍛えた。

 

 だが、それでも届かぬ高みがあった。」

 

 シャドウは続ける。

 

「しかし、僕は諦めるわけにはいかなかった。

 

 だから修行を重ねた果て、1つ、答えにたどり着いた。

 

 核で蒸発しないためには…

 

 

 

 

 

自分が核になればいい

 

 常人が聞くと、『頭おかしいんじゃねえの?』とか思われそうなことを言うシャドウに…

 

「くっ…この狂人があああっ!」

 

 ゼノンが斬りかかるが、シャドウの身体と接触した瞬間、剣が砕け散った。

 

「あっ…ひ、ひぃ…」

 

 ゼノンはへたり込み、シャドウは剣を高く上げる。

 

「真の最強をその身に刻め。」

 

これぞ我が最強

 

 

 

アイ…

 

 

 

 シャドウが渾身の技を繰り出そうとしてる時、カーリーも技を繰り出そうとしていた。

 

「私を巻き込んだ自分を恨むんだな。」

 

 

 

アム… 大切断…

 

 

「『アトミック』」 「『横』」

 

 その瞬間、シャドウが放った技で周りが消し飛び、カーリーが放った技で、斬った先にある建物が横に斬れる。

 

「あっ…ああっ「アレクシア!」」

 

 余波で崩れている下水道から、アイリスはアレクシアを守るために抱き寄せ、身を包む。そしてゼノンは、シャドウの技が直撃し、蒸発した。

 カーリーはアルファ達を斬った途端、横から凄まじい光を感じた。

 

「なっ!?なんだこれはっ…!」

 

「…ふむ。」

 

 カーリーは慌て、ビナーは興味深そうに鼻を鳴らす。

 

「お前ら、なにかし…って!いねえじゃねえか!どこに行きやがった!」

 

「落ち着け。シャドウガーデンとはまた何処かで合うだろう。その時に倒せば良い。今はアレクシア達の所に行くのが最優先だと思わんか?」

 

 と、怒り狂っているカーリーに対し、ビナーはそう冷静に告げた。

 

「…それもそうだな。行くぞ。」

 

「ああ。」

 

 カーリー達は、青紫色の光の柱の中心部に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ…はあっ…」

 

「!?アルファ様!」

 

 ミツゴシ商会の屋上の一室に、アルファ達は死物狂いでたどり着いた。そんなアルファ達の身に、ガンマが駆けつける。今回は運良く転ばなかったらしい。

 

「今すぐ治療します!総員、救済処置を!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 ボロボロのアルファ達を、シャドウガーデンの隊員は早急に治療を開始するのであった…

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 光の柱のギリギリ範囲外の所に、アイリス達はいた。

 

「アレクシア…大丈夫?」

 

「…はい、姉様。」

 

 アイリスはアレクシアに覆いかぶさるのをやめ、仰向けに寝転がる。相当疲れたらしい。そんなアイリスに、アレクシアは立ち上がって話しかける。

 

「ねえ、姉様。」

 

「…どうしたの?アレクシア。」

 

「…私ね、」

 

 そこで一旦とぎり、剣を持つ。そのまま高く上げ、

 

「彼の戦いを見て、自分はまだまだなんだって思った。」

 

 振り下ろす。

 

「でもね、」

 

 様々な斬り方を試す。

 

「彼のお陰で、また自分の剣を好きになれた。

 もっと強くなりたいって思った。だから…」

 

 そしてアレクシアは、剣を下ろし、アイリスと向き合って、笑顔でこう言った。

 

「また私と鍛錬し合って、剣術を教えてくれる?姉様。」

 

「…!」

 

 久しぶりに見た、心の底からの笑顔に、アイリスは…

 

「勿論よ。アレクシア…!」

 

 涙ぐみながら、そう答えた。

 

「アイリスー!アレクシアー!」

 

「「ハッ」」

 

 二人を呼ぶ声に、アレクシア達は気づいた。声のした方を見ると、

 

「いた!見つけたぞビナー!」

 

「わかったわかった。見えているから、そう慌てなくても良い。」

 

 カーリーとビナーがいた。アレクシアは、何故調律者がいるのか疑問に思ったが、カーリーと仲良さそう…?に見えて、仲間だと思い、その疑問はそっと心の奥にしまった。




なんとか終われました。取り敢えずブシン祭終わるまでは、自分の身になにもない限りは頑張って書きますので、応援のほど、よろしくお願いします。

書き方アンケートは次回が出るまでとさせていただきます。協力お願いします。

誘拐事件後の休題を挟んでから、学園襲撃事件の方に入らせていただきます。

聖域編すっ飛ばしてブシン祭行っても良い?

  • いいよ!
  • だめ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。