豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ〜天才が馬鹿に操られながら秀才と戦ったら可笑しな事になった〜   作:モッチー7

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前回のあらすじ

バッレバレの罠でオラウ達を包囲するベネット男爵。と言うか解り易過ぎ……
既に見抜かれている罠を自信満々に語りつつオラウ達を捕らえようとするベネット男爵に対し、豪遊のなんたるか、国の幸せのなんたるかを語ってベネットが自分だけ助かりたいが故の事だと指摘します。
そうすると……
「俺達だってなぁ……本当はエイジオブ帝国の無礼な侵攻に対して徹底抗戦したかったよ!でもなぁ……元はと言えば、お前達ムソーウ王国が不甲斐無いからこうなったんだろうが!?俺はな!お前達ムソーウ王国に憧れて必死に戦技を覚えたんだぞ!それなのに……それなのに……お前達がくだらない連敗をしたせいで、俺達は戦わずしてこの国を明け渡さなければならなくなったんだぞ!どいつもこいつも……もっと真面目に戦えよな!お!」
ベネットの配下であるトクミツ・ミツナリがムソーウ王国の連敗に対して逆ギレし、溜まってた鬱憤を全て吐き出し、ベネットを殺してムソーウ王国に寝返ってしまいました。
そして、ベネットがエイジオブ帝国に寝返るの黒幕であるヨツメを捕らえ、十字路の真ん中で全裸仰向け大の字にするのでありました。

へべく!


第12話:農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』登場!

ベネット男国から帰って来た私達ですが……

「つまり……成果は無しと?」

ギョクサイ姉上の笑顔が歪む。

ま、隣国に助けを求めに往って既にその隣国が敵になっていたのだから、顔が歪むのも無理は無い……

「トクミツ・ミツナリです。今日からムソーウ王国でお世話になります」

「あ、わざわざどうも」

一応トクミツとその部下達を得たものの……と言った感じだからなぁ……

「それより、アニマが変な物を見てしまったらしくてな」

「変な物?」

ただでさえ隣国ベネット男国がとんでもない役立たずだと言うのに、エイジオブ帝国は今度は何を企んでおる?

「オラウさーん!」

噂をすればだ。

「アニマ、いったいエイジオブ帝国の何を視た?」

「水源が、水源がこっちに向かってるんだよ!」

「……水源?」

「信じられないかもしれないけど、エイジオブ帝国が作った戦艦の甲板に町が在るんだよ!」

……街?

船の真上にか?

三国志には楼船と言う馬鹿デカい船が在ると聴くが、それだって船の上に楼閣が有る程度の筈じゃ。

それなのに街って。

「確かに嘘に聞こえるかもしれないけど、甲板に町の中心が1つ、粉ひき所2つ、家が10個、畑が6つ、港が2つ、射手育成所が1つ、包囲攻撃訓練所が1つ、防衛塔が4つ、砲台が8つ在るんだよ!」

あのアニマが何故この様な事を?

でも、豊臣秀吉(わたし)達はアニマの動物を操る魔法に何度も救われた。

それに、仲が悪いとは言えエイジオブ帝国は姉の仇だ。

アニマがムソーウ王国が不利になる様な嘘を言うとは思いたくない。

「で、その町の名前が水源だと言うのか?」

「そう。その船に乗っていた農家がそう言っていた」

んーーーーー。

色々と謎が多い報告だのう……

 

一方、全裸で晒し者にされたヨツメがクーデタードア実行用資源収集用砦に戻ると、

「ヨツメ隊長。本国から指令書が届いております」

「指令書!?」

嫌な予感がするヨツメは慌ててその指令書を奪うと、

「……なんだと……なんだと……なんだと何だと何だと何だとおぉー!……これは……本物か!?」

「はい」

その途端、ヨツメは愕然とした。

「そんな……あの糞女めぇ……」

本当ならこの忌々しい指令書を破り捨てたいヨツメだが、その程度で今回の命令が覆るとも思えない。

でも……

「行きたくねぇぞ。それに―――」

その瞬間、背後から殺気を感じたので慌てて振り返ると、伝令兵が吹き矢を構えていた。

「本当に行かない御心算か?」

嫌な予感がしながら訊ねるヨツメ。

「行かないと言ったらどうする?」

「その時は、貴方様を殺せとの仰せです」

「もし……この俺に返り討ちにされたら?」

「この私が1ヶ月以上も本国に帰らなかったら、次が来るだけです」

「次……」

つまり、ヨツメに今回の指令の拒否権は無いと言う事である。

「だが―――」

「つべこべ言わず、ここで死ぬか指示された場所に向かうかしてください」

無慈悲な伝令兵にドン引きするヨツメ。

でも……

「しばし待てとお伝えください。必ずや敵将オラウを捕らえますので」

ヨツメにとって、この指令書に書かれている内容は、懲りずにウジウジグダグダブーブー言いたくなる程気に入らない内容だった。

「つまり、この俺が敵将―――」

「駄目です。殺しますよ」

「お主が『ヨツメ大隊長が必ず敵将―――」

「これはイナオリ様の勅命です」

「俺が敵―――」

「いい加減に出発の準備をしてください!」

諦めの悪いヨツメと忠実で融通が利かない伝令兵の長々と続く押し問答に、当の伝令兵は我ながらドン引きした。

「テメェが本国に帰って、この俺が敵将ヨツメをとっ捕まえるのを心待ちしていれば良いだけの話だろ!いい加減にしないと殺すぞ!」

(いい加減にして欲しいな。指令書に書かれた場所に向かえば良いだけの話なのに)

 

その後、豊臣秀吉(わたし)はサカシラ兄上と共にムソーウ王国軍の現状を再確認していたのだが……

「ものの見事に……空っぽ(・・・)か」

そうなのだ。

人の味を知り過ぎた熊の様な父上のマヌケな戦術に賛同した部将以上の将校は、その大半がエイジオブ帝国の接待戦法にまんまと引っ掛かって……

寧ろ、父上とギョクサイ姉上がまだ生きている事が奇跡と言える程の……

……

……

……

……考えるだけで気が滅入る……

そこへアニマがやって来て、

「オラウさん!大変だよ!」

「どうしたアニマ?」

「水源がやって来た!今!水源がカイジンニキス港国を襲ってる!」

「水源って、アニマ殿が言っていた街を内蔵したキャノンガリオン船の事ですか?」

「そう!その水源!」

と言われても、皆は半信半疑。豊臣秀吉(わたし)ですら信じ切ってやれない。

だが、あのアニマが今更豊臣秀吉(わたし)に嘘を言うとも思えない。

「……私が行きます!」

「行くって……カイジンニキス港国にか?」

「はい。やはり実際に視ないと真相は解りません」

で、アニマの言う水源を視に部隊を率いてカイジンニキス港国へと向かうが、その途中に当のカイジンニキス港国の使者と思われる人物に出会い、

「貴方方はまさか、ムソーウ王国の軍勢か!?」

「如何にも。豊臣秀吉(わたし)はオラウ・タ・ムソーウ。水源なる謎の船がカイジンニキス港国に向かっていると聞いて向かっているところです」

豊臣秀吉(わたし)の言葉に使者は大喜びする。

「おー!天の助け!今直ぐ我が国に漂着した()の投石を止めて頂きたい!」

え?……島!?

船じゃなくて?

私は船って聴いていたんだけど!

それとも……

いやいや!

流石にそれは非常識過ぎるだろう!

 

だが……豊臣秀吉(わたし)は自分の目を疑った……

水源に襲われたと思われる港町近くに櫓を築かせてそこから望遠鏡で覗いて視たが……何じゃこの大きさは!?そして非常識さは!?

敵船の甲板の上に乗っていたのは、正に農村だった!

「あれが……水源?」

甲板に農村を乗せた鉄甲船が備えた大筒で港町を砲撃しているのだ……悪夢かこれは!?

しかも……

「お願いです。ムソーウ王国自慢の突撃戦法をもってあの島を!」

あの馬鹿デカい鉄甲船の頭は北条氏政より賢い様で、

「何をしているのですか!早く、早くあの島を沈めて下さい!」

あえて自分達の破壊力を魅せ付ける事で、籠城戦が得意だと過信する堅城の欠点である長期戦を封じて短期決戦に持ち込んで来おった!

現に……例の使者は豊臣秀吉(わたし)にさっさと農村を乗せた鉄甲船を沈めろと叫ぶ。

いや……流石にそれは……

「ごめんなさい……時間を下さい」

その途端、豊臣秀吉(わたし)を役立たずと見下した使者からの罵声が飛ぶ。

「あんた……あんたはムソーウ王国の誇り高い将校じゃなかったのか!この期待外れの嘘吐きー!」

腹ただしくはあるが……あんな化物相手に無策で突撃して配下の兵士達を無駄死にさせる訳にはいかんのだ……

許してくれ!

 

結局、カイジンニキス港国の港町の惨劇を聞かされ、農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』に行く破目になってしまったヨツメ。

「流石……仕事が遅いだけあって到着も遅いですねぇ?」

「ふざけるなメッガーネ!貴様はのうのうとスイゲンの市長をしてりゃあ良いんだよ!」

「ふざけるな?ベネット男国で行われた『エラ寸止めの刑』が悪ふざけじゃないと?」

その途端、ヨツメが悔しそうかつ恥ずかしそうに両手で股間を隠す。

「ど……どの道あの糞女は俺に取っ捕まって全裸で地下牢生活なんだ。テメェがしゃしゃり出る程の隙間はねぇんだよ!」

だが、メッガーネと呼ばれた男性はヨツメの言い分を一蹴する。

「その割には負けが過ぎませんか?ベネット卿戦死の噂もありますからね」

返す言葉も無く、ただ悔しそうに両手を力強く握るだけのヨツメ。

「あぁー、忘れていました。既に指令書に書かれていると思いますが―――」

ヨツメは、スイゲンに到着してしまってもなお、指令書に書かれたある事だけは認めたくなかった。

「あれは!……無効だ!あの話は!無い!」

「その言葉、イナオリ殿の前でも言えますかな?」

諦めの悪いヨツメは、指令書の内容に対するある疑念を口にした。

「あの指令書、本当はお前が偽造したんじゃねぇのか!」

だが、メッガーネはそれを否定する。

「だとしたら、何でわたくしが『代理』なのです?」

「ぐっ!」

「それに、あのハンコをどうやって盗めと?」

「ぐっ!」

それでも諦めの悪いヨツメは認めないが、メッガーネは冷酷に指令書の内容を復唱する。

「今日より!ヨツメをヨツメ大隊所属中隊長とし、メッガーネをヨツメ大隊大隊長代理とす!」

「ぐおおぉーーーーー!」

ヨツメが悔しそうに咆哮する中、待たされた状態の伝令兵が苦言を呈する。

「ヨツメ様にメッガーネ様!急ぎ指令書通りの人事を遂行して下さい!」

「ああ、そうでしたそうでした」

無論、その様な事をすれば自分の降格に繋がりかねないので猛反対するヨツメ。

「だあほかお前は!?この偽りの指令書を誰が捏造したか知ってて言っているのか!?」

だが、伝令兵はきっぱりとヨツメの悪足掻きを一蹴する。

「その指令書、イナオリ殿より直接預かった物です。つまり、この人事もイナオリ殿の作戦―――」

「ちっがあぁーーーーーうぅーーーーー!この贋作はなあそこのメッガーネが―――」

「いい加減にしてください。その様な事をしている暇が有ったら、さっさとその指令書に書かれている通りの人事を行ってください」

ヨツメの悪足掻きと伝令兵の正論がぶつかる中、メッガーネが高らかに宣言する。

「と言う訳で、これからはわたくしめが仕切ります……お覚悟を!」




メッガーネ・グシラ

年齢:46歳
性別:男性
身長:172.6cm
体重:74.4㎏
職業:市長
趣味:園芸、品種改良
好物:野菜、海鮮料理
嫌物:生肉料理
特技:演説、町内会運営

エイジオブ帝国農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』の市長。だったが、失敗続きのヨツメに痺れを切らしたイナオリの命令でヨツメ大隊大隊長代理を兼任する事になった。因みに、当のヨツメは中隊長に降格した。一人称は「わたくし」あるいは「わたくしめ」。
丁寧な言葉遣いながらもマッドサイエンティスト染みた雰囲気を持っている。オラウ曰く「北条氏政より賢くて戦上手」。が、ヨツメ大隊大隊長代理を兼任以降はヨツメに翻弄される苦労の多い指揮官に成り下がってしまった。
イメージモデルはキャノンボーグ【爆上戦隊ブンブンジャー】。
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