豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ〜天才が馬鹿に操られながら秀才と戦ったら可笑しな事になった〜   作:モッチー7

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前回のあらすじ

ベネット男国の裏切りを裏で操っていたヨツメを徹底的に辱めたオラウであったが、そんなヨツメにとんでもない指令がやって来ます。

今日より!ヨツメをヨツメ大隊所属中隊長とし、メッガーネをヨツメ大隊大隊長代理とす!

なんとかして指令書に書かれている降格指令に従う前にオラウを捕らえて辱めようと何度もダダを捏ねますが、メッガーネが市長を務める農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』が圧倒的な破壊力でカイジンニキス港国を大混乱に陥れ、ヨツメの異論と反論を完全に封じてしまいました。

へべく!


第13話:長期戦が足りない……

で……カイジンニキス港国を襲った『水源』に対してどう突撃しようかと話し合っているのだが……

豊臣秀吉(わたし)はあんな化物の様な城相手に正攻法なんかしとうないぞ!

「ですが!このままあの島を野放しにすれば、カイジンニキス港国が灰燼に帰してしまいますぞ!」

「だが、あの島に近付くのはかなり難しいかと」

「では何か!?あの島を野放しにしろと言うのか!?」

「あの島を野放しにするなと言ったのは貴方ですぞ?だからこそ、今回の突撃は慎重かつ丁寧に―――」

「その間も、カイジンニキス港国はあの島からの投石によってどんどん壊されておるのですぞ!」

「だからこそあの島に絶対に勝たねばならないんでしょうか!」

ドウカァー、アンタ少しうるさい。

あれは間違いなく多数の大筒を備えた鉄甲船!しかも、甲板に農村を乗せているから兵糧攻め対策も完璧!

正に……海の上を移動する小田原城……

アニマが必死に例の鉄甲船の弱点を探しておる様じゃが……流石に今回ばかりは期待がまったくできん!

エイジオブ帝国にその様な切り札が有るとはねぇ……

……駄目だ……豊臣秀吉(わたし)ですら良いアイデアがまったく浮かばん!

「トクミツ殿、其方の慎重論もよく解りますが、やはりカイジンニキス港国を破壊して回っている島を急ぎ倒して欲しいのだ」

サカシラ兄上!?アンタいったい何を言ってんの!?

「何でそんなに急がれるのですか!?あの島に敗ければ、今までの戦いは全て無駄になりますぞ!」

トクミツの言葉に、サカシラ兄上は困った感じで溜息を吐いた。

「時間が無いのだ」

「時間とは?」

「このままでは、カイジンニキス港国がエイジオブ帝国に下るかもしれんと言う事だ。そうなる前にあの島と決着を着けねば、我々ムソーウ王国は今度こそジリ貧になる」

……その手があったか……

あの化物の様な馬鹿デカい鉄甲船相手に短期決戦なんかしとうないのに……

 

ムソーウ王国が農村搭載機動キャノンガリオン船『スイゲン』とどう戦うかを悩んでいる中、当のスイゲン市長のメッガーネが自信満々に自身の自己分析をヨツメに聴かせていた。

「つまりです。オラウ・タ・ムソーウが他のムソーウ王国将校とは比べ物にならない程強敵なのは、彼女が長期戦が得意だからなのです」

「何を言っておる?ムソーウ王国の常套手段をもう忘れたか?」

「もう忘れたのはオラウの方です。その証拠に……ヨツメさん、貴方が滞在していた砦は何度オラウに突撃されましたか?」

「ぐ!……」

確かに、メッガーネの言う通りオラウはムソーウ王国伝統の無謀な突撃戦法を無能だと忌み嫌っていた。

「だ……だが、突撃以外の戦法が出来ない状態で砦に長期戦を挑んで、オラウの奴に何の得が有る?」

見苦しい言い訳を繰り返すヨツメに対し、メッガーネは皮肉を込めた質問をした。

「それを最も知っているのは……実際にオラウの長期戦戦法を何度も味わったヨツメさんの筈ですが?」

「だ……黙れ!どの道、オラウはこの俺に取っ捕まって全裸で地下牢暮らしなんだよ!」

「それに」

「『それに』!?」

「ムソーウ王国国王出陣を理由に不要となって本国に強制送還となったイェニチェリが、オラウ・タ・ムソーウを討伐すべく再びムソーウ王国に進撃するそうです」

その途端、ヨツメは目玉が零れ落ちそうな程瞼が全開になった。

「なななななにぃー!?スイゲンだけでは飽き足らずイェニチェリまでムソーウ王国(ここ)に来るのか!?」

そんなヨツメとメッガーネの口論を聞かされている伝令兵は、呆れながら口を挟んだ。

「そんな事より、いい加減命令書通りの人事を行ってください!イナオリ軍師の勅命ですぞ!」

「私はヨツメ大隊大隊長代理を務めている心算―――」

()げえよ!ヨツメ大隊大隊長はこの俺!ヨツメ様なんだよ!」

「違います!御2人ともいい加減にしてください!ヨツメ様がヨツメ大隊所属中隊長で―――」

()げえのはテメェの方だよ!ヨツメ大隊の大隊長はこの俺!ヨ!ツ!メ!様だ!」

「だから!いい加減に命令書通り」

その途端、ヨツメは生真面目でしつこい伝令兵を斬首した。

呆れるメッガーネ。

「何で事を……後でどうなっても知りませんよ?」

「知るか!こいつが悪いんだ!ヨツメ大隊の大隊長はこの俺だ!」

「あ、そうですか。では」

ヨツメの激怒など気にせずにヨツメに命令するメッガーネ。

「このチラシをカイジンニキス港国全土にばら撒いて下さい」

「この俺に命令するなメッガーネ!ヨツメ大隊所属と言う事は、お前がこの俺に従うんだよ!」

対して、メッガーネは気丈に答える。

「『栄えあるスイゲンの市長を務める私を脅して来た』と、エイジオブ帝国本国に報告させて頂きますが、よろしいのですね?」

「本国だと!?」

と権力で脅し返されて脂汗を流して狼狽えてしまうヨツメ。

「本国は駄目だ!」

「ならば……このチラシをカイジンニキス港国全土にばら撒いて下さい。何としてでも、オラウ・タ・ムソーウに短期決戦を挑むのです!」

ヨツメは渋々チラシの内容を見た。メッガーネに体よく使われている事に悪態を吐きながら。

「クソが!」

が、肝心のチラシの内容に驚愕するヨツメ。

「……これは!?」

「言った筈ですよ?私はオラウの長期戦戦法を封じると」

改めてメッガーネに自分の地位を奪われるのではないかと不安になるヨツメであった……

 

「3日後だと!?」

豊臣秀吉(わたし)は愕然とした……

「はい。オラウ様が先日慰み者にして辱められた者が、カイジンニキス港国内でばら撒いていたチラシです」

アニマから渡されたチラシを視て、豊臣秀吉(わたし)は更に愕然とする。

そこには総攻撃の予定日が書かれており、それまでにムソーウ王国かエイジオブ帝国かを決めよと……

「事実上の降伏勧告ではないか!」

サカシラ兄上もギョクサイ姉上も頭を抱えている……お気持ちお察しします。

「ならば!あの島を倒して我々ムソーウ王国の―――」

ドウカァー君、ちょっと黙ってくれるかな。

「そんな事は言われんでも解っている!」

サカシラ兄上の怒号がドウカァーの言い分を遮った。それくらいサカシラ兄上が焦っていると言う事なのね……

元寇への対応に当たった北条時宗殿の苦労が、今なら手に取る様に解る。

ああ、拾は無事だろうか?海の向こうから来る連中に……

って現実逃避してる場合ではありませんわ!今はそれどころでなくって!

 

結局、水源に対して大した対策を思う浮かべる事が出来ず……

アニマにカイジンニキス港国の事を調べさせながら、豊臣秀吉(わたし)はカイジンニキス港国の中を散策していた。

勿論、私を観る目も非情に厳しい。あわよくばこの私を倒してエイジオブ帝国からの評価を良くしようと考える輩さえいた。

結局……どんなに策を弄しようと、今回の水源の様な巨大かつ強大な力の前では無力と言う事か……

その時、アニマからとても小さい情報がもたらされた。

「山賊が暴れてる?」

カイジンニキス港国の中で略奪を繰り返す山賊がおり、その者達に奪われた砦は1つや2つではないらしい。

エイジオブ帝国にとってはそんな山賊の方が戦い易いだろうな。

奴らは豊臣秀吉(わたし)と違って砦を奪う事に躊躇しないから、砦を奪われると見せかけて敵を死地に追い込む作戦には最適な敵だろう。

ただ、あのアニマが行う報告だ……何かあるのだろう……

いや……

何かあると信じたいだけなのか?

「ってえぇーーーーー!エイジオブ帝国が使う変な鉄の棒の様な武器を使ってるだってぇーーーーー!?」

それってつまり、その山賊は鉄砲を知ってる!

エイジオブ帝国から奪ったのか!?

それとも自力で鉄砲の存在に辿り着いたのか!?

ま、明らかに前者だろうが、それでも構わない!

サカシラ兄上同様にこのムソーウ王国に新しい風を吹かせる逸材かもしれないその山賊に逢いたい!

そして仲間にしたい!

 

その後、丸1日使ってその山賊を探し出して豊臣秀吉(わたし)は彼らと面会した。

エイジオブ帝国がカイジンニキス港国を総攻撃するまであと2日。

この面会―――

「ん?お前、女のクセに我が知っている猿に似ているな?」

え……こいつ……もしかしてあいつの生まれ変わりか!?

「……信長様?」

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