豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ〜天才が馬鹿に操られながら秀才と戦ったら可笑しな事になった〜 作:モッチー7
国王の鎧袖一触な突撃の連続を観たオラウは……改めてムソーウ王国の弱さを思い知ります。
そして、オラウの予想通り、国王が率いる部隊の後を追う白服達は、一般兵を誘惑する反乱誘発要員!結局、国王までエイジオブ帝国のクーデタードアに敗れ、裏切り者達の攻撃を受けてしまう。
そして追い詰められるオラウ……の様に見えましたが……
そこはアニマが事前に助けたムソーウ王国第二王女の『ギョクサイ・ヨ・ムソーウ』が裏切り者達を撃破!とってもいい気味。
その後、負傷した国王を連れて王都に戻ったオラウは、新たな国王を擁立すべきだと進言!
その候補として、オラウは自分でもギョクサイでもなく、ムソーウ王国にとっては予想外の者を推薦しました。
「ムソーウ王国第二王子、サカシラ・ガ・ムソーウ兄上こそが、ムソーウ王国国王に相応しいと判断する!」
へべく!
ギョクサイが矢を5本同時に放って反乱分子100人程を失神させると、たったそれだけで反乱軍は蜘蛛の子散らす様に一目散に逃走した。
「あ!?コラ!早く戻れ!このまま無謀な突撃にお前達を使い潰されて良いのかぁー!?」
エイジオブ帝国の刺客と思われる例の白服が必死に逃げる反乱軍を呼び戻そうとしているが、立ち塞がるギョクサイの圧倒的過ぎる強さの前に、命賭けで戦おうと考える者は、反乱軍の中にはいなかった。
「後は……お前だけだ」
敗北した白服は、ギョクサイにあっさり捕まって牢獄に連行された。
「……オラウの言う通りだったな」
ギョクサイの言葉にドウカァーは首を傾げた。
「それは、この似非聖職者が国民の反乱を誘発している……と言う事でしょうか?」
それに対し、ギョクサイは頭を横に振った。
「いや、それだけではない」
実は、反乱に参加した国民はムソーウ王国の現状に対してそこまで不満じゃなかったのだ。
それは、ムソーウ王国国王の善政と人徳がなせる技である。ただ、極端な突撃至上主義と戦術不足が問題だった。
つまり、ムソーウ王国の国民は、反乱を強く決意する程追い詰められていなかったのだ。
「だから……ちょっと脅して実力差を魅せてやれば、反乱軍は命を惜しんで直ぐに瓦解する。『頑強な美学か野心を持たぬ者は、自分の命をドブに捨てる程の頑固さは無い』。オラウの言う通りだったな」
そこへ、アニマが補足する。
「反乱や革命には敗北の危険を伴います。そして、敗北すれば反乱や革命に参加した人達の多くは見せしめの為に殺されます。だから、現状維持ですら命の保証が無い状態でなければ、反乱軍は本気で戦わないんです」
そんなギョクサイやアニマの説明を聴いて鼻で笑うドウカァー。
「所詮は強引な放火では大火災は不可能と言う訳ですか?」
だが、アニマはそこまで楽観的ではなかった。
「でもそれは、まだ誰も死んでいないからですよね?」
そんなアニマの言葉に、ギョクサイは困惑しながら頭を掻いた。
「そこだな……今回の作戦の1番難しい所は」
で、アニマに百姓一揆擬きの説得を任せた
「はー。ムソーウ王国王都も壮大であったが、ここも凄いなぁ」
なんでも、チュウオウ学国は建国初期の時代から学問と言うモノを重視し、世界中の書物が集まっている学問の中心点だそうだ。
だから、他国から多くの者達が更なる知識を得る為に集まり、それがチュウオウ学国の経済を自然と押し上げていた。
そんな学問の総本山と言える学園都市に、この世界における
「まさか……人の味を知り過ぎた熊の様な父上に、そこまでの知恵が有ったとは……」
本人に聞かれたら必ず血が流れるぼやきをつい言ってしまった
「この学園には、他国の貴族の子供や王族の子孫が多く送り込まれているから、流石のエイジオブ帝国もチュウオウ学国侵攻を焦って連合軍の様な存在を生む様な愚策は避けるか……」
だがそれも……マッホーウ法国やムソーウ王国の様な強大で有名な大国が滅びれば解らない。
「父上も……もっと思慮深く戦ってくれれば……」
そう思うと、無性に腹が立った!
「他の国にも迷惑なんだよ!エイジオブ帝国の思う壺なんかしやがって!」
そして、
「あ……失礼しましたぁー♪」
……恥ずかしいぃー!
ガッケン学園の図書館に到着したが……下手な城よりデカいぞ!
流石に世界中の書物をかき集めたら、必ずこうなるか……目的の物を探すのも苦労するぞ!
と言うか、それ
「失礼しまぁーす」
が……改めてガッケン学園の大きさに私は圧倒された……
は!
豊臣秀吉であるこの私がか!?
……だよな?
……何だか不安になって来た……
「オラウか……お前も遂にムソーウ王国を追い出されたか?」
幸い……私の探し物は直ぐに見つかったらしい。
ムソーウ王国第二王子、サカシラ・ガ・ムソーウ。
ムソーウ王国の部将以上の将校は鎧袖一触な一騎当千でなければならないので、王族は必然的に厳しく武術を教え込まれた。
この
だが、サカシラ兄上は違った。
サカシラ兄上はムソーウ王族にしては武勇に疎く、学問の方が性に合っている人だった。
だからなのか、誰もサカシラ兄上に敬意を払わず、寧ろ一騎当千の域に到達できない事を嘲笑ったのだ。
当時の私もその事に違和感と
だからなのか……日ノ本から来た
故に、
「兄上、貴方様をムソーウ王国に連れ戻しに来ました」
だが、当のサカシラ兄上は私の言葉に首を傾げていた。
「呼び戻す?ムソーウ王国を追い出され、ガッケン学園しか行く場所が無い私をか?」
「何故そう思うか?」
「父上に直接そう言われたのだ。武勇無き者に国王の資格無しと」
あの馬鹿熊ぁーーーーー!
百害あって一利なしな事を言いおってぇーーーーー!
……ん?
「ちょ!?ちょっと待って下さい!サカシラ兄上!」
「さっきの怒りで解ったよ」
え?……何が?
「君も、本当は武勇無き私に国王は務まらない事に気付いているのだろ?」
「いいえ!違います!」
「どう違うのだ?先程の怒り、私が武勇無き事への怒りであろう?」
本当にあの馬鹿熊は……
「では逆に訊きます。何故国王に武勇が必要なのですか?」
「それは当然、国を率いるからだ。それくらい―――」
「武勇以外の方法で国を率いる方法があるとしたら?」
「……何?」
あー……やっぱこの人もムソーウ王国育ちだわ。
武勇以外の統治方法がまったく思い浮かばんとは……
「国を率い統治するには、寧ろ武勇以外の物こそ最重要!と、
「……たとえは?」
「知恵と胆力。目の前の問題に真摯に取り組み、思い浮かんだ最善を迷い無く行えるか。それだけでは?」
「知恵?それが戦場に何の役に立つのだ?」
「知恵の使い道は山ほどあります!それに逆に訊きます。武勇が戦場以外に何の役に立ちますか?」
ん?あれ?サカシラ兄上、考えこんじゃったよ。
「……1つ訊く。君が総大将の後を追う形で進軍するが仕事である一般兵として考えて欲しい。もし常に先頭にいて軍を率いるべき総大将が敵に敗れた時、君は目の前の混乱をどう切り抜ける?」
来たね?ムソーウ王国育ちらしい質問が。
「答えはたった1つ!総大将が敵に討たれる前に、一般兵達が総大将の前に出るのです!」
「では何か?本来なら軍の先頭に立つべき総大将が、本来なら総大将の後ろにいるべき一般兵の背中に隠れろと?」
「その理由は……サカシラ兄上が既に申しました。万が一総大将が敵に討たれて軍が混乱したらどうすんだ!……と」
「つまり、本当に軍の行く末を案じている総大将は、何が遭っても生きて軍を率いて混乱を治めよ!……と」
「それだけではありませぬ!総大将を護る一般兵を1人も死なせぬ様知恵や策を絞り出す事もまた、一般兵の背中に隠れる者達の役目!」
ここでサカシラ兄上が遂に折れた。
「負けたよ。他の将校と同じ道を歩んでいた筈のオラウが、ここまで知恵に傾倒するとは思わなかったよ」
……前半部は正直言って心外だ。
この
「ただ」
「ただ?」
「そこまで聡明であれば、私なんかの力を借りずとも、ムソーウ王国を立て直す事が出来るのではないか?」
しまった!調子に乗り過ぎた!
大誤算じゃ!
じゃが、ここで折れる訳にはいかぬ!
「なら……こちらをご覧ください!」
「これは……先週の試験の順位表?」
「サカシラ兄上は成績優秀者と聞きます。故に連れ戻しに来たのです。貴方なら、私と違って戦場に行かされる心配は無いと判断しました」
「つまり、王はむやみやたらに戦場に往くなと?」
「はい。王や大臣の様な政治を司る者の戦う場は、命を容易に奪い消してしまう場所ではけしてならない。寧ろ、命を尊い敬うこそが政治の役目で御座いましょう!」
これ……自分で言ってて
あの男に秀次を殺させた時の
「本当に敗けたよ。白状するとな、私は国王になりたくなかったから武勇を捨てて知恵に傾倒したのだ」
あー、そうだったのかぁー。
やっぱ、以前のムソーウ王国と
「本来なら逆なのです。国を統治する者は、戦争が終わって武勇が無用となった時の為に知恵を蓄えるのです」
「武勇は戦場でしか使い道が無いが、知恵はどこでも使える……か。確かに国王の座を避ける意味では、権力を捨てる為に知恵に傾倒する私は矛盾だらけだったな」
その後、サカシラ兄上はムソーウ王国の新たなる国王になる事を決意してくれました。
めでたし。めでたし。
サカシラ・ガ・ムソーウ
年齢:17歳
性別:男性
身長:170cm
体重:57.8㎏
職業:王子 → 国王
趣味:勉学、読書
好物:静かな場所、親切、礼節
嫌物:悪意に満ちた権力、醜い政争
特技:知恵、無武勇
ムソーウ王国第二王子。
国王に任命される事を避ける為、武勇を捨てて知恵に傾倒し、思惑通りチュウオウ学国ガッケン学園都市への出向を命じられたが、ムソーウ王国がエイジオブ帝国に苦戦している事に加え、オラウに今までの行動の矛盾点を指摘された事で、彼は遂に覚悟を決めて国王になる事を決意した。