俺はーーマサラタウンのレッドだ。   作:ムキムキぷりん

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前回まさかのマサラからトキワシティまでを繋ぐ道が一番道路のはずがトキワの森である的な事を書いていた事に気付き、こっそり修正した今日この頃です。
本編、1万文字くらいです。まぁ…前回よりマシだな(当社比)。


第4話 栄光の始まり

22番道路での一件を終えてトキワシティのポケモンセンターに帰ったレッド。レッドがポケモンセンターの泊まっていた部屋に戻ると、イエローが心配そうに駆け寄ってきた。

 

 

「レッドさん!!大丈夫でしたか!?」

 

「……ごめん、散歩がてら22番道路まで行ってたらグリーンと会ってバトルしてた。」

 

「はぅ…良かったですぅ。レッドさんが居なくなっちゃったのかと思いました。」

 

「……心配かけたみたいだね。ポケギアで電話の一本でも入れておけば良かった。」

 

 

「ホントですよぉ…」とイエローが若干頬を膨らませながらレッドに言う。イエローを宥めた後、レッドはイエローと一緒にポケモンセンターで食事を済ませると、チェックアウトの手続きを済ませて出発した。トキワシティを出立したレッドとイエローは今日中にニビシティへ到着する事を目標に、2番道路とトキワの森の走破を目指す。

足早に2番道路を歩くレッドとイエロー。実は、トキワシティのポケモンセンターで朝食を済ませている間に、レッドはイエローと相談して2番道路は通過する事を決定していた。その際に、1番道路でレッドが捕獲していたコラッタやキャタピーが自分も欲しいとレッドに伝えていた事から、レッドはトキワの森にて二匹の捕獲を手伝う事をイエローに約束していた。

 

 

「あら?レッドじゃない。」

 

「……!ブルー、リーフ。」

 

「やっほー!!あれー?イエローちゃんと一緒に旅してるの?」

 

「……ああ。」

 

「ふーん。イエローとね。」

 

 

ブルーが少しつまらなさそうにレッドの言葉に反応する。レッドが女性から声を掛けられるのを聞くとイエローは一瞬、レッドの背中に隠れる。しかし、その相手がブルーとリーフであった事を視認すると背中から顔を覗かせた。

リーフは満面の笑みでこちらに近寄ってくると、ポケモン図鑑を開いた。レッドに自慢するように1番道路と2番道路で捕まえられるポケモンは全て捕まえたと言うと、レッドは無言でポケモン図鑑を見せる。レッドがリーフにポケモン図鑑を見せているのを傍目に見ていたブルーは、レッドが既に1番道路と2番道路で捕まえられるポケモンをコンプリートしていた事を視界の片隅で捉えると驚きの声をあげながらレッドに近寄った。

 

 

「え?アンタ、1番道路と2番道路のポケモンコンプリートしてたの!?」

 

「……捕まえるだけだったし。ただ、育ててるのはポッポだけ。今はもう、ピジョンに進化したけど。」

 

「レッド、もうポッポ進化したの!?すごー!!」

 

 

リーフがレッドの育成手腕に驚くと、若干誇らしげにムフーと鼻息を鳴らした。そして、レッドはグリーンとトキワシティの横にある22番道路で戦って勝利を収めた事もリーフに伝えると、リーフはレッドにポケモン勝負をしようと持ちかけた。レッドはこれに快諾して、どうせならブルーとタッグを組んで自分とダブルバトルして欲しいと頼んだ。

リーフは後悔しても知らないよ?と言いながら、余り乗り気ではない姉を強引に参加させると、モンスターボールを構えた。

 

 

「ったく、しょうがないわねぇ…。レッド、こっちは一人一匹で戦うから、貴方も2匹出しなさい。」

 

「………………!!」

 

 

リーフとブルーがゼニガメとフシギダネ(バナバナちゃん)を繰り出すと、レッドはピジョンとヒトカゲを繰り出す。レッドはヒトカゲを繰り出すと即座に腹太鼓(はらだいこ)を指示。ピジョンには、ヒトカゲの腹太鼓(はらだいこ)を援助するように砂かけ(すなかけ)を指示。ピジョンによる奇襲を受けたゼニガメとフシギダネはヒトカゲの行動を許す事になった。

 

二の矢としてヒトカゲに煙幕(えんまく)を放たせ、ピジョンに風起こし(かぜおこし)で煙幕を飛ばすように指示。そして、ゼニガメとフシギダネの動きを制限した上でピジョンの上にヒトカゲを乗せて浮上。場の制空権を確保したのであった。

 

 

「……ピジョン、下60°に下降。ヒトカゲ、正面に向かって龍の息吹(りゅうのいぶき)!!」

 

ゼニッ!?

ダネダッ!?

 

 

敵を撹乱して、可能であれば場の制空権を奪取。安全圏から、敵の位置を事前に予測した上で遠距離攻撃。シンプルだけど、強い。ソレイユさんからこの戦術を教えて貰ったお陰で、グリーンとの戦績が黒星続きから段々と白星に転じて…今では連勝を重ねている。

まずは、この戦い方をもっと極めよう。

 

 

「やるわね、レッド。流石は、グリーンに勝っただけあるわ。」

 

フシギダネ(バナバナちゃん)、まだ行けるよね?!」

 

ダネダッ!!

 

「……やっぱり、そう簡単には行かないか。」

 

 

撹乱はできたけど、その際に与えたダメージは浅かったか。まだまだ命中精度が低い…いや、敵の位置の予測が甘いと言った方が適切だ。現に、ピジョンとヒトカゲは自分の指示通りに実行してくれた。課題が多いな。

……ソレイユさんが教えてくれた、この戦術の根底にあるのは「最小限の力で戦いを終わらせる」がコンセプトとしてある。そう、言っていた。

交換不可の勝ち抜き戦などを想定した場合、どれだけ次のポケモンにダメージを与えつつ…相手の引き出しを見ておくかが勝負の鍵になる。勿論、交換不可の勝ち抜き戦という形式で行われるポケモンバトルはレアケースだが…自分の戦略や戦術を縛る最悪の状況を想定した戦い方を身に付けておく事は必要だろう。

ソレイユさんはこうも、この戦術を軸にする理由を説明していた。ただ、現状では敵を撹乱する術が少ない。となると、この戦術を多用する事はできない。そう考えれば、当分は近距離戦で地力を競い合う格好になりそうだ。さて、どうするか…。

 

 

「ゼニガメ、アクアリングよ!!」

 

ゼニッ!!

 

 

ゼニガメが水のベールに包まれる。ゼニガメがアクアリングによって体力を回復させたのを見ると、リーフはフシギダネ(バナバナちゃん)呪い(のろい)を指示する。

ブルーとリーフの行動を見たレッドは、レッドのピジョンとヒトカゲに打点を持つゼニガメの防御態勢を整えつつ、逆に二匹に弱点を突かれかねないフシギダネを前面に出して、フシギダネを攻撃した隙にゼニガメでカウンターを返す可能性があると予測。フシギダネとレッドのポケモンを倒して、どちらかと1vs1(タイマン)に持ち込むつもりなのだと悟った。

 

 

今、リーフとブルーにとって最悪なのは…ゼニガメが先に撃破されて、フシギダネを集中砲火する態勢にされる事あるいは…フシギダネとタイマンに持ち込まれる事だ。逆に言えば、倒す順番を間違えた時点でこちら側が不利に転じる。

先の奇襲攻撃で流れや勢いはこちらにある。ただ、だからと言って油断はできない。まずは、如何にゼニガメとフシギダネを分断してフシギダネから各個撃破するか。ここが重要だ。

 

こちらは腹太鼓(はらだいこ)によって体力が半減しているが攻撃力が最大限まで高められたヒトカゲと未だ無傷のピジョン。ヒトカゲは諸刃の剣だ。今のヒトカゲなら確実に片方は持って行ける。だが…問題は、展開次第でヒトカゲを一方的に持って行かれる可能性があるという事だ。

ヒトカゲが倒れる事は、こちら側の劣勢を意味する。おいそれと、ヒトカゲを前面に出す事はできない。が、しかし…残念ながらゼニガメ相手ではピジョンに打点があるとは思えない。相討ちという事も十分考慮できる。となれば、勝ち筋はヒトカゲとピジョンを残した状態でフシギダネを撃破し、二匹でピジョンを攻撃する。あるいは、ヒトカゲを失ったとしてもゼニガメを道連れにして、ピジョンとフシギダネのタイマンに持ち込む。この二つが主な勝ち筋だ。

だが、ゼニガメが電光石火(でんこうせっか)のような素早い攻撃技…特にヒトカゲの弱点である水タイプの技などを持っている場合は後者はほぼ不可能だ。それこそ、一転して劣勢に追い込まれかねない。となれば、この局面ではフシギダネの撃破を優先するしかない。

 

 

「………………!!ヒトカゲ、龍の息吹!!ピジョン、フシギダネに風起こし!!」

 

「……ッ!!ゼニガメ、フシギダネを守るのよ!!」

 

ゼニッ!!

 

「……!!ピジョン、電光石火(でんこうせっか)でフシギダネの懐に潜り込めッ!!」

 

ピジョッ!!

 

「……!!ヒトカゲ、ゼニガメとの距離を詰めて噛み砕くッ!!」

 

 

フシギダネを前に置き、背後にゼニガメ置く縦一線の隊列をとるリーフとブルーにヒトカゲの龍の息吹(りゅうのいぶき)で真正面から攻撃を行う。一瞬、ヒトカゲに注意を向けた間隙を縫ってピジョンの風起こし(かぜおこし)でフシギダネの各個撃破を狙う。

レッドが敢えて、ブルーとリーフの策略に釣られたフリをしてフシギダネを遠距離から各個撃破して安全にゼニガメを処理する考えを看破したブルーは、ゼニガメをフシギダネの盾になるように指示。しかし、レッドはピジョンに電光石火(でんこうせっか)でフシギダネの背後をとらせると、ヒトカゲを前進させて挟撃態勢を作る。

呪い(のろい)によって反応が鈍くなったフシギダネは、ピジョンの電光石火(でんこうせっか)に即応できず…背後からピジョンの風起こし(かぜおこし)を受けて倒れる。更に、背後の危機に気を取られたゼニガメは正面から勢いよく突っ込むヒトカゲの攻撃に反応できず、ヒトカゲの噛み砕く(かみくだく)を受けてよろめく。

レッドは、追い討ちとばかりにピジョンに電光石火(でんこうせっか)を指示して、ゼニガメは遂に倒れた。レッドの勝利である。

 

 

「………………!!」

レッドは小さくガッツポーズをした。

 

 

「ふぅ…レッド、強くなったわね。」

 

「わぁーこんな戦い方があるんだね!!」

 

「……漸く、完成したんだ。」

 

「レッド、ピジョンとヒトカゲ見せて貰って良いかしら?」

 

 

ブルーはレッドが育てたポケモンに興味が出たらしく、興味深そうにレッドのポケモンたちを眺める。イエローにもピカチュウ(チュチュ)を見せて貰って、イエローとポケモンの特徴や育成に関して話し合う。リーフはブルーと対照的に、レッドが扱った戦術面に興味があるらしくレッドに話しかける。

 

「……リーフは、ここまで野良のトレーナーとかと戦ってきた?」

 

「うんん。1回も戦ってないよ。」

 

「……野良のトレーナーとは、極力戦った方が良い。自分が頭で考える戦略や戦術って、やっぱりやってみない事には机上の空論だったりする事が多いんだ。」

 

「ふんふん。」

 

「……今回やった戦術だって、結局ここまでのものにするのに10人近く…ポケモンの数なら20数匹くらいと戦って漸く固まってきた感じだし。」

 

「なるほどな〜。それで、今回はどんな感じで戦ってたの?」

 

「……今回は普段あまりやらないダブルバトル形式だったから、少し変則的ではあるけれどーー。」

「……まず、出会い頭で先制攻撃をできる態勢をどう整えるかというのは念頭にあったかな。」

 

「今回だと、煙幕からの龍の息吹?」

 

「……そうだね。形はどんなでも良い、先制攻撃ができるって事は戦いの主導権を握るという意味に等しいから…理想は相手の動きを封じつつ遠距離から攻撃する。これを軸に考えてる。」

 

「そうなんだ〜!!でも、それなら最初の腹太鼓ってなんでやったの?」

 

「……アレはゼニガメへの打点を作るための布石かな。難点は、腹太鼓をすると相性が悪くても突破できるようになる代わりに体力が半減する事。だから、あの選択は割とリスキーだったなって、今では感じてる。」

 

「うんうん。でも、リスクを取らないと実を得られないって言うし、強ち間違いじゃないのかも…?」

 

 

ふふっ、最近のレッド…よく笑うようになったなぁ。ここ数年、ずっと何かに追い詰められたような顔してたから心配してたけど…良かった。

それにしても、ポケモンバトルの事を話してる時のレッド…凄い楽しそう。いつもよりトーンが高いし、ちょっと早口。

 

 

レッドとリーフがポケモンバトル談義で盛り上がっている横で、どうやらブルーとイエローはポケモン図鑑関連で意気投合していたらしい。ブルーの提案で取り敢えず、ニビジム戦までは一緒に旅する事になったレッドとイエロー。

2番道路を通過すると、トキワの森でレッド達一行は小休憩兼お昼ご飯に興じる事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レッドはブルーやリーフ、イエローが昼食の準備をしているのを尻目に、ピカチュウやヒトカゲ、ピジョン、ラルトス(サナ)エーフィ(エリア)をモンスターボールから出す。全員が出てきたのを確認すると、レッドはガサゴソとバッグからポケモンフーズと携帯栄養食品を取り出す。紙でできたお椀にポケモンフーズを盛ると、食べるように促す。レッドは彼らが食べた事を確認すると、バッグから取り出した携帯栄養食品を口にする。

 

 

「レッド、料理はしないの?」

 

「……ん?まぁ、携帯栄養食品で腹は膨れるし…作るのが面倒だからしないかな。」

 

「えー、携帯栄養食品ばっかりじゃ身体に悪いよ!!お姉ちゃん、レッドが携帯栄養食品ばっかり食べてるからちゃんとしたご飯食べさせてあげよ!!」

 

「……待て、俺はーー」

 

「ったく、アンタらしいというか…。イエロー、レッドってずっとこうだったの?」

 

「はい、ポケモンセンターで食事する時以外は携帯栄養食品で済ませる事が多かったですぅ。」

 

「ほら、これレッドの分だよ!!」

 

「……いつの間に…。」

 

「今日はカロスパンと野菜のポトフだよ!!おいしーよ?」

 

「……ふむ。」

 

 

レッドは手を合わせると、頂きますと言いながら一瞬目をつぶる。まずは、リーフが持ってきた野菜のポトフに箸をつける。

 

うん、美味しい。この人参の仄かな甘味が食欲をそそらせる。ベーコンを口に含みながら、ジャガイモやブロッコリーも口に放り込む。

……美味い。ジャガイモとブロッコリーは、一見すると無機質な味わいだがベーコンなどの()が強い食材と一緒に食べる事で無限の可能性を生み出す。こういった食べ方をすると、やはりジャガイモやブロッコリーというものは脇役的な扱いを受けて…ベーコンの旨みというか美味しさばかりが際立ちやすいが、真に見るべきはジャガイモとブロッコリーなのかもしれない。

常々思うんだ。味の強い食材というものは、それを引き立てる存在が居てこそ…その価値を知る事ができるんじゃないかって。だから、個人的な感想を述べるのであれば…ベーコンはジャガイモやブロッコリーと補完関係にある食材なのではないだろうか?

 

 

「ふふっ、おいしーでしょ!!それ、私が作ったんだ!!」

 

「………………!!」

 

「ポトフってベーコンとジャガイモを一緒に食べると箸が進むよね!!」

 

「………………!!」

 

「うんうん、そして〆はポトフのスープにカロスパンを漬けて食べるのが定番だよね!!お姉ちゃんには、汚いっていつも言われるけど…やっぱり美味しいよね!!」

 

「………………!!」

 

「レッド、お替りするでしょ?ほら、ボール貸して。」

 

 

……ああ、美味しい。

リーフの作ったポトフ…ここ最近の料理で一番美味しいかもしれない。

 

 

「レッド、アンタって食事する時いっつも無言よね。」

 

「でも、食事の時のレッドさんって…心做しか表情が豊かです。」

 

「ふふっ、レッドがご飯食べてる時って見てて飽きないよー!!」

 

「………………。」

 

 

リーフから渡されたポトフを受け取り、再び箸をつける。レッドは口元を緩ませながら、ジャガイモやらキャベツやらを口に放り込む。

レッドが食べ終わっても、リーフが「お替りするでしょ?」という問答を繰り返した事で作ったポトフの半分くらいはレッドが食べてしまった。

「レッドはもう食べられません」とでも言いたげに、お腹を摩る。

 

 

「レッド、満腹になった?」

 

「……うん、美味しかった。毎日でも食べたいくらいだよ。」

 

「……そっか、じゃあ明日も作るね!!」

 

 

満腹感を通り越して、若干お腹が痛くなったレッドはシートの上で軽く横になる。横になっていると、今度はなんだか眠気に襲われた。レッドがすやすやと寝息を立てて寝ていると、リーフはレッドの頭を膝に置く。

ブルーとイエローにレッドの事は自分が見ていると伝えると、彼女たちはイエローが欲しがっていたポケモンを捕まえに行くと言ってその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

瞼裏に鈍い光が差し込む。寝起きの水分不足で、若干頭がボーッとしながら意識がゆっくりと覚醒する。

 

あれ…横になっていたつもりが、いつの間にか寝てた。早くトキワの森を抜けて、ニビシティに行かなきゃ。

……なんか、頭の辺りに柔らかい感触が…。それと、誰かに撫でられてる?

 

 

「おはよう、レッド。よく眠れた?」

 

「……リーフ。」

 

「まだ、お姉ちゃん帰って来てないし、まだ寝てても良いよ。」

 

「……どれくらい寝てた?」

 

「うーん、数十分かな?今、13:00くらい。」

 

「……そっか、有難う。」

 

 

レッドの脇から鳴き声が聞こえる。エーフィ(エリア)がレッドに頬擦りをする。エーフィ(エリア)の頭を軽く撫でながら、顎の下を優しく掻く。

ゴロゴロと喉を鳴らしながら、レッドの胸の上で気持ちよさそうにお腹を出す。エーフィ(エリア)が愛おしくなったレッドは、堪らずエーフィ(エリア)を抱き寄せて吸う。エーフィ(エリア)はされるがままに、レッドが満足するまで身体を差し出す。

エーフィ(エリア)を吸うのに満足すると、ゆっくりと身体を起こす。リーフから水を貰って、水を飲むとブルーとイエローが帰って来るまでリーフとその辺を散歩する。

 

 

リーフとエーフィ(エリア)の三人で辺りを散歩したり、花飾りを作って遊んでいるとブルーとイエローが帰ってくる。

イエローにポケモンを捕まえる手伝いを約束したのに放り出して寝てしまい申し訳ないと謝罪すると、ブルーに「アンタって男は…」と若干嫌味を言われながらイエローに許して貰った。

その後、出発の準備を終えるとトキワの森を進む。トキワの森を出るまでに、レッドは10数人のトレーナーと戦闘し、リーフは数人のトレーナーと戦闘をした。トキワの森を出て、ニビシティに到着する頃には15:00を下回っていた。

 

 

「レッド、これからニビジムに行くんでしょ?」

 

「……うん。」

 

「じゃあ、イエローと私は先にポケモンセンターで部屋予約してるからリーフと行って来て良いわよ。」

 

「……良いの?」

 

「大丈夫よ。夕食は19:00くらいにするつもりだから、それまでには帰って来なさいよ。」

 

「……分かった。」

 

 

 

 

 

 

「……ここが、ニビジムか。」

 

「たのもー!!」

 

「……君たちは挑戦者だな。どちらから挑戦するんだ?」

 

「レッドからで良いよー!!」

 

「………………!!」

 

「そうか、君からか。俺はニビポケモンジムのリーダー タケシだ!!俺の固い意思は俺のポケモンにも現れる!!硬くて我慢強い。」

「そう、使うのは岩タイプばっかりだ!!君の事は調べさせて貰っている。そして、タイプ相性が有利なポケモンを一切持っていない事もな!!」

「フハハ!!負けると分かっての戦いか、それとも切り札あっての事か。何方にせよ、ポケモントレーナーの性だな。」

「良いだろう!!かかって来い!!」

 

「………………!!マサラタウンのレッド、参る。」

 

 

ジムリーダーのタケシが勝負を仕掛けて来た。タケシはイシツブテを繰り出す。レッドは、ヒトカゲを繰り出した。

 

「……ヒトカゲ、煙幕!!」

 

カゲッ!!

 

レッドは挨拶代わりに煙幕(えんまく)をお見舞いする。堪らず、イシツブテは後退する。レッドは続けて、右45°に向かって龍の息吹を軽く放つように指示。次いで、龍の息吹(りゅうのいぶき)で右手の煙幕が若干晴れたのを視認すると、レッドは矢継ぎ早に左30°から60°にかけての広範囲に龍の息吹(りゅうのいぶき)を指示。

龍の息吹(りゅうのいぶき)に捕捉されたイシツブテは、ヒトカゲの攻撃をもろに食らってしまう。イシツブテが龍の息吹(りゅうのいぶき)に被弾した事を彼の叫び声と共に知ると、ヒトカゲに突撃を指示。薄まっていく煙幕を勢いよく掻き分けて、ヒトカゲはイシツブテの懐に入り込むと、至近距離から龍の息吹(りゅうのいぶき)をお見舞いする。

ヒトカゲの絶え間ない攻勢に圧倒されたイシツブテは、僅か数分の戦闘のうちにダウンする。

 

 

「……守りを上回る絶え間ない攻撃。俺のイシツブテに反撃の暇を与えない、その攻撃…予想以上だ!!」

「前の少年といい、今年のマサラタウンの子供は有望株が多いな!!だが、これで終わる俺じゃないぞ!!」

 

 

タケシはダウンしたイシツブテを戻すと、イワークを繰り出した。レッドは、イワークに向けて先程と同じ様に煙幕を放とうとすると…タケシはそれを阻むように、イワークの巨大な尻尾でレッドのヒトカゲを捕まえるように指示。

レッドはヒトカゲに躱すように指示するも、ヒトカゲが躱すよりも早くイワークの尻尾捕まる。ヒトカゲは苦しそうに藻掻くが、イワークはヒトカゲが藻掻く程力強く締め上げる。

 

 

「………………!!」

 

「俺のイワークは、そこら辺のポケモンとはひと味もふた味も違う。悪いが、ヒトカゲにはここで退場して貰うとするよ。」

 

 

ヒトカゲを締め上げるイワークは、追い討ちとばかりに尻尾に捕まるヒトカゲの脳天に頭突きを食らわせる。ヒトカゲは悲鳴を上げながら、藻掻き苦しむ。

ヒトカゲの抵抗が弱まると、ヒトカゲを叩き落として地面に投げ捨てる。ヒトカゲはピクピクと痙攣しながら、顔に土を付ける。

 

 

「………………。」

「………………。ヒトカゲ、お前はそんなところで終わるポケモンか?お前は、ワールドチャンピオンになる男のポケモンだ。違うか?」

 

カ…ゲッ!!

 

「………………。そうだ、お前はこんなところで終わるポケモンじゃない。立て、立ち上がれッ!!俺たちは勝つんだ。この男に!!」

 

カ…ゲッ!!カゲッ!!

 

 

レッドの鼓舞に立ち上がったヒトカゲは、咆哮する。「まだ、俺はやれる。勝つんだ、俺は。」と言わんばかりにイワークを睨み付ける。ヒトカゲは完全に立ち上がると、咆哮と共に青く輝き始める。

 

 

「……まさか。」

 

 

青く輝いたヒトカゲは、リザードへと進化を果たす。リザードの尻尾の炎は、ヒトカゲ時代とは比べものにならない程に強く燃え盛る。ヒトカゲ時代には瞳に若干の優しさがあったが、今はギラギラとした熱い瞳をしている。彼の小さな背中には、「オレ達ならもっと強くなれる。オレはこんなものじゃねぇ」そんな強い意志を感じられる。

 

 

「………………。さぁ、行こうかリザード。ここがオレ達の始まりだ。」

「………………。リザード、突っ込め!!」

 

ザードッ!!

 

「イワーク、リザードを払い除けろ!!」

 

「………………。リザード、イワークの身体を蹴って脳天に龍の息吹(りゅうのいぶき)!!」

 

 

リザードは、岩と岩の影を利用しながらイワークに近付き、イワークの身体に飛び乗る。イワークが嫌そうに身体を震わせると、イワークの揺れる身体をジャンプしながら頭部目掛けて駆け上がる。

そしてーー、イワークの脳天目掛けて龍の息吹(りゅうのいぶき)をお見舞いする。至近距離からの攻撃を受けたイワークは堪らずよろめく。レッドは、追い討ちとばかりに龍の息吹(りゅうのいぶき)を連射するように指示してイワークを徹底的に追い詰める。イワークが地に伏すと、煙幕(えんまく)でイワークの視界を奪いつつ距離を取る。そして、腹太鼓(はらだいこ)で極限まで集中力を研ぎ澄ましたリザードは、煙幕の中に突撃を敢行する。

煙幕によって視界を阻まれたイワークは煙幕を尻尾で払うと、晴れた視界からリザードが飛び込んで来る。突如として、目の前に現れたリザードに動揺したイワークはたじろぐ。イワークが自分の行動に反応できていない事を悟ったリザードは、一気にイワークとの距離を詰めて噛み砕く(かみくだく)でイワークの顔面に攻撃する。リザードの極限まで高められた攻撃を前に、幾ら硬く防御に特化したイワークとは言え耐える事は叶わなかった。

イワークは再び地に伏せ、立ち上がる事はなかった。レッドの快勝である。

 

 

「……最早、これまでか。先の挑戦者は、ジムリーダーとの相性を考えられた上にバトルにおける最適解をいち早く見つける事に長けたトレーナーだった。」

「しかし、君はそのトレーナーとはある種真逆だ。相性が悪いなりにもポケモンの潜在能力を引き出す事で、その相性を覆うだけの性能で戦っている。」

「……正直、君は今まで戦ったどの挑戦者よりも強い。ーー改めて、名を聞こう。」

 

「……俺は、マサラタウンのレッドだ。」

 

「俺は君を見くびっていたようだ。その強さやよしッ!!良いだろう ポケモンリーグ公認のグレーバッチを授けよう!!」

 

 

【レッドはタケシからグレーバッチを貰った】

 

 

「次のジムは決めているか?もし、決めていないなら近場のハナダジムを目指すと良い。オツキミ山を経由すれば直ぐに着くだろう。」

 

「……そうするよ。有難う、タケシさん。」

 

「さて、もう一人の挑戦者も強そうだ。やれやれ…マサラは若き才人が多くて羨ましい限りだ。」

 

「レッド、おめでとう!!次は私の番だね。タケシさん、お願いします!!」

 

 

 

 

 

________________________________

 

 

 

 

 

【財布のお金】

・ジム戦の賞金2万円

 

【貯金】

・100万円

 

【大切なもの】

・ポケギア(旧式)

・ポケモン図鑑




さて、ニビジムまでの序盤のストーリー…如何だったでしょうか?ここまでは、ちょっと人間関係に闇がありそうだけど王道のポケモンストーリーって感じでしたが、漸く次回から自分の描きたいストーリーがかけそうです。
実は、ここまでの4話…凄い四苦八苦しながら描いていました。何せ、自分は曇らせシリアスストーリーが描きたくて…その事ばっかり構想が浮かぶのに、今自分が描いているのはガチ王道路線の少年少女の冒険譚…癒しはポケモンバトルくらいでした。なので、前話の後半にサラッと書いた若干のレッド曇らせの部分は凄く筆が走りましたよ、えぇ。レッド曇らせの部分以前は二週間近くかかったのに、レッド曇らせからラストまでは2時間ないくらいで描けましたw
あ、ちなみにニビシティまで来るのにポケモンセンターや食事代でお小遣いの2万円は吹っ飛んだので、手持ちのお金はジム戦勝利の賞金1万円だけです。
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