黒ずくめの男がまた一人と倒れてゆく。
レッドはロマーシカを背に置きながら、ピジョンとリザードを指揮して黒ずくめの男たちに四方八方を包囲されないように注意しながら攻防を繰り返していた。
「……ジリ貧じゃの。」
ロマーシカがそう呟くと、レッドは小さく舌打ちをした。
ロマーシカが言うように、レッド達はジリ貧に陥っていた。中々突破口を開けない事に焦り、また背後に迫る危機に意識を分散させられている現状では、思うように指揮する事ができない。最早、レッド達にはリスク覚悟の強硬策を選択するしか道はなかった。
「………………。ロマーシカ、押し通るぞ。着いて来い。」
「それしかなさそうじゃの。」
レッドはリザードを戦闘にして、
黒ずくめの男達の包囲を突破したレッド達は、追って来る黒ずくめの男たちを迎撃しながら後退する。
「………………。リザード、
「………………。ピジョン、足止めしたポケモン達を
ピカチュウとピジョンの足止めにより、黒ずくめの男たちの動きが鈍化する。敵の前線が鈍くなったところに、ピカチュウの
数分に渡る戦闘の末に敵の空中戦力を完全に撃破したレッドは、制空権を完全に握る格好となった。レッド達の後を追って来たゲーチスらが廃墟外での戦闘に参戦する頃には、既に黒ずくめの男達も敗北寸前であった。
「ーーやはり、ワタシの部下を十数人配備しただけでは、止められませんでしたか。」
「……ゲーチス様、あの二人を消さねばこの研究所を廃棄しなくてはならなくなります。最早、手段を選ぶ必要はないかと。」
「そうですね、残念ながら…今の手持ちでは少年を止める事は不可能です。余りリスクのある事はやりたくなかったのですが…致し方ありません。」
ゲーチスの言葉を聞いたマーシュを誘拐しようとしていた男は、新たにやってきた黒ずくめの男達にレッドを包囲するように指示する。敵の動きを本能的に察知したピジョンは包囲網の形成を防ぐべく、ゲーチス目掛けて突撃する。
敵の攻撃を
ピカチュウやリザードは既に連戦から消耗しており、これ以上戦闘に参加すればレッドを守る事は困難となる。
それらを考慮すればゲーチスらと戦闘して殿を務められるのはピジョンくらいであった。それを知ってか知らずか、ピジョンは本能的に前へ出ていた。
徐々に追い詰められ、飛行すら覚束無いピジョンにゲーチスは十数体のマルマインを投入して自爆特攻を命じる。マルマインに囲まれ、四方八方からの
夜空を舞い、朧月に照らされたピジョンの身体は月光を背に青く輝き出す。ピジョンは雄叫びと共にピジョットへ
「……ピジョン、いや…ピジョット…!!お前ってヤツは。」
フェザーダンスにあわせて器用に敵の攻撃を躱すその姿は、敵も味方も魅了した。
ピジョンがピジョットへ覚醒した事に一番驚いていたのはゲーチスだ。ピジョンの奮闘虚しく、徐々に劣勢へ追い詰められるレッドに勝利を確信していた矢先、ピジョンが覚醒して先程の流れとは一転して一気に劣勢へと追い詰められる格好となったのだ。ゲーチスは、引導を渡すために十数体のマルマインを繰り出して自爆特攻を命じるも、その尽くを華麗に躱された上でカウンターに利用された事で顔を歪めていた。
「これが、あの御方が申していたポケモンの可能性を引き出す男…か。まさか、これ程とは。」
ーーしかし、気になる事も幾つかあるのじゃ。まず、時折…言動が少々いや、かなり大人びたものになるのは何故じゃ?二重人格?いや…それとは少し違うの。
これは…思念体?とすると、憑依かの?
ロマーシカは、レッドの周囲を囲む光の粒を視る。
……まさか、いや…そんな事が?
レッドに取り憑く思念体は…レッドそのもの?自分の思念体が自分に取り憑くなんて事あるのかの?いや、そも…レッド本人は生きておる。では、レッドと同じ光を放つ…あの思念体は一体…。
□
『ーー
『……うむ。』
『……では、判決を申し渡す。
『お待ちを。』
『…何だ、
『その者が
『ふむ…如何なさいますか?
『……捨て置くが良い、直に消えるだろう。』
『はっ。』
『ロマーシカよ、ヴァルハラ評議会の会議は以上である。
『……かしこまりました、
□
ーー闇に電流走る。
「(まさか…まさか…まさか!!)」
神の気まぐれで放置された思念体が、遠く離れたヒスイのやりの柱からここまで辿り着いて平行世界の自分と会合し、憑依した…!?
…あの思念体は、
であれば、歳不相応の卓越した戦術眼や精神年齢、語り口調にも合点が行くのじゃ。
そうか…あの日見た青年は、たとえ肉体を喪って思念体になろうとも…明日を守ろうと足掻いておるのか。
ああ…なんと言うことじゃ。消え行く定めにありながら自分の意思を…あの日選べなかった選択をするために、たった一人で運命に抗っておるのか。
レッドを見つめるその瞳が熱くなる。思わず口元を抑えて、愛おしそうに彼を見つめる。ゆっくりと手を伸ばし、祈るように両手を空へ翳す。
「(これが、
幾つもの運命を観測してきたロマーシカにとって、目の前の奇跡は自分を焦がすものであった。
人もポケモンも
だが、結果として神の天命に背いて…たとえその身が滅びようとも抗い、意志を継がせようとする様は神の定めた
ロマーシカがレッドに熱い視線を向けている中、レッドとゲーチスの戦況は刻一刻と変化していた。
ピジョットの覚醒によって劣勢に追い込まれたゲーチスは苛立ちを募らせていた。曙光に照らされた彼方の山に気付いたゲーチスは、小さく舌打ちをした。
「……今居るマルマインを全て呼びなさい。」
ゲーチスの周りに居た何人かの部下が慌ただしく廃墟に向かったのを視認したピジョットは、本能的に異変を感じ取った。
レッドはゲーチスからの攻勢が弱まった事で、彼らに最早レッドを追撃して消す程の余力はないと悟り、ロマーシカを先頭に本格的な撤退を開始する。
しかし、そんなレッド達の動きとは裏腹に一向にピジョットは動こうとしなかった。
「……待て、ピジョット…何をしてるんだ。」
ピジョットッ!!
『旦那、悪いな…どうやらお別れらしい。』
「……ロマーシカ!?」
ピジョットがレッドの元を離れると同時に、ロマーシカはレッドの手をとって、ピジョットが睨む方向とは真逆に駆け出す。
届かない声。本来、ポケモンの感情や言葉を人間が聞き取る事は不可能である。しかし、レッドはピジョットの背中から彼が言わんとする事を、これから何をしようとするのかを悟った。いや、正確には直感的にそう感じたと言うべきだろう。
「そなたは、ここで死んで良い人間ではない。逃げるのじゃ。」
「あの女と子供を追うのです!!我々の秘密を暴かれた以上、生かしてはおけません!!」
ジョッ!!
『行かせねぇぜ!!』
「あのピジョットは殺してしまって構いません。さぁ、殺りなさいッ!!」
ゲーチスの命令を受けた下っ端たちは次々にポケモンを繰り出してレッドのピジョットを襲うように命令する。しかし、ピジョットは果敢に戦って、迫り来るポケモンたちを次々に薙ぎ倒す。
徹底抗戦の構えを見せるピジョットに、あの手この手で攻撃を仕掛けるゲーチスの部下たちだったが…流石はジム戦を勝ち抜いたポケモンだけあり、たとえ主のレッドの指示がなくとも彼らの攻撃を躱して反撃するだけの行動はとれた。
後ろに後退しながら迫るゲーチスの下っ端に打撃を与える様は、正しくかつてホウエン地方を席巻した現在の送り火山付近を中心に本拠地を置いていた軍事貴族が得意とする「捨て奸」そのものであった。
レッドたちを逃がすためにロマーシカから言い渡された日の出まで時間を稼ぐピジョット。既に、身体の至るところに傷を負い、体力も限界に近かった。それでもなお、迫り来るゲーチスの下っ端を薙ぎ倒して、瀕死したポケモンの山で逆肉壁を作りながら徹底抗戦できるのは、ピジョットが主を想う強い意思と気力だった。
旦那、アンタとの出会いは決して良いものじゃなかった。けど、アンタと戦ってるうちに…俺はアンタに惚れた。その真っ直ぐな眼差しと的確なバトルセンス。アンタに勝ち方を教わる度に、勝つ喜びを知った。
最初は戦いが好きじゃなかった。けど、アンタと戦ってるうちに…いつしか戦いてぇって思うようになった。
へへっ…なんでだろうな。これから死ぬってのに、ちっとも怖くねぇ。いや、寧ろ高揚感すらある。アンタのために戦ってるって思うと…力が湧いて来るんだ。
ーーなぁ、旦那。俺はアンタが描いたポケモンになれたかな?
中々倒れないピジョットに苛立ったゲーチスは、下っ端に指示して十数匹のマルマインたちを繰り出させる。
マルマインたちの出現に本能的に危機を悟ったピジョットは、一転して突撃を開始する。
「なぜッ!!なぜ倒れない!?早く倒して、あの女と子供を殺すのですッ!!」
ピジョッ!!
『へっ…未来のワールドチャンピオンのポケモンが……こんなところで倒れっかよッ!!』
「あの忌まわしいピジョットを焼き殺してしまいなさいッ!!マルマイン、大爆発ですッ!!」
業を煮やしたゲーチスはピジョットに向けてマルマインに特攻を命じる。勿論、ただの特攻ではない。ゲーチスはマルマインにピジョット諸共死ねと命じたのである。
ゲーチスに洗脳されているマルマインはゲーチスが自らに死ねと言い放った言葉に疑問を持つ事なく、ピジョットへ突撃を開始した。
本来、ポケモンの放つ大爆発は加減してポケモンが死なない程度に攻撃する事ができた。しかし、ゲーチスはそれを良しとはせず。ポケモンを自爆攻撃用の兵器として運用するために、ポケモンの研究の一環として強い洗脳を施す研究を行っていた。それによって生まれたのが、このマルマインたちであった。
□
瞼裏に焼き付く、レッドとの思い出。
『ーーポッポ、これからよろしくな!!』
『ーーポッポ、
『ーーんなッ!?ここで、進化…!?』
決して、見る事のない彼との未来。
『ーーやれやれ、裏切るのは女だけにして欲しいものだね。君も私を裏切るのか?ミュウツー。』
『ーーそれじゃあ、そろそろ…俺はずらかるとするぞ。またな…レッド。』
『ーー勝者、レッド!!ここに、世界初のワールドチャンピオンにして、世界最年少チャンピオンが爆誕しましたッ!!Amazing!!なんて事だッ!!』
□
何かを悟ったピジョットは、マルマインの放つ光にあてられながら不敵に笑みを浮かべる。ピジョットは最期の抵抗とばかりにマルマインへ
…ピジョッ!!
『夜明け……これで、全てが終わる!!』
夜明けの光と共に、レッドの顔は光に包まれた。
ピジョットはマルマイン数十匹に囲まれて、彼らの大爆発と共に壮絶な最期を遂げた。
「ーーやめろぉぉぉぉ!!」
吹き飛ばされたピジョットはレッドとロマーシカを飛び越えて、目の前に落下して来る。
焼け焦げた肉片は骨が剥き出しにして、ピクピクと僅かに痙攣している。
「……夜明けですか。仕方ありません、退くのです。」
「ゲーチス様!?」
「ここは、あのピジョットに免じて退いてさしあげましょう。我々のポケモン100匹近くを相手取り、壮絶な最期を遂げた彼に敬意を表してね。」
「それに、あの魔女は地方兵との伝手がある。恐らく、彼女はどこかのタイミングで地方兵を動かしたのでしょう。」
「……口惜しい事ですが、我々がするべきは撤退です。幸い、研究所は破壊しました。地方兵組織に尻尾を捕まれなければ、我々の目的は達成したと言えましょう。」
ゲーチスは背が小さくなるロマーシカとレッドを口惜しそうに見つめながら、踵を返して彼らとは真逆の方向に向かう。
肉片によって行く手を阻まれたレッドは、目の前の"ピジョットだった"モノに近寄って抱き寄せる。
「うぁぁぁ!!ピジョット、なんでッ!!」
焼け焦げた"ピジョットだった"モノは本来人間がマトモに触れるような温度ではなかった。現に、レッドの手は、腕は、ジュワッという音ともに肉の焼ける臭いが漂っていた。しかし、レッドは自分の腕が火傷を越して焼けている事など気にせず、"ピジョットだった"モノを抱いて彼の名前を叫び続ける。
彼の目から零れ落ちた涙が、"ピジョットだった"モノに触れて蒸発する。叫び続けた彼の声が掠れる頃には、最早彼の意識は"ここ"にはなかった。
□
『………………。何をしている、立て。』
『……無理だよ、ソレイユさん。僕は…大切な仲間を失ってしまった。それも、僕のせいで。』
『………………。お前が立たなければ、ピジョットの仇は誰が討つ?お前は、こうなる事をロマーシカに示唆されながら選択した。自分が原因だと自覚しているならば…それにケリ付けるのがルールだ。だからもう、お前には進むしかないんだ。』
『……だとしても、もう僕には無理だ。ピジョットが殺されると分かっていたら…こんな選択しなかった。僕が、慢心していたばかりに…。』
『……ピジョットの焼け焦げた臭いが離れない。ピジョットが死の間際に絶叫した叫び声が耳から離れない。』
『……ああ、俺のせいだ。』
そうだ、お前が殺した。
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
オマエガコロシタ オマエガコロシタ
『違う!!俺はただ、ピッピのために…!!』
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
ミグルシイ ミグルシイ ミグルシイ
コ ロ シ タ ノ ハ オ マ エ ダ
ーープツン
ピジョットの死に、レッドは錯乱して完全に心を閉ざした。
『………………。』
『………………。おい、レッド?!レッド!!』
『………………ッ!!』
□
「……レッド?」
ロマーシカが、心配そうにレッドを見つめている。
「………………。」
マーシュを誘拐しようとした男とピッピの儀式石を奪った男は顔見知りのようだった。いや、顔見知りどころじゃない。あの反応は明らかに何かの仲間関係にある。
マーシュはジョウト地方の伝統的な舞を担う旧家の令嬢。
何故、マーシュは22番道路なんかで逃げ惑っていた?
何故、ピッピの儀式石を奪った男とマーシュのストーカーが一緒に居た?
男は、何の社会的地位もなく頭も弱そうな人間。マーシュの単なるストーカーで終わっていれば、男の行動理由は推察できた。しかし、少なくともあんな仰々しい研究施設に出入りできるような人間じゃない。
ーー指示役が居る。
それも、アレだけの研究施設を維持できるほどの財力を持った人間。あの施設の管理者はゲーチスと名乗る中年の男だった。しかし、マーシュ誘拐とピッピの儀式石を奪うという行為を指示した同一人物である可能性はあるのか?
少なくとも、ゲーチスは儀式石を奪った事は"ポケモンの進化"に関する研究をする上で必要な行為だったと語っていた。では、マーシュを誘拐しようとしたのも何かゲーチスの目的に沿ったものだったのか?
確かに、彼女は令嬢だ。しかし、それを取り除けばただの少女。ゲーチスの個人的趣味?可能性はなくはないが…令嬢が誘拐されたとなれば大問題だ。余程の自信がない限り…今どき、旧家の令息や令嬢を誘拐するなんてしない。
ならば、マーシュ誘拐は一族への単なる嫌がらせか?
……舞を踊る一族の娘を誘拐して何の嫌がらせになる?
ゲーチスとマーシュを誘拐しようとした男は組織の中でゲーチスに限りなく近い地位…というよりか、この廃墟に居た人間の中ではかなりの序列にいるような言動が交わされていた。
『ーーこの石を使った研究はあの御方に捧げる重要なモノなのです___』
あの御方?ゲーチスにも上が居る?
つまり、ゲーチスやマーシュを誘拐しようとした男が所属する組織がある?となれば、ゲーチスよりも序列が上の男がマーシュ誘拐を指示し、失敗した後に別の任務を与えたとなればゲーチスの元に居た事にも納得がいく。
人間の誘拐やポケモンの生体実験、ポケモン殺しを平然と行う人間が所属する組織がある。
……あの黒ずくめの服装、見覚えがある。
ーーこのカントー地方には、ピジョットを殺した男が所属する組織がある。その組織を潰さない限り、ポケモンたちは苦しみ続ける。
そして、そのような人間が所属する組織の末端は特徴的な黒ずくめの服装をしている。
……黒ずくめ?あの帽子のマーク…アレは、ロケット団の証だ。そうか…アイツらの組織は、あの御方は…。
ーーピジョットは生きながら、焼き殺された。俺を庇って。
潰してやる、一匹残らず。ピジョットを殺したゲーチスとロケット団を___。
声が掠れて呆然としていたように見えたレッドは、おもむろに立ち上がるとオツキミ山中腹にある泉を目指して歩き出した。
"ピジョットだった"モノを抱えて泉に到着したレッドは地方兵とブルーが口論しているのを傍目に、ピジョットを泉の傍に埋めた。そこら辺に落ちていた石を、ピジョットが眠る場所に突き刺して墓石とする。
簡易的な供養塔を立てたレッドは、ピジョットのモンスターボールを握り締めて「……ゴメン」と呟いた。
先程まで口論をしていたブルーと地方兵は、レッドのただならぬ雰囲気に圧倒されてレッドをじっと見つめていた。
やがて、レッドが埋葬を終えると指揮官と思しき人物がレッドとロマーシカに話しかけてきた。
□
レッドとロマーシカに話しかけて来た人物は、二人を助けるために派遣された地方兵だったらしい。自らをユウサク・オーキド少佐と名乗った。
ロマーシカに依頼された事でオツキミ山の中腹にある泉までやってきたが、レッドが居なくなった後に慌ててブルーとイエローを叩き起したリーフ達とで鉢合わせしたらしく、レッドが追いかけた人間の仲間だと勘違いしたブルーが地方兵の末端と口論になり、今に至るようだ。
ロマーシカから事の顛末を聞いたユウサクは、ピジョットを失ったレッドを哀れんで敢えて話しかけずにいた。
全身ボロボロとなってリーフらに囲まれて話しかけられているレッドは無反応だったが、不意にユウサクに近付くと口を開いた。
「………………。ユウサク。」
「おう、レッド…あー今回の事はな…なんて言ったら良いかーー。」
「………………。そういうのは良い。代わりに、お願いがある。」
「なんだ?」
「………………。俺を軍に入れる気はないか?」
「……は?」
ああ、補足しておきますとレッドはポケモンバトルの時…たまにソレイユ(レッドの前世の思念体)に乗っ取られていますよ。
そして、素のレッドをレッド(オリジンフォルム)とするなら…レッド(アナザーフォルム:ソレイユ憑依)は元のレッドをある意味で洗脳している状態にあるかもしれません。表現というか、説明が難しいのですが…レッドが乗っ取られている時って記憶とか意識はそのままなんですけど、喋っているのはソレイユ(前世のレッド)でソレイユがレッドを乗っ取って喋っている事にレッドは違和感を覚えない(ここが洗脳と表現した理由)。そんな裏話がここの話にはあったりします。
まぁ、明らかにエッグい戦術使って敵を追い詰めてくるレッドとか、いきなり「………………。」から会話が始まるレッドを見て色々察した方も居らっしゃると思いますが。