ようこそ!読者が紡ぐ実力至上主義の教室へ   作:海月

3 / 7
選択肢の結果、選ばれたのつまらなさそうに携帯を弄る女子生徒でした。
果たして、彼女と関わる事で近衛はどう成長していくのでしょうか。
今回のお話を経て、次話の終わりから5月の中間テスト編に入る予定です。
皆さんのアンケートによって、近衛の未来は決まります。
彼女が卒業出来るよう、みんなでアンケートを盛り上げていきましょう!
宜しくお願い致します。


※アンケート結果が確定してから次話を執筆している為、投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。今後もこのペースで投稿していきたいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。



部活動説明会

(うーん、誰に話し掛けようかな。)

 

 

私は4人の生徒を一人ずつ順番に確認していく。

 

 

まず1人目は軽薄そうな金髪の男子生徒だ。スポーツが得意で、コミュニケーション能力は高いらしいが、入学早々女子生徒を口説いており、彼と友達関係になるのは難しそうだ。次に2人目、声の大きな真面目そうな男子生徒だが、やはり大きな声は心臓に悪い。誠実そうではあるが、話す度に疲れそうだ。3人目は雑誌片手に寮の入り口を見つめている生徒だが、少し近寄り難い雰囲気が感じられるので、今回は辞めておこう。

 

 

(.....やっぱり話し掛けるなら、同性の方が楽だよね。同性に嫌われて良い事は無いし、彼女に話し掛けてみよう。)

 

 

私は寮の外で携帯を弄っている女子生徒.....神室真澄に話し掛ける事にした。

 

 

「おはようございます、神室さん。」

 

 

私がそう挨拶すると、神室は携帯から目を離し、私の顔を見た。そして少し驚いた表情を見せた後、すぐに視線を逸らした。

 

 

「おはよう……」

 

 

彼女は素っ気ない態度で私に挨拶を返すと、再び携帯に視線を落とした。私はそんな神室に構わず話を続けた。

 

 

「これから学校に向かうのですか?」

 

 

「……そうだけど。」

 

 

「ご一緒しても宜しいでしょうか?」

 

 

「好きにすれば。」

 

 

そんな短い会話の後、私達は2人で並んで歩き始めるが、特に会話は無い。気まづい空気が流れる。私はその空気を掻き消すように新たな話題を口にした。

 

 

「そういえば、今日の放課後は部活動説明会が行われますよね。神室さんは何か部活動に入る予定はありますか?」

 

 

「別に。」

 

 

神室は素っ気ない返事を返すが、私はめげずに話を続ける。

 

 

「そうなんですか.....では、何か興味を持っている部活動はありますか?私は幾つかの部活に興味があるんですが、まだ迷っているんです。」

 

 

「あっそう。……別に興味とか無いから。」

 

 

彼女はそう吐き捨てるように言い放ち、それ以降口を開こうとはしなかった。

 

 

(……うーん、やっぱりダメか。)

 

 

彼女は明るく会話をするタイプではないという事はすぐに分かったが、ここまで頑なに心を開いてくれないとは予想もしていなかった。私が諦めようとしたその時だった。彼女が何かを思い出したように口を開いたのだ。

 

 

「そういえば……あんたの鞄に着いてるキーホルダーって、絵画モチーフよね?その絵は.....確かヨハネス・フェルメールの『天秤を持つ女』だったかしら?この絵が好きなの?」

 

 

私はその意外な反応に驚きながらも、彼女の質問に答えた。

 

 

「いえ.....家にあったレプリカの絵なんですが、素敵だったのでこの絵のキーホルダーを作っていただいたんです。正直、神室さんに言われるまで、画家さんのお名前も知りませんでした。神室さんは絵や美術に関心があるようですね?」

 

 

私がそう答えると、神室は私の顔を見て少し微笑んだ。そして彼女はこう言葉を続ける。

 

 

「.....嫌いじゃないわ。絵を鑑賞する事も、絵を描く事もどちらかと言えば好きね。」

 

 

「そうなんですね。」

 

 

私は神室の意外な一面を知り、少し嬉しくなった。しかし、彼女はまたすぐに素っ気ない態度に戻ってしまった。そして小さな声で私にこう告げる。

「……でも別に、部活に入るつもりは無いわ。」

 

 

「そうですか……」

 

 

(……やっぱりダメか。部活に入りたくない理由でもあるのかな?気になるけど、これ以上踏み込んで良いものか判断が難しいな。)

 

 

私はそう落胆しながらも、彼女と会話を続ける事を諦めなかった。

 

 

「神室さんは絵を描く事と絵を鑑賞する事、どちらの方がお好きですか?」

 

 

私がそう問い掛けると、神室はそんな私を見てこう言った。

 

 

「あんたって物好きよね。私と話しても楽しくないでしょ?」

 

 

「そんな事ありませんよ。神室さんとの会話は楽しいです。神室さんのおかげで新しい知識を得る事ができました。それはとても嬉しい事ですよ。」

 

 

「……そう。私は楽しくないけどね。」

 

 

私が彼女に笑いかけると、彼女は返事を帰し、私から視線を逸らした。しかし、その横顔は少し嬉しそうに見えた気がした。そして私達は学校に到着したが、会話はそこで終わったのだった。

 

 

(……うーん、仲良くなるにはもう少し時間がかかりそうだね。)

 

 

そんな事を考えつつ、私達は自分の教室へと向かったのだった。

 

 

「おはよう、美雨ちゃん。」

 

 

「おはよう、美紀ちゃん。」

 

 

教室に着くと、美紀が私に駆け寄ってきた。

 

 

「いきなりなんだけどさ、実は今日の数学の授業、抜き打ちの小テストがあるみたいなんだ。中学で勉強した内容の小テストだから、成績には反映されないみたいだけど、一定の点数を下回る生徒には別で課題が出されるんだって。」

 

 

「そうなの?それは大変だね。」

 

 

「うん。さっき、日直の子が皆に話していたんだ。美雨ちゃんはまだ登校していなかったから、伝えておこうと思って。」

 

 

「そうなんだ。教えてくれてありがとう、美紀ちゃん。」

 

 

私はそう言って微笑むと、自分の席に着いた。そして鞄から教科書やノートを取り出しながら考える。

 

 

(小テストか……中学の数学も得意だって胸を張って言えるレベルではなかったし、どちらかと言えば苦手意識を持っていたなぁ。少し復習をしておこう。)

 

 

そんな事を考えつつ、授業の用意をしていると担任の真嶋が教室にやって来た。

 

 

「おはよう。全員揃っているな。今からホームルームを始めるぞ。」

 

 

真嶋はそう告げると、教卓の前に立ち、日程等の連絡事項を説明していく。そんな真嶋の話を聞きつつ、私ぼんやりと小テストの事を考えながら時が過ぎるのを待った。その後数学の時間になると、美紀の言う通り中学数学の小テストが行われた。

 

 

(……なるほど、確かに中学で習う内容だね。これなら特に問題はなさそうだけど、油断は禁物だよね。)

 

 

私はそう考えながら、小テストの問題に取り組んでいく。そして全て解き終わると、見直しをして提出した。その後、オリエンテーションが行われ、授業の評価方法や一学期内の授業範囲、課題提出の仕方等説明が行われた。第一回目の数学の授業は滞りなく進んだ。

 

 

「次は体育だっけ?早く行こう。」

 

 

「プール遠すぎ。てか、4月からプールなんてだるすぎでしょ。」

 

 

6時間目の授業が始まる前の休み時間、私達Aクラスは初回授業から水泳なので、プールまで移動しなければならない。校舎から3分ほどの近さだが、階段を降りて1階まで移動する時間を考えるとギリギリだ。だから私達は走らない程度の急ぎ足でプールまで移動しなければならない。

 

 

「ねえ、美雨ちゃん。」

 

 

私がそんな事を考えつつ廊下を歩いていると、隣を歩いていた美紀が私に声をかけてきた。私は足を止めて彼女の方へと振り返る。

 

 

「どうしたの?美紀ちゃん。」

 

 

私がそう尋ねると、彼女は少し言いづらそうに口を開いた。

 

 

「……厳しい先生だったらどうしよう。私は体育が苦手だから少し不安だな。」

 

 

「確かに、それは少し心配だね。でも大丈夫だよ、美紀ちゃん。」

 

 

私は不安そうな表情を浮かべる美紀を励ますように笑いかける。そしてこう言葉を続けた。

 

 

「私も泳ぐのは遅い方だし、私達はまだ入学したばかりなんだから、そんなに怖がらなくても大丈夫じゃない?真面目に授業に参加して、頑張る姿勢を見せれば、きっと大丈夫だよ。」

 

 

私がそう言うと、美紀は安心したように微笑んだ。そして私達はプールまで辿り着くと、急いで更衣室に向かったのだった。Aクラスの女子達は皆着替え終わると、プールサイドに固まっている。男子生徒と少し距離を置いて、面倒臭そうにしている。それから数分後、体育教師がプールサイドにやって来た。

 

 

「よーし!今から授業を始めるぞ。.....その前に、出席を確認するぞ。えーっと、今日は見学が4人だな。1年生の中では最も出席率が高いクラスだ。流石は、Aクラスだな。」

 

 

『流石はAクラスだな』とはどういう意味なのだろうか。彼の発言はまるで、Aクラスとの間に何か明確な差があるような物言いだ。クラス間に順列が存在するような、差別的な発言である。これは一体どういう事なのだろうか。

 

 

「じゃあ、今から準備体操を行う。その後はシャワーに入ってから、各自プールサイドに座って体に水を掛けて慣らしてくれ。それらが終わったら、今日は男女別の50メートル自由形の徒競走を行う。」

 

 

「ええ、徒競走?!」

 

 

私達は言われた通り準備体操をした後、シャワーで体を慣らしプールサイドに腰を下ろした。そして足元から頭まで順番に水をかけ、身体を慣らしていく。その後、先生の合図で私達はプールの中にゆっくりと入り、50メートル走を行う前に軽く泳ぐ時間が与えられた。

 

 

「よし!今から男女に別れて50メートル自由形の競争を行って貰う。まずは女子からだ。出席番号順に並んでくれ。最もタイムが速かった生徒には.....特別に5000ポイントをやろう。逆に最もタイムが遅い生徒は放課後補習だ。」

 

 

「えー?!」

 

 

「まじかよ!」

 

 

生徒の反対の声が上がる中、体育淡々と教師はそんな声を無視して指示を出していく。

 

 

この学校のプールは広いので、女子は2チームに分けて計測を行う事になった。私は前半のチームで、美紀は後半のチームに組み分けられた。

 

 

「では1チーム目、よーい.....ピーッ!」

 

 

競技開始のホイッスルが鳴り、私は壁を力一杯蹴って勢いをつけ、体が海面に上がってくる頃に手足をばたつかせてクロールを始める。そしてゴールまで辿り着くと、タイムを計測している先生にストップウォッチを見せて貰う。

 

 

「近衛美雨、38秒12だ。」

 

 

結果は……38秒12だった。可もなく不可もなく、普通より少し遅い程度だ。運動自体苦手で、このタイムなら上出来だろう。次のチームの計測が始まると、神室が物凄いスピードで泳ぎ進んでいく。

 

 

「は、速い!」

 

 

私がそう言うと、隣の男子側の列で橋本も彼女の泳ぎに驚きながら小さく呟いた。

 

 

「へぇ、神室ちゃんって水泳が得意なんだな。スゲェな。」

 

 

その後、体育教師は女子全員が泳ぎ終わると、タイムが最も速い生徒と最も遅い生徒の名を伝えた。

 

 

「最も速かった神室には後で5000ポイントを振り込んでおく。逆にタイムが一番遅かった西は今日の放課後補習「えー!嫌だよー!」.....人の話は最後まで聞け。補習といっても一時間だけだ。きちんと参加するように。」

 

 

「そんなー!」

 

 

西と呼ばれた女子生徒は、今にも泣き出しそうな顔をしている。私はそんな彼女を気の毒に思いながらも、自分のタイムが最下位にならなかった事に少し安堵した。

 

 

(……良かった。西さんとはまだ6秒も差があるけど、油断せず頑張らなきゃ。)

 

 

そんな事を考えていると、体育教師は男子に向かって指示を出し、今度は男子の競争を行う事になった。1チーム目が泳ぎ始めると、1位を取ったのは運動が得意な司城大河だ。彼のタイムは26秒03と今のところ最高記録である。

 

 

「スゲェ!司城速いなぁ。」

 

 

そう言い、戸塚が司城の肩を抱き、彼の記録を褒め称える。その横で葛城も司城の記録を褒めている。どうやら、司城は葛城や戸塚と仲が良いみたいだ。

 

 

「流石は司城君だね。」

 

 

「かっこいいなぁ!」

 

 

そんな声が上がり、女子達はそんな司城を尊敬の眼差しで見つめている。司城は外見が整っており、その優れた容姿に憧れを抱く女子生徒は少なくない。だが、入学早々年上の先輩に気があるという噂が立っており、多くの女子生徒の恋心を散らしてきた男だ。

 

 

そして2チーム目の競争が始まった。今度は誰が一番になるのかと見ていると、1位でゴールしたのは今朝寮の入口の方を雑誌片手に見つめていた男.....鬼頭隼だった。無口で少し取っ付き難いタイプだが、彼は運動能力が高く、その実力は全国の高校生の中でも上位に位置しているようだ。

 

 

「鬼頭隼、24秒21。お前なら全国も目指せるぞ!」

 

 

体育教師が瞳を輝かせ鬼頭を褒めるが、鬼頭は興味が無いのか、すぐにプールから上がり、生徒達の輪に戻って行った。

 

 

「.....ありがとう、ございます。」

 

 

そして彼に続きゴールしたのは橋本で、3位に葛城がゴールした。

 

 

「橋本正義、26秒43。葛城康平、27秒31。」

 

 

「.....プハッ、アイツ速すぎだろ。」

 

 

「身近にあんなに速い人間がいる、とはな。」

 

 

「ハハッ、だよなぁ。アイツ水泳でもやってたのか?水泳部のやつともタメ張れるだろ。」

 

 

橋本と葛城は水面から顔を出すと、プールサイドを歩く鬼頭を見て彼を褒め称え、実力を認めた。そして、その後3人の生徒が泳ぎ終わり、男子の1位は鬼頭になった。

 

 

「.....凄かったね、鬼頭君。」

 

 

私がそう言うと、隣に座る美紀も頷き同意を示す。

 

 

「.....うん。鬼頭君は水泳部の人にも引けを取らない速さでしたね。水泳の経験があるのでしょうか。」

 

 

「そうかもね。」

 

 

私はそう言って美紀に笑いかけると、彼女も微笑み返してくれた。

 

 

「補習該当者は放課後補習だ!忘れないようにな!それから坂柳も放課後の補習の手伝いを頼む。」

 

 

体育教師は見学席に座る坂柳の方を見ながら話す。坂柳はすぐに「分かりました」と返事を返した。

 

 

坂柳は身体的な問題から体育の授業は全て見学だ。だからこそ、普段の授業単位の埋め合わせをする意味でも、補習時には記録係として駆り出されるようだ。

 

 

その後、授業は少し早めに終わり、私達は急いで更衣室に向かう。丁度神室が隣のロッカーを使っていたので、私は気になっている事を聞いてみる事にした。

 

 

「神室さん、凄く速かったね。部活やクラブ活動で水泳の経験があったりするの?」

 

 

「.....別に無いよ。授業でしか水泳はした事が無いわ。」

 

 

「そうなんだ。凄く速いから、水泳の経験があるのかと思っちゃった。」

 

 

「……まあ、スポーツは嫌いじゃないから、休日に走ったり、筋トレをしたりする事もあるわ。だから、人よりも少し筋力とか体力が多かっただけよ。」

 

 

神室は少し得意げに笑うと、鞄を持って更衣室を出て行った。

 

 

私は彼女の後ろ姿を見ながら、彼女に対するイメージが変わった事を実感した。神室は確かに人と関わる事が好きな人間ではないかもしれない。しかし、だからといって彼女は人と会話をしないわけじゃない。彼女に対して真摯に向き合えば、彼女の心の壁もいつか少しくらいは崩れるかもしれない。だからこそ、私はこれからも彼女と関わっていきたいのだと、私はそう思った。

 

 

制服に着替えて教室に戻り、帰りのホームルームを終えると放課後がやってきた。

 

 

「じゃあ、私は先に帰るね。また明日ね、美雨ちゃん。」

 

 

「うん!またね!美紀ちゃん。」

 

 

今日の放課後は部活動説明会が行われる。生徒の参加は強制では無いので、美紀のように部活動に興味が無い生徒は参加しなくても良い。しかし、私は部活動というものに興味があり、面白そうな部活があれば入部したいと考えているので、説明会に参加する為に今から体育館に向かわなければならない。

 

 

私は体育館に向かって歩き出す。しかし、その瞬間、後ろから声を掛けられた。

 

 

「ねぇ、アンタってもしかして部活動説明会に行くの?」

 

 

振り返ると、そこには神室が壁に寄りかかった状態で立っていた。

 

 

「うん。折角だし、お話だけでも聞いてみようと思ったんだ。」

 

 

私がそう言うと彼女は「ふうん」と言い、私の前までやってきた。

 

 

「私も少し興味がある部活があるから、良かったら一緒に行かない?」

 

 

「え、いいの?神室さんも部活動に興味があったんだね。」

 

 

「そう言う訳じゃないわ。正直部活は面倒だから入る気は無かったけど、少し気になる部活があるのよ。部活に入りたいって言うより、気になる上級生がいるの。」

 

彼女が気になる上級生とは一体誰なのだろうか。しかし、彼女はそれ以上その話はせず、別の話題について話している。つまりこれ以上触れられたくないという事らしい。

 

 

私は気になる上級生についてぼんやり考えながらも、全く関係のない話をしながら体育館に向かって歩き続けた。そして体育館の中に入ると、既に大勢の生徒達が集まっていた。私は空いている席を探しつつ神室に話しかける。

 

 

「結構人が多いね。」

 

 

「そうね……あ、あそこが空いてる。あそこに座りましょう。」

 

 

神室は体育館の後ろ側にある席を指差し、そこに向かって歩き始めた。私もそれに続くように歩き出す。すると前方から一人の男子生徒が歩いて来るのが見えた。私はその生徒の顔を見て驚きで目を見開く。何故なら、その人物は同じクラスの無口な生徒である、鬼頭隼だったからだ。

 

 

(あの人は……鬼頭隼君?!人と関わるの苦手そうなのに、部活動説明会に来るって事は気になる部活があるって事だよね。彼は運動能力が高いし、運動部に入るのかな?)

 

 

「.....鬼頭君、運動部に入りたいのかな?」

 

 

「.....確かにアイツは運動能力がそこら辺の奴らと比べ物にならない程優れてるし、その可能性はあるわね。」

 

 

「うん。」

 

 

私は神室の言葉に頷き、鬼頭の方を見つめる。すると彼も私達の存在に気付いたのか、こちらに視線を向けた。そして小さくこちらに向かって頷き、すぐに視線を前へ戻した。

 

 

(……こっちに向かって頷いてくれた。って事は、別に人付き合いが嫌いって訳じゃなさそうだよね。少しほっとしたなぁ.....いつか、もっと仲良くなれたら良いな。)

 

 

それから暫く待っていると、体育館の壇上に一人の男子生徒が上がりマイクを握った。彼の名前は南雲雅といい、この学校の副生徒会長だ。彼は部活の説明会を円滑に進めていく為、まずは部活動の種類や内容について説明を始めた。

 

 

「我が校には様々な部があり、その数は25を超える。運動部から文化部の活動まで幅広いジャンルがある。そして今からは各部の代表者がそれぞれの部活について詳しく説明をしていくのでよく聞くようにしてくれ。最後に生徒会についての説明も行うので、興味がある者は是非生徒会室に来てくれ。歓迎しよう。ちなみに、5つの部活動が今日の説明会に参加していないが、興味がある者は各クラスの担任の先生にその旨を伝えれば、部活動への紹介が行われるので、安心して欲しい。」

 

 

吹奏楽部、美術部、家庭科部、書道部、パソコン部、ボードゲーム部、囲碁部、将棋部、ボランティア部、写真部、華道部、茶道部、文芸部という13の文化部.....

そして、野球部、テニス部、陸上部、サッカー部、ゴルフ部、ソフトボール部、バスケットボール部、バレーボール部、卓球部テニス部、体操部、ダンス部、剣道部、弓道部という14の運動部.....

 

この学校には、これらを合わせた計27の部活動が存在する。

 

 

「まずは野球部からだな。」

 

 

壇上に上がったのは、キャプテンである3年Aクラスの生徒だ。彼はマイクを握ると部活動の説明を始めた。

 

 

「こんにちは!野球部です。我が部では毎日.......」

 

 

それから様々な部活動の部長が壇上に上がり、部活動紹介を行った。私が気になったのは文化部のボードゲーム部、文芸部、家庭科部の3つだ。

 

 

(神室さんは美術に関心があるから美術部?それとも運動能力が高いから、運動系の部活動?他に気になる部活があるのかな?)

 

 

そして、約1時間が経過した頃、最後に南雲が1人の男子生徒に恭しくマイクを手渡した。その瞬間、今まで小声で喋っていた新入生が息を飲み、誰もが口を閉ざした。この光景は異常だが、彼にはそれだけの圧があった。

 

 

「.....私は生徒会長の堀北学です。」

 

 

彼は入学式で在校生代表の挨拶を行った男子生徒だ。

 

 

「生徒会では、日々様々な活動に取り組んでいます。そして我々は生徒の皆さんが我が校学ぶにあたり、過ごしやすい環境作りが出来るよう、理事会や職員の皆様と協議をする事もある為、生徒会としてはコミュニケーション能力の高い、機転の利く生徒を求めています。生徒会に興味のある生徒は、是非生徒会室にいらしてください。面談を行わせていただきます。」

 

 

そう話す堀北会長は、壇上から私達1年生を見下ろした。

 

 

「そして、この学校に入学を果たした新入生の皆さん。我が校は実力主義を掲げています。これは力があるから何をしても良いという意味ではなく、また、力が無いからといってその人間を否定するものでもありません。勿論解釈は人それぞれでしょう。ですから、皆さんなりの実力主義についての考えをこの学校生活を通して固め、君達の3年間がより良いものになるよう、努力する事を忘れないで下さい。」

 

 

彼はそう言うとマイクを南雲に手渡し、ゆっくりと階段を下りた。彼が階段を下りる途中、彼と目が合った様な気がした。

 

 

(流石は生徒会長さん.....小声で話していた新入生をも圧だけで黙らせてしまうなんて凄いなぁ。)

 

 

私は彼の話を聞いて、自分の実力主義に対する考えを再確認させられる。そして同時に、堀北会長が話したようにこの学校生活を通して、自分がどうなっていきたいのかを考えていく必要があると感じた。部活動の説明会が終わると、新入生は各々帰宅を始める。私もその流れに乗り帰る為、神室に声を掛ける事にした。

 

 

「神室さん、そろそろ帰ろう?」

 

 

「そうね。」

 

 

私達2人は帰路につく。

 

 

「アンタは気になる部活はあったの?」

歩きながら神室が聞いてくる。

 

 

 

「えっとね.....3つ気になる部活があったんだ。文芸部と家庭科部とボードゲーム部なんだけど、どれも面白そうだよね。後は生徒会にも少し興味があるかな。ただ、私には信念とか志とかそういうものは無いから、門前払いされちゃいそうだけどね。」

 

 

私は少し考え手から、興味がある部活動の名を伝えた。そして暫く歩くと寮がえてきたので、ここで彼女とは別れる事になる。彼女は私の返事を聞くと何かを考えるような仕草を見せた後、口を開いた。

 

 

「ふうん。全部文化部なのね。私も美術部が少しだけ、気になっているわ。まあ、入るかどうかは分からないけど。」

 

 

神室もどうやら美術部に興味を持っているようだ。私は彼女と別れ、寮へと戻ると自室で今日説明会で聞いた部活動について考える事にした。

 

 

(文芸部は本が好きな私にとっては凄く魅力的な部活だけど、この学校は勉強やスポーツにも力を入れてるし……両立出来るか不安だな。家庭科部も料理が好きだから興味あるけど……ボードゲーム部は単純にリバーシやトランプが好きだからって理由だけど、緩そうだし入ってみるのもアリ、かな?それに生徒会.....生徒会長さんの人柄は素晴らしいし、生徒会に入ったら、私も人として成長出来たりするかも?)

 

 

私はなんの部活動に入るべきか、それとも部活動に入らず生徒会の面談に行くべきか、はたまた、今は何もしない方が良いのかと、脳内で自問自答を繰り返す。

 

 





『ようこそ!読者が紡ぐ実力至上史上主義の教室へ』に関するルール

①1話につき1つ選択肢がある
②選択肢は多数決で決める
③選択肢に関する補足説明は後書きにて記す
④主人公のステータスは選択肢によって増減する
⑤ステータスは最大値は100、最小値は0となる
⑥アンケートの締切は翌日の0時(又は約24時間後)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

近衛美雨のステータス

体力:40(限界値50)
頭脳:80(限界値100)
芸術:11(限界値75)
コミュ力:52(限界値90)

※芸術が1up、芸術の限界値が5up

※コミュ力が2up

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
親密度一覧

山村 100(MAX)

葛城 10(最大100)

坂柳 5(最大100)

神室 6(最大100)

鬼頭 0.5(最大100)

※神室が6up

※鬼頭が0.5up(主人公達を見て頷いて貰った事で、顔を覚えて貰えた)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※補足1→選んだ部活動によって、その後関わる生徒や出来事が変化する

※補足2→部活動を選ばない場合、その後も選択肢によっては部活に入るor入らないの選択肢が出てくる可能性はある

※補足3→生徒会を選んだ場合も、1回の面談で生徒会に入れない

近衛美雨はどの部活に入るべき?(アンケート補足は後書きにて記載している。)

  • 生徒会執行部
  • 家庭科部
  • 文芸部
  • ボードゲーム部
  • 今はどれにも入らない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。