ようこそ!読者が紡ぐ実力至上主義の教室へ   作:海月

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前書きを書き忘れていました。
今回のお話は、主人公がどの部活動に入るのかを決めるところからスタートします。
そして新たな交友関係が生まれ、彼女の成長に大きく繋がる事でしょう。

※アンケートの補足は後書きにて記します。


未来への一歩

私は一人、自室で何の部活動に入るべきか考えていた。

 

 

文芸部は多くの本を読むだけでなく、自分で小説を書いたり、洋書の翻訳を行ったりと様々な国の文化を紙という媒体を通して触れる事が出来る部活だ。私は幼い頃、海外の別荘に滞在していた事もあり、私の国外に対する知識欲を満たしてくれるであろう、素晴らしい部活だ。

 

 

次に家庭科部だが、私は自分で食事を用意するという経験が無い。だから料理スキルは人よりも低いと自負している。そして、裁縫もあまり得意ではない為、家庭科部に入って家庭スキルを磨くのもありだと考えていた。だからこの部活を候補に入れたのだ。

 

 

そして、ボードゲーム部は単純にゲームが好きだからだ。リバーシ、トランプ、人狼ゲームといったテーブルゲームをよく中学の友達と行って遊んでいた。これらのゲームを行えば、過去の思い出を覚えていられるような気がして、私はこの部活動を候補に入れた。

 

 

(……どの部活も素敵だし、とても魅力的。だけど、どうしてだろう?私は部活動なんかより、生徒会長と目が合った瞬間、私は生徒会について考えてばかりだ。私は生徒会役員の経験なんてないし、人の上に立つ人間になんてなれるとは思えない。)

 

 

『アンタなんて、産みたくなかった!』

 

 

 

『近衛家の恥が……黙って家の中にいろ。』

 

 

『消えろ、穀潰し。……そしてさっさと死ね。』

 

 

私は生まれるべきじゃなかった。

 

 

母は望まぬ妊娠の上、私を出産したが、当時彼女はまだ若い花盛りの年頃で、とてもじゃないが子供を育てるなんて事出来る訳が無かった。だから母を責める事は出来ない。うら若き乙女、絶世の美女である母を異母兄姉達はたいそう可愛がっており、母の苦しみの元凶である私の事を強く憎んでいた。

 

 

(分かってる。私は価値の無い人間なんだ。だから、誰かの上に立つなんて許される訳が無い。)

 

 

そう思いながらも、私は自信を持って壇上に立つ生徒会長の姿に憧れ、自分自身も彼のような人間になりたいという想いを抱いていた。

 

 

(この学校では、部活と生徒会の両立は出来ない。だから、入る部活は後悔が無いように決めたい。)

 

 

私は学校の公式サイトで各部活動の活動説明を読みながら、真に行いたい活動について考えた。

 

 

「……決めた。生徒会に入りたい、とは思えないけど、私も彼みたいに自信を持った人間になりたい。せめて、近衛家の恥とならぬよう、近衛の人間としてふさわしい振る舞いが出来るようになりたい。誰に何を言われたとしても動じない心を、前向きに笑えるようなポジティブな思考を、私は手に入れたいんだ。」

 

 

私はそう決意し、明日生徒会長に会う為、放課後生徒会室に向かうことにした。

 

 

「失礼致します。1年Aクラスの近衛美雨と申します。生徒会役員募集との事で、是非お話を伺いたいと思っております。宜しくお願い致します。」

 

 

私がそう言うと、生徒会室の中にいた生徒がこちらに目を向けた。

 

 

「……生徒会室へようこそ。俺はこの学校の副生徒会長をしている2年の南雲雅だ。面談ではなく、話を聞きに来たとは、これまた面白いな。昨日お前のクラスの生徒が生徒会役員になりたいと言って押し掛けて来たが、お前はなりたいのではなく、生徒会役員についての話を知る段階なのか。……とりあえず、堀北会長ならもうすぐ戻って来られるはずだ。そこに掛けて待っているといい。」

 

 

彼は笑顔で私に話し掛け、近くのソファに座るよう目線で促した。

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

私はお礼を言ってから、彼の指示に従い腰掛けた。生徒会室の中は綺麗に整理整頓されており、掃除も行き届いているように見えた。清潔感もあり、居心地の良い空間だ。

 

 

「会長が戻ってくるまで暇だろう?少し俺と話をしないか?」

 

 

南雲はそう言って私に話しかけて来た。特に断る理由も無かったので、私は了承する事にした。

 

 

「はい。私なんかで良ければ是非お願い致します。」

 

 

私がそう言うと彼は立ち上がり、私の前のソファまで移動して腰掛けた。そして足を組み、ドラマで見るような圧迫面接を行う面接官のような態度で質問を投げ掛けた。

 

 

「近衛は、生徒会役員の経験は無いようだが、委員会やクラス委員、部長等の経験はあるのか?」

 

 

「いえ、生徒会役員の経験も、クラス委員や部長等のリーダー経験もありません。」

 

 

私が不安そうな声で答えると彼は少し意外そうな顔をした。

 

 

「へぇ?じゃあ、どうして今回生徒会役員に興味を持ったんだ?」

 

 

「……それは」

 

 

正直に話したところで、馬鹿にされてしまうかもしれない。しかし、ここで何も言えなければ、話は先に進まない。私は意を決して、自身の胸の内を明かす事にした。

 

 

「……私は幼い頃から、周りの大人に否定されて育ってきました。だからでしょうか?私には自信がありません。」

 

 

「自信?」

 

 

南雲は少し興味を持ったように聞き返してきた。

私は話を続ける。

 

 

「はい、私には自分が誇れるものが何もありません。だからこそ、昨日壇上に自信を持って立っていた生徒会長の姿に憧れて、私も彼のように胸を張って生きていけるような人間になりたいと思ったんです。大層な目標も夢もありませんけど、私にとっては大きな一歩なんです。」

 

「なるほどな。」

 

 

南雲はそう呟いた後、少し考えた素振りを見せた。そして何か思いついたように顔を上げた。

 

 

「そうか。学校を変えたいだとか、より良くしたいだとか、そんな綺麗事を述べる奴より、よっぽど面白ぇ。最終的な決定権は堀北会長が持っているが、俺が推薦をしてやっても良いぜ。」

 

 

「え?!」

 

 

思いもよらない言葉に驚いて、つい間の抜けた声を上げてしまう。しかし、ここで南雲に甘えて推薦をして貰う事が正解だとは思えない。何故なら、私の生徒会役員になりたいという考えは確固たる思いではない。そして、私の動機は生徒会にふさわしいものではなく、私利私欲を満たす為のものだ。だからこそ……

 

 

「……有難いお話ですが、遠慮させていただきます。」

 

 

私はそう答えた。

 

 

「どうしてだ?推薦して貰えば、楽に生徒会役員になれるんだぜ?」

 

 

彼は私の断りの言葉に納得いかないのか、呆れたように苦笑し、私に考え直すよう促してきた。

 

 

「……私が生徒会役員になりたい動機は、あまりにも幼稚です。だから、先輩の推薦はこの学校に利益をもたらしてくれるような、素晴らしい立候補者にこそ与えるべきものだと思います。私の動機は私利私欲を満たす為ものですから。」

 

 

「なるほどな。」

 

 

南雲は私の考えに納得したのか、それ以上推薦の話を持ち出すことは無かった。そして、それから数秒後、生徒会室の扉が開き、堀北会長がやって来た。

 

 

「待たせたな、南雲。資料は出来ているか……おや、君は昨日の部活動説明会に来ていた新入生だな。」

 

 

「はい。1年Aクラスの近衛美雨と申します。」

 

 

私は立ち上がり、堀北会長に頭を下げた。

 

 

「生徒会役員になりたいのか?」

 

 

私の表情から読み取ったのか、会長はそう聞いてきた。

 

 

「……はい。ただ、私は生徒会や委員会、クラス委員等の経験が一切無いので、まずは生徒会役員について教えていただければ幸いです。」

 

 

私がそう言うと南雲先輩はすぐに口を開き、私について話し始めた。

 

 

「先輩、彼女は昨日来たAクラスの生徒と違って、かなり面白いですよ。話くらい聞いてあげても良いんじゃないですか?……後、資料は完成しています。先に渡しておきますね。」

 

 

南雲はそう答え、堀北会長に資料を手渡した。そして私に座るように促し、話を続けた。その後、堀北会長は私の前のソファに腰掛けた。私達の面談が始まる前に、南雲は生徒会室を去っていった。

 

 

 

「そうだな。……まず生徒会役員の役割について改めて説明しよう。我が校の生徒会役員は主に……」

 

 

私は頷きながらメモを取る。

 

 

「次に書記と会計だ。会計は主に部活動や生徒会予算の管理などを行う役割だ。書記は、議事録の作成や生徒会新聞の発行、我が校の公式SNSの更新、各行事のパンフレット作成も業務に入っているが、パンフレット作成は顧問の先生から指示があった場合のみで、基本的にやる事は少ない。そして最後の役職は庶務だ。庶務には決まった役割は無いが、我が校では放課後の見回りや目安箱の中身の回収、生徒会室の備品の管理を行って貰っている。1年生は基本的に書記か会計か庶務を担当する事になっている。ここまでで、何か分からない事はあるか?」

 

 

私はメモを取りながら、疑問に思った事を質問する。

 

 

「……生徒会役員の業務については理解致しました。しかしながら、私は経験が本当に無いんです。書記、会計、庶務……どの役割があっているのかさえも分かりません。初心者に向いている役職などありましたら、教えていただきたいです。」

 

 

 

「そうだな。……会計や書記も一般的な見回りや備品管理を行う事もあるが、この2つは専門性が高い役職だ。だから、まずは生徒会について理解を深めるという意味でも、庶務からやるのが良いだろう。そこで様々な業務に触れながら、後期の方向性を考えると良い。」

 

 

「……なるほど、分かりました。ありがとうございます!」

 

 

私はメモを取り終えると頭を下げた。その後も幾つか質問を行い、堀北はそれらに全て分かりやすく教えてくれた。

 

 

「……そういえば、まだお前の志望動機について聞いていなかったな。志望動機について教えて貰えるか?」

 

 

「分かりました。私は、昨日の壇上で堂々と自信を持って立っていた堀北生徒会長に憧れて、生徒会役員も素敵だな、と思うようになりました。……私は幼い頃から、周りの大人に否定されて育ってきました。だから、私には自信や自分が誇れるものが何もありません。だからこそ、昨日壇上に自信を持って立っていた生徒会長の姿に憧れて、私も彼のように胸を張って生きていけるような人間になりたいと思ったんです。その為の一歩というのも変かもしれませんが、人前に出て多くの人間に認めて貰える事が出来る生徒会役員に興味を持ち、やってみたいという感情が芽生えたんです。」

 

 

私がそう答えると堀北は少し驚いた様子を見せた。そして南雲の言っていた事を思い出したのか、納得したように頷いた。

 

 

「なるほどな……確かに面白い動機だ。まさか、俺に憧れて生徒会役員を志すとはな。……だが、今すぐお前を生徒会役員に任命する事は出来ない。まずは、どんな学校作りをしていきたいか、今後の学校生活で生徒会役員になっているどんな事をしたいのか……それを考えてから、もう一度ここに来て欲しい。その時、改めて面談を行おう。」

 

 

「分かりました!ありがとうございます!」

 

 

私はもう一度深く頭を下げる。その後堀北は立ち上がり、生徒会室の扉を開いた後私に声をかけた。

 

 

「そうだ、せっかくだから帰る前に一つだけ質問をさせて貰おう。」

 

 

「……?なんでしょうか。」

 

 

「君は、この学校の現状について何か疑問に思っている事は無いか?」

 

 

堀北は真剣な眼差しで私にそう聞いてきた。

私は少し考えた後、素直に答える事にした。

 

 

「……この学校には無料商品や無料定食があります。それらはポイントを使い切ってしまった生徒への救済措置だも考えていますが、その事実から考えると、やはり毎月のポイントの支給額は変動するのでは無いでしょうか?担任の真嶋先生も、来月支給される額について説明してくださらなかったですし、この学校は私達新入生に何か隠している様な気がしています。」

 

 

私は正直に思っている事を伝えた。すると堀北は、少し驚いた様子を見せたあと、納得したように頷いた。

 

 

「なるほどな……良い着眼点だ。連絡先を交換しよう。携帯を出せ。」

 

 

「分かりました。お褒めに預かり光栄です。」

 

 

私は堀北と連絡先を交換した。そして、直後、私の携帯の通知が鳴った。そこには『堀北学から500000プライベートポイントが送金されました』というメッセージが表示されていた。

 

 

「え?!ど、どういう事ですか?!ポイントをどうして……こんな大金、いただけません!」

 

 

(どうして突然こんな大金を送金して下さったの?意味が分からないよ。)

 

 

私は慌てて、堀北会長に携帯の画面を見せる。すると彼は少し笑って答えた。

 

 

「気にするな、先行投資だ。お前を生徒会役員に任命すると断言は出来ないが、お前の前へ進もうという気持ち、そして思考力の高さを評価しただけだ。是非、有効活用してくれ。期待しているぞ、近衛。」

 

 

「……分かりました。ありがとうございます!精一杯、頑張らせていただきます。」

 

 

私はそう答え、深く頭を下げた後生徒会室を退室した。それから、私は生徒会に入ってやりたい事、今後学校をどうしていきたいかを考えながら日常生活を送った。

 

 

「諸君、おはよう。全員揃っているようで何よりだ。今日は、君達に小テストを受けて貰う。このテストは成績に反映されないが、自分の実力を知る良い機会だ。真面目に受験するようにしてくれ。」

 

 

朝のホームルーム、真嶋は小テストの用紙を配り始めた。

 

 

「全員に行き渡ったな。では、始め!」

 

 

私は問題文を見て少し驚いた。何故なら、その問題は基礎中の基礎である、簡単な初級問題だったからだ。

 

 

(このレベルなら問題なく解けそうだね。)

 

 

私は止まることなく、問題を解き進んでいく。そして残りの問題も後3問というところで、私は驚愕した。

 

 

(な、何これ……突然難易度が跳ね上がり過ぎじゃない?!)

 

Q retrospective timingの例として正しいものはどれか。

 

1 クラスメイトからのメッセージを待っている。

 

2 母親の携帯番号を覚える。

 

3 今日何時間働いたかを省みる。

 

4 明日会議がある事を思い出す。

 

 

「retrospective」という単語は、おそらく中学校の英語教材には使われていない単語だ。そして、現在学習中の英語長文にも使われていない。私も幼い頃から英語に触れてきたから知っているだけで、英語を積極的に学んでいなければ一生知らずいた単語だろう。

 

 

「retrospective」は振り返るという意味だ。reは再び、spectは見ると考える事は出来る。ここから類推し、正解を導き出す事は出来ても、スパッとこの単語を見た瞬間振り返ると即答出来る人間は少ないだろう。

 

 

だからこの問題の正解は3となる。

 

 

(私はたまたま知っていたから良かったけど、知らない人の方が多数だろうし、何だか複雑な気持ちだな。)

 

 

その後、残りの2問もこれと同程度以上の難易度であり、最後の3問だけ敢えて難問を入れたのだと推測出来る。この問題が解けるかどうかで、ある程度その人の知識量や思考力が見えてくる。それらを測る為にこのような問題を最後に出題したのだろう。

 

 

そして、この日受けた全ての教科の小テストで、最後の3問だけ難易度が跳ね上がっている事から、これは学校全体で出題方針が決まっているという事が分かった。

 

 

「辞め!」

 

 

真嶋の合図で全員がシャープペンを机に置く。

 

 

「では、今から解答用紙を回収する。後ろの席から前の席へ解答用紙を送るように。」

 

 

その後、全員の解答用紙が回収されると、真嶋はすぐにホームルームを始めた。

 

 

「……お疲れ様。全員言いたい事もあるだろうが、まずはホームルームを行う。といっても、この後我々教員はすぐにテストの採点を行わなければならないので、連絡事項を述べて終了だ。今日は6時間目の授業が無いので、この後すぐ放課となる。まず、明日からの日程だが、一部授業変更がある。化学基礎の……」

 

 

急いでいるのか、真嶋は早口で連絡事項を伝えていく。そして約2分後、ホームルーム終了の挨拶を行い、真嶋は急ぎ足で教室を出て行った。

 

 

生徒達はテストの難易度について話したり、自己採点をしたりと、各々自由に過ごしている。

 

 

(今から放課後だし、自由に行動出来るね。何をしようかな。誰かに話し掛けるてみようかな?それとも、どこかへ出かけようか?うーん、迷っちゃうね。)

 

 

何をしようかと考えていると、脳内に幾つかの選択肢が浮かんできた。




『ようこそ!読者が紡ぐ実力至上史上主義の教室へ』に関するルール

①1話につき1つ選択肢がある
②選択肢は多数決で決める
③選択肢に関する補足説明は後書きにて記す
④主人公のステータスは選択肢によって増減する
⑤ステータスは最大値は100、最小値は0となる
⑥アンケートの締切は翌日の0時(又は約24時間後)

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近衛美雨のステータス

体力:40(限界値50)
頭脳:80.5(限界値100)
芸術:11(限界値75)
コミュ力:54(限界値90)

※頭脳が0.5up

※コミュ力が2up

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親密度一覧

山村  100(MAX)

葛城  10(最大100)

坂柳  5(最大100)

神室  6(最大100)

鬼頭  0.5(最大100)

南雲  2(最大100)

堀北学 7(最大100)

※南雲が2up

※堀北学が7up

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※補足1→選んだ選択肢によって、今後関わる人物やイベントに変化が現れる

※補足2→選択肢によって、能力値や能力の限界値が変化する事がある

※補足3→家に帰る場合、特に何も起きない(その後の状況やイベントによって数値が変動する事はあります。)

放課後がやってきた。近衛がすべき行動はどれ?

  • 教室で自己採点をする
  • 図書室で本を借りる
  • 坂柳と橋本に話し掛ける
  • 神室に話し掛ける
  • 葛城と戸塚に話し掛ける
  • 何もせずに帰る
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