ようこそ!読者が紡ぐ実力至上主義の教室へ   作:海月

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投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。
今回のお話は4月最後の登校日の放課後についてです。
今回のお話を読んで、後書きの補足を読んだ方は一部の数値について「あれれ?」と思う事があるかもしれませんが、数値については正常ですので、ご安心下さい。

※アンケートの補足は後書きにて記します。

追記→アンケートの3つの選択肢が同票になってしまっている為、アンケートの締切は明日の朝とします。次話からの方針や展開が変わる為、今回のアンケートに関してはこのような特別措置を行わせていただきます。(2024/04/08 22:39:54)

追記2→アンケートの結果、3つの選択肢が同票なので、ランダムで選ばせて頂きます。御理解の程宜しくお願い致します。次話については今日中に上げる予定です。



充実した放課後

頭の中に浮かんできた選択肢をしっかり吟味し、2つまで絞ったが、どうしても完全に絞りきれなかった。

 

 

(借りたい本もあるけど、坂柳さん達とお話もしたいな。……うん、どっちもすれば良いんだよ。今日はいつもより一時間早く放課後になったし、時間はたっぷりあるもんね!)

 

 

放課後、勉強会が無い日は坂柳はすぐに教室を出て行ってしまう。しかし今日の彼女は橋本と話しており、すぐに教室を出て行く事は無さそうだ。そして私は橋本とも必要以上に関わっていない為、これを機に仲良くなれるかもしれないと、私はそう思いながら2人に話し掛ける。

 

 

※ちなみに勉強会とは、Aクラスのリーダー格である葛城と坂柳が度々主催して行う、授業形式の勉強会の事だ。

 

 

「坂柳さん、橋本君。小テストどうだった?」

 

 

私は当たり障りのない問い掛けをしながら、2人に近づく。

 

 

「私は満足いく結果でしたよ。」

 

 

坂柳は自信たっぷりに微笑んだ。彼女は頭脳面に秀でた生徒が多いAクラスの中でも、一線を画している実力者だ。そんな彼女が自信を持ってこの発言をしたのであれば、彼女の発言は正しいのだろう。

 

 

「俺はそこそこな点数だと思うぜ。……それにしても、最後の3問は本当に難しかったな。俺なんか1問合ってれば上出来ってレベルの出来だ。」

 

 

橋本は悔しそうにそう語った。すると坂柳は少し考えるような仕草を見せた後、口を開いた。

 

 

「確かに最後の3問は難しい問題でしたね。特に英語と社会に関しては、高校と中学のどちらでも学んでいないので、かなり難易度の高い知識問題です。ですから、Aクラスにいくら学力の高い生徒が多いといっても、この3問の正答率は30%にも満たないでしょうね。」

 

 

「……まあ、その可能性もあるでしょう。ですが、まだ結果は返ってきていませんから、前向きに考えましょう。」

 

 

坂柳は私の言葉に頷きながら言葉を続ける。

 

 

「ええ、そうですね。このクラスであれば、テストが返却されたとしても、狼狽える事無く、淡々と自分の実力を受け入れられるはずです。このクラスは、他のクラスとは違いますから。」

 

 

(他のクラスと違う……?確かにこのクラスは他のクラスと比べて、学業に秀でた生徒が多い。だけど、他のクラスにも優秀だと評判の生徒はいる。『他のクラスとは違いますから』ってどういう事なんだろう?)

 

 

坂柳の言葉の真意を掴めず、私は困惑していた。坂柳の言葉では、まるで他のクラスと大きな差があるように聞こえてしまう。まるで、この学校は、クラス間に明確な優劣が存在しているかのような発言だ。

 

 

「坂柳さん、それはどういう意味ですか?」

 

 

私は思わず聞き返してしまった。しかし彼女は私の言葉に対して驚いたような顔を見せたが、すぐにいつも通りのほほ笑みを浮かべ、私に向かって笑い掛けた。私はそんな彼女の態度に、背筋が凍るような悪寒を感じた。

 

 

「いえ、何でもありませんよ。私はただ、このクラスの生徒の皆さんに期待をしているだけですから。」

 

 

彼女はそう言って微笑むだけで、それ以上は何も語らなかった。私ははぐらかされたと思い彼女に言及しようとしたが、橋本は『他のクラスと違いますから』という坂柳の言葉には触れず、話題を切り替えた。

 

 

「そういえば、知っているか?来月の末に中間試験が行われるらしいぜ。もうじき、テスト範囲の紙が配られるだろうな。」

 

 

「おや、もうそんな時期ですか。きちんと対策を行わなければいけません。テスト範囲が伝えられたら、今度ウチの派閥でもテスト対策の勉強会を開きましょうか。……もし良ければ、近衛さんもいらしてください。歓迎しますよ。」

 

 

坂柳は橋本の言葉を聞いて、テスト対策の勉強会を開くそうだ。そして私もその勉強会に誘われてしまった。彼女に誘われたという事実に胸が熱くなり、心の中が嬉しさで満たされた。そして先程感じた悪寒や違和感は忘れ、私は彼女の言葉に笑顔で返事を返した。

 

 

「誘ってくれてありがとう、坂柳さん。是非参加したいです!」

 

 

私がそう言うと、坂柳は嬉しそうに頷いた。

 

 

「ええ、お待ちしています。勉強会を開く時は個人チャットの方に連絡させていただきます。近衛さんは山村さんと仲が宜しいですよね?良ければ、彼女も誘って是非2人でいらして下さい。」

 

 

坂柳は、私が美紀と仲が良い事を知っている。彼女は以前、美紀を派閥のメンバーに誘っていたが、彼女はまだ判断が出来ないからと断っていた。坂柳は彼女との接触を図る為に、私を勉強会に招待し、あわよくば美紀を攻略しようとしているみたいだ。

 

 

「……一応美紀ちゃんにも聞いてみるね。それで彼女が了承したら、是非一緒に参加させて貰うよ。」

 

 

ここで彼女の意志を無視して参加出来るとは言えない。だから、美紀に確認を取ると約束し、この場を濁す事にした。

 

 

「あら、そうですか。では是非、この事を山村さんにお伝えしてください。頼みましたよ?近衛さん。」

 

 

「う、うん。分かったよ。約束するね。」

 

 

坂柳は私に向き直り、小さく頭を下げた。そこまでして、美紀を派閥の人員にしたいのであれば、やはり美紀は坂柳から見て優れた何かを持っているのだろう。坂柳は、私を通して美紀と話したいだけらしい。

 

 

(坂柳さんは、美紀ちゃんに何を求めているんだろう?……確かに美紀ちゃんは優秀だけど、ここまで固執するのであれば何か目的があるはず。)

 

 

そんな事を考えながら、私は橋本に視線を向けた。彼は坂柳が私を勉強会に招待すると話している間、一言も話さず私達の会話を聞いているだけだったからだ。しかし私と視線が合うと、彼は私に向かって口を開いた。

 

 

「……そういえば、俺はまだ近衛と連絡先を交換していなかったよな。折角だし、連絡先交換しないか?」

 

 

 

橋本から連絡先交換を求められた私は、少し驚きながらもすぐに携帯を取り出した。そして彼と連絡先を交換した。

 

 

「そうだ、この後カラオケに行かないか?近衛は神室ちゃんと仲が良かっただろ?今から俺と姫さんは同派閥の奴らとカラオケに行くんだ。」

 

 

「カラオケ?」

 

 

「ええ。実は、派閥の皆さんとの親睦をふかめる為、週に一度私達はカラオケやアミューズメント施設等で集まって、遊ぶようにしているんです。もし、近衛さんが私の派閥について興味があれば、是非参加していただきたいですね。いかがですか?」

 

 

私は坂柳の言葉にどう返事をするべきか悩んだ。今日はこの後、図書室に行って本を借りる予定だ。それを取り止めてでも、彼らの集まりに参加する価値があるのだろうか。

 

 

「……」

 

 

私は現状、葛城派と坂柳派のどちらにも属していない。だからこそ、両派閥について知る機会というのは重要だ。選挙と同じで、立候補者、そして彼らの掲げる公約を知り、どのような活動を行っているのかを知って初めて、私達は投票の場に立つ事が出来る。だから坂柳派の集まりに参加すれば得られる物はある。

 

 

しかし、坂柳派の集まりに参加すれば、彼女を支持する人間というレッテルが貼られてしまう。現状中立の立場である私は、そのようなレッテルを貼られる訳にはいかない。

 

 

(……答えは一つだよね。)

 

 

「……申し訳ないけど、今日はこの後図書室に行く予定なんだ。最近映画化されたミステリー映画の原作を借りたいんだよね。」

 

 

「あら、それは残念ですね。ではまたの機会にお誘いいたします。」

 

 

坂柳は残念そうな表情を浮かべたが、すぐに笑顔に戻り私に頭を下げた。橋本も申し訳なさそうに笑う。

 

 

「じゃあな、近衛。また今度誘うよ。」

 

 

「うん、また明日ね。次の機会を楽しみにしているよ。」

 

 

私は2人に別れを告げると、教室を後にし図書室へと向かった。この学校の図書室はかなり広く、ジャンルを問わず様々な本が置かれている。私はミステリー小説のコーナーに足を運び、『葬送の花嫁』という映画の原作本を手に取る。

 

 

この小説は、1人の女性が結婚を目前にして死体となって発見されるところからスタートする。その日は結婚式当日で、式前に最後の打ち合わせを行っていた。その後、数分間花嫁は控え室で待機する事になり、その間に彼女は殺され、白いウエディングドレスを真紅に染めた状態で発見される事になる。そして、彼女の式にゲストとして招待されていた有名なミステリー作家が探偵気取りで事件の推理を始めていく。

 

 

よくあるミステリー作品だが、この映画は人気俳優が作家役に抜擢された事で大ヒットし、最近ではコミック化も視野に入れられているという。そして、多くのファンから続編が待望され、今年の一月に作者は続編を執筆するSNSで発表し、この発言により映画や小説の内容を知らない新規の読者が増え、トレンドに乗る程人気が高まっている。

 

 

(……そして、私もSNSを通してこの作品に興味を持った新規の読者なんだよね。)

 

 

「すみません、貸し出しをお願いします。」

 

 

「分かりました。返却期限は来週の金曜日です。」

 

 

「分かりました。ありがとうございます。」

 

 

私はミステリー小説をカウンターに持っていき、司書に貸し出しの手続きを行って貰った。そして空いている席に座り、貸し出して貰った本を読み始める。

 

 

私はミステリー小説が好きだ。しかし、好きなジャンルは他にもあるが、その中でもミステリーというジャンルが特に好きだった。理由は、謎が解けていく過程や、犯人の動機、登場人物のミスリード等、物語を深く楽しむ為の要素が多いからだ。ミステリー小説は、その謎を読者と探偵が追い掛けていくものが多い。私は推理前の情報収集の段階も好きで、探偵と一緒に推理をしているような気分になれてとても楽しい。だから、ミステリー小説が好きなのだ。

 

 

(……なるほどね。このハンカチが濡れているって文も重要そう。)

 

 

それから約2時間が経った頃、最終下校時刻30分前を知らせるアナウンスが鳴った。

 

 

『最終下校時刻30分前になりました。生徒の皆さんは速やかに下校の支度をしましょう。』

 

 

確か、このアナウンスも生徒会役員の仕事だったはず。生徒会の業務は多岐に渡っているようだ。

 

 

(そろそ帰らないと。確か、夕方に雨が降るって天気予報で見たし、今日は傘も持っていないから急がなきゃ。)

 

 

私は本に栞を挟んで鞄の中に仕舞い、図書室を後にした。急ぎ足で廊下を進み、階段を降りるために右に曲がる。しかし、その時一人の生徒にぶつかってしまった。

 

 

「きゃあっ!」

 

 

「わあっ!」

 

 

幸い私はよろけるだけで済んだが、私がぶつかった女子生徒は反動で壁にぶつかってしまった。

 

 

「ごめんなさい!大丈夫ですか!?」

 

 

私は慌てながら彼女に駆け寄る。彼女はすぐにはにかみ、小さく頷いた。

 

 

「私は大丈夫です。随分急がれていたようですが、貴方の方は大丈夫ですか?」

 

 

彼女は乱れた髪を整えながら立ち上がる。

 

 

「はい、私は大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。本当にぶつかってしまって、申し訳ありませんでした。」

 

 

彼女に向かって謝り頭を下げた時、彼女が持つ本が目に入った。その本のタイトルは『葬送の花嫁』で、私の借りた本と同じものだった。

 

 

「あ、あの!その本って『葬送の花嫁』ですよね!」

 

 

私がそう聞くと、彼女も本を見て驚いたような表情を浮かべた。そして、彼女は小さく頷く。

 

 

「ええ。実はこの本の作者さんが好きで、著書は全て買っているんです。」

 

 

そう言い、彼女は大切そうに本を抱き締め、笑みを浮かべた。彼女の行動から、本当にこの本を愛しているという意思が伝わってくる。

 

 

「私も『葬送の花嫁』は現在読んでいる途中ですが、とても素敵な作品だと思います。主人公である作家の詩的な表現に、登場人物の個性、時折読者に対して挑発的な棘を含んだ地の文……何を取っても面白くて、2時間も読書に没頭しちゃいました。この作者さんの表現は素晴らしいですね。」

 

 

「分かります。私もこの作者の表現は素晴らしいと常日頃から思っています。是非、他の作品も読んでみて欲しいです。」

 

 

彼女は私の感想に共感するように頷きながら、嬉しそうに笑った。そして、彼女は私に手を差し出した。

 

 

「私は1年Cクラスの椎名ひよりと申します。もし宜しければお名前を教えて頂けませんか?クラスには本について話せる方がいなくて……良かったら、私とお友達になっていただきたいです。」

 

 

「私は1年Aクラスの近衛美雨と申します。私もまだあまり沢山のお友達はいないので、とても嬉しいです。是非、私とお友達になってください。」

 

 

「はい、よろしくお願いしますね、近衛さん。」

 

 

私と椎名さんは互いに自己紹介をしあい、握手を交わした。

 

 

「良かったら一緒に帰りませんか?近衛さん。私も今から寮に戻るところだったんです。」

 

 

「本当ですか?じゃあ、是非一緒に帰りましょう。」

 

 

私が賛成すると、私達はすぐに連絡先を交換した。そして彼女がにこりと微笑んでから、私達は一緒に歩き始めた。

 

 

「あの、良かったらひよりと呼んでいただけませんか?私、近衛さんともっと仲良くなりたいんです。」

 

 

「じゃあ、私の事も気軽に美雨と呼んで下さい。これから宜しくお願いしますね、ひよりちゃん。」

 

 

それから私達2人は談笑しながらゆっくりと下校して行った。ひよりの話は飽きる事なく、いつまでも聞いていられるような心地良さがあった。彼女の話し方は聞き手への配慮が分かるほど丁寧で、つい聞き入ってしまう。

 

 

「そういえば、美雨ちゃんはこの学校のクラス分けについて疑問に思った事はありませんか?」

 

 

「クラス分け?」

 

 

唐突に振られた話の内容に私は驚いた。ひよりは一体、この学校について何を疑問に思ったのだろうか。

 

 

「はい。実は、入学初日、Cクラスに行くまでの間にDクラスの前を通ったんですが、そのクラスの多くの生徒達は教室でゲームをしたり、ネイルをしたり、大きな声で騒いだりとかなり素行が悪い方が多いように感じたんです。そして、私も組み分けられたCクラスの教室に向かったんですが、そこでは暴力を使った喧嘩が行われていたんです。」

 

 

「ぼ、暴力、ですか?」

 

 

穏やかではない単語が聞こえ、私は動揺する。しかし、確かにひよりの言う通りCクラスとDクラスには素行不良の生徒が多いという噂が流れていた。だから嘘だと否定する事は出来ず、彼女の言うような状況も有り得てしまう。

 

 

「はい。クラスのリーダーを巡って、対立が起きてしまい、暴力で解決する事になってしまったみたいなんです。」

 

 

「対立……そんな事が起きていたのですね。」

 

 

私はパンフレットに書かれた情報を盲信していた。進学率、就職率がほぼ100%の名門校で、将来国を引っ張て行けるような優秀な人材を排出する国立の教育機関。しかし、その実態はとてもじゃないが、進学校と呼べるようなものじゃなかった。暴力を力を得る手段として使う生徒や、素行不良の生徒が多数在籍しており、平穏な学校生活とはかけ離れている。私はその事実を知り、不安が募っていく。

 

 

「……入学式から約2週間ほどして龍園翔君という生徒がクラスのリーダーになり、統率が取れるようになりました。しかし、その

 

頃、私は茶道部に入部したのですが、その時にBクラスやAクラスの生徒とも関わったんです。そして、私は彼女達に各々のクラスの様子を尋ねたところ、Bクラスはコミュニケーション能力が高く明るい生徒が多く、Aクラスは真面目で勉強熱心な生徒が多いという事を知りました。」

 

 

「確かに、私のクラスには勉強が好きな生徒や勉強が得意な生徒が多いように感じます。」

 

 

「そうなんです。でも、CクラスやDクラスには素行不良の生徒が多く在籍しています。ただ、私のクラスはすぐに統率が取れましたが、Dクラスはまだ生徒間での纏まりが無いようで、クラス内で小さなグループが幾つか出来ている状態らしいです。そこがどうしても引っかかってしまって……ごめんなさい、変に不安を煽ってしまったでしょうか?」

 

 

「いえ……そう言われると、確かにクラス間の生徒の質に問題があるように感じます。」

 

 

ひよりの話していた内容を纏めると、Aクラスには学習意欲の高い生徒が多く、Bクラスには協調性のあるコミュニケーション能力の高い生徒が多い。そして、Cクラスには粗暴な生徒が多く、Dクラスには素行不良の生徒が多い。AクラスからDクラスにかけて不真面目な生徒が多くなっているようだが、これを単なる偶然だと片付ける事は本当に正しい事なのだろうか。

 

 

そんな事を考えていると、脳裏にとある記憶が流れ込んできた。

 

 

"道中、Dクラス、Cクラス、Bクラスという3つのクラスの前を通った。その時、私は小さな違和感を感じたが、その違和感の正体が何なのかは不明だ。"

 

 

入学初日、Aクラスに入る前に私が違和感を感じた記憶。

 

 

そして……

 

 

『ええ、そうですね。このクラスであれば、テストが返却されたとしても、狼狽える事無く、淡々と自分の実力を受け入れられるはずです。このクラスは、他のクラスとは違いますから。』

 

 

ついさっき、坂柳がしていた不自然な発言。

 

 

私は今、この2つの点と点が繋がったような気がした。そして改めて考える。

 

 

(……そういえば、私は入学初日、他クラスの前を通ってAクラスの教室に向かったけど、その時違和感を感じた。そして、放課後に坂柳さんと話した時、彼女の言っていた発言はクラス間に明確な優劣の差があると言っているも同然だった。これらから考えられる事って、今ひよりちゃんが話していた事と通じている気がする。)

 

 

「……クラス間の生徒の質が明らかにおかしいです。まるで、Aクラスから優秀な生徒順に振り分けたかのようです。」

 

 

「やっぱりそう感じますか?私も、この学校の組み分けには何か意味があるんじゃないかと考えています。」

 

 

ひよりは神妙な面持ちで自分の考えを肯定した。

 

 

「……この学校はあまりにも世間一般の学校とかけ離れていて、外に出る事には金銭感覚や生活の質が麻痺しまいそうですね。」

 

 

ひよりは小さく溜息をつき、困った様に笑いながらそう話した。私も軽く笑いを返す。その後、寮に着くと私達は住んでいる部屋の階が違うので、ひよりの住む階にエレベーターが着いたところで別れた。

 

 

自室に着いてから、うがいと手洗いを済ませ、私は私服に着替えた。そして、坂柳に頼まれた事について美紀にメッセージを送る。

 

 

『もうすぐ中間試験があるみたい。それで、坂柳派では中間試験のテスト対策の勉強会を開くみたいだよ。私はその勉強会に誘われたんだけど、坂柳さん曰く是非美紀ちゃんにも来て欲しいみたいなんだ。美紀ちゃんさえ良ければ一緒に参加したいって思っているんだけど、どうかな?』

 

 

「送信、っと。」

 

 

それから数分後、携帯端末がピコンと音を立てて鳴り、通知が届いた。私は画面を確認すると、そこには『掘り北学からメッセージが送信されました。』と表示されていた。すぐに通知を押し、メッセージを確認する。

 

 

『久しぶりだな、近衛。そろそろ、自分の意思は固まった頃だろうか。近い内に面談をしたいと考えているんだが、来週の月曜日の放課後は空いているか?明日、生徒会役員の志願者と面談予定がある。集団面談という形で行いたいと考えている。』

 

 

「生徒会役員の志願者と一緒に集団面談、か。」

 

 

私はそう呟き、少し考える。そして、メッセージを書き込もうとした時、橋本の発言が脳裏に思い浮かんだ。

 

 

『そういえば、知っているか?来月の末に中間試験が行われるらしいぜ。もうじき、テスト範囲の紙が配られるだろうな。』

 

 

来月行われる中間試験にどんな問題が出題されるかは不明だ。今日の様な小テストなら問題無いが、最後の3問のような難問が出されたら、得点は難しい。だからこそ、過去のテスト問題を知り、傾向から勉強内容を考える必要がある。

 

 

私はそう思い、メッセージを入力していく。

 

 

『こちらこそお久しぶりです。集団面談の件ですが、月曜日の放課後は予定も無いので、是非参加させていただきたいです。……それから、一つ先輩にお願いがあります。もし、昨年の中間試験の過去問をお持ちでしたら、コピーさせていただきたいと考えております。急ぎでも無いので、お返事は明日の面談の時にでもしていただけたら有難いです。どうか、宜しくお願い致します。』

 

 

メッセージを送信した時、新たなメッセージが届いた。その人物はまさかの???だった。





『ようこそ!読者が紡ぐ実力至上史上主義の教室へ』に関するルール

①1話につき1つ選択肢がある
②選択肢は多数決で決める
③選択肢に関する補足説明は後書きにて記す
④主人公のステータスは選択肢によって増減する
⑤ステータスは最大値は100、最小値は0となる
⑥アンケートの締切は翌日の0時(又は約24時間後)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

近衛美雨のステータス

体力:40(限界値50)
頭脳:81(限界値100)
芸術:11(限界値75)
コミュ力:53(限界値90)

※頭脳が0.5up

※コミュ力が坂柳との会話で2down

※コミュ力が椎名との会話で1up

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親密度一覧

山村  100(MAX)

葛城  10(最大100)

坂柳  4(最大100)

神室  6(最大100)

鬼頭  0.5(最大100)

南雲  2(最大100)

堀北学 7(最大100)

椎名  5(最大100)

橋本  0(最大50)

※坂柳が1down

※椎名が5up

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※補足1→選んだ選択肢によって、今後関わる人物やイベントに変化が現れる

※補足2→選んだ選択肢によって、能力値や能力の限界値が変化する事がある

※補足3→選んだ選択肢によって、今後起きるイベントが変化する事がある

※補足→選んだ選択肢によって、相手からのメール文の内容が変化する

近衛の元にメッセージが届いた。送り主は一体誰?

  • 葛城康平
  • 神室真澄
  • 真嶋智也
  • 戸塚弥彦
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