ようこそ理想郷へ   作:ナムさん

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試験の説明は......なんと松下にバトンタッチすることになりました。全くの予定外、でも面白そうだからやっちゃいました。

綾瀬みたいなオリ主だとこういうことが出来て良いですね


第33話 期待

 時刻は19時5分。

 私────松下千秋は学校側から指定された部屋へと向かっていた。

 その道中、私はあるクラスメイトのことについて考えていた。

 そのクラスメイトの名前は綾瀬心音さん。今までずっと気になっていたけど、無人島試験以降はその気持ちが更に強まってしまったのだ。

 まるで女の子に恋する女の子みたいな言い方だが、決してそんなものではない。

 私は綾瀬さんに対して、強い期待を抱いているのだ。

 この気持ちを理解してもらうためには、まず初めに、私という人物について知ってもらわなければならないだろう。

 私の生まれはそこそこ裕福で、優しい両親に恵まれ何不自由なくここまで育ててもらった。特に苦労することもなく、順風満帆な人生。

 そして基礎能力にも恵まれ、私は学年の中でも優秀な方だと自負している。上位10%の枠内であれば、ほぼ間違いなく手中に収めているはずだ。

 それでもDクラス内で頭角を現さないでいるのは、私が手を抜いているからだ。もちろん要所では足を引っ張らないようにしているけど、目立ちすぎるのは好きじゃない。

 Dクラスは総じて能力が低く、そんな中で中途半端に実力を出しても色々とやっかみを買うか、極端に頼られてしまって面倒事に巻き込まれる。それは避けたかった。

 それに良くも悪くも、私は優秀止まりであって、天才なわけじゃない。

 何より率先して物事を動かすタイプでもない。

 ただ......私だってAクラスを目指したい。安定を望む私にはAクラスの特権は魅力的だし、何より『Aクラスで卒業出来なかった生徒』として厄介なレッテルを張られて卒業するのは足かせになりかねないからそれだけは避けたかった。

 でも私はこのクラスでAクラスなんて到底無理だと半ば諦めていた。

 無人島試験では結果的には一位だったけど、多くの課題が露呈したものになった。まずはチームワークが絶望的に不足していること。平田くんが皆を纏めてはいたが、彼は平和主義で重要なことは決断できないし、そもそもクラスメイトたちの思慮が浅すぎて下らない問題をいつまでも引っ張ってしまう。

 次に個々の能力の低さ。これはBクラスを例にあげると分かりやすい。もしBクラスが今回のDクラスのようなトラブルに見舞われても、個人個人で考え、解決へと導いていっただろう。だけどDクラスにはそれが出来ない。全体的に学力は低いし、身体能力も劣っている。そして他にも色んなところが不足しているからいざというときに誰かを引っ張るような生徒が不足、もしくは存在しない。平田くんや櫛田さんも頑張ってはいるが、やはり大勢が足を引っ張っている以上限界がある。これではAクラスなんて程遠い。

 篠原さんたちに至っては、Bクラスのベースキャンプ訪れた際に『私たちとは違う感じなんだ~』なんて呑気なことを言っていたが、Bクラスのベースキャンプはどう見てもDクラスの上位互換そのものだった。そこに気づけないレベルなんだから余計にそう思ってしまう。

 総じて能力が低いDクラス。

 でも、綾瀬さんの存在が、まだ私に希望を持たせてくれていた。

 綾瀬心音さん。こう言っちゃ悪いけど、綾瀬さんはかなり頭が悪い。テストはクラスで最下位。あの須藤くんよりも下だ。勉強は出来ないけどその代わりに機転がきく、なんてこともなさそう。

 なんか考えることを放棄して本能で生きてるって感じがするんだよね。もっと分かりやすく言うと、目の前のことしか考えられないって感じかな。だから勉強方面では期待していない。

 でも私は綾瀬さんから只者ではないオーラをずっと感じている。それが分かるのはまず普段の体育。綾瀬さんは体育で手を抜いている。殆どの生徒はそんなことに気づいていない。でも私には分かる。なぜなら、私からすれば綾瀬さんは実力を隠すのが下手な方だからだ。同じく実力を隠している身としては嫌でも分かってしまう。私は初めて綾瀬さんの水泳を見たときからずっと観察していたんだ。それでもまだ底は見えない。水面下に見えるものだけでも末恐ろしい能力が見え隠れしている。

 身体能力に限りだが、彼女に敵う存在なんていない。私の中ではそんな突飛な結論にまで至っている。

 それは無人島試験のときの綾瀬さんを見てそう思った。まず特筆すべきなのは綾瀬さんは森の中を汗一つもかかずに何度も回って食料を持ってきていたこと。おかげでDクラスは30ポイント以上のポイントを節約できていた。それだけでも異常なスタミナなのが分かるのに、無人島試験が終わった後に囁かれる噂には綾瀬さんが他のクラスにも食料を配っていた、なんてものがある。私は他クラスにそこまで親しい人がいるわけじゃないので詳細までは分からないけど、それが事実だったとしたらある恐ろしい事実が頭に浮かぶ。

 それは綾瀬さんがDクラスだけに食料を配っていたらDクラスはとんでもないポイントを節約できていたのかもしれないということだ。食料は水とセットにすると1食10ポイント。1日2食で押さえるにしても20ポイント。もしそれを5日分使わずに済めば100ポイントも浮く計算になる。もちろんそこまで綾瀬さん一人で賄うのは厳しいかもしれないけど、綾瀬さんならきっとそれが出来たと私は思っている。もしそんなことになっていれば今頃Dクラスは更なる躍進を見せていた。

 そしてもう一つ囁かれる噂が綾瀬さんの身体能力が異常であることを裏付ける証拠へと繋がる。その噂とは、綾瀬さんがCクラスを掌握した、なんていうこれまた恐ろしい噂だ。綾瀬さんは試験中にCクラスに保護してもらっていたみたいだけど、その際に色々なスポーツをやらせたらしい。そしてその身体能力を余すことなく発揮したとのこと。そしてそれを見たCクラスの生徒たちが綾瀬さんに恐怖を抱いている......その目で見たわけじゃないからなんとも言えないけど、そんな噂が至るところで流れているのだ。

 でも、綾瀬さんがCクラスじゃなくてもDクラスを掌握していた場面はあった。櫛田さんと平田くんがフォローしていたからあのときのことは有耶無耶にはなっているけど、私は今でもあの光景が忘れられない。異常な力、圧倒的な強者の風格。そして女子の代表格である軽井沢さんが綾瀬さんに屈服して怯えていた目。間違いない。綾瀬さんは誰にも負けない身体能力があると自負していて、しかもその力をしっかり理解しながら振るうことが出来る。

 一応気になることと言えば平田くんのフォローが少し鬼気迫っていたような感じだったことだけど......今は一旦置いておこう。

 綾瀬さんについて確実に言えることは、勉強は出来ないけど身体能力は随一ってこと。

 その対照として勉強だけが出来る幸村くんなんかがいるけど、正直勉強だけ出来る生徒ならAクラスにゴロゴロいるだろう。でも身体能力だけは別。身体能力が優れている生徒なんて大分限られるし、綾瀬さんならAクラスの生徒を軽く凌駕するんだという結論が既に私の中で出ていて、それが揺らぐことはない。

 そして綾瀬さんの価値が高いことは無人島試験で証明されている。

 つまり、綾瀬さんがいればAクラスに上がることも夢じゃない可能性があるのだ。今は夏休みの最中。まだ間に合う。

 私は綾瀬さんをAクラスに上がるために────利用する。

 そのためにも出来ることなら早く綾瀬さんと接点を持ちたい。もし綾瀬さんも私と同じ時間と部屋で呼び出されていたら......私はそんな期待を込めて扉を開けた。

 そこにはBクラスの担任。星之宮先生とクラスメイトの池くんがいた。私は一度肩を落としたが、席に着くと椅子がもう一つ空いていることに気づく。

 もしかしたら────。

 私がそう期待を抱いていると、扉を開ける音が聞こえた。

 現れたのは────綾瀬さんだった。

 私は溢れでそうになる喜びをなんとか押さえ込み、綾瀬さんに声をかける。

 

「やほ、綾瀬さん」

 

 綾瀬さんは普段通りボーッとした顔をしながら、所々跳ねている寝癖なんて気にもせずに席につく。

 そして星之宮先生の試験の概要について説明がなされた。

 

「......私、考えるの苦手......」

 

 今回は綾瀬さんの苦手分野。だからこの試験ではあまり期待はできない。だけどそこは私がカバーしてあげればいい。もしそれが出来た場合、私は綾瀬さんから信頼を得ることが出来る。今後のことも考えてそれは必須事項だ。

 

「まだどんな試験をするのかは分からないと思う。でもちゃんと説明するからね」

 

 とりあえずどんな試験かを把握しないとね。せいぜい優秀程度の私が勝てる試験ならいい。

 

「今回の試験では、大前提としてAクラスからDクラスまでの関係性を無視してね。そうすることが試験をクリアするための道筋だから」

 

「関係性を無視するって......なんだ?」

 

「......?」

 

 二人と同じように私もまだ良く分かっていない。

 

「今から君たちはDクラスとしてじゃなく、鼠グループとして行動するんだよ。そして試験の合否の結果はグループ毎に設定されてるからね」

 

 ......少しずつ理解できるようになってきた。でもまだ全貌は見えてこない。

 

「特別試験の各グループにおける結果は4通りしかないよ。例外はなくて、必ず4つのどれかの結果になるようになってるからね。分かりやすく理解してもらうために結果を記したプリントがあるよ」

 

 持ち出しや撮影などは禁止だと注意を受けた後、そのプリントに目を通す。

 

『夏季グループ別特試験説明』

 

 本試験では各グループに割り当てられた『優待者』を基点とした課題となる。

 

○試験開始当日午前8時に一斉メールを送る。『優待者』に選ばれた者には同時にその事実を伝える。

 

○ 試験の日程は明日から4日後の午後9時まで(1日の完全自由日を挟む)。

 

○ 1日に2度、グループだけで所定の時間と部屋に集まり1時間の話し合いを行うこと。

 

○ 話し合いの内容はグループの自主性に全てを委ねるものとする。

 

○ 試験の解答は試験終了後、午後9時30分~午後10時までの間のみ優待者が誰であったかの答えを受け付ける。なお、解答は1人1回までとする。

 

○解答は自分の携帯電話を使って所定のアドレスに送信することでのみ受け付ける。

 

○『優待者』にはメールにて答えを送る権利が無い。

 

○ 自身が配属されたグループ以外への解答は全て無効とする。

 

○ 試験結果の詳細は最終日の午後11時に全生徒にメールにて伝える。

 

 これが基本的なルール。他にも禁止事項なんかがあって、無人島の試験よりも細かい注意書きが多い。

 そして、ここからが4つの定められた『結果』

 

結果1 グループ内で優待者及びその所属クラス以外の全員の解答が正解していた場合、グループ全体にプライベートポイントを支給する。(優待者の所属するクラスメイトもそれぞれ同様のポイントを得る)

 

結果2 優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、1人でも未回答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する

 

結果3 優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ正解していた場合。答えた生徒の所属するクラスは50クラスポイントを得ると同時に、正解者に50万プライベートポイント支給する。また、優待者を見抜かれたクラスは50クラスポイントを失う。及びこの時点でグループの試験は終了となる。

 

結果4 優待者以外の者が、試験終了を待たず解答し不正解だった場合。答えたクラスは50クラスポイントを失う。また、優待者には50万プライベートポイントが支給され、その所属クラスは50クラスポイントを得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。

 

 なるほどね。これは一癖も二癖もありそうだ。

 二人の様子を窺うと、池くんは必死にプリントと睨めっこしていて、綾瀬さんはもう何も理解できないのか口をポカンと開けながら天井を見上げていた。

 

「50万ポイントって......そんなの一気に大金持ちじゃんか......」

 

「ちなみに結果1になったらなんと優待者には報酬として倍の100万ポイントを支給するよ」

 

「ひゃ、ひゃくまん!?」

 

 100万なんてあったら学年内で誰にも負けない程のプライベートポイントを保有することになる。

 それなら優待者はもちろん、グループ内でも皆で結果1を目指すのがベスト。結果2になってしまっても誰も損はしない。そう思いがちだが、結果3と結果4の存在がそうはさせてくれない。

 ようはこの二つの結果によって『裏切り者』がルールに追加されたってこと。これで試験の内容は一気に豹変した。

 もし自分が優待者です、なんて名乗り出たら我先にプライベートポイント50万ポイントとクラスポイント50ポイントを狙う生徒に標的にされる。24時間解答を受け付ける以上、バカ正直に結果1を狙ったり待ったりなんてことはあり得ない。結果2はやり方次第で狙えるかもしれないけど。

 そして優待者は、自らの勝ちと他クラスを陥れるため、別の人間を優待者に見せかける画策することも考えられる。解答を間違えればペナルティを与えられるわけだしね。

 

「あー......駄目だ、どうすればいいのか全然わかんねぇよぉ......」

 

「......私も......」

 

「もう少し噛み砕いて説明すると、人狼ゲームに近いかな」

 

「じん、ろう......げーむ......?」

 

 首をかしげる綾瀬さん。やったことないみたい。軽井沢さんも言っていたけど、綾瀬さんは常識がない......というよりは知らない、かな?俗に言う世間知らずってやつだ。それも大して親しくない人でも分かるレベルで、だ。

 例えば無人島試験で池くんに野菜とかを見せるときに誰でも分かるであろうものが綾瀬さんは本当に分かっていない、とか。

 

「人狼ゲームか!懐かしいなぁ。あれだよ、『占い師』とか『騎士』とか色んな役割があって『村人陣営』が『人狼』を見つけろってやつ!」

 

「......えーと......」

 

 何度かやったことがあるのか、池くんは少し興奮気味で説明する。しかし、やったことのない綾瀬さんにそんな専門用語ばかりの説明だと理解できない。

 綾瀬さんに説明するなら更に噛み砕く必要があるね。

 

「えっとね、このゲームはまず敵陣営と味方陣営があるんだ。そしてどっちにも勝つためにしなきゃいけないことがあるの。ここまでは大丈夫?」  

 

 少し早いとは思うが一応確認を取る。

 

「......うん」

 

「じゃあ説明を続けるよ。敵陣営は味方陣営のふりをして嘘をついてるの。だから話し合いで一番怪しいって思う人を皆で決めるんだ」

 

 本当ならそこで人を減らしていくと説明したいところだけど、そこは敢えて説明しない。

 

「......敵陣営の人たちも話し合いをする......んだよね?その、嘘をついて味方のふりをしてる、から......」

 

「そう。だから味方陣営はその嘘つきを見つけないといけない。逆に敵陣営は嘘をバレないようにする。そういうゲームなんだ。まあ単純な話にすると、綾瀬さんが味方陣営なら嘘つきを見つけるゲーム。敵陣営なら嘘をつくゲームってことだよ。この人狼ゲームと今回の試験は似てる。優待者っていうのがその嘘つきみたいなものだからね」

 

 本来なら細かいルールや駆け引きがあるけど、そんなものは説明する必要がない。

 今はこの試験と結びつけて試験の内容を理解させることが重要だ。

 

「......おー......私、分かった......松下、頭いいね」

 

 こんなので頭が良いはずがないのにパチパチと拍手を送られてしまった。可愛い......。

 

「松下さんありがと~。先生の仕事取られちゃった」

 

「ごめんなさい。でも私もやったことがあったのでつい。それになんか綾瀬さんを見てると教えたくなっちゃったっていうか、そんな感じがするじゃないですか?」

 

 素直に思ったことを話す。私は特別なことをしたわけじゃない。これで実力が見抜かれるなんてことはないだろう。

 

「分かる~。綾瀬さんには色々教えたくなっちゃうよねー。とにかく、優待者の存在はこの試験の肝。そして各グループ一人だけしかいないんだ。いつでも解答していいから結果3を狙いにいくのもいいし、最後まで待って結果1を狙いにいくのも自由。もし間違えちゃったらペナルティがあるわけだけど、匿名性についても配慮してるから間違えても本人さえ黙っていれば責められる心配はないから安心してね」

 

 その説明に続けて、試験終了時には各グループの結果とクラス単位でのポイント増減のみ発表されることを伝えられた。

 

「君たちは明日から、午後1時、午後8時に指示された部屋に向かってね。当日は部屋の前にそれぞれグループ名の書かれたプレートがかけられているからそれが目印だよ。あ、初めて顔合わせするときは室内で必ず自己紹介してね。室内に入ってから試験時間内の退室は基本的に認められてないからトイレとかはちゃんと済ませておくんだよ」

 

 12のグループで行う試験。つまり12回分の結果があるため、今回の結果次第では、AクラスとDクラスがひっくり返ることになりかねない。まあ、かなり低い確率だけど。

 私は他のグループに関しては深く干渉するつもりはない。というかできない。そういうのは平田くんの役目だ。

 もちろん篠原さんとかに相談はされるだろうけど、大体受け流して終わると思う。今はとにかく自分のグループを優先すべきだ。

 

「それからグループ内の優待者は学校側が公平性を期し、厳正に調整してるよ。優待者に選ばれた、もしくは選ばれなかったに拘わらず変更の要望は一切受け付けてないからね」

 

 厳正に調整してる、か。

 何かが引っかかったけど答えまでは出なかった。

 とにかくこの試験では優待者を見つけ出す過酷な探り合い、騙しあいが求められるってこと。

 参ったなぁ......心理戦には自信があるけどあんまり目立つことを嫌う私には不向きな試験だ。そもそも対話が出来ないとその探り合いの土俵にすら立てないのだから。

 説明を終えた星之宮先生がいなくなった後は、少しの間残された私たちで話し合うことになった。

 

「な、なあ......松下はルール理解できたか?」

 

「うーん......どうだろう。ちょっと不安かも。綾瀬さんは?」

 

 私は大丈夫だけど綾瀬さんはどうなんだろう。

 

「嘘つき、見つける......私が嘘つきだったらバレないようにする......」

 

 さっき私に言われたことを復唱している。なんというか、素直で良い子なんだな。つい頭を撫でたくなってしまう。

 

「もし優待者が分かったとしても相談はしてね?」

 

 綾瀬さんなら心配ないだろうけど一応確認は取ることにした。綾瀬さんは頷く。

 

「俺たちって同じグループだし、とりあえず相談とかしていくようにした方がいいよな......?」

 

「まあそうだね」

 

「もし俺たちの中に優待者が出たらどうするよ......?」

 

「言った方が良いのかってこと?うーん、それは本人次第じゃない?」

 

 私としては名乗り出ない方がいいと思っている。もし仮に私が優待者だったとしたら、綾瀬さんや池くんならそれを無理に隠し通そうとしてボロが出る気がする。

 

「ま、これも何かの縁だし、グループチャットぐらいは作っておこうぜー。何かあったら相談するってことで」

 

「おっけー」

 

「うん」

 

 池くんは頭は悪いけどこういうことは出来る。案外この試験の鍵を握ったりするかもね。ま、それは明日のメンバーを見てから判断しよう。




松下視点オンリーで終わってしまった 

綾瀬メイン回なのに松下に主役を食われそうです。
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