ようこそ理想郷へ   作:ナムさん

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第62話 現状の自分

 いなくなった須藤のことなどお構いなしに競技は進行していく。

 結局200メートル走の時間になっても須藤は帰ってこなかった。

 200メートル走で目立ったことと言えば綾瀬が当然のごとく他者を圧倒的に突き放してゴールしたことぐらいだ。

 これで1年の午前の競技は全て終了。後は2年、3年の200メートル走が終われば昼休みに入る。

 

「いやー終わった終わった。後は推薦競技だけだしもう出番なくなっちまったなー。腹減ったぜ」

 

 午後に出番のない生徒たちからすれば後は見てるだけ。緊張から解放された様子の生徒たちも多い。

 

「お疲れ山内。頑張ったね」

 

「え......ありがとな!綾瀬ちゃんは俺のこと見ててくれたか?」

 

「うん」

 

「あー......それならその、正直に言っちゃうけど、ごめんな。あんまり活躍は出来なかったかもしれない......」

 

「いいの。あなたは本気で頑張っていたから。それだけで、いい」

 

「あの......!ごめんなさい綾瀬さん、須藤くんがいたからあんまり言い出せなかったんだけど、実は私も全然駄目で......」

 

 今度は森が許しを請うように名乗り出る。

 

「大丈夫。あなただけじゃない。皆もそう。本気で頑張れたなら、結果なんて気にしなくてもいいの」

 

「綾瀬ちゃん器が大きすぎるって!」

 

 綾瀬の言葉に感銘を受けたかのようにまた綾瀬を讃え始める生徒たち。

 たとえどんなに結果が悪くても綾瀬なら許してくれる。しかも身体能力が試される場では綾瀬が大体解決してくれる。

 誰も不幸にならない。皆が幸せ、そう見える。

 だが、今のDクラスはかなり危険な構図になりつつある。

 

「綾瀬ちゃんって今のところ全部1位だよね!推薦競技でも全部1位とっちゃおうよ!」

 

「うん。分かった」

 

「さっすが綾瀬ちゃん!頼りになるぜ!」

 

「皆、綾瀬さんだけに頼りきるのは駄目だよ。借り物競争や男女混合二人三脚は綾瀬さんだけ1位でも......」

 

「だーいじょうぶだって平田。俺たちだって本気で頑張ればそこそこいい順位が取れるって。そうすりゃ負けはしないだろ?」

 

 ......まるで危機感がない。

 これも強大な力が引き起こす代償。今のDクラスは綾瀬に依存してしまっている。

 今回は綾瀬が体育祭のリーダーとなったため、綾瀬の身体能力をふんだんに活かしきってしまった。それがこの状況を引き起こしてしまっている。

 

「私たちって今どれぐらい負けてると思う?」

 

「えー?うーん、どうなんだろうね。多分なんとかなってるんじゃない?」

 

「た、多分って......」

 

 そんな会話をしていたのは松下と篠原だ。

 松下は篠原に対して信じられないとでも言いたげな顔をしていたが、篠原は特に気にしていない。

 

「......」

 

 少し気になったが、今は優先するべきことがある。

 オレは堀北の元へ向かった。

 

「堀北。現状をどう思う」

 

 敢えてどの現状かは伝えない。

 

「......現状?それは何を指しているの?」

 

「その問いが出るだけでも及第点はやれるな」

 

「随分上から目線の言い方......と言いたいところだけど、今の私ではそうも言えないわね......」

 

 堀北は自分の足に一度視線を落とした後、綾瀬の方に視線を移した。

 

「女子の団体戦はほぼ彼女一人の力で勝ったと言ってもいい。だけど個人戦でDクラスは確実に負けてるわ。私も見ての通り結果は散々。彼女の足を引っ張ってしまっている......」

 

 悔しそうに唇を噛みながら再び視線を落とした。

 

「その敗因はなんだ?」

 

「参加票が龍園くんに漏れている。あまりにもCクラスに都合が良すぎるもの」

 

 平田が他クラスに漏れないように対策していた以上、それが漏れたのはDクラス内に裏切り者がいるからで間違いない。

 

「他に気付いたことは?」

 

「こちらの戦力が龍園くんに削られている。私もそうだけど、須藤くんもそう。彼は『抜け道』を利用して勝ちにきた」

 

 それこそが龍園の武器。同じ土俵で戦おうとしても堀北ではまず勝てない。

 

「そんな彼でも綾瀬さんのことは徹底的に避けた。彼女には『抜け道』ですらも破壊する力があるから」

 

「須藤やお前にもそんな力があれば狙われることはなかったのかもしれないな。だが話の肝はそこじゃない」

 

「そうね。ないものねだりをしたところで意味がないもの」

 

 そう言いながら堀北は足の痛みに顔を歪めながらも立ち上がる。

 

「今のDクラスは綾瀬さんに頼り切っている。そのせいで綾瀬さんに任せればなんとかなると思っているわ。もしまた同じように身体能力が活かされる試験があって、こんなことが続くならDクラスは────堕落していく」

 

 オレは堀北の発言に驚いた。

 まさか今の堀北がオレの危惧していた事態を同じように想定しているとは思わなかった。 

 なんだか眠ってたばかりの綾瀬を叱る入学当初の堀北を思い出した。

 何でも許してしまう綾瀬に頼り切ってしまうとこのままではDクラスは成長を放棄する危険性がある。まぁ綾瀬の場合は身体能力だけに特化してるだけまだマシだけどな。

 体育祭でリーダーを務めた綾瀬と須藤。ホワイトすぎる環境とブラックすぎる環境。大切なのはバランスだった。今のDクラスにはそれを調整できる人間がいない。

 だが、綾瀬と須藤に最も近い堀北なら可能性はある。

 

「私も自分の力が足りないばかりに彼女一人に頑張らせてしまったわ。お互いに頑張ると誓ったはずなのに」

 

「何をする気だ?」

 

「せめて私に出来ることをしにいくのよ」

 

 オレは道は示さなかった。それでも、堀北は足を引きずりながら歩き出す。 

 それならいい。後は堀北に託すとしよう。

 

 

 

 

 待ちに待った昼休み。

 グラウンドには敷地外から取り寄せた高級弁当が山積みにされていた。

 

「とりあえずどこか場所確保して食べようぜ」

 

 オレたち3人が移動しようとすると、クラス数人の男女を引き連れた平田が現れる。

 

「僕たちも一緒に食べてもいいかな」

 

 池と山内は普段それほど仲良くない平田が声を掛けてきたことに目を丸くしたが、女子と仲良くなる機会をこの2人が逃すわけもなくあっさり受け入れた。

 

「もちろんいいぜ!」

 

「綾瀬さんもおいで~」

 

「......いい。鈴音を探してくる」

 

 綾瀬は弁当には手をつけず、応急処置所の方向へと向かった。

 

「綾瀬ちゃんこないのかー」

 

 綾瀬の不在を惜しむ声もあったが、無理に引き留めても仕方ないのでブルーシートを敷いて食事を始めた。

 やがて弁当を食べ終えたものたちが離れていく中、平田と軽井沢が寄ってくる。

 

「やっぱり龍園くんは動いて来たみたいだね」

 

「それで裏切者って誰なわけ?洋介くんは知ってるの?」

 

 裏切り者のことについては軽井沢と話した。

 

「僕にもいくつか分からないことがあるんだ。その疑問を解消してもらえないかな」 

 

「悪いが裏切者が誰であるかは教えられない」 

 

「はぁ?なんでよ」

 

「今ことを荒げるとクラスが混乱するからだ。裏切者に対しては静かに冷静に対応しないと問題が起きる」

 

「まぁ確かにそうかもね。それとクラスのことだけどさ────」

 

「あー......大事な話してるところ申し訳ないんだけど、私もその話に混ぜてもらってもいい?」

 

 オレたちが話しているところに意外な来客、松下千秋が現れた。

 

「裏切者って聞こえちゃってさ、さすがに気になるから」

 

「待って松下さん。僕たちが話してたのはあくまで可能性の話でまだ確定したわけじゃないんだ」

 

 平田が混乱を避けるために断定は避けたが、松下は特に驚くことはしなかった。

 

「あ、大丈夫。裏切者については一応考えてたから。まさか本当に出るとは思わなかったけど......」

 

「考えてたってどういうこと?」

 

「こっちも色々あってね」

 

 若干の苦笑いを交えながら松下はオレたちが座っていたブルーシートに座った。

 

「先ほどこの2人にも伝えたが、裏切者が誰かについては教えられないぞ」

 

「まぁ......そうだよね。今は混乱を避けるべきだろうし」

 

「あ、そうだ綾小路くん。裏切者が出る可能性があったなら参加票をこっそり調整しなかったのはどうしてなんだい?もしかしたら裏の裏をかくことも出来たかも......」

 

 思い出したかのように口を開いた平田に反論したのは松下だった。

 

「でもそれだと皆が混乱しちゃうよね?それに『参加票』はいつでも確認出来るから変えたとしても無意味なんじゃないかな」

 

 その言葉を聞いて平田がハッとした顔になる。

 

「確かにそうだね......裏切者がDクラスにいる時点で......」

 

「私もなんとか出来ないか考えたんだけどいい案が思いつかなかったんだよね」

 

「......松下さんってこんなキャラだったっけ」

 

 確かに意外に見えるが、オレにはそこまで意外に思わなかった。

 松下千秋はオレと同じタイプ。実力を隠してきた人間なのだろう。

 ここ最近でそれが見え始めてきた。時期的に考えておそらく影響を与えたのは綾瀬か。

 なかなか話の飲み込みが早いのは助かる。だがあと一歩届かずといったところだったか。

 

「やっぱなんとかした方がよくない?こんなの裏切者がいる時点で詰みじゃん」

 

 詰みではない。

 今回の理想としては『参加票』がリークされる可能性を考慮して、クラスで複数の参加票パターンを作っておくことだった。これならば漏洩対策にもなってクラス内からも反発は出ない。

 それと、本当の実力者なら裏切者を利用する発想を手に入れて欲しいところだ。

 

「それにさ、コテンパンにやられてるせいで綾瀬さんが一人で頑張るハメになってんじゃん。もうちょっと何とかしてやんなさいよ」

 

 まさか軽井沢から先ほどの堀北のような発言が出るとは。

 今までのやり取りから見て軽井沢も綾瀬に乗っかると思っていたがそうではないらしい。綾瀬と軽井沢もいまいちよく分からないな。この2人の間には一体何があるんだろうか。

 

「まぁ後は堀北次第だ」

 

「今までの話は全部堀北さんの指示の下、ってことだよね?綾小路くん」

 

「そうだ」

 

 信じてもらえるか分からないが、とりあえず表向きだけでも納得してもらう必要がある。

 

「......」

 

 何も言わずにこちらをジッと見つめる松下。これは誤魔化すのに少々骨が折れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は満足に動かない足を引きずりながら保健室へと向かった。

 まずはこの足をどうにかしなければ何も出来ない。

 目立つことを避けたくて選んだ校内の保健室には先客がいるようで、3つ置かれたベッドのうち2つがカーテンで覆われていた。

 

「先生、足の状態はどうでしょうか」

 

「そうね......これではこれ以上競技を続けるのは難しいわ。推薦競技に出る予定はあるの?」

 

「......この足では足を引っ張るだけなので参加は見送ろうと思います」

 

「それがいいわ」

 

 今のままでは競技で勝ち抜くことは出来ない。それなら少しでもクラスが勝つ可能性を上げるためにも割り切るしかない。

 

「ありがとうございました」

 

 手当を受けた私はお礼を言い保健室を後にした。グラウンドに戻ろうと玄関に向かう。

 外に出ようとしていると、櫛田さんが慌ただしい様子で駆け寄ってきた。

 

「良かった、堀北さんを見つけられて。あのね、少し話があるんだけど......」

 

 櫛田さんは辺りを見回した後、そっと私に耳打ちした。

 

「......あのね、堀北さんと接触して倒れた木下さん大怪我してたみたいなの。それで......その、堀北さんを呼んでほしいって言ってるみたいなんだ」

 

 ......意図的にぶつかってきたというのに大怪我をしていた?

 私は違和感を覚える。

 

「ごめんね、本当なら私も一緒に行ってあげたいんだけどCクラスの子たちにも色々説明してあげないといけないから......」

 

「説明というのは?」

 

「あのね?落ち着いて聞いてね?木下さんは堀北さんが意図的に転ばせたって言ってるみたいなの。他の子たちにもそう言ってるらしいんだ。でも私は堀北さんがそんなことしないって信じてるから誤解は解いてあげたいの」

 

 その言葉を聞いて驚きを隠せなかった。そんなのまるで逆だ。

 

「......彼女は今どこに?」

 

「保健室にいるよ」

 

 一体どういうつもりなのか確かめるために私は再び保健室へと向かった。

 保健室にたどり着くと室内には茶柱先生がいた。

 

「良かったわ。堀北さんとすれ違いになったことを話していたところなの」

 

「一体どういうことなんです?」

 

 先ほど見たカーテンで仕切られたベッドからは女子のすすり泣く声が聞こえる。その声の持ち主はベッドの上で横になっていたCクラスの木下さんだった。茶柱先生はすぐにカーテンを閉めると、一度私を廊下へと呼び出す。

 

「木下は午前の障害物競争の際、接触して転んだ。そのことは覚えているな?」

 

「彼女が私に対して意図的にぶつかったと訴えている件についてでしょうか」

 

「そうだ。よく分かったな」

 

「櫛田さんから聞きましたので」

 

 あのときから私の歯車は狂ってしまった。

 あれはむしろ木下さんがわざとぶつかってきたと言おうとしてやめた。

 私は身体操作のスペシャリストである綾瀬さんに言われてそれを信じただけ。証拠はない。

 それから私が後ろを何度も振り返ったことを言及されたので名前を呼ばれたからだと説明したが効果はなかった。

 

「私を呼んだのが事実の確認のためなら真実をお話しました。私は木下さんを転ばせてなどいません。これから所用がありますので失礼してもよろしいでしょうか」

 

 無実を訴えるのは簡単だけれど時間がかかる。今はこんなことに時間を割いてる場合じゃない。

 

「もろちん私としてもお前を信じてやりたいが、意図的である可能性が排除しきれない以上審議は避けられない。木下もお前を訴えると言って聞かないそうだ。映像や証言を聞く限りでは取り下げることも出来そうにない」

 

 馬鹿げた話だとは思うけれど、覆すことが出来ないのも事実。

 ......仕方ないわね。

 

「木下さんとは話せますか」

 

「よし、少し話を聞いてみるとしよう」

 

 何とか茶柱先生から許諾をもらったところで、廊下の先から足音が聞こえてきた。その人物は一直線に向かって歩いてくる。

 

「随分と大変なことになってるみたいだなぁ」

 

「龍園くん......」

 

 なぜ、彼がここに......?偶然?いいや、そんなのはあり得ない。

 

「木下から相談を受けたんだ。まさかあの事故が意図的だったとはな」

 

 そう言い、保健室に入って木下さんのベッドのカーテンを開いた。私もそれに続くように保健室に入る。

 

「こりゃヒデぇ。よくもまぁこんなことができたてもんだな......」

 

 包帯で巻かれた木下さんの痛々しい左足が見えた。

 

「ごめん......私頑張ろうとしたんだけど......足が言うことを聞かなくなって......それでっ......!」 

 

「自分を責めるな木下。これは鈴音にやられたんだろ?」

 

「冗談はよして。私がそんなことをするとでも?」

 

「現実を見ろよ鈴音。お前より運動の出来る木下は大怪我をしてリタイア。対するお前は負傷したものの競技は続けられた。怪しむなってのは無理な話だ」

 

 確かにそれを言われてしまうとこちらが不利になる。

 だけど、それなら何故木下さんを私にぶつけたのか分からなくなってくる。

 

「あなた......一体何が目的なの......?」

 

「目的?そんなものはない。俺はただ木下の無念を晴らしたいだけだ」

 

「私......許せない......!堀北さんが私には絶対勝たせないって倒れた私に言ったの......それでこんな怪我を......これじゃ陸上の練習だって休まなきゃいけないしっ......!」

 

 反論しようとしたがもはや何を言っても水掛け論にしかならない。

 

「このままじゃ埒があかねぇな。俺も午後の推薦競技があるから早々に切り上げたい。ここは手っ取り早く手打ちにしてやってもいいぜ?」

 

「手打ち?」

 

「木下とCクラスが被る損害を肩代わりしてもらうって話だ。そうだな......100万ポイントを差し出すなら木下に訴えを取り下げさせる」 

 

「バカ言わないで。私はなにもしてないもの。1ポイントも払う必要はないわ」

 

「だったら出るところに出て証明しろ鈴音。白黒はっきりつけようぜ?生徒会長様のジャッジがたのしみだなあ」

 

「っ......」

 

 どうやら私は......蜘蛛の巣にかかってしまったようね......。

 『参加票』のリーク。こちらの戦略を徹底的に削ぐ戦略。そしてこの状況。

 私は龍園くんの作戦に負けた。ここから覆す策など私にはない。

 これは何の事前準備をしてこなかった私のミス。

 もしくは綾瀬さんのような『抜け道』すらも破壊する力があれば────。

 いいえ、それは違う。先ほど自分で言ったばかりじゃない。

 私にも、龍園くんと渡り合える自分だけの武器が必要だった。 

 それは決して一朝一夕では手に入れられない。

 私は......気付くのが遅すぎたのだ。

 

「おいどうするんだ鈴音。お前が木下を意図的に傷付けたと認めるのか?それとも100万ポイントで手打ちするのか?」

 

 龍園くんによって示された2つの道

 本来ならどちらも選ばず、真実を追求するのが正しい。

 だけど、私には選択肢なんて......。

 私が必死に声を絞り出そうとしたそのとき────もう1つ使われていたベッドから聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「─────ふふっ、なんだか面白いことになっていますね」

 

「......あ?」

 

 その声の持ち主はカーテンに手を掛けて開く。

 

「ごきげんよう」  

 

「あなた......なんで......」

 

 現れたのは1年Aクラスの坂柳さん。

 ベットに腰掛けたまま、この場にそぐわない笑顔を浮かべた。

 

「大事なお話の最中に申し訳ありません。私も交ぜていただけないでしょうか」

 

「坂柳。なんでテメェがここにいやがる」

 

「もちろん────『偶然』ですよ」

 

「部外者は引っ込んでろ」

 

「おや?それならあなたも部外者では?これは本人たちで決着を付けるべきことでしょう?」

 

「木下は気が動転してるからそれは無理だ。だから俺が代わりに話を付けてやってんだよ。CクラスでもDクラスでもねぇお前がこの場にいる資格はねぇ」

 

「そんな邪険に扱わないでください。それと残念ながら足が上手く動かなくなってしまってお昼休みになってからずっとここで休んでいたんです。ふふっ、どうやらこの場を離れることは出来ないみたいですね」

 

「ちっ......めんどくせぇ女だぜ......」

 

 何が......起きているの......?

 蜘蛛の巣に絡め取られた私の元に現れた坂柳有栖という少女。

 目的が分からない。本当の偶然?

 私は混乱を隠せないまま、彼女が口を開くのを待った。

 

 

 

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