もしもあのキャラがウマ娘の世界にいたら・・・?   作:龍角散ガム

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止めて、引く




冴羽獠×メジロマックイーン

 

「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・まだまだ・・・・・・ッ!!」

 

芝のターフで美しい芦毛の髪を靡かせ走っているのは『メジロマックイーン』

 

 

メジロ家の最高傑作として名高い彼女は、来たる天皇賞春に向けてトレーニングを行なっている。

 

 

『天皇賞制覇』

 

 

メジロ家の悲願であり、メジロ家の輝かしい栄光と名誉のために彼女は走る。

 

 

現在マックイーンは天皇賞春、天皇賞秋を制覇しており、次の天皇賞春で再び勝利することで『天皇賞春連覇』という偉業を達成することができるのだ。

 

 

「はあっ・・・はあっ・・・トレーナーさん、どうでしたか!?!?」

 

 

走り終えたマックイーンは息を切らしながら自身のトレーナーに尋ねる。

 

 

「・・・・・・ん?あ、ああ!!なんも問題なし完璧バッチグーよ!!」

 

 

「・・・・・・??何か怪しいですわ・・・・・・カメラを見せてくださいませ」

 

 

「あ、ちょっと!!それはっ!!」

 

 

トレーナーの言動に疑問を感じたマックイーンは、自身の走りを確認するために録画をしていたカメラを奪い取る。

 

 

『はあっ・・・・・・!!はあっ・・・・・・!!』

 

 

確かにカメラには走っている姿が録画されていた。

だが、その映像を見たマックイーンの目が鋭くなる。

無意識に手に力が入り、ミシッとカメラから異音が鳴る。

 

 

「これはなんですか・・・・・・??」

 

 

「走っている姿を撮った動画だよ動画!!キミの言われた通り撮影しただけさ!!」

 

 

「確かに私はお願いしました・・・・・・ですが!!映っているのは私ではなくメイショウドトウさんではありませんか!!!!」

 

 

カメラに映っていたのはマックイーンではなくドトウの姿だった。

さらに、映像はメイショウドトウの全体ではなく、彼女の体のある部分がズームされていた。

動画を見たマックイーンは額に青筋を張りながらトレーナーへと詰め寄る。

 

 

「あれ!?ほんと!?僕ちゃん間違えちゃった!!」

 

 

「ならどうして貴方の『ほぅ・・・これは中々・・・』という声が聞こえるんですか・・・・・・????」

 

 

「待て!!それは誤解だ!!弁明をさせてくれ!!」

 

 

「いいでしょう・・・・・・命乞いだけはさせてあげます」

 

 

「命乞いて・・・・・・よく見てみろマックイーン」

 

 

「よく見てみろって、ドトウさんが映っているだけではありませんか。しかも胸を拡大した・・・・・・!!!!」

 

 

声に圧を感じながらもトレーナーは説明を続ける。

 

 

「そうこの胸だ」

 

 

「胸・・・?」

 

 

彼女の胸に何かあるのだろうか?

呼吸の仕方?

肺の動き?

胸の張り方?

 

 

口に手を当てながらマックイーンは映像を注視し考え込む。

 

 

「そう・・・中等部とは思えないこの胸の迫力!!揺れるお山!!6年遅ければ俺の相棒ももっこりしていただろう。まさに驚異的だ・・・・・・ッ!!胸囲だけに・・・・・・ッ!!なんつって!!!!」

 

 

ズドーンとその場に倒れ込むマックイーン。

セクハラと親父ギャグを同時にくらったマックイーンはゆったりと体を起こし、100tと描かれた巨大なハンマーを取り出す。

 

 

「お、おい!!それは香の!?!?」

 

 

トレーナーのパートナーから借りた100tハンマーを振り上げ、トレーナーに狙いを定める。

 

 

「じ、冗談だってマックちゃん!!初心なのね・・・」

 

 

「天誅!!!!」

 

 

「ふんぎゃああああああああ!!!!」

 

 

 

 

###

 

 

 

 

 

天皇賞春当日。

 

 

マックイーンとトレーナーはレース前の作戦会議を行っていた。

 

 

「今回の天皇賞春で脅威になるのはテイオーさんとライスさんですわね。テイオーさんは今までのデータを見る限り3200mを走り切るスタミナがあるとは思えません。ですが、テイオーさんのトレーナーはその部分をカバーしてきているでしょう」

 

 

マックイーンは過去のデータを見ながらトレーナーに話を進める。

 

 

「ライスさんも同様です。彼女のスタミナは目を見張るものがあります。便利屋68の皆さんと学園内を走り回っている中で彼女だけは息を切らさずにいます」

 

 

「それと、この娘にも注意する必要がある」

 

 

補足をするようにトレーナーは資料を取り出す。

 

 

「ミホノブルボンさんですか・・・確かにライスさんのライバルでもある彼女はきっとこの天皇賞春のために特訓を重ねているでしょう」

 

 

トウカイテイオー。

ライスシャワー。

ミホノブルボン。

 

 

G1レースで活躍をしている彼女達にマックイーンはどう対抗すればいいのか。

資料をまじまじと見つめながら、マックイーンは顎に手を乗せ考え込む。

すると、トレーナーはダンッと机を叩きつけながら声を張り上げる。

 

 

「そう、ミホノブルボンの尻だ!!制服の下に隠された未知の領域。トレセン学園内でも引けを取らない巨尻!!そして勝負服によって生み出されるあの食い込m」

 

 

「ふんッ!!!!」

 

 

「ぷぎゃあッ!!」

 

 

100tハンマーをトレーナーに叩きつけたマックイーンはプンプンと怒りながらパドックへと向かう。

 

 

「いってきますわ!!!」

 

 

「い゛、い゙っ゙でら゙っ゙じゃ゙い゙・・・・・・」

 

 

 

 

###

 

 

 

 

パドックでは天皇賞春に出走するウマ娘の紹介が行われていた。

 

 

メジロマックイーンが天皇賞春の連覇を決めるのか。

トウカイテイオーが持ち前のセンスで打ち破るのか。

ライスシャワーが差し込むのか。

ミホノブルボンが逃げ切るのか。

 

 

レース史に歴史を残すであろうこの天皇賞春を前にファン達のテンションは最高潮へと達していた。

 

 

だがその中で1人、異様な雰囲気でパドックを見つめる男性がいた。

男はフードを被り、ぶつぶつの何かを呟きながらパドックを睨みつける。

 

 

『続いては1番人気。メジロマックイーン選手!!』

 

 

マックイーンの紹介に移るとファン達は歓喜をあげた。

それと同時に男の目つきが鋭くなる。

親の仇を見るかのようにマックイーンを睨む男はポケットに手を突っ込みぶつぶつと呟く。

 

 

「なにがメジロだ・・・なにが名優だ・・・!!この俺を見下しやがって・・・・・・ッ!!」

 

 

男が取り出したのは何本もコードが繋がっている長方形型の箱。

爆弾である。

周りの人たちはマックイーンの登場に気を取られているため、男の行動に気が付かなかった。

 

 

「これで・・・・・・全部吹き飛ばしてやる・・・・・・ッ!!!!」

 

 

ギリッと歯を食いしばり、爆弾をマックイーンへと投げつけよう構える。

だが・・・

 

 

「ッッッッ!!!!!」ゾクッ!!!

 

 

突如体が芯から震え上がり、その場で固まった。

 

 

(なんだ・・・・・・この感覚はッ・・・・・・!!)

 

 

 

背中に銃を突きつけられているような、心臓を握られているような感覚。

蛇に睨まれた蛙のように固まる男は、ドクンドクンと心臓の鼓動が速くなるのを感じ汗をながす。

 

 

「ッ!!!」

 

 

男は爆弾をポケットへとしまい、背後を振り返る。

だが、そこにいるのはマックイーンに夢中になっているファンだけだった。

 

 

「クソッ!!!」

 

 

このままだとまずい。

そう感じた男はファン達を押し除けその場から逃げ出すのであった。

 

 

 

 

###

 

 

 

 

「はあっ!!はあっ!!なんなんださっきのは!!」

 

 

 

レース場から少し離れた路地裏で男は息を荒げながら悪態をついていた。

近くのゴミ箱を蹴り飛ばすが男の怒りは収まらない。

 

 

「畜生!!俺の計画が!!クソッ!!クソがッ!!」

 

 

「年貢の納め時だな、坊主」

 

 

「っ!!誰だ!!」

 

 

男が振り返るとそこには赤のシャツに青いジャケット、パーマがかかった無造作ヘアの男性が男を睨みつけていた。

 

 

「お前はっ!!メジロマックイーンのトレーナー!!」

 

 

ジーンズのポケットに手を入れながらコツンコツンと靴音を立て男へと近づくトレーナー。

 

 

「神聖なレースを汚そうとしたその罪。神様に代わって俺が裁いてやる」

 

 

「うるせぇ!!メジロマックイーンが悪いんだ!!あいつが黙って俺の担当になっていれば!!俺のッ・・・・・・僕の名誉を踏みにじりやがって!!あいつのせいで僕は担当を見つけることができずトレセン学園をクビになったんだ!!」

 

 

癇癪を起こす子供のように床を踏みつけながら男は続ける。

 

 

「僕を誰だと思っている!!僕は名家出身だぞ!!僕を!!僕をッ!!!」

 

 

「ふん・・・やっぱ金持ちのガキにはろくな奴がいねぇな・・・」

 

 

「なんだとッ!?!?」

 

 

「お前みたいなケツの青いクソガキにマックイーンの・・・いや、ウマ娘たちのトレーナーは務まらねぇつったんだよ」

 

 

「馬鹿にしやがってッ!!死ねッ!!」

 

 

男が爆弾を取り出しトレーナーへと投げつける。

それと同時にトレーナーは懐から愛銃の『コルトパイソン357マグナム』を取り出しトリガーを引いた。

 

 

放たれた銃弾は爆弾の角を弾いた後、男の頬を擦り抜ける。

そして上へと弾かれた爆弾に狙いを定めたトレーナーはさらにトリガーを引き爆弾を撃ち抜いた。

 

 

銃弾を受けた爆弾は空中で爆散。

轟音と共に爆風が巻き起こり辺りのゴミ箱が吹き飛ぶ。

爆風が収まると、男は頬から血を流しながらペタンとその場で倒れ込む。

男が真下に水溜りを作り上げていく中、路地裏の入り口から人の足音が近づいてくる。

 

 

「いたぞ!!捕まえろ!!」

 

 

駆けつけたのはメジロ家の使用人達だった。

使用人達は倒れ込む男の腕を掴み手錠をかける。

使用人達に連れてかれる男を見送りながら、トレーナーはレース会場へと戻るのだった。

 

 

 

 

###

 

 

 

 

レース会場に着くと既に天皇賞春はスタートしており、ウマ娘達が己の全身全霊をかけて競い合っていた。

 

 

すると、トレーナーのスマホに着信が入る。

電話の主を確認したトレーナーは着信ボタンを押し電話に出た。

 

 

「よう、婆さん。男はちゃんと確保したかい?」

 

 

『ええ、例の男はしっかりとメジロ家の方で対処します。流石はプロのスイーパー、『シティーハンター』ですね』

 

 

「ふっ・・・今はただのトレーナーさ」

 

 

『あら、そうでしたね』

 

 

電話越しに老婦の笑い声を聞きながらトレーナーはレース場を見渡す。

 

 

『それで、報酬は例の口座に振り込む形でよろしいですか?』

 

 

「いらねぇよ」

 

 

『・・・・・・何故ですか?貴方に報酬を払わないと我々メジロ家としての顔が・・・』

 

 

「報酬ならもう貰ってる」

 

 

『・・・・・・一体何を』

 

 

 

 

すると、老婦の声を遮るように会場が歓喜で溢れ、実況の声が会場内に響き渡る。

 

 

 

 

《勝ったのはメジロマックイーンッ!!!!!見事、天皇賞春を連覇しましたッ!!!!》

 

 

 

 

 

「金では手に入らないとびっきりの報酬をな・・・・・・」

 

 

 

 

 




メジロマックイーンのヒミツ①
・100tハンマーを振り回すことができる。

メジロマックイーンのヒミツ②
・自身のトレーナーのパートナーに毎日何かを報告しているらしい。
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