もしもあのキャラがウマ娘の世界にいたら・・・? 作:龍角散ガム
時刻は夕方。
温かい夕陽が生徒達を包むこの時間にタイヤを背負いランニングをする2人組がいた。
「よし、残り10周だ!気合い入れていけ!」
「分かった!よーし頑張るぞー!」
『ハルウララ』
ピンクの髪と桜の瞳が特徴のウマ娘である。
彼女の持ち前の元気で明るい性格は周りのウマ娘に良い影響を与えている。
しかし、その性格とは裏腹にレースでは全くと言っていい程良い結果を残しておらず、メイクデビューを果たしてから一度も勝利を手にしたことがない。
そんな彼女とトレーニングを行っている男の名前は円堂守。オレンジのバンダナとそばかすが特徴の彼は、彼女を勝利へと導くために毎日共に特訓を重ねていた。
「ハァ・・・ハァ・・・!!これで最後だよッ!」
「よくやったウララ!タイムが昨日より10秒も縮まったぞ!」
「やっ・・・たぁ!」
ぜいぜいと息を切らし地面に横たわりながらも喜びの声を上げるハルウララ。
円堂はウララを労をねぎらうようにタオルとドリンクを差し出す。
少し休憩したら再び特訓を開始すると伝えた円堂は、背負っていたタイヤを近くの木にロープで吊るし、次の特訓の準備をしていた。
しかし、息を整えたハルウララは円堂の背中を見つめながら、彼女らしくない弱々しい声で円堂へと問いかけた。
「ウララ、本当にレースで勝てるのかなぁ・・・」
どんなに特訓を重ねてもレースで1位どころか掲示板入りすらできない現実にハルウララは打ちひしがれていた。
「・・・ウララはレースが嫌いになったのか?」
「そんなことないよ!!走っていると胸がワクワクしてうらら〜ってなるんだ!!」
でも・・・と活力のない声で話を続ける。
「みんなはいつもレースで勝った時の話をしてるんだ。ウララもみんなと話したいのについていけない・・・勿論トレーナーが駄目って言いたいわけじゃないよ?トレーナーはいつもウララのためにトレーニングを考えてくれてるし、とっても楽しいの!!だけど、どんなに頑張ってもウララはレースで勝てない。それが悲しくて・・・」
「トレーナーに迷惑かけてるんじゃないかって思って・・・」
お世話になったトレーナーに対して何もできていない。
そんな自身の不甲斐なさが彼女を追い詰めていたのだ。
ウララの本音を聞いた円堂は、特訓の準備を止めポンとウララの頭に優しく手を乗せた。
「別にウララが気にすることじゃない。俺のためじゃなくて自分のために頑張らないと」
「でも・・・」
「・・・・・・ウララの気持ちは俺もよく分かる。どんなに頑張っても、どんなに努力しても次々と強大な壁が現れてくる。どうしようもなく感じるよな?でも、自分の大好きなものに嘘をついちゃ駄目だ!!」
ウララの肩に手を置き、真剣な眼差しでウララと目を合わせる。
「形はどうだっていい、気持ちで負けるな!昨日の自分を超えていけ!辛いなら、辛いごと楽しめばいいんだ!」
「辛いごと楽しむ・・・?」
「そうだ、無駄な努力なんてない!精一杯の努力は、諦めない心はでっかい実を結ぶ!だから諦めないで一緒に頑張ろうぜ」
「・・・・・・うん、そうだね。トレーナーの言う通りだ。ウララ、諦めないよ!!」
「よし、その意気だ!!」
円堂の励ましにより、再び彼女らしさを取り戻したハルウララ。
その表情は今まで以上にやる気に満ち溢れ、とても眩しいものであった。
「やっぱトレーナーはすごいね!!暗い気持ちも一瞬でうららーって気持ちにしてくれた!!」
「そんなことないさ。ウララ自身が凄いんだよ。よし、じゃあ特訓再開だ!!」
「サッカーやろうぜ!!」
「えぇー!?サッカーはやらないよ!?」
「あはは、間違えた・・・いつもの癖でつい・・・」
近い未来、ハルウララはG1レースで勝利を獲得する。
「高知のアイドルウマ娘」と新聞の一面記事に掲載される彼女の頭には、担当トレーナーと同じオレンジ色のバンダナが巻かれてる。
そして、満開の桜のような笑顔でピースをする彼女の写真は日本中を笑顔にするのだった。
ハルウララのヒミツ①
・担当トレーナーが持ってくるおにぎりが大好物。正直、味は美味しくない、というより不味い。だが、愛情がたっぷり込められているおにぎりが毎日の楽しみなんだとか。
ハルウララのヒミツ②
・サッカーをやる時のポジションはキーパー。高知のアイドルウマ娘に加え、トレセン学園の守護神という二つ名があるらしい。